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2018-06-23
砺波平野の散居村で、無抵抗のクマを射殺 6月25日追記
6月14日、富山県砺波市でクマが射殺されました。
場所は、農家が1軒ごとに点在し、その家を屋敷林が囲むという、絵にかいたような美しい散居村です。
熊森本部は、さっそく市の担当者に聞き取りを行いました。
●砺波市農業振興課担当者
14日の午前9時頃、砺波市庄川町五カ地区の水田で、クマの足跡が発見されました。
山から約3km離れた庄川扇状地の端でクマが出ることがない場所でした。驚きました。
警察がパトロールを開始したところ、五カ地区から北西に約2km離れた荒高屋地区の散居村で、水田の畦をクマが歩いていました。クマを追ったところ、クマは民家の屋敷林に入りました。
民家には人がいたので、家の外には出ないようにしていただき、現地に駆けつけた猟友会と市の職員と警察で屋敷林に入りクマの捜索をしました。クマは1頭で、屋敷林のスギの木に登り始めました。近くには小学校や中学校もあり、山から5km以上離れているので追い払いはできないため、殺処分しかないという判断になりました。警職法に準じて猟友会に発砲許可を出し、クマを射殺しました。
(熊森から)
このクマの胃の中は空っぽだったそうです。夜、食料を探しにそっと出て来て、朝帰りしそびれたことも考えられます。
ニュースの映像を見ると、クマは耳を立てて人間を警戒している様子でした。時折、人間や車から離れようと走っていました。
ふだん見慣れない車や人間に出会ってどんなに怖かっただろうかと思います。
担当者は、民家の敷地に侵入したといっていましたが、人間が騒ぎ立てて民家に追い込んでいるようにも見えました。
人間に対して、爪を立てることもなく、終始おとなしかったこのクマのどこが危険だったのでしょうか。
このクマは、人間に危害を与えるつもりなど全くありません。
人間は最初からこのクマを殺すことしか考えていません。
人間に猛省を促したいです。
①6月25日熊森本部が砺波市担当者に電話
熊森:初めから殺すありきで、なんとかこのクマの命を助けられないかという心が見えない。
今回のことは、富山県庁にクマの放獣体制がないことが 一番の問題ではないのか。
砺波市:富山県庁にはクマの放獣体制があります。
熊森:それは初耳だ。富山県はクマを放獣しない県だと思い込んでいた。誰が放獣業務を行うのか。
砺波市:・・・
熊森:担当者が知らないというのは、放獣体制がないということなのではないのか。
6月25日熊森本部が富山県担当者に電話
熊森:富山県にクマの放獣体制はありますか。
富山県:あります。放獣業務(吹き矢・麻酔銃)を実施するのは、県の職員です。
熊森:最近ではいつ放獣されましたか。
富山県:2010年に山から出て来たクマを箱罠で獲り、うち17頭に麻酔をかけて放獣しました。
熊森:その後8年間の放獣実績が毎年ゼロなのはなぜですか。ずっと、富山には放獣体制がないのだと思っていました。
富山県:放獣場所がないからです。山林所有者が放獣を許可してくれないのです。
熊森:放獣させてほしいという依頼など、受けたことがありませんが。
【利尻のヒグマ】北海道のテレビ局が門崎允昭顧問のコメントと熊森の要望書を報道 6月25日追記
北海道文化放送局が6月22日夕方のニュースで、門崎允昭顧問のコメントと、熊森が高橋はるみ知事に6月21日に提出した利尻のクマを捕獲しないようにという要望書を報道してくださいました。リンクが切れないうちにぜひご覧になっておいてください。
北海道文化放送局さん、ありがとうございました。
みなさんも利尻のヒグマを捕獲(=殺処分)しないよう、地元行政へ声をお届けください。
利尻富士町役場 総務課 TEL:0163‐82‐1112 fax:0163-82-1253
利尻町役場 総務課 TEL:0163‐84‐2345 fax:0163-84-3553
捕獲許可を出した北海道庁自然環境課は、守るべき自然が何なのかわかっておられないようです。一体どんな理由で、何の問題も起こしていないこのヒグマを殺すことを許可されたのでしょうか。強く抗議したいと思います。
北海道庁自然環境課 TEL:011-204-5205 fax:011-232-6790
6月25日北海道庁に熊森が電話
熊森:何もしていないクマを殺処分するのは、犯罪だと思います。なぜ、捕獲許可を出されたのですか。
北海道庁:捕獲許可を出したのは、道庁の出先である宗谷総合振興局です。今のヒグマの状態で、ヒグマを捕獲することはありません。罠もかけていません。万一の事態が生じた時のために、あらかじめ捕獲許可を出しておいただけです。このヒグマが利尻の山に棲みついたとしても自然なので、島民に被害がない限り、このヒグマはそのままにしておくと思います。