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2018-04-03
【本部】4月2日 身近な木々と親しもう!春の公園で環境教育例会
くまもり本部環境教育部で毎月実施している例会。
お天気がとてもよかったので、この日は、近くの西田公園で初の野外例会を実施しました。
春休みということで、9名のくまもりキッズたちも集合。
事務所近くの公園で、身近な木について学ぶプログラムを実施しました。
テーマを「木」とした背景には、例会メンバーの一人の、ある思いがあります。
「子どもたちの身近な自然といえば、校庭や公園に植えられた木。
でも、ちゃんと目を向ける機会は少ないです。
身近な木々を、自然への興味の出発点とできれば」
—— まずはメンバーたち自身が、木に目を向けようということで、今回の実施に至りました。
☆☆☆
子どもたちには、ミッションとして、葉や花、実などのヒントを頼りに、8種の木を探してもらいました。
発見して終わりでなく、説明をきいてしっかりとメモを取っています。
ふと耳を澄ますと、ギーギーという鳴き声と、コンコン、という音が。
見上げると、コゲラが一生懸命木をつついていました。
(動きが素早く、その姿を写真に収めることはできませんでした…)
木を観察していると、木を取り巻く、様々な動物たちの姿も見えてきます。
身の回りで、いろんな生きものたちが繋がりあって生きている。
そんな気づきの瞬間に、立ち会えた気がしました。
環境教育部では、子どもたちが自然に親しみ、大切にしようという心を育めるよう、試行錯誤しながら、環境教育プログラムを作製しています。
そして、そんなアイデアが生まれる場が、環境教育例会です。
興味がおありの方、ぜひお気軽にご参加ください♪(SY)
次回の例会
【日時】5月7日(月) 10:15~12:00
【場所】くまもり本部事務所3F
【お問合せ】メール:volunteer@kumamori.org TEL:0798-22-4190(山本)
3日前までにお申し込みください☆
東京新聞が、秋田県がクマの推定生息数を2300頭と訂正発表した件に対する熊森コメントを掲載
記者がクマの生息推定数に関して環境省担当者に問い合わせたところ、「クマの保護・管理は、都道府県が行っている」と取り合わなかったという記述は、国際自然保護連合レッドリスト危急種に対するこの国の姿勢を良く表しています。(日本は生物多様性条約を批准しているのですから、本当は、環境省が逃げないで責任を持つべきなのです)
熊森関連記述
深い山にいるクマの生息数を調べるのは難しい。日本熊森協会(本部・兵庫県)の森山まり子会長は「アフリカの草原にいる動物を上から数えるのと違い、クマは単独生活で、何キロも先から人間を察知して逃げるので正確に調べようがない。生息数の数字が独り歩きし、捕獲数が増えていくのが怖い」と危ぶむ。
以下、3月24日東京新聞<こちら特報部>です。
兵庫県井戸知事の「連携してクマを管理(=捕殺)」の呼びかけに、岡山県伊原木知事が合意
以下、山陽新聞より
岡山県の伊原木隆太知事と兵庫県の井戸敏三知事が政策課題について話し合う会議が3月27日、岡山市内のホテルで開かれた。
両県をまたぐ中国山地でツキノワグマの推定生息数が増加していることを受け、連携して管理計画(熊森注=捕殺計画のこと)の策定を目指すことで合意した。
鳥取を含めた3県で協力し、生息数の調査や駆除の方向性を盛り込んだ計画を想定している。
井戸知事が「狩猟許可を出して捕獲しているが、効果が上がっていない。共同で広域的な計画を作りたい」と持ち掛け、伊原木知事は「クマは県境を越えて行き来している。人命を守るためにも協力したい」と応じた。
両知事はまた、シカやカワウなど有害鳥獣対策(=捕殺対策)でも連携する。
同会議は2002年度から開いており、7回目。
熊森から
ちなみに、鳥取県は、今後もクマ狩猟を再開しないと発表しています。理由は、山にいるクマまで獲る必要はないと思うからだそうです。
その通りです。熊森は鳥取県に拍手です。
宮城県の雪山で、今年初のクマによる人身事故が発生。熊森本部が地元行政へ電話で聞き取り
2018年3月31日、今年度全国初となるクマによる人身事故が、まだ雪が残る宮城県の山奥で発生しました。
以下、河北新報 ONLINE NEWS (2018年4月1日付)より
クマに襲われ男性が大けが 加美・荒沢湿原
31日午前11時ごろ、宮城県加美町鹿原の荒沢湿原で、仙台市太白区の団体職員男性(68)がクマ1頭に襲われ、頭に大けがをした。
加美署によると、男性は10センチほどの裂傷が2カ所あるが、命に別条はないという。現場は荒沢自然館の西約4キロの山中で、男性は景色などを撮影するため1人で歩いていたという。
荒沢湿原は県内有数のミズバショウの群生地。以下略。
熊森本部は、すぐに加美町役場の担当者へ電話して、くわしい状況を聞き取りました。
【加美町担当者の話】
事故があった場所は今も雪に覆われている。冬眠しているクマを刺激する恐れがあるため、町としては現場調査は行わない。
ケガをされた男性は、自然の写真を趣味で撮られている方で、撮影時、動物に気づかれないように、クマ鈴など音の出るものを携帯していなかった。
人の気配を近くで感じてびっくりしたクマが、冬ごもり穴から出てきたのかもしれない。
事故後、男性は電話で荒沢自然館へ救助を要請し、荒沢自然館の方が、当日現場方面の山の中にスノーモービルで入っていた方に、男性の捜索と救助を要請して、無事男性を救出した。
現場はクマの生息地なので、町としては今回、有害駆除はしない。現場につながる道路を閉鎖するとともに、山に入る時は音の鳴るものを携帯して十分注意して頂くよう、看板設置をして回っているところ。
熊森から
お怪我をされた方に、お見舞い申し上げます。
クマは、人間に対して恐怖心を抱きながら生きています。ふつうは人間を察知すると、クマの方がさっと逃げますが、うっかりして臨界距離(12メートル)内で人間に出会ってしまうと、クマは逃げられないと思い、恐怖でいっぱいになります。クマの中には、習性として人間をはたいてそのすきに逃げようとする者がいます。クマの棲む山に入る時は、熊鈴などを携帯して早めに人間の存在をクマに知らせるなど、人間側の努力が必要です。
今回、加美町は、クマと人間、両者の視点から中立的に見て、クマを有害駆除しないと決められたそうで、ほっとしました。
お怪我の程度が心配されます。メディアの報道が「大けが」となっていたり、「引っ掻かれた」となっていたり、まちまちです。
2017年度、兵庫県ではクマによる人身事故が2件発生し、県はどちらも重傷と発表しています。しかし、本人にお会いすると、軽傷と言われました。うち1名の方は、医師の判定も軽傷だったと教えてくださいました。
一方的にクマを狂暴な動物に仕立て上げるのではなく、怪我の程度は本人に会って確認して、正確に伝えていただきたいものです。
3月4日 宮城県で熊森本部主催「クマを知る会」を開催
- 2018-04-03 (火)
- くまもりNEWS
熊森本部は、争いを避けるクマ本来の平和的な姿を知ってもらおうと、5年半ぶりに宮城県で集会を持ちました。
2016年に秋田県で起きた死者4名というクマによる人身事故以来、クマのイメージが極端に悪くなっています。
クマ推定生息数1000頭と発表してきた秋田県が、2016年に476頭、2017年に817頭ものクマを有害駆除した背景には、クマという動物に対する誤ったイメージがあると思われます。
集会では、まず本部が、「野生のツキノワグマを保護飼育してわかったこと」というテーマで、大阪府の高代寺で飼育している元野生グマ「とよ」の研究発表をしました。
動物園でクマフードなどを与えられて飼育されているクマと違って、「とよ」には、秋、ドングリが大量に与えられます。
すると、この時期、「とよ」はドングリ以外の物を一切食べなくなります。
自然界に生きるクマにとって、冬ごもりにいかにドングリが欠かせないかがわかります。
また、「とよ」は誤捕獲された当初、人間に対して強い恐怖心を抱いていましたが、クマへの愛情いっぱいにお世話に来てくれるスタッフたちに次第に心をひらいていきました。
クマは知能が大変高く、人間と心が通じ合えるすばらしい動物であることを、動画で皆さんに見ていただきました。
「とよ」の食事風景 2016年7月
お世話スタッフにブラシで背中を搔いてもらう「とよ」 2016年9月
次に、宮城県で長年野生グマの調査をされてきた研究者に、クマの生態について発表していただきました。
宮城県は、西側に標高1500m以上の山々が連なる奥羽山脈があり、ここがクマ生息地の中心です。
山奥に設置したセンサーカメラでとらえた野生グマの動画を見せていただきました。
ほほえましい野生グマたちの動画に、参加者の皆さんも大喜びです。
山形県の八木支部長もご参加くださいました。
会場をセットしてくださった宮城県会員、発表してくださった方、参加してくださった方、みなさんありがとうございました。
他の県でも、クマの本当の姿を知ってもらうこのような集いを、どんどん持っていきたいです。
みなさん、ぜひ、会場をセットしてください。