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2017-12

今年最後の仕事、発砲禁止の幕を外してきました

温暖と言われる瀬戸内式気候に属する西宮市ですが、今年の冬はかなり寒いです。

今年最後の仕事として、兵庫県北部但馬地方に設置していた発砲禁止の幕を外しに行きました。

福知山までは雪があまりありませんでした。

しかし、トンネルを出て、但馬地方に入った瞬間、信じられないような積雪でした。

発砲禁止のこの幕が、何頭かの野生動物たちの命を救ってくれたでしょうか。

人間と違って、あたたかい家も食べ物もない野生動物たちにとって、冬は本当に厳しい季節です。

このきびしい自然界のなかで、人間のお世話になど一切ならず生き抜いている野生動物たちに、思わずエールを送りたくなりました。

いろんな考えがあっていいとは思いますが、スポーツやレジャーで野生動物たちを殺すことはもちろん、人間が勝手に決めた生息数にするために彼らの国である山の中まで人が入りこんで野生動物を殺す、これはあってはならぬことだと思います。

 

くまもりは来年も、自然や野生生物に畏敬の念を持って共存する日本文化を取り戻すためにがんばります。

 

今年も1年間、ありがとうございました。

 

良いお年をお迎えください。

日本熊森協会は、1月4日が仕事始めとなっております。

 

 

12月28日 3頭はいつ冬ごもりにはいるのか  太郎・花子・とよ

和歌山経済新聞によると、和歌山城公園の動物園園長であるツキノワグマのベニーが、日中最高気温8度の12月28日、冬籠りに入りました。

 

以下は、くまもりのクマたちの近況です。

 

太郎と花子(和歌山県生石高原)

 

愛知県の会員から、持って遊べるようにと、どっしりとした真新しいアカシアの丸太がプレゼントされました。

12月24日、お世話隊が、その丸太の上に、ノイバラの赤い実が付いたクリスマスのきれいな手作りリースを飾ってあげました。

さかんに匂いをかいでいる太郎

 

太郎は飾りには関心がなかったようで、すぐにリースをバラバラにしてしまいました。

和歌山県生まれの太郎は、冬ごもりをしません。

クヌギ、アベマキのドングリを食べます。

大好きな食べ物は、殻つきピーナツとクルミです。

 

花子は、最後の食い込みでしょうか、12月末というのに、まだドングリを食べ続けています。どうも、今年の秋に与えたドングリの量が足りなかったようです。

アカシアの丸太の周りの殻は、花子が食べたドングリの殻です。

花子はクヌギやアベマキはもちろん、マテバシイ、シリブカガシ、アラカシなど、常緑のドングリでも喜んで食べます。

クリスマスリースの横で、洋ナシをほおばる花子

 

長野生まれの花子は、そろそろ冬ごもりに入ると思われます。

しかし、冬ごもり中でも、お世話隊が行くと起きて来て餌を食べますから、完全な冬ごもりではありませんね。

神奈川県から餌を送り続けて下さっている方がおられます。

飼育者である山田さん一家、和歌山県・南大阪地区・京都府・兵庫県のお世話してくださった会員の皆さん、今年も2頭のお世話を、ほんとうにありがとうございました。

 

 

とよ(大阪府高代寺)

 

とよの獣舎にも、アカシアの丸太が運ばれてきました。

クリスマスのきれいな手作りリースも飾られました。

副住職さんの話では、とよはクリスマスごろからほとんど運動場に出てこなくなったということです。

冬籠りが近いようです。とよは、春まで寝ます。

 

去年までは常同行動をしていたので体が熱かったのか、真冬でも何度もプールに入っていました。

しかし、もう常同行動をしなくなったからか、今年の冬はプールに入りません。プールの水がとてもきれいです。

水飲み場の水は、凍っています。とよは、プールの水を時々飲んでいるそうです。

 

12月28日、お世話に行くと、とよは寝室に籠ったままで出てきませんでした。

寝室の小さな穴からのぞくと、寝ています。

名前を呼ぶと、頭を少し上げてこちらを見ました。

目と目が合いましたが、またすぐに寝てしまいました。

とよが一瞬、頭をあげてこちらを見た・・・

 

 

何と、寝室の引き出し型餌箱が糞尿でいっぱいになっていました。

もう、水や食べ物はいらない。運動場に出るのはおっくう。餌箱をトイレにしてしまおうと思ったのでしょうか。

ステンレスの餌箱なのですが・・・とよ、考えたね。

 

寝室の中は、眠りやすいように、藁が整えられて,真ん中に大きな穴が開けられていました。

寝床はとてもきれいで、糞尿は一切ありません。

この日は、最低気温マイナス0度、最高気温8℃でした。

 

寝室の扉を静かに閉めて、獣舎をみんなでお掃除しました。

掃除後、寝室の戸をあけてやると、とよはゆっくりと出てきました。

 

そして、大きなあくびをしたのです。

その長い舌に、みんなびっくり。

アリやハチを食べるためだよ

 

お世話隊のみなさんをはじめ、多くのみなさんのおかげで、今年も、3頭のクマたちは元気に暮らしました。

大きな愛情でクマたちを包んでくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。

生き物たちの幸せを思い生き物たちを大事にする方は、ご自身の人生もきっと幸多いものになるはずです。

 

とよの獣舎にも、手作りのお正月飾りがかけられました。

毎日とよを見て下さっている住職さん、副住職さんには、感謝でいっぱいです。

12月31日、高代寺では除夜の鐘をつきます。

夜 11:30ぐらいに、くまもりも除夜の鐘をつかせてもらいに行こうと思っています。

お時間のある方は来られませんか。

 

LED等の普及で余る電力 今年のピーク時使用電力2010年比で15%減 原発は不良資源化していく

以下、東京新聞12月25日記事より抜粋

 

<経済産業省の認可法人「電力広域的運営推進機関」の報告書より>

 

今年の夏の電力需要のピークは8月24日午後2時~3時で、1億5554万キロワットだった。

この使用量は、原発事故後最少。

LED等の普及や家庭や企業による節電効果の結果であり、電力需要の減少分は原発26基分に相当する。

 

公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事務局長談

 

「電子機器などのエネルギー効率化が進み、電力需要は今後も増えないだろう。

日本では人口が減っており、オール電化住宅やEV(電気自動車)の普及が進んでも、一方的に需要が増えることはない。

世界的にも、太陽光や風力の発電コストが下がり、原子力や化石燃料による発電所が不良資源化していく潮流にある

 

熊森から

電気使用量の17%削減に成功したある会社の場合、最も削減に貢献したのは、全施設の照明を白熱灯より消費電力が85%少ない発光ダイオード(LED)照明に変えたこととのこと。

原発不要は当然ですが、といって、尾根筋に林立する風車や、山の斜面をべったり覆う太陽光発電による森林破壊にも頭を痛めている熊森です。

LEDという技術革新や節電が、電力需要の減少にそこまで大きな効果を上げていたことを知って、少しですがほっとしました。

人口減も大切です。

おわび:くまもりフェイスブックが、現在、作動不良です

ご迷惑をおかけしています。

くまもりフェイスブックの修理は、新年になります。

しばらくは、HPのブログかツイッターで情報を得てください。

 

12月25日 国・県・山主の3者による分収造林地、麻生林215ヘクタール 、55年契約を満期終了

くまもりのトラスト地である滋賀県高島市にある麻生林は、これまで211ヘクタールの広さでしたが、今年11月13日に、麻生林内に残されていた 他人名義の分収造林地4ヘクタールを買い入れたため、総面積が215ヘクタールとなりました。

 

真ん中の赤線内は他人名義(以前)    赤線内すべてが麻生林となる(現在)

 

熊森は、奥山に大量に造られた伐り出しも不可能な分収造林地(山主が山を提供し、国が費用を出し、県が造林してスギ・ヒノキの人工林を育てる。55年後、育った材を搬出し、もうけを、国:県:山主=5:1:4で山分けするシステム)を、保水力豊かで生物の多様性にあふれる自然林にもどそうと、10年以上も前に決意しました。(すばらしい自然保護活動です。)

 

世の山主さんたちにくまもりの後に続いてもらうため、さっそく、モデルとする分収造林地を購入しようとしました。

 

しかし、国は、全山主に分収造林契約をさらに30年延長してもらう方針を打ち出してきました。

なぜなら、材の需要が低迷しており、現況では材を伐り出したところで、経費を差し引くと赤字となり、収入が見込めない山がほとんどだからです。

 

熊森が分収造林地を購入するために国が出してきた条件は、分収造林契約に30年延長の印を押すことでした。

 

印を押してしまうと、自分の山であっても地上権を失います。

それでは、この後30年間、「林を森に戻す活動」ができません。

当然、熊森は分収造林契約30年延長を断りました。

 

その結果、山主さんから山を買うことができませんでした。

 

仕方なく、熊森は、山主さんの会社である麻生林業を買収して、分収造林地の山主となり、分収造林契約の中途解約を願い出ました。

すると、国は、これまで分収造林地の整備に掛けた費用を全額返せという目が飛び出すような高額のお金を、熊森に要求してきました。

そんなお金を完全民間の自然保護団体が出せる訳がありません。

熊森は、ひたすら、前、そして、前々の山主から引きついだ分収造林55年契約の満期日が来るのを待つしかありませんでした。

 

こうしてこの度、麻生林215ヘクタールの分収造林55年契約の満期終了を迎えたのです!(おめでとう)

 

本部スタッフと滋賀県支部スタッフは、ここに至るまでに使った大変な時間とエネルギーを思い返し、今、感無量です。

これで、麻生林の地上権は、山主である私たちの手に戻りました。

 

しかし、契約では国はスギを皆伐して分収後、山主に山を返還することになっていますが、山にはまだ木がびっしりと植わったままです。

麻生林だけではありません。

周りの山を見回しても、このあたりの材は九州などとは違って、全く動いていません。

山は放置され、大雨や台風の度に、山の斜面や林道がどんどん崩れていっています。

 

こんなご時世ですから、契約違反だと国を責める気など熊森にはありません。

ただ、今のままだと、全立木が、国・県・山主の共有物となって残っているのです。

この状態では、熊森には、人工林のスギを伐る権利がありません。

 

ミツバチやクマが棲めるような豊かな森に戻すために買った山です。

分収造林契約は満期終了しましたが、この後のことを、国・県・熊森で今、真剣に話し合っているところです。

動きがあれば、また、みなさんにお知らせします。

 

分収造林契約の30年延長にまだ印を押しておられない山主さんは、熊森の後に続いてほしいです。

奥山は、広葉樹の巨木の森に戻していきましょう。

動物たちのために!、次世代のために!

 

 

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いつも応援ありがとうございます。 クマの魅力を知ってもらいたいと考え、今年4月にホームページ「くまプラネット」を開設しました。
このホームページの中のブログ「くまくま日記」では、保護飼育しているツキノワグマ「とよ」「太郎」「花子」や野生クマに関する楽しい話題を写真や動画で公開しています。
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2017年 官・民で兵庫県のクマ対応を振り返る

12月25日、お互い年末の忙しい時期ではありましたが、熊森本部の会長、クマ担当、森担当の3名は、兵庫県庁の農政環境部環境創造局局長と鳥獣対策課課長を訪れ、約45分間、今年度の兵庫県のクマ対応を共に振り返る時間を持ちました。

 

(1)県土はどのようにゾーニングされたのか

 

兵庫県は今年から、環境省が昨年度出した指示に従い、クマのゾーニング管理を導入しました

県土を、[保護地域]、[緩衝帯]、[人の生息する地域]などに分けて、それぞれの場所でのクマ対応を決めていくのです。

足で歩いて現地の様々な状況を見て、その場所をどのゾーンにするか検討しなければなりません。

想像しただけでも頭が痛くなるほど、むずかしい作業です。

これまでずっと、「まだ、ゾーニングは、できていません」という県の答えでした。

一体、県土はどのようにゾーニングされたのか、今日こそゾーニング地図を見せていただこうと思いました。

県の答えは、<集落から200m以内にクマがいてはならない>ゾーニングの中身は、たったひとつそれだけでした。

(あまりにも機械的。こんなゾーニングなら、一瞬にしてできるのではないでしょうか)

 

熊森:集落の裏がクマの生息に適した自然林で、これまでクマがそっと棲んでいた場所であっても、集落から200m以内ならば、捕殺対象ですか?山中に罠を仕掛けたんですか。

兵庫県:そうです。地元から駆除申請があればね。

 

熊森から

今年勝手に人間が集落から200mにラインを引いたのです。

クマにそのようなラインができたことを伝える努力は何一つしていません。

これまでは、山の中にいるクマまでは獲らないという共通認識があったのに、このようなゾーニングは保護体制の大後退です。

かつて兵庫県は、日本一のクマ保護先進県として、他府県の行政からも称賛されていたのに、今の状況は残念の一言です。

 

(2)有害捕殺32頭

 

熊森:どんな罠を仕掛けたのですか?

兵庫県:箱罠や、ドラム缶罠。シカ・イノシシ用に掛けた罠に、クマという名札を付けて共に獲ったりもしました。

熊森:誘引剤は何ですか?

兵庫県:まだまとめていません。

熊森:今年32頭も、有害駆除されましたが、200m以遠のクマまで罠の誘引物がクマを誘引してしまった結果ではないでしょうか。

兵庫県:そういうこともあるでしょう。今年は、春・夏の目撃がすごく多かったです。

熊森:春や夏は、どんな食べ物を食べようとして、人里までクマがやってきたのですか?その食べ物を除去したり、電気柵で防いだり、クマを追い払ったりされましたか。

兵庫県:何を狙って出て来たのかわかりませんでしたから、できませんでした。

熊森:そういう時は、熊森が調査に駆け付けるから、クマを捕獲する前に連絡してほしいと、毎年、県にお願いしてきましたが、今年も1回の連絡もいただけませんでした。

兵庫県:・・・

 

クリックするとグラフが大きくなります。注:11月に狩猟1頭あり。

有害捕獲は全頭殺処分。錯誤捕獲は全頭放獣。

秋の山の実り:豊作  センターは、春や夏のクマの餌は何で、なぜ山で得られなくなったのか究明されていますか?

 

熊森から

 

兵庫県はとにかく、クマが爆発増加している。何とか捕殺して頭数低減を図らなければならないという考えに憑りつかれているように見えます。

奥山生息地を人間が壊したために里に出て来ざるを得ないクマの哀しみや、山にハンターが捨てた無数のシカ駆除個体にクマが付いていることなどを何故考慮されないのか、不思議でなりません。(熊森は指摘し続けてきました)

山中のクマ数が爆発増加していると言われる割には、昨年度のクマ狩猟数4頭、今年度のクマ狩猟数1頭をどう分析されるのか、まだまだ聞きたいことでいっぱいでした。

昨年度お願いした情報公開請求の件も、まだ終わっていません。

時間がないということなので、これらの意見交換は来年に回させていただくことにしました。

 

12月12日 水道水はどこからくるの?神戸市の保育園で今年最後のくまもり環境教育

吐く息の白い、身体が震えるような日でしたが、

子どもは風の子!元気いっぱいにお出迎えしてくれました。

 

今回の環境学習のテーマは「水」。3~5歳の園児が対象です。

 

海や川の生きものはもちろん、私たち人間の暮らしを支える水が、

森から来ていることを、学んでいただきました。

 

水道の水って、どこから来るのかな?と聞くと、「雨?プール?海?川?」と、意見は千差万別。

 

そこで紙芝居「ぴっちゅんのぼうけん」を通して、森に降った雨がゆっくりと土の中を旅し、いずれ川の水となって、お家の水道までやってくることをお話しました。

水は森からです。

 

「川にはどんな生きものが棲んでいるかな?」

 

森からの栄養たっぷりの水は、海や川の生きものにも、私たちにとっても、大切なんだね

 

「わたしはだれでしょう?」では、水に扮したスタッフが、

水の精(?)になりきって!クイズを出しました。

子どもたちは、迫真の演技に大笑いです。

箱に話しかけると、どこからか声が・・・

 

最後は恒例のくまもりダンス♪どんどん速くなる音楽に、みんな大はしゃぎ!

 

面白い・楽しいという感情は、ずっと心に残ります。

子どもたちの心に学びが残る、

そんな授業をめざしたいです。

 

この園は法人会員として、日頃より、くまもりの自然保護活動を支えてくださっています。

 

最近、自然体験や食育の一環で、栽培体験を導入されている保育施設が多くなっていますが、この園では、四季折々の作物を育てており、子どもたちはほぼ毎日、畑を訪れます。

収穫した野菜は、その日の給食で使われたり、時には子どもたち自身で調理したりするそうです。

 

今や、多くの野菜が1年中スーパーで買える時代ですが、園児は、野菜にも季節があることや、本当の意味で自然の恵みをいただくということを日々学び続けており、本当に素晴らしい取り組みだと思いました。

 

因みに、毎日畑作業をするうちに、子どもたちの目は肥え、今ではおいしいイチゴの見分け方もマスターしているそうです!

おもしろい遊具がたくさんありました!

 

☆☆☆

 

 

今年の環境学習は、これで最後となりました。

お世話になった関係者の皆様、本当にありがとうございました。

来年も、子どもたちと自然を繋ぐ懸け橋となれるよう、環境教育チーム一同、がんばってまいります!

 

2018年が、全ての生きものにとって、良い年となりますように♪(SY)

くまプラネット、見てね!

くまもりHPのトップ下段から、「くまプラネット」をのぞいてみてください。

そこには、「くまくま日記」のページがあります。

くまもりが飼育支援しているクマたちの心あたたまる話題でいっぱいです。

ほっと一息つきたいとき、子どもと話題を共有したいとき、ぜひ見てください。

 

 

ちなみに、お世話日12月14日(木)の高代寺は、うっすらと雪でした。

最低気温マイナス2℃、最高気温8℃。

いつもなら飛び出してくる「とよ」が、寝室から出てきません。

声をかけると、寝室内でちょっと頭をもたげました。

自分で藁を寝室の入り口に積んだらしく、冬籠りモードになってきています。

寝室の扉の隙間からのぞくと「とよ」が、頭をもたげた。

 

与えたドングリも、3割ぐらいしか食べていません。(春、冬籠り明けには、残りのドングリをまた食べます)

この1週間のフンの量がぐんと減りました。

 

昨年、一昨年と、冬籠りに入ったのは1月の後半でしたが、今年は冬籠りが早いかも?

クルミをあげると食べに出てきました。

目が充血しており、少し赤いです。

これは、冬籠り前の兆候です。

 

お世話隊の面々は、みんな、「とよ」を孫のように思い、かわいがっています。

「とよ」が冬籠りに入ったら、くまマプラネットでもお知らせしますよ。

 

 

12月6日  森林環境税の使途を巡って、久し振りの国会議員会館めぐり

この度新しく設置されることになった「森林環境税」は、全国規模で恒久的に徴収する新税としては、1992年に導入された「地価税」以来のものです。

くまもりは、約9割が市町村に配分されるという「森林環境税」が、内部が大荒廃した放置人工林を温存することに寄与することになるのではないかと危惧しています。

久し振りに国会議員を回って、税を、<荒れた林を豊かな森に戻す>ことにも使っていただけるようにお願いしようと思いました。

この日の議員アポはなかなか取れませんでした。

それもそのはず、この日は、官僚のみなさんと議員の皆さんが部屋に入りきれないほど集まって、来年度の税制を決める最終日だったのです。

 

まず議員会館の入り口で、飛行機に乗る時のような身体と荷物のチェックを受けてから、受付でどの議員に会いに来たのか紙に書いて提出します。敷地内撮影は禁止されています。

窓口の方が、その議員の事務所に電話をして、この人物を中に入れてもいいのかどうかたずねます。OKが出たら、いただいた入館証を首からかけて、議員会館の中に進みます。

一部の議員や秘書にお会いすることが出来ました。私たちに対する秘書の対応を見ていると、議員に会わなくても、議員が国民の方を向いている方かどうかわかるような気がしました。どんな人を秘書にするかで、議員の運命が決まるなあと感じました。

 

森林環境税は、地球温暖化対策として市町村が森林を整備・管理する財源に充てるために、ひとりにつき年間1000円を徴収するものとされています。

 

●森林の整備・管理は、ほんとうに地球温暖化防止に役立つのか

森≠林

まず、森と林が別物であることがわかっていないと、この話は混乱します。

砂漠や荒野に木を植えるのなら、二酸化炭素の吸収源が新たに誕生することになるでしょう。

しかし、日本のように大部分が温暖湿潤気候に属する国では、基本的に国土は森におおわれています。

戦後、森の木を大量に伐採して、スギ・ヒノキ・カラマツなどの人工林を延々と造林し、国土は緑色をした超過密な林の木々に覆われているのが現状です。

一部の地域をのぞいて、材の搬出が進まないのは、林業が業として成り立たなくなっているからです。

なぜ林業が成り立たなくなったかというと、この50年間に、人々の生活様式がすっかり変わり、国産材の需要が低下し、材価が暴落しているからです。

延々と放置された人工林の内部は、真っ暗で、草1本生えていません。

この日本の林に、「森林環境税」を投入して、どのように地球温暖化を防止しようというのでしょうか。

ある議員の秘書によれば、与党内でも都市部選出議員のなかには、選挙区に山がないとして、「森林環境税」の新設に反対したり無関心な議員が多いということです。

郡部選出議員は、林業促進や、災害に強い山づくりをめざして、人工林を間伐することに「森林環境税」を使うべきだと言われているようです。

間伐しても、5年もすれば、残された木が成長して、また、内部が真っ暗になります。

その間、残された木が二酸化炭素を吸収して成長していくのだと言われても、間伐した木を、今はやりのバイオマス発電やストーブ用ペレットにしたり、地面に放置して腐らせた場合、二酸化炭素を発生しますから、地球温暖化防止にはなりません。

人工林を皆伐して、再び、スギ・ヒノキ・カラマツなどの苗木を植えるための道づくり等の土建工事、苗木代、人件費、維持管理費用に「森林環境税」使うという案も出ていましたが、伐採した木が二酸化炭素を排出しないよう、保存されているかどうか調べねばなりません。

長時間お話を聞かせていただいて思ったのは、今のところ、「森林環境税」は、森のためには全く使われようとしていないということです。

やはり、「林業振興税」だと思いました。

 

一人1000円の税徴収は決まったけれど、導入目的や使途は、来年から議論していくようでした。

自分たちの出した税金が何に使われるのか、市町村民がしっかりと考えて声をあげていかなければ、不正の温床となったり新たな自然破壊を生むことになるだけです。

税の新設が決まってしまった以上、行政はしっかりと情報を公開していただき、国民はしっかりと使い道をチェックし声を挙げ続けていかなければならないと思います。

 

来年は多くの国会議員さんに会って行きたいと思います。

日本国が存続するために、「森林環境税」を、水源の森であるクマたちが棲む生物の多様性が保たれた<森の復元・再生に多く使うべきだ>と訴えるために。

みなさんも、国会、都道府県、市町村の議員のみなさんにどんどん会いに行ってください。

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