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2019-08-01
政治も司法も不在の長崎県石木ダム 反対派住民「強制執行で古里奪わないで」と県庁に乗り込む
以下、長崎新聞7月18日より
川棚町に石木ダム建設を計画する県と佐世保市に、反対住民らが工事差し止めを求めた訴訟の第12回口頭弁論が7月17日、長崎地裁佐世保支部(平井健一郎裁判長)であり、水没予定地の住民ら原告7人が当事者尋問に出廷し「力づくで古里を奪わないでほしい」と訴えた。
長崎県収用委員会は今年5月、反対地権者13世帯の宅地を含む未買収地の明け渡しを求める裁決をし、家屋の撤去や住民の排除などの行政代執行が現実味を帯びる重大局面に入った。明け渡し期限は、家屋などの物件がない土地が9月19日、物件がある土地が11月18日。
住民の岩本宏之さんは「崖っぷちに立たされ、眠れない夜もある」、
石丸勇さんは「大変な人権侵害だ」と怒りをあらわにした。
岩下すみ子さんは「地域の人たちとのつながりを長い年月をかけて築き上げてきた。失いたくない」と声を詰まらせた。
石丸穂澄さんと松本好央さんは、イベントや会員制交流サイト(SNS)などを通じて、事業への疑問や反対の声に対する共感が全国で広がっていると主張した。
水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表と市民団体「石木川まもり隊」の松本美智恵代表も出廷。
嶋津共同代表は、石木ダムの治水効果は川棚川下流域にしか及ばず、上流域には氾濫のリスクが残っているとし「費用対効果が小さい」と強調。松本代表は人口減少による水需要の低下などを指摘し「誰のための公共事業か。県と佐世保市は現実を直視してほしい」とダム以外の利水対策を検討するよう求めた。
以下、長崎新聞7月31日記事より
石木ダム建設事業に反対する地権者や市民団体などの約200人が7月30日、約6時間にわたり長崎県庁内で抗議活動を実施し、庁内は一時騒然となった。家屋を含む土地の明け渡しを地権者に求める県収用委員会の裁決が出た中で、地権者らの不満が爆発した形となった。
県庁の担当者らに詰め寄る地権者ら(長崎新聞より)
熊森から
ダムは百害あって一利なし。
川は流れていてこそ価値があるのです。ダムでせき止めると、水は腐り、ダム湖にはヘドロがたまり、大自然破壊となります。
多くの生き物が死に絶えます。
このようなムダなダムを、なぜ我が国は造り続けるのか。
日本熊森協会顧問の京都大学今本博健先生が書かれた「ダムが国を滅ぼす」を読まれたら、答えは一目瞭然です。
ただただ、建設利権だけなのです。
建設会社と口利き政治家(報酬相場は、ダム建設事業費の5%)を潤すことだけのために、愛する故郷を失わねばならない。
50年間ダム建設に反対し続けてきた地元住民のみなさんの無念ぶりはいかばかりかと思いやると、胸が苦しくなります。
土建業の公共事業で経済を発展させようという戦後の経済政策から、もういい加減に脱却しないと、国が破滅してしまいます。
建設会社のみなさんは、これからはダム建設ではなく、放置人工林の広葉樹林化・天然林化を公共事業にする時代です。
乗り遅れないようにして下さい。これだと、誰も泣かすことなくもうけられます。精神衛生にもいいですよ。
7月30日、反対し続けてきた地元住民のみなさんは長崎県庁を訪れ、強制収用の取り下げを求める中村法道知事宛ての要請書を提出しようとしたようですが、知事は出張中で不在。副知事は「公務中」を理由に姿を見せなかったそうです。
長崎県側のコメントは、「大騒ぎになってしまい非常に残念」というものだったそうです。
なんだこれ???ふるさとを奪わないでほしいと全身全霊、体を震わせて訴えている地元住民に対する県側の思いやりのなさ、まるで他人事には、唖然とします。完全に、政治も司法も人権も不在です。私たち国民はこのような状況を認めてはならないと思います。やがて我身にも、この生きづらさが襲ってきます。
熊森は自然保護団体としてはもちろんですが、人間としても、おかしいことにおかしいと勇気をもって声を上げ続けてきた地元住民のみなさんに、心から連帯の拍手を送ります。
ダムは100%、自然破壊以外の何物でもありません。
わたしたち国民は、建設会社と口利き政治家の嘘にだまされないように、もっと勉強しなければなりません。
権力の暴力である強制収用は、今も昔も、絶対にあってはならぬものです。
<石木ダム問題について書いた2019年3月30日のブログを、もう一度以下に再掲させてください。>
たとえ、どんなに意味のあるダム工事計画であったとしても、50年間も住民が立ち退きたくないと断り続けているのですから、完全に行政の負けです。
行政が最後まで残っている13家族を説得できなかったのです。
そんなところにダムを造る権利は国にも県にも市にも誰人にもありません。
もはや基本的人権を認めるかどうかの問題です。
いくら自分がいいと思っても、相手が絶対嫌だということは、してはならないのです。
これは、人間社会に於ける最低限のルールだと思います。
私たちも長崎県知事に、石木ダム建設地を強制収用しないようお願いしましょう。
奥山保全トラスト 関東初のトラスト地が群馬県に誕生!
- 2019-08-01 (木)
- くまもりNEWS
~群馬県支部と記者会見をしました~
熊森から生まれた、水源の森のナショナル・トラスト団体・公益財団法人奥山保全トラストは、これまで全国17か所2100haの水源の森を所有する日本最大級のトラスト団体です。
奥山保全トラストは、これまで関東にはトラスト地を持っていませんでしたが、ついに、2019年7月に群馬県上野村で関東初のトラスト地が誕生しました!
7月31日、関東初のトラストを記念して、米田真理子理事長らが群馬県庁で記者会見をしました。これから現地を一緒に管理していく日本熊森協会群馬県支部長ら11名も出席しました。
熊森顧問、水ジャーナリストの橋本淳司先生も取材に来てくださり、ヤフーニュースに記事になっています!!
ぜひご覧いただき、シェアください!
ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20190801-00136537/