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2013-10

(祝)滋賀県朽木トチノキ訴訟が和解 10月24日、熊森が正式に巨木群を買い取りました

熊森初めての裁判でした。

 

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<本日、巨木群を買い取ったことを記者会見するメンバー>(10月24日滋賀県弁護士会館)

写真左から、室谷熊森副会長、石田滋賀県弁護士、村上熊森滋賀県支部長、巨木と水源の森を守る会の小松事務局長

 

わたしたちは滋賀県高島市朽木地区で、樹齢200年~400年というトチノキ巨木群が伐採されていることを見つけて以来、複数の裁判を起こすなどして、伐 採業者に伐採中止を求めてきました。そして、平成25年7月1日、伐採業者が、前巨木所有者に対し、巨木の所有権の確認を求めて提起した裁判(平成23年(わ)第821号所有権確認等請求事件)の中で、わたしたち一般財団法人日本熊森協会が巨木48本の所有権を買い取れば伐採を中止するという合意が成立しました。

 
  わたしたちは、買取り資金を集めるため、「びわこ水源の森・巨木トラスト基金」を立ち上げ、寄付を募りました。その結果、全国からのたくさんの方々のご支援・ご協力を得て、約1月半の間に目標額の960万円を超える1016万7920円の寄付が集まり、巨木の買取りができることになりました。寄付をしてくださった方の総数は800名を超えます。ご協力いただいた全てみなさまに感謝申し上げます。
 
 本日の裁判期日において、伐採業者と合意書を交わし、巨木の所有権を譲り受けました。
 数百年・数千年の自然の営みと地域文化の中で守られてきた巨木の森を、たくさんの人々の力により守ることができたことを誇りに思います。今後も、地元の団体である「巨木と水源の郷を守る会」と「熊森滋賀県支部」が協力しながら、

次世代のためにもこの豊かな水源の森を未来永劫に守っていかなければならないと決意しています
 今回の、びわこ水源の森巨木トラスト成功をはずみとして、水源の森の巨木群を

守る運動を全国に広げていきたいですマスコミ掲載記事はこちら

 

裁判長をはじめ裁判所の皆さん、一生懸命動いてくださった滋賀県の弁護士の先生方、応援してくださった多くのみなさん、和解に応じてくださった業者さ ん・・・みなさんのおかげで、無事、巨木群を永久保全することができました。これでまた、市民団体の力で新たな森が守れたことになります。みなさん、本当 にありがとうございました。

 

 

10月22日 樹齢数百年、トチノキ残った…保護団体買い取り(読売新聞)

滋賀県高島市の安曇(あど)川流域に広が るトチノキ巨木群の伐採の是非を巡って争われている訴訟があり、自然保護団体が、訴訟当事者の木材業者から樹齢200~400年の48本を買い取ることで 和解する見通しとなった。県によると、このトチノキの巨木群は西日本最大級。同団体は「豊かな自然の象徴であり、伐採されれば琵琶湖への水量減少や土砂流 出につながる恐れもある」として寄付を募り、地元住民や全国から約1000万円が集まった。

訴訟記録などによると、巨木群はもともと地権者の6人が所有。業者から「樹齢200年を超えると腐食したり、実をつけなくなったりする」などと説明され、2007~10年、計約110本を1本あたり10万~5万円で売却した。

伐採目的で業者が購入したトチノキの巨木群の一本。推定樹齢400年といわれる(中央、高村洋司さん提供)=滋賀県高島市朽木地区で

 

その後、約60本が伐採されたことを知った自然保護団体「日本熊森(くまもり)協会」(兵庫県西宮市)が、地元住民らと保護運動を開始。地権者の6人も「自然保護上の価値を知らされておらず、売買契約は無効」と主張、住民らと「巨木と水源の(さと)をまもる会」を結成して業者側に伐採中止を求めた。これに対し、業者は11年10月、トチノキの所有権確認を求めて大津地裁に提訴した。

伐採されずに残っている巨木は48本あり、同地裁での協議の結果、今年7月、同協会が買い取ることで仮合意。基金を設けて寄付を呼びかけたところ、必要な約960万円を超える約1000万円が集まった。

訴訟は24日に和解する見込み。業者は取材に「伐採のために手配したヘリコプター代なども含めた金額だと理解している」とし、まもる会の青木繁会長(61)(高島市)は「トチノキを地域の宝として守っていきたい」と話している。

まもる会によると、安曇川流域には約400本のトチノキの巨木が見つかっており、うち134本について、山林所有者と県などが11年10月以降、 伐採や伐採目的の売却などを禁ずる5年間の協定を順次締結。県は所有者に保全協力費を交付するなど、保護に向けた取り組みを後押ししている。
トチノキ 広葉樹で、幹回りが3メートル以上あれば巨木と呼ばれる。根を大きく張り、保水力があることから水源を守ることで知られ、実は「とち餅」の原料になる。近年は高級住宅の内装材用などとして、巨木が高値で取引されているという。

(2013年10月22日  読売新聞)

シカやイノシシの農業被害等問題について、大量捕殺対応の議論ばかり・・・環境省中央環境審議会

この大地は、人間だけのものではありません。多くの野生鳥獣もこの国の国民であり、この国で生きていく権利を有しています。ーー野生鳥獣との共存をめざさなければ、私たち人間も生き残れないーーこれが自然界の仕組みです。

 

よって、野生鳥獣問題は、まず、生息地保証や、被害防除など、非捕殺対応から話し合われるべきなのに、わたしたちの環境省の審議内容は、シカやイノシシを一方的に有害視し、いかにして彼らを大量に殺すかばかりに議論が集中しています。

 

膨大な内容ではありますが、みなさんに、環境省中央環境審議会の議事や議事録を読んでいただき、このようなところで、どのような議論が進行しているか、まず、知っていただきたいです。

 

次回の第6回会議は、11月6日(水)9:30~12:30環境省19F第2・3会議室で、傍聴可能です。傍聴希望者は、10月28日以降、環境省HPから申し込んでください。

 

平成25年度  環境省中央環境審議会 自然環境部会鳥獣保護管理のあり方検討小委員会

H25.09.10 鳥獣保護管理のあり方検討小委員会( 第5回)

議事次第・資料

H25.08.07 鳥獣保護管理のあり方検討小委員会( 第4回)

議事録議事次第・資料

H25.06.28 鳥獣保護管理のあり方検討小委員会( 第3回)
議事録議事次第・資料

H25.06.10 鳥獣保護管理のあり方検討小委員会( 第2回)
議事録議事次第・資料

 

H25.05.13 鳥獣保護管理のあり方検討小委員会( 第1回)
議事録議事次第・資料

環境省中央環境審議会 自然環境部会鳥獣保護管理のあり方検討小委員会委員一覧表

○印は委員長

【臨時委員】
氏名 職名
石井 信夫 東京女子大学現代教養学部教授
尾崎 清明 (公財)山階鳥類研究所副所長
小泉  透 (独)森林総合研究所研究コーディネータ
染  英昭
(土壌農薬部会)
(公社)大日本農会会長、(公財)中央果実協会副理事長
高橋  徹 (一社)大日本猟友会総務委員会委員長代理

 

【専門委員】
氏名 職名
磯部  力 國學院大學法科大学院教授
坂田 宏志 兵庫県立大学自然・環境科学研究所准教授
(兵庫県森林動物研究センター主任研究員)
汐見 明男 全国町村会政務調査会財政委員会委員長(京都府井手町長)
羽山 伸一 日本獣医生命科学大学獣医学部教授
福田 珠子 全国林業研究グループ連絡協議会副会長
三浦 愼悟 早稲田大学人間科学学術院教授

 

中国の水問題、さらに深刻化 

熊森顧問、橋本淳司先生からの情報です。

出展「All dried up」 (「The Economist」2013年10月12日)
より

中国北部の水不足、水汚染の危機的状況、さらに中国政府の
政策が状況をさらに悪化させていることを伝えるニュースで
す。

まず、中国の水は偏在しています。

水の5分の4は南(特に長江流域)にありますが、人口の半分、
農地の3分の2は北(黄河流域を含む)にあります。

中国人の年間1人当たり水使用量は100立法メートル(※日
本人は約110立法メートル 1日300リットル×365日=109500
リットル)ですが、その需要量は供給量をはるかに超えてい
ます。

そのため、主要都市の地下水面は1970年代以来約300メート
ル低下し、河川の本数は、1950年代の50000本から23000本
に減りました。

産業の発展にともなう水汚染も深刻です。

2007年、黄河管理委員会は、黄河およびその支流を調査し
ましたが、3分の1の水が農業にさえ適さないと結論を下し
ました。

土地省によれば、北部の地下水の半分以上は産業に使用す
ることができません。

さらに中国政府のエネルギー政策が、水の状況を悪化させ
ています。

中国は、シェール・ガス革命を推進しようとしています。

シェール・ガスは水圧破砕法という安価な方法で採取でき
ます。

水圧破砕法とは地下2000~4000メートルにある頁岩層に水
を高圧で注入して亀裂を作り、天然ガスを回収する方法で
すが、このために大量の水を必要とし、さらなる地下水汚
染も懸念されています。

また、新しい石炭火力発電所を450機建設する計画があり
ますが、石炭洗浄や設備の冷却にも水が必要です。

中国にはこうした水はありません。

中国国内では水使用の効率化や下水処理施設の整備などが
求められています。

南水北調(南の水を北へ運ぶ)計画といって長江の水を3
つのルートで北へ運ぶ工事が進んでいますが、膨大なコス
トがかかり、海水を淡水化するほうが安いという声も上が
っています。

こうしたことから「中国政府の政策がいっそう水環境を悪
くする」と結論づけています。

以上。

秋田県八幡平熊牧場に残されたヒグマたちの、阿仁熊牧場への移送準備

北秋田市の阿仁熊牧場隣に、今、新ヒグマ園の建設が急ピッチで進められています。建物部分は、ヒグマたちの個室や展示場の部分です。

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この度、早々と、ヒグマ移送用檻が完成しました。移送中に、万一の事故が起きないように、また、ヒグマたちが少しでも安心感を持って移動できるように、4面を鉄板で囲ってあります。特注なので、2個で約90万円もかかりました。

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また、移送時の3トントラックのスノータイヤ代なども、高いものですが、いずれも、八幡平熊牧場クマ基金から出させていただきました。

 

そもそも、八幡平熊牧場に残されたクマたちの終生保護飼育を願って集めた基金ですから、終生保護飼育に向かって使わせていただくことには、寄付してくださったみなさまにも、納得していただけるだろうと思っています。

 

移送は11月末から12月にかけて、行われる予定です。

 

現在残された19頭のヒグマは、飼育員さんたちの愛情に包まれて、元気に暮らしています。

 

この、平成の、大切なのは人間の命だけというせちがらい世の中で、秋田県の方々によって、経営破たんした熊牧場のクマたちが、全頭終生保護飼育される方向に進んでいるという、心温まる実話を、どなたか本にして、日本中、いや世界中に発信していただきたいと願う、今日この頃です。

秋田のみなさまの生き物達に対する優しさに、常日頃より感謝すると共に、敬服致しております。

 

10月14日 くまもり本部、第2回国有林間伐実施

●秋晴れの中、第2回国有林間伐を実施しました。

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またこの日、別の山にある、くまもり植樹地に設置したパッチディフェンス(小区画シカよけネット)内に、ブナなどの稚樹を植林しました。

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10月13日 関東支部例会

東京都中央区で開かれた関東支部例会に、会長と副会長が出席しました。33名の東京都会員が集まってくださいました。

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まず、会長が、どのようにして兵庫県で組織を作っていったか、副会長が、石川県支部と滋賀県支部を例に、どのようにして他の支部が本部と連携を取りながら活動を展開していっているかなど話しました。みなさん、大変興味深く聞いてくださいました。

 

休憩をはさんで、後半は、これからの支部活動について、出席者からの自由発言会となりました。

 

とても前向きで、いい会になったと思います。

次回の会報で、この時に出た意見などを会員のみなさんにお伝えできたらと思っています。

 

尚、次回支部例会は、11月3日(日)13時~16時 です。場所は、生涯学習センターバルーン202号室

(JR新橋駅烏森口下車徒歩1分)。奮ってご参加ください。

お手伝いください!会報77号発送ボランティア募集

いつもありがとうございます。秋晴れの心地よい季節となりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、会報(くまもり通信77号9月30日発行)の発送作業が、10月10日(木)から始まります。宛名シール貼り、封入等の作業で大忙しになります。

お手伝いいただける方は是非ご参加ください。ご都合の良い日で、数時間だけでも歓迎です。

可能な方は事前にご連絡いただけますと幸いです。

みなさまお忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

作業日程:

10月10日(木)~12日(土)の3日間

10時~18時でご都合のよい時間帯

於:くまもり本部事務所3階

 

9月29日 秋風の中、第1回国有林間伐無事終了

さわやかなお天気に恵まれました。

今回、熊森本部から参加したのは、チェンソー隊9名と、のこぎり隊3名です。間伐中の事故で多いのは、倒れてきた木の下敷きになることです。絶対無事故をめざして、間伐は、リーダーが常時、全体の動き把握できるような少人数で、毎回実施しています。

山の神様に安全を願う

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山に入る

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兵庫森林管理署の皆さんが3名、お忙しい中、来てくださいました。本当にありがとうございました。

ご挨拶してくださった次長さん

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防護服を身に着け、間伐開始へ

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ヒノキの人工林は、スギのように枝が自然落下していないため、思った以上に掛かり木が続出して、間伐に手間取りました。

森林管理署の方が、掛かり木処理のロープ引きを手伝ってくださる一幕も。

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1本倒した後、空を見上げると・・・空間が出現

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斜面の下の方では、林業従事経験者2名がどんどんと自分たちだけで伐倒していきます。

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このあたりは、少し空間ができました。

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森林管理署の方にも入ってもらって、記念撮影

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参加くださったみなさん、応援していてくださっていたみなさん、本当にありがとうございました。

 

帰途につくため、駐車場所まで行って、初めてじっくりと下界を見おろしてみました。

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びっくりしました。どこまでも見渡す限りの人工林が広がっていました。この町の人工林率83%を実感しました。わたしたちが間伐したところに下草が生えてくれることを願って、下山しました。

殺さない解決法をめざす地元でのクマ保護活動

殺さないでクマ問題を解決できれば、それに越したことはありません。

家の周辺にクマが出たという地元情報を得て、本部職員らが何回かそこの家の人を訪れてお話をお聞きしたり、周辺状況を調査したり、ある時は畑の作物の収穫を手伝ったりさせていただきました。地元の会員も、その家を訪れていろいろと対策を考えてくださいました。

 

民家の周辺

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写真の手前が住居になります。午前9時半にクマが、この道を歩いて行ったそうです。こんなことは初めてだそうで、家の人はまたクマが出て来るのではないかと心配されていました。当分、早朝や夕方以降は、家から出られない方がいいと思いました。

 

玄関先の小さな柿の木にクマが登ったようで、枝が大きく折れていました。柿の木にはまだ少し実が残っていました。この柿の木を伐ってしまえばいいという声もありましたが、住民の方と話し合って、とりあえず、熊森が、残された実を全部取らせていただきました。

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玄関近くの折れた柿の木

 

本当に、クマは柿が好きなようです。

ある方が、昔、山には柿の木やクリの木がたくさんあったが、今は、スギや竹ばっかりになってしまったから、クマが里まで出て来るんじゃないかと言われていました。野生の柿はどれも巨木で、実は小さいが、びっしりなっていたということです。

 

スギと竹で埋まっている周辺の山々

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民家の前にクマが出て来るのはいけないとしても、山の中に実のなる木をもう一度人間が植えてやることも必要だと思います。熊森は買い取った山などに柿などを植え続けていますが、もっともっと大きな流れを早急に作っていかないと、クマ問題の解決に追いつかないような気がします。がんばります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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