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2017-11-12
今年の兵庫県クマ生息地の集落は、静かな秋です
- 2017-11-12 (日)
- くまもりNEWS
兵庫県の今年7月末までのクマ目撃数+痕跡数は、過去最高の308件(ダブルカウントされたクマも多いと考えられる)でした。
どんな年になるのかと心配していましたが、8月からは目撃数がぐんと減り始めました。
<目撃数の変化>
4月22頭→ 5月80頭→6月 117頭 →7月89頭 →8月61頭 →9月54頭 →10月27頭
10月の有害捕殺数はゼロ、誤捕獲されたクマもたった3頭だけでした。
11月になってクマ生息地の集落を回ったところ、秋になってクマを見かけなくなったとみなさんが言われていました。
今年は山の実りが良いからです。
兵庫県森林動物研究センター調査
・・・ ブナ並上、ミズナラ豊作、コナラ豊作
熊森調査(クマ生息地のみ)
・・・ ブナ並下、ミズナラ並、コナラ並上
10月下旬に、クマ生息地を回った時の写真です。
ミズナラの木の下にたくさん落ちていたドングリ
拡大写真です。
ミズナラはナラ枯れで、近年、大量に木が消失しました。
しかし、残されたミズナラの実りが良いと、もうクマは里に出てきません。
クマは人間をなめて出て来るとか、里の味をしめて出て来るとかいう説は、どうなるのでしょうか。
これまで熊森は兵庫県に対して、里でのクマ目撃数やクマ捕獲数ばかりカウントしていないで、奥山にクマがいるかどうかも調べるべきだと訴えてきました。
兵庫県は、調べてみますと約束してくれました。
11月、地元集落のお祭りに呼んでいただいたおり、少し早めに行って近くの山を歩いてみました。
山の中に、兵庫県森林動物研究センターが仕掛けたドラム缶型クマ捕獲罠がありました。
いわゆる、学術捕獲です。
以前、クマ捕獲用ドラム缶檻は緑色と決まっていましたが、今回のは下草が消えた兵庫県の自然林の林床の色に合わせたのか、茶色基調でした。
ふたが落ちていたので、あわてて兵庫県森林動物研究センターに連絡しました。すでに調査済みで、誤作動でふたが落ちたと言われたので、ほっとしました。
最近は何でもどんどんハイテクになっていき、ふたが落ちるとセンター内にいてもすぐにわかるようになっているそうです。
奥山のクマを調べてくれるのはありがたいのですが、痕跡や自動撮影カメラなど、熊森がしているようにクマに負担を掛けない調査をお願いしたいです。
罠にかかったクマは、全身麻酔をかけられ、歯を1本抜かれ、発信機を付けられて調査放獣されると思います。
クマからすれば、どんなに怖いことか、クマがかわいそうになりました。
みなさんはどう思われますか。
集落のお祭りでは、地元のリーダーの方から、「うちは、これからも熊森さんと協力してやっていきたい」と、紹介していただきました。うれしかったです。
クマが出てきたら追い払うとか、草刈りを手伝うとか、地元の皆さんに喜んでいただけることを、今後もしていきたいと思いました。
もちろん根本解決は、奥山の広葉樹林化です。
11月10日 色んな秋、みーつけた!秋のお山で園児に本部環境教育
- 2017-11-12 (日)
- _環境教育
自然を知るのに、早すぎることはありません。
むしろ、子どもたちの観察眼や感性の豊かさには、いつも驚かされます。
くまもり本部環境教育部は、保育園から依頼を受け、3~5歳児さん約40名と、神戸市東灘区にある保久良山に出かけました。
こちらの園では、年に何度も園児たちを保久良山に連れて行きます。
季節の移ろいを感じることができる、素敵な取り組みだと思います。
熊森は、今年春にも、園児たちの散策に同行させていただきました。
この日は雲一つない快晴。
優しい日差しが心地良い、絶好のピクニック日和でした。
木々がところどころ紅葉していて、
足元は、落ち葉でできたカラフルなふかふか絨毯。
秋ならではの色に溢れた山です。
園児たちには「秋の色さがし」に挑戦してもらいました。
中には、お気に入りの葉っぱを集める子も。
まるで、宝探しのようです。
見つけては、楽しそうに教えてくれました。
咲いている花の違いや木の実の有無など、
春との違いを発見する子もいました。
途中、葉書きの語源となったタラヨウの木があり、下には大きな葉がたくさん落ちていました。
落ち葉を拾って、みんなでお手紙を書いてみました。
頂上でお昼ご飯を食べていると、ヒヨドリたちも実をついばみにやってきました。
野生の鳥たちと一緒にお食事できるのは、フィールド学習の特権ですね。
昼食の後は、自由時間。鳴く虫を探してみたり、木に登ってみたり。
落ち葉を集めて、トランポリンをする子も。
みんな、全身をフルに使って、秋の自然を楽しんでいました。
園児たちは、様々な自然の姿に興味津々で、
色とりどりの葉、大小様々な木の実、
変わったにおいの草、にぎやかな鳥の声。
自然の面白さを全身で感じている様子が伝わってきました。
いろいろな生きものたちがいるのが自然であり、
みんな命があって、みんなつながって生きている
これからも、目で、耳で、鼻で、全身の感覚で、
自然の素晴らしさや愛しさを知ってもらえたらと願っています。(SY)