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2019-03

3月28日 雪が解けた兵庫県北部クマ生息地の熊森植樹地で、苗木のシカよけ柵を補修 今春初

2019年3月28日、熊森本部森保全部会のメンバー6名は、兵庫県宍粟市にある2012年、2014年、2015年、2018年の熊森植樹地のメンテナンスへ行ってきました。

熊森が長年人工林の広葉樹林化を続けてきた奥山域は、毎年平地の何倍もの雪が降り積もり、植樹した苗木やその周りを囲うシカよけ柵がなぎ倒されます。

2017年4月7日、宍粟市植樹地(多雪年)

しかし、今年は西日本地域を中心に暖冬で、メディアの報道によると兵庫県北部の豪雪地域は、例年の7%しか積雪がなかったそうです。この日は既に残雪もなく、囲いは例年ほども倒れていませんでした。

2019年3月25日撮影、同地点(少雪年)

 

しかし、場所によっては柵が倒れていたり、雪の重みでネットがずり下げられたりしている個所もありました。

修復作業に取り組む、熊森森保全フィールドチーム。6名中2名はフィールド活動初。

修繕前

修繕後

柵が倒れた箇所では、シカに頂芽を食べられてしまっていないか(頂芽を食べられると、その後うまく生育できなくなってしまいます)心配でしたが、多くの苗木は無事でした。

2018年植樹地のトチの木。樹脂がでて光沢がある。触るとベタベタ

作業は、朝10時30分から15:30まで。メンバー皆で奥山の野生動物生息地保全と、水源の森再生に燃えてがんばりました。

充実した一日でした。

作業後の記念撮影。熊森森保全フィールドチーム

 

初めてフィールド活動に参加したメンバーの感想

「初めての補修作業でしたが、日本の森の現状、野生動物の生息地がいかに荒廃しているか、新しいことを学ぶ良い日になりました。ケガ人が出ることもなく、最初から最後まで楽しく円滑に作業ができました。」

みなさん、お疲れさまでした。

 

作業後、この近くで2018年7月の西日本豪雨災害によって、スギの人工林が大きく崩れた国有林を見に行きました。

根こそぎ倒れた国有林内の人工林のスギの木。

 

密植されたまま放置された針葉樹の単一人工林は、根が浅く、いかに災害に弱いかが、よくわかります。

メンバーの一人が「こりゃなんとか森林環境税を使って早く天然林に戻さないと、兵庫でもこれからどんどんこんなことが増えていくなあ」とつぶやきました。

注:森林環境税は私有林が対象。

 

森林環境税・譲与税法案は3月24日に、「放置人工林の広葉樹林化」という附帯決議がついて国会を通過しました。

これからは森林環境譲与税を使った市町村での体制づくり、広葉樹林化の実践例づくりを進め、全国へ広めていくことが熊森の使命です。

 

熊森本部フィールド活動は、次回は、4月7日(日)です。

豊岡市但東町の植樹地で同様の作業を行います。

日本の森再生のための力になりたい方、ぜひご参加ください。

お申し込みは、熊森本部まで至急。

胸がつぶれる 石木ダムに50年間反対し続けてきた地元住民たちの土地を長崎県が強制収用申請 

映画「ほたるの川のまもりびと」を、見に行きました。(現在、大阪の第七藝術劇場など各地で上映中)

なんとなく、ほたるを川に呼び戻す活動かと思って見に行ったら、全然違う内容でした。

 

 

50年前、川棚町に石木ダム計画問題が持ち上がりました。

地元住民が50年間も反対運動を続けておられます。

50年!?もう、気が遠くなりそうです。

人生のほとんどすべてを、ダム反対に費やさざるをえなかったことになります!

 

映画によると、住民は、業者によるダム工事の強行に備えて実力阻止部隊を結成し、1年中見張っています。

 

 

工事をする人は、行政からお金をもらって次々と新しく元気な人がやってきますが、地区を守ろうとする住民には、どこからもお金が出ません。その上、代わってくれる人もなく、同じ人間がずっとがんばり続けるのですから、もうへとへとだと思います。みんな年老いていきます。

想像しただけで、どんなに大変かと思います。

休みの日でも、旅行にも行けず見張りを続けなくてはなりません。

 

たとえ、どんなに意味のあるダム工事計画であったとしても、50年間も住民が立ち退きたくないと断り続けているのですから、完全に行政の負けです。

行政が最後まで残っている13家族を説得できなかったのです。

そんなところにダムを造る権利は国にも県にも市にも誰人にもありません。

もはや基本的人権を認めるかどうかの問題です。

いくら自分がいいと思っても、相手が絶対嫌だということは、してはならないのです。

これは、最低限の社会ルールだと思います。

 

行政としては、地元の人たちに、みなさんを50年間も苦しめ続けてきてすみませんでしたと謝り、反対運動に命を懸けてきた信念の住民たちを表彰すべきでしょう。

 

ところが、こともあろうに、長崎県は、国がダム事業を認定したことを盾にとって、ダムの完成で水没するおよそ9万平方メートルの土地などを国家権力によって機動隊を使って強制的に収用するための「裁決申請」を行ったのだそうです。もう無茶苦茶だと思いました。完全に、政治ゼロの世界です。

 

それにしても、小さな小川のような石木川をせき止めて、あんな大きなダムいっぱいの水などたまるのでしょうか。

 

工事会社が仕事欲しさに政治家を動かして、ダム工事を進めようとしてきたとしか思えません。

作家故森村桂さんが言われていたように、工事会社にお金をあげたらいいと思います。

50年も、彼らなりにがんばり続けたのですから。

ただし、工事は一切しないでください。

(土建業のみなさんは、国土をコンクリートで固める自然破壊工事ではなく、今後は、放置人工林の天然林化を仕事にして下さい。それなら応援します。)

 

 

みなさんも、ネットで石木ダムのことを調べてみてください。

50年前と今では、時代がすっかり変わっています。

これからはどんどん人口が減っていく時代です。

調べれば調べるほど、ここまでの無茶がこの国で許されていいのかと、胸がつぶれそうになりました。

 

熊森顧問の、京都大学名誉教授今本博健先生が、石木ダムを造る必要など全くないことを、見事、論理的に説明されています。

 

全国から長崎県知事に、もうここの地区の住民を自由にしてやってほしい。これ以上いじめるのはやめよという声を届けませんか。こんないじめを見逃して、いじめのない学校や社会など作れません。

強大な国家権力に押しつぶされようとしているこの地区の13軒の勇者たちを、全国民で支えていきましょう。

 

最近、各地で、このような国家権力による国民いじめや野生動物いじめが目立ちます。

まだ正義感を失っていない若者たちに、先頭に立って声を上げてもらいたいです。

 

国家権力につぶされそうになっている弱者たちを、人ごとだと思って黙って見すごす人たちは、本当に自己中で、弱虫だと思うのですが、みなさんはどう思いますか?

 

熊森は声を上げます。

映画の最後に登場した川原(こうばる)地区のみなさんの歌声が、今もずっと耳に残っています。

最後まで戦い続けてきた13軒のみなさんの心を思うと、泣きそうになりました。

 

 

みなさんも、長崎県知事に声を届けてください!

 

中村法道 長崎県知事 

長崎県庁 〒850-8570 長崎市尾上町3-1 電話095-824-1111(代表)

FAX  095-826-5682

 

 

P.Sちなみに、ダム賛成派の声も聞いてみようと思ってネットで調べてみると、何と、長崎県が、ダム推進動画を造っていました。

 

長崎県制作、石木ダム推進動画の感想>

偏見無しで見せてもらったつもりですが、見ただけで、その嘘嘘しいこと。

バックには大きな川棚川が流れていますが、今回のダムはその支流の小川みたいな小さな石木川をせき止めるダムで、問題をすり替えていることがすぐにわかりました。

それにしても、登場人物はみなさん、やらされていることが見え見えの演技。

お金がもらえるなら、良心や正義感を捨てる人はいつの世でもいるんですね。

 

映画「ほたるの川のまもりびと」に出て来た人たちの真実味ある発言と、思わず比べてしまいました。

反面動画として見てください。

おもしろいです。

 

改めて、人間どう生きるべきか教えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウミガメの産卵する自然海岸を守れ

奄美「嘉徳浜」を守る訴訟を応援してください!

奄美・瀬戸内町の嘉徳海岸

奄美大島・瀬戸内町の「嘉徳海岸」に、巨大なコンクリート製護が設置されようとしています 。 嘉徳海岸の豊かな自然環境・生物を守るため、 住民たちが護岸工事の差し止めを求めて住民訴訟を提起しました。

熊森の室谷会長の所属するあすなろ法律事務所と奄美あすなろ法律事務所の弁護士も訴訟代理人として、貴重な海岸を守るため必死で頑張っています。嘉徳海岸には、ウミガメが産卵に訪れる外、天然記念物のオオヤドカリが生息、貴重な貝類、その他たくさんの生きものがいます。多数の生命のため、次世代に豊かな環境を残すため立ち上がった人たちをぜひ、応援してあげていただきたです。

以下、呼びかけ文です。

*********************

奄美「嘉徳浜」訴訟を応援してください!

奄美の森と川海岸を守る会

奄美嘉徳浜訴訟弁護団

JELF (日本環境法律家連盟)

 

嘉徳浜は亜熱帯の島,奄美大島にわずかに残された自然豊かな砂浜です。砂浜は人と海とが交わる入り口でした。しかし,嘉徳浜ではコンクリート護岸堤建設計画が進められています。コンクリートで砂浜が失われれば海岸は捨てられた場所となります。砂浜を回復することにより災害対策なります。私たちは人も自然も守られる方法であると考えます。
詳細は、こちらから 嘉徳浜 訴訟支援の呼びかけ

 

【応援して頂きたいこと】
① クラウドファンディングを始めました。支援してください
※ 3月26日 URLへのアクセス開始
こちらにアクセス → https://readyfor.jp/projects/save-amami-katoku-beach

 

② このメールを拡散してください。
友人への転送,Facebook,Instagram,ツイッターなどあらゆる媒体で拡散してください。

 

森林環境税・譲与税法が成立しました

参議院でも広葉樹林化を進めるための附帯決議がつきました!!

3月27日、森林環境税・譲与税法案が、参議院を通過し、成立しました。

 

参議院の総務委員会でも、熊森が訴えていた広葉樹林化とその体制整備をすすめることを求める附帯決議がつきました。衆議院総務委員会での附帯決議とほぼ、同じ内容のものです。

 

平成29年暮れに、森林環境税の創設を知って以来、熊森では、この機会に放置人工林の天然林化の流れを全国に広げたいと署名、国会への要請、全国の自治体への陳情と会をあげて取り組んできました。衆議院と参議院で天然林化を進めることを求める附帯決議を入れることができたのは、会員をはじめとするたくさんのみなさんと、豊かな森再生を重要と考え、尽力してくださった国会議員の方々のおかげです。本当にありがとうございました。

 

附帯決議を実現すべく、すでに、私たちは、森林環境税を使った天然林化の事例づくりのために動いています。豊かな森再生の動きを全国に広めていきましょう!

 

(参議院総務委員会での附帯決議の抜粋)

政府は、森林環境税及び森林環境譲与税創設の趣旨にのっとり本法の施行が円滑に進むよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。

 

9 私有人工林の荒廃が進み、保水力低下、土砂災害の発生、野生鳥獣の生息地の破壊、花粉症患者の急増など、深刻な問題が生じていることがわが国の森林における重要な課題であることを認識し、森林環境譲与税を活用して、豊かな森再生のために、地域の自然条件等に応じて、放置人工林の広葉樹林化を進めること。

 

10 広葉樹林化の施業は、実践例が乏しく森林環境譲与税の交付をうける市町村にその技術が無く、人材が不足していることから森林環境譲与税で放置人工林の広葉樹林化が進むように具体的な指針を示し必要な支援を行うこと。

 

11 既存の森林整備等に係る補助金等は、放置人工林の広葉樹林化に利用が難しく、自治体独自の補助事業がほとんどないことに鑑み、放置人工林の広葉樹林化が各地で進むよう、必要な取り組みを行うこと。

 

12 森林環境税及び森林環境譲与税制度について各自治体における使途及び豊かな森林の公益的機能増進への効果を検証しつつ、必要がある場合には豊かな森林環境の再生のために、森林環境譲与税の使途や譲与基準をはじめ所要の見直しを行うこと。

「森林環境税で天然林化を」のくまもり署名提出が、林経新聞に掲載される!

日本を救うため、放置人工林の天然林化という熊森主張を、全ての新聞に大きく取り上げていただきたいです。

しかし、残念ながら、まだ記者さんたちのご理解が、ほとんど進んでいません。

そんな中で、林経新聞が記事にしてくださっていたことがわかって、とてもうれしかったです。

ありがとうございました。

 

以下、林経新聞3月21日記事 Wクリックで大きくなります。 

 

人間は、海に何ということをしてしまったのか 黒い津波 知られざる実像 NHKスペシャル

東北大震災当時、津波の映像も被害の大きさも、衝撃でした。

と同時に、もう一つの衝撃が当時ありました。

どうしてきれいなはずの東北の海の水があんなに真っ黒なのか。

まさかヘドロでは?

人間はここまで海を汚染してしまったのだろうかと、ぞっとしたことを覚えています。

 

黒いヘドロの津波

 

震災から8年、やっと、2019年3月3日NHKスペシャルで、黒い津波~知られざる実像~が報道されました。

 

最新の研究で、黒い津波の正体が次第に明らかになってきたのだそうです。(見逃した方は、ネットで見れます)

陸地に到達した津波は当初、透明でしたが、そのわずか5分後には真っ黒な色に変わっていたということです。

やはり、この黒い津波の正体は、人間活動によって海底にたまったヘドロでした。

これでは、海底に住む貝やヒラメや海藻は生きられません。

 

沿岸漁業が廃れた原因は、かつて大陸棚の白化現象と聞いていましたが、今や海底は真っ黒の汚いヘドロの堆積場になってしまっていたのです。(どちらも、人間活動が原因です)

魚が消えるのは当然でしょう。育てる漁業がこのような海洋汚染の原因という指摘もあります。

 

戦後だと思いますが、母なる海に、わたしたち人間は、何ということをしてしまったのでしょうか!

呆然とさせられました。

 

しかし、すぐに気を取り直して、海底のヘドロをチューブで吸い上げて陸に運び、乾かして、燃やすなりして処理しなければならないと思いました。

今、生きている大人は、みんな責任をとらねばなりません。

 

 

ところが、NHK番組が言及したのは、黒い津波によって、より津波被害が大きくなった事実と、今後、黒い津波の被害から人はどう生き残るかでした。

 

その前に、海底に堆積されたヘドロを回収して、母なる海をもう一度生き物たちが棲めるようにきれいにすることを考えるべきではないでしょうか。

 

みなさんはどう思いますか?

 

もちろんプラスチックも回収しなければなりません。

クリックすると新しいウィンドウで開きます

海を埋めるプラスチック ネットから

 

この片づけをしないのなら、人間は地球上で暮らす資格はもうありません。

マイクロプラスチックのことまで考えると絶望的になりますが・・・

 

 

熊森を早くもっと大きくして、海問題にも取り組める実践自然保護団体になりたいです。

国民の皆さん、どうぞご入会下さい。

熊森は会員の会費と寄付だけで活動している団体なので、どんな問題に対しても、遠慮なく発言し、遠慮なく行動できるのです。

年会費1000円から会員になれます。

市民の力で地球を守りましょう!

森林環境税で、日本の山は豊かによみがえるのか 熊森見解

年間620億円の森林環境税の都道府県当たりの分配額を計算してみました。単純に47都道府県で割ってみると、1都道府県あたりの分配額は13億円になります。

 

一方、兵庫県を例にとってみると、平成18年度から、住民一人当たり800円と法人から年間約24億円を「県民緑税」として徴収し、森林整備に当たってきました。「県民緑税」の年間税収は森林環境税の約2倍にあたります。

 

24億円を10年間使って森林整備を行ってきた結果、兵庫の森がどれだけ豊かによみがえったのかというと、何も変わっていないんじゃないですかという感じです。

こんなことになった理由の一つは、間伐に最も多くのお金をさいてきたからです。2割間伐や3割間伐程度の林業用間伐では、5年もすれば残されたスギやヒノキが育って、再び林内が真っ暗な人工林に戻ってしまいます。(山林所有者が間伐希望した人工林の100%、兵庫県内の人工林の6割にあたる人工林がこれまで間伐され、所によっては2巡目間伐も実施しているそうです。)

 

兵庫県の場合は、他府県と違って先進的で、広葉樹林の育成にも、2割程度の税をあてています。しかし、それでどれだけ広葉樹が育ったのかというと、これがまた、多くのシカが山に入り込んでいることもあって、食害が著しく、努力の割には、目に見えるような成果はあがっていません。

 

こうやって見ていくと、森林環境税の創成で、一体どれくらい日本の山がよみがえるのか、はなはだ心もとなく、期待がしぼんでいきそうです。

 

熊森が思うに、日本の山をよみがえらせ、野生動物が棲めるようにするには、まず、担当者が本気になることです。

森林環境税を、これまで通り、人工林の間伐や林道、作業道造りに使ってしまうのであれば、気づいたとき、日本は水源の森を失ってしまっているでしょう。

 

有効な税の使い方として、林業に向かない場所にある放置人工林は、間伐するのではなく、皆伐して天然林に戻す。

これを徹底して進めることが必要だと思います。

 

といって、皆伐跡地が、ササ原やススキが原になってしまったのでは、これまた、なかなか広葉樹林に戻らなくなります。

国、都道府県、市町村に任せているだけでは、無理でしょう。

 

まして、森林経営管理法案がいうように、利潤追求が第一の、その山に何の思い入れもない企業や業者に山を任せればどうなるのか、火を見るよりも明らかです。

3月19日 初代総務大臣 片山虎之助議員 参議院総務委員会で森林環境税について質問

2019.03.19 15:35~16:00 参議院総務委員会で初代総務大臣の片山虎之助議員が森林環境税について質問されました。

以下、要旨(文責くまもり)

 

片山虎之助議員:だれかが昔、わが国は神の国って言って問題になりましたが、わが国は、木の国、山の国です。

ところが、実際は森林はおかしくなっている、林業は衰退する、山村は崩壊しているんですよ。このままじゃいかんというのがこの森林環境税の根っこにあるんですよ。

森林環境税は国税で取って、地方に分け与える。本当は地方の財源でやれたらいいのですが、山村中心地域で(これだけの多額の)税金は取れません。

森林環境税、私は、賛成です。

林野庁長官のご感想や今後の見通しを聞きたいです。

 

牧元林野庁長官:森林・林業・山村をめぐる状況は、ご指摘がございましたように、森林所有者の経営意欲の低下や、所有者不明森林の増加などもございまして、必要な間伐等が適切に行われていない森林が増えている等、森林資源の適切な管理が困難な状況も出て来ています。

一方で、戦後造成しました人工林が本格的な利用期を迎えておりまして、近年、国産材の供給量が増加をしております。木材自給率も7年連続して上昇して、36%まで回復してきたということで、明るい兆しも出て来ています。

農林水産省といたしましては、昨年制定されました森林経営管理法に基づきまして、意欲と能力のある林業経営者に、森林経営を極力集積・集約化すること。もう一つは、森林環境税も活用しながら、市町村が主体となって、条件不利な山については、間伐等の森林整備を進めること、この両面によりまして林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図ってまいりたいと考えております。

 

片山虎之助議員:税収総額600億円の9割が市町村、1割が都道府県に配分されるんだよね。都道府県はいらないんじゃないの。超過課税もやっているし、もともと財政規模も大きいんだから。

市町村への配分は、私有人工林面積5割、林業就業者数2割、人口3割に基づいて配分するんだね。市町村の支援、研修、人材の確保を言っているけれども、研修しようにも研修する人はいませんよ。給料安くもないけれども高くもない。そうゆうのでどうやって林野の職員を確保するんですか?この税金はね、使途特定の目的税なんですよ。ところが何に使うかという所が極めて抽象的であいまいなんですよ。なんにでも使えるんですよ。この財源を有効に使わないと、特別な負担なんだから、国民が怒りますよ。

 

牧元林野庁長官:確かに、市町村の職員を見てみますと林務担当の職員がほとんどいないという市町村が多いのが事実でございます。総務省でおつくりになった地域林政アドバイザーという制度を活用しながら、市町村の体制整備を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 

片山虎之助議員:ある民間団体が、戦後の造林したスギやヒノキの人工林が約1000万ヘクタール以上あって、その3分の2が荒廃しているといっているよ。荒廃している人工林は、(本来林業に向かない場所にあるから放置されているんであって、そういうところは、)天然林化、複層林化、広葉樹林化すべきだと言っていた。選択するのは市町村だが、やれるかどうか、やれない時にどうするか考えないといかん。お考えがあれば。

 

牧元林野庁長官:今後の日本の森林をどうするかという基本的なことにつきまして、その1は、林業に適した森林につきましては適切な間伐・再造林によりまして人工林を維持する。その2は、それ以外の森林では、抜き伐り等によりまして広葉樹の導入を図る、3つ目のカテゴリーとしては原生的な天然生林については適切に保全するということを、基本的な計画の中でうたっております。

現在、育成単層林となっているスギだけの山・ヒノキだけの山のようなのが1000万ヘクタール前後ございますけれども、そのうちの3分の1程度におきまして、広葉樹の導入等によりまして、複層林化をめざす風にしている所でございます。農林水産省としては、このための支援措置といたしまして、国土強靭化のための臨時特別総試算のなかに、人工林に広葉樹林の導入等を図るためのメニュー等も措置をしている所でございます。

 

片山虎之助議員:去年は、災害が連発しましたよね。減災防災、国土強靭化で、7兆円予算を組んでいるんですよ。公共事業中心に。この税の補助事業の中に、(荒廃している人工林の天然林化、複層林化、広葉樹林化を)入れてくださいよ。やっぱり日本は山の国、木の国なんだから。それを復活しないとね。日本の地方創生はなりませんよ。総務大臣も関係長官もよろしくお願いします。

 

熊森から

片山虎之助議員が、森林環境税に関心を持ってくださってありがたかったです。

本当にこれでうまく行くのかどうか見直すことを忘れてはならないと、片山虎之助議員が内藤税務自治局長に言われていましたが、その通りだと思いました。

熊森は森林環境税がどう使われていくか、ずっと追い、評価し続けて、世間に発表し続けていきます。

 

 

 

 

沖縄ジュゴン3頭のうち1頭死亡、2頭行方不明に胸痛む日々

熊森は、海や海洋生物までは手が回らないというのが現状ですが、今回の沖縄のジュゴンのことは、本当に大問題だと思います。

もっともっと、マスコミに騒いでもらいたいです。

人魚は、ジュゴンがモデルであることは、良く知られています。

海の草食動物で、食料は浅瀬の海草だそうですから、きれいな海にしか棲めない上、沿岸から離れて棲むこともできないと思います。

 

神経質で飼育は非常に難しいとされており、世界の2か所の施設で2頭だけが飼育されている現状だそうです。

日本では1972年に国の天然記念物に指定されており、沖縄県のレッドデータでは絶滅危惧IA類に指定されています。

 

沖縄で生息が確認されていた3頭ともこんなことになるなんて・・・

絶滅というのは、本当にもう、取り返しのつかないことなのです!

考えられる原因を徹底的に取り除く、疑わしいことも取り除くべきです。

 

行動することはできなくても、声を挙げることはできるのですから、みんなで大きな声を挙げていきましょう。

熊森も声を挙げていきます。

ジュゴン問題について取り組んでくださっている日本自然保護協会などの自然保護団体のみなさん、本当にありがとうございます。

 

以下はネット情報です。

 

米国の12の自然保護団体は19日(現地時間)、米下院軍事委員会のアダム・スミス委員長らに対し、環境を著しく破壊している名護市辺野古の新基地建設工事の一時中止を米国防総省に命じ、米連邦議会が監査権を行使して同省に米環境法を遵守(じゅんしゅ)させるよう求める連名の書簡を送付した。

書簡は、米国の環境法遵守が争点の「沖縄ジュゴン訴訟」が米裁判所で進行中であるにもかかわらず、「国防総省は無分別に行動し、環境に取り返しのつかない損害をもたらしている」と指摘。絶滅危惧種ジュゴンの重要な生息地であるサンゴ礁や海藻が工事の初期段階ですでに破壊されているとし、「米国の環境法を遵守しないまま新基地が完成した場合、これらの海洋哺乳類は絶滅する可能性がある」と工事を強行する米国防総省の姿勢を厳しく非難している。

 

熊森から

世の中には、こういう問題に対して何とも思わない人もいるのでしょうが、そういう人は命に対してあまりにも鈍感になってしまっていると思います。

 

5市町村が、放置人工林を順次計画的に天然林に戻すことを求める熊森陳情を採択

熊森は、2月8日、約1700近くの全国市町村に、「放置人工林を順次計画的に天然林に戻すことを求める陳情書」を、送付させていただきました。

現在、約300市町村から返答が返ってまいりましたが、そのなかで、これまで 5 市町村の議会が、この陳情を採択してくださいました!

 

以下は、これまでに陳情書を採択してくださった市町村議会です。

 

青森県  横浜町

青森県  野辺地町

秋田県  上小阿仁村

秋田県  五城目町

長野県  岡谷市(趣旨採択)

 

熊森から

5市町村からの返答、すごくうれしいです。

この5市町村で、放置人工林の天然林化がうまく進むよう、熊森も応援していきたいと思います。

 

今回、熊森が必死の思いで毎週兵庫県から国会に出向いて議員に訴え続けたり、全国市町村に陳情書を送ったからといって、一気に国が変わるわけではありません。

しかし、熊森が毎年アタックすることによって、少しずつであっても、今後は確実に、全国市町村が変わっていくだろうという確信が持てました。

 

本当は陳情より請願がいいのですが、請願は住民でないとできません。

放置人工林の天然林化を進めるためには、各市町村に、熊森会員がもっともっと必要です。

野生動物たちと共存したい方、まだ、会員になっておられない方は、ぜひご入会下さい。

 

私たち市民の手で、日本にも、欧米並み、100万人の自然保護団体を作りましょう!

 

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