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2017-11-24
県境超えて移動するツキノワグマ対策で広域タッグ 兵庫・京都・岡山・鳥取が検討会 目撃相次ぐ大阪も参加へ
以下、産経新聞より
人を襲うなどの被害事例が相次ぐツキノワグマについて、対策に悩む兵庫県が隣接する京都、岡山、鳥取の3府県と共同で広域的な保護管理計画を策定する方針であることが11月13日、分かった。府県境を越えてクマが移動するため単独での対策が困難なことが背景にあり、今年度中に検討会を立ち上げ作業を始める。クマの目撃情報が相次ぐ大阪府も検討会に参加の方向で、生息地把握や駆除計画などで「広域タッグ」を組む。
兵庫県などによると、4府県以上での保護管理計画策定は珍しいという。
従来は各府県が個別に保護管理計画を策定しているため、「対策してもクマが県境を越えれば台無しになる」(兵庫県)との側面があった。生息数も各府県で調査方法が異なり、正確に把握できていないという。
このため検討会では保護や管理について府県で認識を共有し、共通の方法で生息数を調査。広域的な駆除の方向性などを盛り込んだ保護管理計画の策定を目指す。重点地域としては、クマの目撃情報が多い兵庫北東部から京都などの「近畿北部地域個体群」の西側部分と、兵庫北西部から鳥取、岡山の「東中国地域個体群」を設定する。
近年になってクマが住民と遭遇するケースが増加。検討会に参加方針の5府県の昨年度の目撃情報は3214件で過去5年で最も多かった。クマに襲われたとみられる事例も11件発生。クマが生息していないはずの大阪府でも平成26年度以降は毎年目撃されている。
こうした現状を受け、保護を続けてきた兵庫県は昨年、20年ぶりにツキノワグマの狩猟を復活。今年も15日から狩猟を解禁する。岡山県も今年、17年ぶりに狩猟を解禁。京都府も解禁に向けた検討を進めるが、鳥取県は現在のところ解禁は考えておらず、各府県の足並みをそろえるためにも広域の保護管理計画が重要な役割を担うことになる。
(熊森から)
地域個体群全体でクマを見ていくというのは、とてもいい方向だと思います。
しかし、それは人とクマが共存するためにであって、<駆除計画などで「広域タッグ」を組む>(上記新聞記事より)ためであってはなりません。
クマが山から出て来るようになって、地元の方々が被害や事故に悩まされるようになっていますが、原因はクマたちの奥山生息地を破壊し続けてきた人間にあります。
上記記事から、兵庫県は相変わらず、物言えぬ弱者であるクマにクマ問題の全責任を負わせようとしているのが伝わってきて、残念に思いました。4府県がタッグを組むことで、このようなものの見方にも変化が起きることを期待します。
もう一つ期待できるかもしれないのが、クマに関する情報の公開が進むことです。兵庫県は森林動物研究センターができて、兵庫県立大学の先生がクマの調査をするようになってから、ほとんどのクマ情報が非開示となりました。
熊森は、昨年度、兵庫県鳥獣対策課に対して、クマの捕獲日時、市町村、集落、雌雄、年齢、体重、何回目の捕獲か、胃内容、行動圏等の情報公開願い文を提出しましたが、当初、全面拒否されました。
理由は、将来、世界的なクマの論文を書こうとされている先生の知的財産を守るためということです。
県民の税金で調査したことが、ひとりの研究者の財産にされてしまうのはおかしいと思った私たちは、昨年度、知事や情報公開・個人情報保護審議会に、せめて他府県並に情報を公開してほしいと訴えました。私たちが知りたいのは先生の知的財産などではなく、単なる基礎データ(生データ)だけです。
この問題は今のところまだ全面解決には至っておりませんが、4府県が合同調査することで、このようなことも改善されてくるかもしれません。
今後は、調査員の中に、将来、世界的なクマの論文を書こうとされている先生を入れないようにしていただきたいと願います。そういう方は、やはり情報を非開示したいと願われるだろうと思うからです。
11月23日 政府・与党 「森林環境税 」1人1000円 2020年度以降に徴収を発表 くまもりは、年間620億円の使い道を問題視
昨年秋、政府・与党は二酸化炭素(CO2)の森林吸収量向上による温暖化対策や国土保全の安定財源として、林野庁などが創設を求めていた「森林環境税」の導入を発表しました。
集まった財源は、市町村の森林整備財源に充てるとされていました。
しかし、すでに37府県と横浜市が独自の「森林税」を導入しており、地方自治体から「二重課税」を理由に反対の声が上がったため、発表直後に早々と先送りが決定されてしまいました。
しかし、本日、「森林環境税」について、1人当たり年1000円を徴収する方向で政府・与党が調整に入ったことが発表されました。個人住民税を納める約6200万人が対象で、年約620億円の税収が見込まれます。
12月中旬にまとめる2018年度与党税制改正大綱に盛り込まれるということです。
熊森としては、戦後の森林政策の失敗で、日本の山を大荒廃させてしまった、もうどうしてよいかわからないと林野庁の職員の方々が嘆いておられるのを裏で聞いてきたので、林野庁が責任を感じて、何とかこの国のために豊かな森や林業用として活用できる林を取り戻そうとされるなら、国民として大いに協力したいという思いがあります。
しかし、問題は、そういう方向で、お金が使われるのかどうかなのです。しかも、国が中央で決めた一律のお金の使い方を指示しないだろうかという不安もあります。南北に長い日本です。豊かな森の顔は、地域によってかなり違っています。その地域に合った森造りをしないと、またまた失敗してしまうでしょう。集まった財源を、県ではなく市町村に渡すしくみとなっている訳もよくわかりません。
「森林環境税」には、環境とか、森とかいう言葉は一応入っていますが、実質は無意味な「林業振興税」に使われるだけになるのではないかという心配があります。
時代がすっかり変わっているのに、もはや需要もなく日本の山に取り残された哀れ膨大なスギ・ヒノキ人工林の維持や再造林を進めるための「林業振興税」なら、まっぴらごめんです。人工林の2割間伐などしても、5年もたてば残された木々が成長して、また内部が真っ暗で死んだ山になってしまいます。税金の無駄遣いです。
森と林は全く別物です。一緒にして森林としてしまうから、わけがわからなくなるのです。
今、日本がしなければならないのは、今後も林業として需要や利用が期待できるスギ・ヒノキの単相林は残したとして、伐り出しが不可能な場所にあったり、もはやバイオマスなどにしか使い道のない、しかも豪雨で崩れやすい針葉樹の単相林を樹種転換し、保水力豊かで野生鳥獣たちが棲める災害にも強い雑木林(=森)を、全生物のために、鳥獣被害に悩む地元の方のために、次世代のために、復元することなのです。そのような「森林環境税」となるよう、熊森は声を挙げていきたいと思います。
くまもり本部2017年12月度> 自然保護ボランティア募集(初参加、非会員も歓迎)
※拡散希望
熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。
会員・非会員に関わらず、多くの方々にご参加していただきたいです。
学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。
ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。
本部電話番号 0798-22-4190
本部FAX番号 0798-22-4196
メール contact@kumamori.org
2017年12月の活動予定
<いきものの森活動>
12月10日(日)(予定)植樹地のネット補強(兵庫県宍粟市波賀町戸倉)
12月17日(日)(予定)植樹地のネット補強(兵庫県豊岡市但東町)
午前8:00に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください。
- いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、誰でもご参加いただけます。
現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。
天候不順で中止になることがあります。
<環境教育例会(於:本部事務所)>
12月の例会はなし ご興味のある方は本部までご連絡ください。
- 小学校や保育施設などで、森や動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。
<とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)>
12月7日、14日、21日、28日(毎週木曜日)
- 大阪府豊能町で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。
現地までの交通手段は本部にご相談ください。
<太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石町)>
12月24日(日)(毎月第4日曜)
参加費:1000円(交通費)
- 和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。
午前8:30に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください。
現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。
環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。
太郎と花子のファンクラブ以外は本部の車に乗車される場合、集合場所から現地までの交通費は不要です。
自車参加も可能です。
たくさんの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。