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2018-04-01

3月15日 日本で初めて巨大ダム工事の建設を止めた藤田恵氏をお招きしました

元徳島県那賀郡木頭村村長で、国や県を相手に建設省の直轄ダムとして計画されていた細川内(ほそごうち)ダムの建設を止めた藤田恵氏を本部にお招きしました。

藤田氏は物静かな方で、3時間半とつとつとお話を聞かせてくださいました。

 

木頭村は山深い山村です。

幼少のころから山に入ってきつい山仕事に従事してこられた1939年生まれの藤田氏の話は、熊森にとってどれもこれも貴重な証言でした。

 

藤田氏は、山仕事をされていたのに、クマサルシカイノシシなどの大型野生動物に出会ったことは1回もないということです。当時、ずっと山奥に、人間が行くことも入ることもできない深い森があり、そこにはクマやイノシシなどの動物たちがいると聞いたことがあるということでした。人と動物との棲み分けが完全にできていたもようです。

 

拡大造林が始まって、村では、ブナ、ミズナラ、もう巨木という巨木を片っ端からすべて伐り倒して、跡地にスギの人工林を延々と造っていきました。

人工林は、10年たつと次々と崩れ始めたそうです。多くの土木作業員が募集され、崩れた林道や山を直していきます。仕事が終わると、作業員たちは失業してしまうので、次の土木工事の仕事を作らねばなりません。拡大造林が土建国家日本を作りあげて行ったようすが良くわかりました。

 

この日お聞きしたことは、何らかの方法で、ぜひ会員のみなさんにお伝えしなければならないと思っています。

今まで、なぜ熊森と藤田氏が出会えずにいたのか、不思議でなりません。

熊森には、まだまだ藤田氏から教わらねばならないことがいろいろあります。

藤田さん、また機会を作ってくださって、ぜひお話をもっとお聞かせください。

 

3月29日(木) 神崎ロータリークラブで副会長が卓話

神崎ロータリークラブは都市部と山間部のちょうど中間くらいに位置する場所にあります。

みなさん、人工林の問題に関心を持っておられ、熱心に聞いてくださいました。

熊森協会にご入会してくださる方も現れました。

とてもうれしかったです。

2018年4月1日から室谷悠子副会長は、熊森の2代目会長となり、熊森会長としてお話をしていきます。

会長一年目の今年は、とにかくくまもりを広めることに専念しますので、お話させてもらえる所がありましたら、是非ご連絡ください。

3月26日 春の訪れを感じる兵庫県クマ生息地の広葉樹植樹地のシカよけネットを補修

クマ生息地のくまもり植樹地は、シカ除けネットで囲ってあります。

このネットが毎年、雪溶け時に斜面を移動する雪によって杭ごと倒されてしまいます。

シカに広葉樹の苗木を食べられる前に、倒れたネットの補修に行かねばなりません。

何とか、倒れないネット張りが出来ないものか。

 

昨年度、雪の流れを考えたり、ネットを周りの立木に結び付けたりして工夫した場所を見に行きました。

一部雪の重みでネットが下がっていた部分はありましたが、ほぼ完ぺきにネットが残っていました!

右上の広いエリアが工夫して張ったネット

立木を使ったネットの固定は、効果がありました。

 

以前設置したネットの中にも、雪に耐えたものがありました。

しかし、ネットと苗木が近いとシカが首を伸ばして苗木の先端を齧ってしまいます。

ネットがたるんでいるのは、シカが首を突っ込んだ痕跡です。

シカに先端を齧られた苗木

 

下写真の尾根筋に残された落葉広葉樹林は、今年ネットで囲って下層植生を回復させたいと考えています。

尾根の落葉広葉樹林

 

2つ目の植樹地。こちらのネットは雪の影響を受けて結構倒れていました。ネットを張ってから5年ほど経って支柱が劣化していることも影響していると思われます。倒れたネットを次々と立て直していきました。

作業終了

 

この植樹地の周辺には4月になると白い花を咲かすタムシバがあります。この日はすでに花が咲いていました。クマの大好物と言われています。

カマキリの卵も発見。もう少し暖かくなると孵化するのかな。

満開のタムシバ

カマキリの卵

この日はなんとコウノトリにも出会いました!暖かくなって田んぼから出てきた虫をついばんでいるようでした。

足に標識がついていました。

 

今年は雪が多かったと聞いていましたが、場所によっては少ない地域もあったようです。

雪の影響を受けていた植樹地のネットは、ある程度補修できました。

この日はとても暖かく春の訪れを感じた一日でした。

 

4月7日のいきもり活動では、雪が多かった戸倉でシカ除けネットの修繕をする予定です。みなさん、是非ご参加ください!

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