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2018-01

2月10日(土)くまもりサロンスタートします!

くまもり本部事務所にはこれまでに撮りためたツキノワグマや豊かな森、講演会、奥山調査など、数々の貴重な記録があります。

そこで、今年からその映像の数々を皆様と一緒に見て感想を語り合う場、その名も「くまもりサロン」を始めることになりました。もちろん、非会員の方も大歓迎ですので、お友達を連れてきてくださると嬉しいです。

毎回担当が変わっていきますので、どんな映像を見るか楽しみにしてください。

 

日時:2月10日(土)13:00~15:00

 

場所:くまもり本部事務所3F 西宮市分銅町1-4

 

内容:第1回なので、やはりクマ。西中国山地のツキノワグマの詳細な生態を追った映像を上映いたします。

 

参加費:無料

 

定員:10名

くまもり本部2018年2月度> 自然保護ボランティア募集(初参加、非会員も歓迎)

熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。

会員・非会員に関わらず、多くの方々にご参加していただきたいです。

学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。

ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。

本部電話番号 0798-22-4190

本部FAX番号 0798-22-4196

メール contact@kumamori.org

 

2018年2月の活動予定

 

<いきものの森活動>

2月16日(金)風倒木の処理(三田)

(毎月第3金曜日 他に活動が必要な場合は土日を中心に活動を実施します)

午前8:00に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください

チェンソーを使えない方はのこぎりでご参加いただけます。

  • いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、誰でもご参加いただけます。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

天候不順で中止になることがあります。

植樹ネットの補修

<環境教育例会(於:本部事務所)>

2月5日(月) (毎月第1月曜日)

  • 小学校や保育施設などで、森や動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。

例会風景

<とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)>

2月1日、8日、15日、22日(毎週木曜日)

  • 大阪府豊能町で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。

現地までの交通手段は本部にご相談ください。

冬眠中のとよ

<太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石町)>

2月25日(日)(毎月第4日曜)

参加費:1000円(交通費)

  • 和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。

午前8:30に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

干し柿を待つ花子

環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。

自車参加も可能です。

たくさんの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。

1月15日 熊森本部で兵庫県新温泉町に計画されている風力発電に関する勉強会を実施

くまもりは、兵庫県新温泉町東部で県内最大級の出力となる計9万2千キロワットの風力発電施設を建設する計画が進められていることを知り、大きなショックを受けました。

予定される風車自体の大きさは3枚羽根の直径約130メートル、高さは約150メートル、国内の陸上では最大級なのだそうです。

 

(計画では、4千5百kW発電程度の風車21基を山の尾根<下図赤線状のどこか>に設置する予定。事業実施区域面積 約2千8百ha。下図斜線部分は集落のある谷の部分で、風力発電機の設置対象外となります)

神戸新聞NEXT

 

 

熊森から

新温泉町の冷温帯に位置する落葉広葉樹林帯は、兵庫県のクマ生息地のなかでも唯一、下層植生がまだ残されている自然豊かなところで、くまもりがシンボルとしているクマをはじめ、多様な生物の安定生息地です。

 

温泉町の尾根筋に膨大なコンクリートを流し込むことで、セメントから出る灰汁によって渓流魚が全滅することが考えられます。もちろん、山の命である尾根筋をコンクリートで固めて破壊することで、万里の長城現象が起き、森は劣化し始め、二度と生物の多様性が保たれた保水力豊かな森は復元できません。

 

兵庫県のクマたちの最後の聖地が破壊される!やめてほしいとお願いしよう!

 

調べてみると、事業者は合同会社NWE-09インベストメントという聞きなれない会社です。インベストメントというのは、投資という意味だそうです。誰かがこの事業に投資して儲けようとしているのでしょう。

 

ネットで調べてみると、合同会社NWE-09インベストメントというのは従業員が居ない会社で、実質的には、合同会社の業務執行社員である日本風力エネルギー株式会社が事業を実施し、その大部分は他社との委託契約等により行われるそうです。

合同会社NWE-09インベストメントは、新温泉町以外にも、鳥取県鳥取市、和歌山県海南市、島根県浜田市、佐賀県唐津市、青森県八森でも同様の発電事業を一気に進めようとしています。

 

日本風力エネルギー株式会社というのを調べてみると、資本金が10万円で、社長さんにあたる職務執行者はアダム・ベルンハード・バリーン(本部シンガポール)という方だそうです。どこの国の方か、なぜシンガポールに本部があるのか、これ以上の情報は、ネットから得られませんでした。グローバル経済ということなのでしょうか。

事業理念には、「すべての風力発電プロジェクトが日本全体、地域コミュニティー、環境にウィン-ウィンの関係をもたらすことを約束します」と書かれていますが、そんなこと言われても、山の尾根筋に風車を建てられて、環境にウィン-ウィンなどありえません。

 

今回、日本の風力発電開発に20年間取り組んでこられた方に、勉強会を持っていただきました。とても参考になりました。その方は、原発は良くないので、使命感を持って風力発電を広めているということでした。

 

以前、経済産業省が風力発電業者に補助金を出していたそうですが、2011年3月11日の原発事故以来、風力への補助金がなくなり、代わりに、太陽光(ソーラー)発電に1kwh55円というすごく高い買取価格がついたそうです。これによって、太陽光発電が投機の対象になりました。シャープや京セラなど国産ソーラーパネルが大量に生産され、経済が活性化しました。しかし、現在政府は、太陽光発電の買取価格を1kwh20円にまで落としました。

(ちなみに、現在、風力1kwh22円、バイオマス1kwh28円)

 

このような経緯があったため、風力発電の機材は、現在、国産が育っておらず、ほとんどが外国製だそうです。ということは日本で風力発電が広まれば、外国の企業がもうかるということです。外国人の投機対象となるのでしょうか。風力発電の建設は、山の尾根か海上です。どちらも耐用年数はたった20年で、20年後には、土台のコンクリートを破壊して、また1から新しく造り直さねばならないのだそうです。

 

尾根の風力発電は、頭打ちになってきているそうです。いい風が吹くところは各地にあるのですが、山奥には送電線がありません。といって、自費で送電線を作るとなるとそれはそれで大変で、費用対効果の面で成り立たないのだそうです。環境ではなく、全て、経済で回っているのが今の人間社会だと、話を聞いてつくづく思いました。

 

そんな中、ドイツの素晴らしい規制を教わりました。ドイツでは、地元住民自らが風力発電に取り組む場合のみ風車設置許可がおります。外資や、国内であっても外からその町に資本が入ってきて風力発電事業を起こすことは禁止されました。これによって、大きな被害を地元に及ぼすような事業がなくなってきたそうです。

 

我が国の開発事業は4段階において実施されます。①配慮書、②方法書、③準備書、④評価書。

合同会社NWE-09インベストメントの日本における風力発電事業は、いずれもまだ①が終わった段階で、環境アセスまでは行っていません。一刻も早く声を上げようと思い、さっそく日本風力エネルギー株式会社に、日本語で、コメントを送りました。以下。

 

自然保護団体へのヒヤリング(日本熊森協会)専門 奥山生態系保全

計画地は、環境省のレッドデータブックで絶滅のおそれのある地域個体群に選定されている東中国山地ツキノワグマの恒常的な生息地である。ツキノワグマは冷温帯の落葉広葉樹林に生息する動物だが、近年、兵庫県の落葉広葉樹林帯では下層植生の衰退が著しく、ツキノワグマが生息することが難しくなっている。そんななかで、新温泉町の生息地は、唯一、今も下層植生が保たれており、ツキノワグマの生息が保障される貴重な場所である。尾根筋への風車設置は、ツキノワグマの生存をはじめ渓流魚など豊かな奥山生態系に深刻な影響を与えると考えられる。

 

他の5つの地域における合同会社NWE-09インベストメントの日本における風力発電事業に対して、声は上がっているのでしょうか。ヨーロッパと違って、自然保護団体がほとんど育っていない日本で、どれくらいの声がこれらの事業に上がるのかとても心配です。いずれの事業においても、声を上げる権利は居住しているいないにかかわらず、日本国民全員にあるそうです。みなさん、声を上げていきましょう。

原発を認めない熊森は、エネルギーをどうするのかとよく聞かれます。自然再生エネルギーを利用するのは大切ですが、それによって現在せっかく残されている貴重な自然を破壊するのなら、何をしているのかです。

熊森は、すでに自然が完全に破壊されてしまっている都市部で、自然再生エネルギーが得られるように技術革新がなされることを願っています。

1月26日28日大阪上映 映画「日本と再生」 世界はすでに、自然再生エネルギーで動いている!

1月26日(金)、1月28日(日)大阪市で映画「日本と再生」<光と風のギガワット作戦>の上映会があります。

 

太陽がいっぱい。

風がいっぱい。

世界はすでに、自然再生エネルギーで動いている!

 

この映画は、『日本と原発』『日本と原発4年 後』を監督された河合弘之弁護士が製作・監督されました。

(企画・監修:飯田 哲也 制作協力:木村結 音楽:新垣隆 エンディングテーマ:坂本龍一脚本・編集・監督補: 拝身風太郎 撮影:中島喜一)

 

■ 2018/1/26 大阪府大阪市(上映1回) ※「日本と再生」

■ 主催:原発に依存しない社会の実現を目指す委員会

○ 上映日時:2018年1月26日(金)       17 時 ~  

※上映後に河合監督ご挨拶予定

○ 会場名:真宗大谷派 大阪教務所 難波別院 同朋会館 講堂 (大阪市中央区九太郎町4-1-11)

○ 定員:130名

○ 問合せTEL: 06-6251-4720(中嶋)

○ 問合せメール:担当(中嶋)宛メール

 

2018/1/28 大阪府大阪市(上映2回) ※「日本と再生」

■ 主催:生活協同組合エスコープ大阪

○ 上映日時:2018年1月28日(日)       10 時 ~ / 13 時 ~ 

○ 会場名:住吉区民センター (大阪市住吉区南住吉3-15-56)

○ 各回定員:30名  ※応募者多数の場合、エスコープ大阪の組合員優先となります。

○ 問合せTEL: 072-293-4660(伊藤)

○ 問合せメール:担当(伊藤)宛メール

 

 

(熊森から)

 

日本熊森協会は、他生物やわれらの子々孫々に、かれらが生存できる自然豊かな地球環境を残すという、人間としての最低限の倫理観から、原発を認めていません。

 

といって、山の命である尾根筋に風車建設のためのコンクリートを流し込むなど、新たに重篤な自然破壊となるような自然再生エネルギーの開発も、認められません。

 

自然再生エネルギーは、すでに完全に自然が破壊されてしまっている都市部でこそ開発されるべきでしょう。そのような技術開発を待ち望んでいるところです。

 

まだまだ自然再生エネルギーにも難しい多くの問題が残されてはいますが、それでもこの映画は、今後の人類のエネルギー利用を考えていく上で、国民必見だと思います。

 

現在、全国で上映会が展開されていますので、ネットで調べられて、ぜひ皆さんにもご覧になっておいていただきたいです。

 

今後の自然再生エネルギーの開発問題について、みなさんと大いに議論していきたいです。

 

 

 

 

1月28日JBNシンポジウム「四国のツキノワグマ知っとん?」 於:徳島大学

日時:2018年1月28日(日) 13:00~16:30(開場12:00)

参加費:無料

場所:徳島大学工業会館メモリアルホール(徳島市南常三島町2-1)

 

くわしい内容は、JBNのHPをご覧になってください。

いくらなんでも今年の冬は寒すぎる そこで「とよ」が考えた冬ごもりの新スタイル

2018年1月11日、高代寺を訪れた「とよ」見守り隊は、寝室をのぞいてびっくり。「とよ」が、わらの中にほぼ全身をうずめて、熟睡していたからです。

 

わらに穴をほって、もぐって寝ている「とよ」

 

この時のとよの様子は、動画で見ていただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=TM_VPYoyMGk

呼吸数は1分間に10回でした。

 

こんな冬ごもりの仕方をはじめて見ました。

頭もお尻も、わらの中に完全に埋まっています。

人間だけではなく、今年の冬はクマにとっても寒いんですね。

台風が去った後の皮むき間伐地の風倒木処理を手伝ってください

皮むき間伐をした木が、昨年10月の台風21号でたくさん倒れたという話を聞き、これまで皮むき間伐を実施してきた三田市の現場を確認してきました。

場所によってはかなりたくさんの木が倒れていた

 

今回被害がひどかったのは皮むきして1年半くらい経過した場所です。台風で風倒木となったのは皮をむいた木だけではなく、生木も被害を受けていました。やはり皮むき間伐は木が倒れる恐れがあることを十分考慮して実施しないといけないと思いました。

皮をむいていない生木も折れている

 

根っこから倒れた木も複数確認しましたので、やはり人工林は根っこが小さく弱いということも感じました。

根っこから倒れたヒノキ(クリックしてください)

熊森の皮むき間伐は、人が入らない山の中で間伐して、木が立ったまま朽ちていくのを待つものです。しかし、今回現地を見て、やはり皮むき間伐した木は、「森の蘇り」さんがしておられるように、自然乾燥後伐採して運び出し、利用してしまうべきなのかなあと考え込んでしまいました。皮むき間伐した材を利用するとなると道路まで運び出さないといけないので、奥山では皮むき間伐ができないということになってしまいますが。

 

熊森としては、まずこの場所の風倒木を処理したいと思います。チェンソーを使える方でご協力いただける方はご連絡をお待ちしています。

朝日新聞1月8日トップ記事に、秋田県のクマ大量捕殺に対する日本熊森協会の警鐘文

秋田のクマのことは、朝日新聞のデジタル版に掲載されただけと思っていましたので、1月8日の1面トップ記事(大阪版)を見た時はびっくりしました。

朝日新聞さん、よくぞこの問題をトップで取り上げてくださいました。

 

デジタル版より新聞記事の内容の方が詳しいので、良ければみなさんもう一度お読みください。

クリックしていただく度に、文字が大きくなります。

食い込みができないまま冬籠りに入る、それは、クマたちにとって冬籠り中に死ぬことを意味します。

人間社会は、残して捨てるまで食料に満ち溢れているというのに、ただひたすら食料を求めて、怖くてたまらない人間の所に出て来たクマたちを全部撃ち殺す。

日本人は狂ってしまったのか。

なぜ食料を分かち合おうとしないのか。

悲しい気持ちでいっぱいになっていましたので、全国民の問題として取り上げてもらえて感激です。

生命の尊厳を忘れた環境省野生生物課のコメントが、一番狂っていると思いました。

このコメントを述べられた方は、何のために環境省がこの国に存在しているのか、わかっておられないのではないでしょうか。

他者への思いやりや共感が持てなければ、自然は守れないと思います。

 

ジャパンタイムズデジタルに森山会長のコメント

昨年末、みなさんにご紹介しそびれていましたが、以下、ジャパンタイムズデジタル版2017年11月27日記事です。

 

(大意和訳)

秋田で、クマの目撃増加 人間側に原因も

 

秋田の田舎に住む42歳の主婦は、「クマが家の近くにいるなんて思えないのですが・・・」と、近くのコンビニまで慎重に歩いて行く。

生まれも育ちも秋田だが、山以外の所でクマと遭遇した話はこれまでほとんど聞いたことがない。それが今、一般的になってきた。

この夫妻は、毎朝12歳の娘を中学校に送って行く。

昨春、秋田県第2の都市である横手市で、学校から20メートルのところにツキノワグマが現れたのだ。

 

秋田県におけるクマの目撃数が急増し、それまで年間200頭~300頭程度だった有害駆除数が、2016年には468頭となった。

1979年~2015年までの秋田での熊による死亡事故はわずか8件だったが、2016年~2017年には5件発生した。

注釈(2016年、秋田県鹿角市でタケノコ採りに山に入った4名がクマによって死亡する事故が起きた。2017年には、秋田県仙北市でタケノコ採りに山に入った1名がクマによって死亡する事故が起きた。)

 

●秋田県行政は、2015年はブナの実りが良て多くの子グマが生まれたため、2016年はブナ不足となり、食料を求めてクマたちが山から出て来たことによって起きた事件だと説明している。

 

しかし、日本ツキノワグマ研究所所長の所長である米田一彦氏は、長きにわたって山と集落を分けてきた里山が崩壊したことに要因があるという。

20世紀後半、日本は急速に経済発展し、猛烈な都市化が進んだ。

「以前は薪として絶えず伐られていた里山林が、今や伐る人もいなくなり、成長して大きくなっている。野生動物と人の緩衝帯であった里山が失われた。里では過疎化高齢化が進み、農園や果樹園を管理する人もいなくなった。こうしたなか、クマたちが山から里に移動して定住した」と、米田は言う。

 

●日本熊森協会の森山まり子会長は、過疎化高齢化も関係あるが、根本原因は、かつて山のなかにあふれるほどあった野生動物たちの食料が激減していることだと指摘する。

森山は、地球規模で森林が劣化してきており、木々の成長が弱くなって葉量や実の量が減っていることを示す研究を挙げた。

(人工林、開発)、地球温暖化、酸性雨、大気汚染など、全て、人間活動が引き起こしたことだ。

2016年に秋田の山を旅した人から、ナラ枯れがすごかったという報告を受けているという。

最近の日本人は、ほとんどが都市に住み、山に入らなくなっている。

そのため、人々は、森の中のクマたちの食料(植物・昆虫)がなくなっていることに気づいていない。

もう一度、豊かな森を再生させていかない限り、クマ問題は解決しないと彼女は言う。

 

冒頭の主婦は、いつか本物の野生グマを見たいと言う。

主婦は、「私だって死にたくはないですよ。、、、でも、クマってかわいいじゃないですか。」という。

ご主人も、「私だったら、クマに会って最初にやってしまうのは、携帯を取り出して写真を撮ることでしょうね。」と、同意する。

 

 

As Akita deals with surge in bear sightings, some point to a human cause

 

AKITA – Far from Tokyo’s bright lights and noisy streets Kaori Kawashima walks cautiously on her way to the nearest convenience store in rural Akita Prefecture, where danger might be lurking in the shadows.

“I don’t think bears come close to where I live, but there’s no way to be sure,” the 42-year-old housewife says.

 

Together with her husband, they take no chances. Every morning they drive their 12-year-old daughter to junior high — breaking the age-old norm that children should walk to school.

And they’re not alone. This past spring, a black bear was spotted just 20 meters from a high school in Yokote, the second-largest city in the prefecture. Kawashima has lived her whole life in Akita, but stories of bear encounters outside the mountains used to be few and far between. Now they are becoming common.

Sightings exploded in 2016, shooting to 468 from just a couple of hundred in previous years, according to the Akita Prefectural Government. From 1979 to 2015, only eight deaths from bear attacks were reported in Akita. Since then there have been five.

 

Behind the headlines, experts say, is a silent transformation in the countryside that is setting the stage for greater numbers of wildlife encounters.

When a string of bear attacks caused a national stir last year, residents hoped it was just an anomaly and that things would soon return to normal.

 

 

●The official explanation was that the supply of beech nuts in 2015 that helped more cubs survive was followed by a shortage last year, which led them down from the mountains in search of food.

 

 

●But Kazuhiko Maita, chairman of the Hiroshima-based nonprofit Institute for Asian Black Bear Research and Preservation, says a more long-term factor is at work: the disappearing satoyama, a term referring to traditional rural landscapes of carefully maintained forests and farmland.

 

Part of Japan’s rapid economic development in the late 20th century involved an aggressive urbanization that changed it from a principally rural country to one of the most urban populations in the world. Prefectures far from major cities began to wither, but on a rural level, the satoyama all but vanished.

 

“The buffer zone has disappeared,” Maita said. When forests previously chopped down for firewood grew back, and farms and fruit trees were left unmanaged, the bears left the mountains and moved in to stay, he explained.

 

Predominantly rural Akita has the fastest-shrinking population in Japan. This year, the prefectural government reported that it had dipped below 1 million for the first time since 1930, with over a third of its residents aged 65 or older. But it’s not alone.

 

Across Japan, wildlife is becoming a menace in places it never was before.

Akita, known for the bear-hunting dogs that carry its name, has always had bears around, but experts warn of boars and deer overrunning the countryside as the human activities that once held them back — such as hunting — fade due to depopulation.

 

 

In Akita, depopulation is only one part of the equation. The rest simply has to do with the subsequent increase in hunger, another expert said.

 

●“The depopulation of rural villages is connected, but it’s not the root cause,” said Mariko Moriyama, president of the nongovernmental organization Japan Bear and Forest Society.

“The root cause is that food has disappeared from the mountains.”

Moriyama points to research showing that trees have been growing weaker across the world, with a dramatic decrease in leaves and fruit.

 

The culprit, she said, is us.

 

“Global warming, acid rain, air pollution — all caused by human activities,” she said. In Japan, the effects have been particularly noticeable with the Mongolian oak (mizunara).

 

 

For years, Moriyama has been tracking the progress of Japanese oak wilt, a fungal disease brought on by climate change, as it creeps northward into southern Akita. Busy with their lives in the city, newly urbanized Japanese are no longer going up into the mountains like they used to. “They don’t realize how devastated it has become.”

 

This is particularly damaging for Akita’s black bears.

“They rely on mizunara, not beech,” for nourishment, she said.

 

With the mountains bare of food, no matter how skittish they are, returning to the woods might not be an option for these animals. “If nothing is done to help the mountains, the bear attacks will continue.”

 

 

Today, officials put the number of bears in the prefecture at roughly 1,000, but the primary data derive from reports about encounters — a statistic likely to get warped as sightings become more commonplace.

 

Here, wild mountain vegetables have been a spring delicacy for as long as anyone can remember.

 

Perhaps that is why residents remain eager to ignore the figurative and literal signs telling them times have changed. This has led the police to close off mountain trails and patrol popular entry points instead.

Others think back to when they were young, when the matagi (traditional bear hunters) would supply the wild animals’ tough and gamey meat to restaurants and school cafeterias. Today, the ranks of the matagi are aging and dwindling, and the meat is shunned even by residents as it can be poisonous if not properly cooked.

 

 

Meanwhile, Kaori Kawashima stays at home, getting her meat and vegetables from the supermarket. Perhaps attracted by Kumamoto Prefecture’s popular bear mascot Kumamon or Winnie the Pooh, she still hopes someday to see a real live wild bear in the flesh — as long as it’s from the safety of her car.

She laughs, saying: “I don’t want to die, but … they seem cute, don’t they?”

Her husband, Kazunori, agrees. “My first impulse would be to take my phone out and snap a picture.”

 

秋田のクマ、推定生息数の6割捕殺 「前代未聞」懸念も

(以下、1月8日朝日新聞デジタルより)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13303856.html

秋田県内で今年度、ツキノワグマの捕殺数が前年度の1・7倍に急増し、推定生息数の6割弱にあたる817頭に上っている。

自然保護団体が駆除の中止を求めているが、クマによる死傷者も2009年以降、最多の20人。住民の要請を受けて捕殺が増えているといい、県は人とクマの共存に頭を悩ませている。

 

 

ツキノワグマは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危急種に分類される。環境省によると、国内では九州で絶滅と考えられ、四国では絶滅の恐れがあるとされている。

 

「日本熊森(くまもり)協会」(本部・兵庫県、会員・約1万7千人)は昨年10月、「根絶殺害に近い」と、秋田県の佐竹敬久知事に有害駆除と冬の猟の中止を強く求める要望書を提出した。熊森協会の森山まり子会長は「前代未聞の数でむちゃくちゃ。共存に取り組むのではなく、見つけたら殺さなあかんという流れがあまりに残念です」。

 

秋田での捕殺数は全国で群を抜く。環境省のまとめによると、今年度は昨年10月末時点で全国で最も多く、昨年度も全国最多の476頭。この10年で唯一、2年続けて300頭以上を殺した。今年度は冬の猟も9年ぶりに解禁し、解禁の昨年11月15日から12月末までに26頭を捕殺した。

 

 

ただ、県によると、12月末までの捕獲数は817頭に上り、すべて殺された。このうち、767頭は住宅地や農地への出没による「有害駆除」。増加は、住民の要請に応えた結果という。県警などによると、目撃頭数(12月末まで)も過去最多の延べ1500頭余。クマによる死者が1人、重傷者が5人出ており、死傷者数は計20人に上る。例年は山に食べ物が少ない夏に出没が多いが、ドングリ類が凶作で、昨年は秋も目撃が多かった。県自然保護課は「人が襲われる事故も多く、生活圏の近くで目撃され、住民から求められれば、対応せざるをえない」という。

引用ここまで

 

熊森から

豊かな森が残っていさえすれば、動物たちも人間も生きられます。

クマたちは、秋田の山にもはやえさがないことを、身を賭して人間に訴えていると思います。

撃たれても撃たれても、冬ごもり前の食料を求めて出て来るクマたちの姿は、近い将来の私たち人間の姿かもしれません。

何十年後かに地球規模で大変な食糧難時代がやってくると言う予測がありますから。

 

佐竹知事を初め、秋田のみなさんはやさしい人でいっぱいですし、熊森は秋田県庁にもいろいろとお世話になっていますから、秋田県を責める気はありません。

ただ、殺人熊誕生、人喰い熊誕生と、センセーショナルに叫んでいるマスコミの寵児に、あまりにも踊らされていないでしょうか。

 

クマは秋田のみなさんが知っておられる通り、臆病でやさしい動物です。

棲み分けにより、この国で人間と共存が可能です。

 

地球温暖化による大規模なナラ枯れや昆虫の激減に加えて、昨年度は山の実りなしという異常な大凶作年でした。

外から見ていると、殺す以外の対策が何も見えなかった秋田県ですが、電気柵などの被害防除対策や、リンゴ園の落ちリンゴはクマにあげるなどの食料の分かち合いなど、殺さない対応はとれなかったのでしょうか。

秋田にも、殺さないでクマに対応した個人や集落がきっとあったと思います。秋田県行政ややメディアはそこを発掘してほしいと思います。

また、人身事故が起きないようにうまく対応したところも多いと思うので、そういう住民たちの知恵を出し合っていただきたいと思います。

 

最後に一番大切なことをお願いします。

クマたちを育んできた秋田の山が、今どうなってしまっているのか、私たちが調べきれていない秋田のクマ生息地の山の中の食料調査を早急にしてください。

このような調査は、一見、クマのためではありますが、結局は私たち人間のためでもあるのです。

 

 

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