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2019-08

東京で森林環境税・譲与税学習会を開催

8月24日 午後1時~ ぜひ、ご参加ください!!

森林環境税で、豊かな森再生を実現するために、たくさんのみなさんに動いていただこうと、各地で学習会を企画しています!

8月は東京で、開催、室谷会長が講師をします。関東で、森林環境税について動いてみたいみなさん、ぜひ、ご参加ください。

お住いの地域で勉強会を開いてみたいという方もお気軽にご相談ください。

8月24日森林環境税勉強会_東京_チラシ

日時:8月24日(土曜日)13時~14時30分(学習会)

14時30分~16時(参加者懇談会)

場所:東京(渋谷)ウイメンズプラザ視聴覚室A

定員:お申込み順で35名(無料)

申込み先:日本熊森協会本部    E-mail contact@kumamori.org

☎  0798-22-4190(ひるい)

 

病状深刻につき、安静中の「とよ」

多くのみなさんに愛されている「とよ」は、現在、病状が深刻です。

体をできるだけ動かせないようにと獣医さんに言われており、安静が必要な状態です。

といって、とよに動かないように伝える手段がありません。

放っておくと、プールが大好きなとよは、プールに入ってしまいます。

 

そこで、8月7日、本部職員とお世話隊メンバーで、とよが寝室から少ししか出られないように、寝室前にバルコニーを造って閉じ込めようと突貫工事を行うことになりました。

バルコニー部分を設けようと思ったのは、とよが糞尿は寝室外でする習慣があるので、排泄時はバルコニーに出てきてトイレを済ませられるようにとの配慮からです。

もう最近は毎日の日課になってしまいましたが、この日も、本部職員は朝9時に高代寺に向けて、本部事務所を出発。

 

獣舎に到着すると、プールに入ってはいけないと獣医さんに言われているのに、やっぱりとよはプールに入っていました。

背中にはこのプールに住みついているカエル君が乗っかっていました。

プールに入って気持ちよさそうにしているとよ まつ毛が長いです。

 

餌を見せると、プールから上がろうとしました。しかし後肢が動かないため、なかなか上がれません。

前足の力だけで動いているとよ

 

この日は夜9時までかかって、みんなでバルコニーを造りました。電気をつけながらの作業です。

ついに完成したバルコニー 外は真っ暗

 

翌朝8月8日に行ってびっくりしました。バルコニーから出ようとして、とよが暴れたみたいです。床材を持ち上げてバルコニーの入り口に立てかけており、これでは、バルコニーにも出られません。あわててみんなでとよにつぶされないよう、バルコニーの補強工事を施しました。

 

ところが、次の日8月9日の朝行くと、またまた、とよがバルコニーの木の床を持ち上げて噛んで壊していました。

 

みんなで今度こそとよにつぶされないようにと、補強工事をさらに追加しました。

バルコニーに出られるようにしてやると、とよはあわててバルコニーに出てきて、2回分の多量ウンチをしました。きっと、寝室でしたくないと、がまんしていたのだと思います。

 

次の日8月10日の朝行くと、やれやれ、バルコニーはやっと無事です。

賢いとよは、学習したのだと思います。

 

バルコニーに顔出ししたとよ

 

獣舎がある場所は山の上ですから、夜は涼しくなりますが、日中はさすがに暑いです。

お世話隊の皆さんが、扇風機や冷風機を獣舎に持ち込んで、寝室とバルコニーに閉じ込められたとよが熱中症にならないように、日中は寝室内に風を送り続けてくださっています。

寝室前に、扇風機や冷風機の持ち込み

 

食べものも至れり尽くせりで、人間でも食べられないいい物を与えています。

寝室内で食事するとよ(食欲は旺盛)

 

本部スタッフとお世話隊は、毎日高代寺に詰めており、日中ずっと、とよの見守りを続けています。

住職さんたちも毎日のぞいてくださっています。

 

ボランティアさんの中には、仕事を休んでまで駆けつけてくださる方々もおられ、みんなとよが心配で、とよの回復を祈り、連日涙ぐましい努力を続けているところです。

一体、あの元気すぎるほど元気だったとよの身に何が起きたのでしょうか。

 

次ページに、経過を報告させていただきます。

 

クラウドファンディングで子ども参加費を無料にしてみたら 第24回本部くまもり原生林ツアー

ひとりでも多くの人達に、原生林を体験していただきたい。

2019年8月4日(日)実施の本部原生林ツアーは、子ども無料、大人のみなさんも格安な費用でご参加いただけるように、初めてクラウドファンディングを使わせていただきました。

おかげさまで、参加申し込み者には非会員の方が多く、短期間で定員を超えました。

 

8月4日(日)当日

朝7:30に阪急電車西宮北口駅近くに集合し、大型観光バスで出発。スタッフを含め総勢50名のツアーです。

室谷悠子会長からのごあいさつ

 

バス内では、くまもりスタッフたちが次々と奥山生態系に関するミニ講座を展開。定番のくまもり紙芝居「どんぐりの森をまもって」も上映。「わたしはだれでしょう?」クイズでは盛り上がりました。

熊森スタッフによるバス内レクチャー

 

たつの公園で1回目の途中下車。飼育されている1頭の老齢グマに会いに行きました。熊森のシンボルであるクマさんを見れる場所は、道中ではここしかありません。しかし、かわいそうで胸がつぶれそうになった、見たくなかったなどの声もでました。

 

2回目の途中下車は、宍粟市千種町の山間地。ここでは、地元の自然保護団体「千種川源流を守る会」の代表阿曽茂夫さんに、人工林皆伐跡地を天然林に復元するための大苗植樹中の現場を見せていただきました。

森林環境税をどう使うか、全国市町村行政のみなさんに参考にしていただきたい場所です。(阿曽さん、差し入れのトマト、ありがとうございました。後で皆でおいしくいただきました)

シカ多、豪雪、急斜面での広葉樹植樹法は大苗植え

地元町民である阿曽さんの説明を聞く参加者たち

 

3回目の途中下車は、放置人工林の中を見ていただきました。戦後大量に造林された人工林の3分の2が、現在このように放置されて、内部が大荒廃しています。人工林を初めて知ったという方が多くおられました。

人工林内を観察 昔、植林された方々を思いやる

 

お昼には、この日の目的地である岡山県西粟倉村にある環境省指定若杉天然林86ヘクタールの入口駐車場に到着。

ここで、各班に分かれて、地元のお弁当屋さんがつくってくれたおいしいお弁当を食べた後、トイレを済ませました。

 

いざ、若杉天然林の中へ!

 

入山前に記念写真

 

若杉天然林の中は、先ほど見た暗くて砂漠化した放置人工林の中とは大違い。上から地面まで、緑色で覆われた美しい景色が続きます。岩は苔むしており、保水力抜群の森であることが体感できます。

 

<大人チーム>

 

大人チームは森林浴を楽しむ一方、実物を見ながらそれぞれの班のくまもりスタッフから、奥山生態系に関するレクチャーを受けていきます。

 

原生林を観察中の大人チーム

 

以前、崖崩れを起こした場所は、今ではコケに覆われた岩の間から木が生え、その隙間から日光がさして、絶好の撮影ポイント。記念撮影も楽しみながら、頂上まで登っていきました。

 

<こどもチーム>

 

子どもチームはネイチャーゲームをしながら、林内を散策して歩きました。

谷川の水温を測る

 

今回みんなにチャレンジしてもらったのは、「みつけよう!いきもののくらし」。

若杉天然林で、どんな動物が暮らせるか?みんなで考えていきます。

「この木は穴があって、お花が咲くから、ミツバチが暮らせそう!」

「倒れた木が虫に食われている!キツツキの餌場になるかも!」

など、子どもたちは、たくさんの発見をしてくれました。

姿は見えなくても、この森にはたくさんの生きものたちが暮らしている。

地球には、人間だけではなくたくさんの生き物たちが暮らしているんだ、こんなことをを知るきっかけとなってくれたらうれしいです。

 

見つけたものを、最後に発表しあう

 

感想(参加者のアンケートから)

また来たいという感想をたくさんいただきました。ぜひ、また来てください。

・森林に、天然林と人工林があるなんて知らなかった。

・人間活動によって野生動物の生存が脅かされていることに改めて胸が痛んだ。

・天然林の中がとても気持ち良かった!

・内容が濃くてとても楽しかった。

・子どもが大変楽しんでいた。すばらしい子どもプログラムだと思った。

 

また来年もいろいろと工夫して、たくさんの方々をわずかに残された原生林にお連れしたいです!

 

クラウドファンディングにご協力くださったみなさま、広報してくださった銀のステッキ旅行様、本当にありがとうございました。

本部だけではなく、各支部でも、このような企画を実施していけるようにしていきたいです。(y)

どうした?!「とよ」

大阪府高代寺で保護飼育されてきたツキノワグマの「とよ」9才。

元野生グマで、最初は人間をえらく恐れていましたが、今では良くなついています。

元気に走り回わる愛らしい姿は、熊森の希望でした。

 

7月13日、お世話隊や副住職さんが、とよの異変に気づきました。

食欲不振。あんなに好きだったブドウも食べず寝ています。

風邪かなと思っていたら、7月16日、後肢が2本とも動かなくなっていることが判明したのです。

「とよ」は犬のように横になったまま、寝たきりになってしまいました。

 

何の病気?!。

みんな、もう真っ青です。全く原因がわかりません。高い所から落ちて骨折か?

大雨の中、会員の獣医さんに診に来てもらいました。

骨折ではない。血栓か椎間板ヘルニアが疑われるが、外からではわからないとのこと。

「とよ」は、寝室に寝たままで、4日間出てきませんでした。

もうだめ。

マジックハンドを使ってサクランボを口の前に差し出すと、1粒ずつなら食べることが分かりました。

とにかくサクランボで命を繋いでもらおうと、どんどん買ってきて与えました。

なんと、「とよ」は、この日、サクランボを15パック平らげました。

次々と「とよ」の口の前にサクランボを差し出すお世話隊の方は、最後、腕が動かなくなるまでがんばったそうです。

 

2本の前足だけで移動する「とよ」

 

本部は森山名誉会長を中心に必死で、クマにくわしい獣医さんを探し回りました。

和歌山県の北野支部長や室谷会長も、つてを頼って獣医さんを探しました。

動物園の獣医さんには、すべて断られました。

やっとのことで獣医さんを見つけて、「とよ」の動画をいくつか送って見てもらったり、現地に来てもらったりしました。

骨折ではないが、ヒビによる神経炎かもしれない。左足の甲を下にして足をひきづっているのは、脊髄損傷のサイン・・・。

いろんな診立てがありましたが、レントゲンを撮らないとわかりません。

痛みがひどいと食欲も出ないということで、とりあえず、痛みどめの抗炎症剤と胃の保護剤を飲ませることになりました。

 

おかげさまで、服薬によって痛みが抑えられたのか、「とよ」の食欲は戻ったのですが、まだ後肢が不自由なままです。

お世話隊を中心にお寺や熊森本部職員も入って、連日、お世話や見守りをしていますが、現在、完治のめどが立っていません。

若いクマなので、こんなことになろうとは夢にも思いませんでした。

 

とりあえず、みなさんに、「とよ」の現状をお知らせしておきます。

推定918頭のクマに春~秋、誘引物入り捕殺罠2311基常設の異常性 和田副会長 兵庫県議会で質問

去る6月20日、くまもり副会長の和田有一朗兵庫県議会議員(神戸市垂水区選出)が、兵庫県本議会でいくつかの質問をしました。

その中から、兵庫県のツキノワグマが3年前から一大捕殺強化されている問題について質問した部分について、以下に紹介させていただきます。

 

【質問2:ツキノワグマの保護管理について】

和田 有一朗議員:

次に適正な野生鳥獣の保護・管理についてお伺いいたします。

近年、人と野生動物との軋轢がメディアを賑わせることが多くなってきています。シカやイノシシは人身事故はあるものの、農業被害が中心である一方で、クマの場合は人身事故の問題が中心となっているところであります。

 

兵庫県においても本県に生息するツキノワグマは平成8年度から狩猟禁止、追い払い活動や学習放獣などの保護対策を進めた結果、推定生息数が絶滅することが当面ないレベル800頭まで回復し、直近の推定生息数の中央値が830頭となっていると推定した県(注:推定したのは兵庫県森林動物研究センターの研究員)は、ツキノワグマ管理計画に基づき狩猟を含め野生鳥獣の被害対策の強化を進めてきたところであります。

 

しかし、注意をしておかなければならないのは、推定生息数はあくまでも統計に基づく推定であって、実際の生息数は推定より多い可能性もはるかに少ない可能性もあるということであります。

日本ではクマをはじめ野生動物は(今や)害獣として扱われ、個体数調整という名のもとに、本来の生息地である山の中まで人が入り捕殺をしており、本県でも出没を確認しない段階で推定生息数をはるかに超える罠を必要以上に仕掛け、捕獲されたクマを放獣せず、害獣駆除しているという声を私は聞いております。

 

乱獲は野生動物の絶滅の大きな原因であり、兵庫県でもツキノワグマが絶滅の危機に陥った過去からしても、捕獲が過剰となっていないか、十分な検証が必要であると思います。

 

そもそもクマは基本的には人を避け、森の奥深くに生息する動物であります。しかし、突発的に出会うと防御的な攻撃を招き危険な場合があります。また、クマによる人身被害、農業被害の発生は必ずしも、実はクマの個体数の多さに比例しているわけではありません。

 

クマの本来の生息地である森を開発、利用してきた人間が、季節や年によって食べ物を柔軟に変化させるといったクマの生態を知り、例えば奥地の放置人工林を天然林に戻すなど、本来のクマの生息地である奥山のクマの生息環境を整え、棲み分けを実施していくこと、藪の刈り払いをすること、庭の果実を除去すること、事故が起こった場所には立ち入らないようにすること、クマの餌場となる場所にはできるだけ近づかないようにすること、また、近づく必要がある場合は十分に注意すること等、地道な取り組みを続けていけば、当然クマ生息地の住民の不安を解消することは重要でありますが、私はクマを殺さずとも共存していくことはできると考えます。

 

そこで、誘因物、それは放置果樹であったり廃棄農作物であったり、生ごみなどがありますが、こういったものを除去、農耕地等への電気柵等の設置と管理、クマの集落周辺への侵入や一時的な定着を防止するための耕作放棄地等の整備や藪の苅りはらい等によって、出没を確認しない段階で罠を必要以上に仕掛け、捕獲されたクマを放獣せずに害獣駆除するといった方法によることなく、適正なクマの保護・管理ができると考えますが、当局の誤所見をお伺いいたします。

 

【答弁:ツキノワグマの保護管理について】

田中基康 環境部長

本県では森林動物研究センターの知見に基づき、生息数推定の精度を向上させながら、個体数管理、生息地管理、被害管理を総合的に推進するワイルドライフマネジメントを行っております。

 

近年ツキノワグマの推定生息数が狩猟解禁基準の800頭を超えたため、平成28年度から1か月の制限付きで狩猟解禁しております。

また自然増加数を上限に、集落やその周辺地域に出没する個体に限定して必要な有害捕獲を従来から行っておりますが、これに加えまして、シカ罠等に誤って入り込む、これは当然放獣するわけですけれども、個体までを含めた捕獲総数は3年連続で100頭を超えております。これは過去にはございませんでした。

 

人身被害が発生する中で、残念ながら危険度がより身近になっている有害罠の設置など確実な対策が必要な状況にあると考えておりますので、どうぞご理解を賜わりたいと思います。

もとより、先ほどより答弁にありましたように中長期的な生息地管理として広葉樹の植栽を行っております。

何より、集落にクマを誘引しないよう被害管理として放置果樹、生ごみなどの誘因物の除去を進めておりますけれども、啓発呼びかけにとどまらないよう、本年度からは民間専門家(株式会社野生動物保護管理事務所や 元兵庫県森林動物研究センター研究員坂田宏志氏が設立した株式会社野生鳥獣対策連携センターなどを想定)による集落ごとのきめ細やかな実地指導も展開してまいります。

GPS行動追跡等も進めて引き続き進めてまいります。

今後とも市町はもとより近隣府県とも十分に連携しながら人身被害の防止を最優先にしつつ、クマと共生できる科学的・計画的な保護管理を着実に進めてまいりますのでどうぞよろしくお願い致します。

 

熊森から

和田副会長の質問、完璧です。ありがとうございました。

 

2018年を例にとると、兵庫県では、県内推定生息数918頭のツキノワグマに対して、まだクマが出てきていない春の時点で、609頭のクマ捕殺許可書が県から発行され、シカ・イノシシ捕獲檻のうちの2311基にクマ札が付けられてクマ捕獲共有罠とされ、春から10月末まで、集落200メートルゾーン内に罠を常設。入ったクマは狩猟と合わせて137頭までという上限数があるものの、全頭殺処分。

兵庫県がこのようなクマ捕殺体制をこっそり敷いていたことが、昨年の熊森の調査で発覚しました。

 

その結果、人里に出て行きたかったわけではない多くのクマが、誘引物の匂いに誘引されて罠に向かったのです。

2019.7.23現在までの、兵庫県庁資料より

 

地元で聞くと、このようなクマの捕殺方法は、平成29年(2017年)の7月から始まり、平成30年(2018年)と今年の2019年は、春から開始されたとのこと。

 

上記グラフから、大量の常設クマ捕獲罠によって、集落200メートルゾーンになど出ていく気がなかったクマを、山から呼び出して罠にかけ、殺処分していることがはっきりとわかります。

初めに殺したいありきであり、これはもはや有害捕獲ではなく、完全に、クマの個体数調整捕殺なのです。クマの個体数調整はしませんと協議会で宣言された兵庫県の言葉が嘘になっています。

 

熊森は26年間兵庫県の奥地を見て参りましたが、熊森がささやかながらも奥山に餌場を復元してきたことと比べて、兵庫県のクマの餌場復元事業は掛け声ばかりで復元実態はゼロだと思います。それどころか、奥山観光地化や奥山道路建設、シカの食害など、クマの生息環境は劣化の一途です。生きるために、過疎化した集落周辺に移動したクマたちを、人は責められないと思います。

 

奥山をクマたちが棲めないようにしたあげく、人間の所に出て行かないように踏ん張っているクマまで誘引剤で里に誘引して、有害駆除名目で個体数調整捕殺をする。もう、人間をやめたくなります。人間の残酷さや嘘に、クマたちは泣いていることでしょう。

 

なぜか、新聞社は、兵庫県の実態を県民に全く伝えようとしません。

 

地元の皆さんの何人が一体、兵庫県のしていることを知っているのでしょうか。

地元の皆さんの何人が一体、兵庫県のクマ捕殺法を支持しているのでしょうか。

 

くまもりは、集落周辺でクマの被害や人身事故が起きたら、山中にいるクマを集落周辺に呼び出した兵庫県が責任を取るべきだと思います。みなさんはどう思われますか。

 

みなさんの住んでおられる都府県でのツキノワグマ捕殺体制は、どうなっているでしょうか。みなさんも調べてみてください。

 

政治も司法も不在の長崎県石木ダム 反対派住民「強制執行で古里奪わないで」と県庁に乗り込む

以下、長崎新聞7月18日より

川棚町に石木ダム建設を計画する県と佐世保市に、反対住民らが工事差し止めを求めた訴訟の第12回口頭弁論が7月17日、長崎地裁佐世保支部(平井健一郎裁判長)であり、水没予定地の住民ら原告7人が当事者尋問に出廷し「力づくで古里を奪わないでほしい」と訴えた。

 

長崎県収用委員会は今年5月、反対地権者13世帯の宅地を含む未買収地の明け渡しを求める裁決をし、家屋の撤去や住民の排除などの行政代執行が現実味を帯びる重大局面に入った。明け渡し期限は、家屋などの物件がない土地が9月19日、物件がある土地が11月18日。

住民の岩本宏之さんは「崖っぷちに立たされ、眠れない夜もある」、

石丸勇さんは「大変な人権侵害だ」と怒りをあらわにした。

岩下すみ子さんは「地域の人たちとのつながりを長い年月をかけて築き上げてきた。失いたくない」と声を詰まらせた。
石丸穂澄さんと松本好央さんは、イベントや会員制交流サイト(SNS)などを通じて、事業への疑問や反対の声に対する共感が全国で広がっていると主張した。

水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表と市民団体「石木川まもり隊」の松本美智恵代表も出廷。

嶋津共同代表は、石木ダムの治水効果は川棚川下流域にしか及ばず、上流域には氾濫のリスクが残っているとし「費用対効果が小さい」と強調。松本代表は人口減少による水需要の低下などを指摘し「誰のための公共事業か。県と佐世保市は現実を直視してほしい」とダム以外の利水対策を検討するよう求めた。

 

以下、長崎新聞7月31日記事より

石木ダム建設事業に反対する地権者や市民団体などの約200人が7月30日、約6時間にわたり長崎県庁内で抗議活動を実施し、庁内は一時騒然となった。家屋を含む土地の明け渡しを地権者に求める県収用委員会の裁決が出た中で、地権者らの不満が爆発した形となった。

 

県庁の担当者らに詰め寄る地権者ら(長崎新聞より)

 

熊森から

ダムは百害あって一利なし。

川は流れていてこそ価値があるのです。ダムでせき止めると、水は腐り、ダム湖にはヘドロがたまり、大自然破壊となります。

多くの生き物が死に絶えます。

このようなムダなダムを、なぜ我が国は造り続けるのか。

日本熊森協会顧問の京都大学今本博健先生が書かれた「ダムが国を滅ぼす」を読まれたら、答えは一目瞭然です。

ただただ、建設利権だけなのです。

 

建設会社と口利き政治家(報酬相場は、ダム建設事業費の5%)を潤すことだけのために、愛する故郷を失わねばならない。

50年間ダム建設に反対し続けてきた地元住民のみなさんの無念ぶりはいかばかりかと思いやると、胸が苦しくなります。

土建業の公共事業で経済を発展させようという戦後の経済政策から、もういい加減に脱却しないと、国が破滅してしまいます。

 

建設会社のみなさんは、これからはダム建設ではなく、放置人工林の広葉樹林化・天然林化を公共事業にする時代です。

乗り遅れないようにして下さい。これだと、誰も泣かすことなくもうけられます。精神衛生にもいいですよ。

 

7月30日、反対し続けてきた地元住民のみなさんは長崎県庁を訪れ、強制収用の取り下げを求める中村法道知事宛ての要請書を提出しようとしたようですが、知事は出張中で不在。副知事は「公務中」を理由に姿を見せなかったそうです。

長崎県側のコメントは、「大騒ぎになってしまい非常に残念」というものだったそうです。

 

なんだこれ???ふるさとを奪わないでほしいと全身全霊、体を震わせて訴えている地元住民に対する県側の思いやりのなさ、まるで他人事には、唖然とします。完全に、政治も司法も人権も不在です。私たち国民はこのような状況を認めてはならないと思います。やがて我身にも、この生きづらさが襲ってきます。

 

熊森は自然保護団体としてはもちろんですが、人間としても、おかしいことにおかしいと勇気をもって声を上げ続けてきた地元住民のみなさんに、心から連帯の拍手を送ります。

ダムは100%、自然破壊以外の何物でもありません。

わたしたち国民は、建設会社と口利き政治家の嘘にだまされないように、もっと勉強しなければなりません。

権力の暴力である強制収用は、今も昔も、絶対にあってはならぬものです。

 

<石木ダム問題について書いた2019年3月30日のブログを、もう一度以下に再掲させてください。>

 

たとえ、どんなに意味のあるダム工事計画であったとしても、50年間も住民が立ち退きたくないと断り続けているのですから、完全に行政の負けです。

行政が最後まで残っている13家族を説得できなかったのです。

そんなところにダムを造る権利は国にも県にも市にも誰人にもありません。

もはや基本的人権を認めるかどうかの問題です。

いくら自分がいいと思っても、相手が絶対嫌だということは、してはならないのです。

これは、人間社会に於ける最低限のルールだと思います。

 

私たちも長崎県知事に、石木ダム建設地を強制収用しないようお願いしましょう。

 中村法道長崎県知事への提案ぺージ 

 

 

 

奥山保全トラスト 関東初のトラスト地が群馬県に誕生!

~群馬県支部と記者会見をしました~

記者会見を終えて記念撮影。

 

熊森から生まれた、水源の森のナショナル・トラスト団体・公益財団法人奥山保全トラストは、これまで全国17か所2100haの水源の森を所有する日本最大級のトラスト団体です。

奥山保全トラストは、これまで関東にはトラスト地を持っていませんでしたが、ついに、2019年7月に群馬県上野村で関東初のトラスト地が誕生しました!

7月31日、関東初のトラストを記念して、米田真理子理事長らが群馬県庁で記者会見をしました。これから現地を一緒に管理していく日本熊森協会群馬県支部長ら11名も出席しました。

熊森顧問、水ジャーナリストの橋本淳司先生も取材に来てくださり、ヤフーニュースに記事になっています!!

ぜひご覧いただき、シェアください!

 

ヤフーニュース

https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20190801-00136537/

 

群馬テレビ news eye

 

トヨくんに会いに行きました

はじめまして、私は、7月22日から8月4日まで、熊森協会でインターンシップさせて頂いている学生です。

 

私は動物が守りたくて、保護関係の仕事に就きたいと思いました。

自分なりに動物を守るにはどうすればいいのか考えた結果、環境を守ればその環境に生息している動物は悠々自適に過ごせるのではないかという単純な考えから始まりました。

今回初めて、動物保護関係の団体でインターンシップをすることができました。

経験を積んでいき、今後につながるようにしたいと思います。

 

7月22日に熊森協会が保護したクマ――トヨくんのお世話に行きました。

その時は雰囲気的に少しやせていて、構わないでほしいように見えました。

目線もずっと別のところを見ていて、たまにチラッとこちらを見るぐらいで、私に興味を持ってはくれなかったです。

前日の餌も手付かずで、ビタミン剤を入れたソーセージも少しいじったぐらいで、減ってはいませんでした。

 

職員さんもボランティアさんも、とても心配していて、食事を取らないことで栄養が足りなくなり、ますます衰弱しかねないので、何とか食事を摂ってほしく、トヨくんの好物を色々用意してマジックハンドで口元まで運んでみたり、親しい人が名前を呼んでみたり、色々な方法を試してみました。それでも食べなく、少し鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまいました。

 

職員さんとボランティアさんも何とか元気にならないか相談したり、トヨくんを見てくれる獣医さんを探したり、お世話をするため毎日のように訪れるほど皆さんは心配でいっぱいでした。

寝室に引きこもったままのトヨ

 

ボランティアさんが用意してくださったものの中で、犬猫用のドライフードを与えてみたら、少しクンクンと匂いをかいだらパクパク食べ始めました、フードの量は少ないがきちんと栄養とカロリーが凝縮しており、活動や生きるために必要なものが詰まっているので、ちゃんと食べてくれて皆さんホッとしていました。

 

25日、また職員さんとトヨくんを訪れました。初めての時と打って変わって、色々食べていました。大きなマスカットを美味しそうに食べていたり、ボランティアさんが採ってくれた山菜をもぐもぐ食べていたり、終わっても口をこっちに向けもっと頂戴とねだっているように見えました。とてもではないですが、元気そうで何よりです。

飲んだヤギミルクが付いて、鼻が白くなっているトヨ

 

そんなトヨくんのために、ボランティアさんが雨でぬかるんでしまった運動場を新しい木の板で張り直し作業を行いました。

私も含め、皆で置く場所をどこにどう置けばトヨくんが過ごしやすいかを話し合って決めました。

トヨくんが早く元気になれるようお薬を用意し、好物の蜜蝋と合わせて与えてみたところ、お薬に気付かずペロッと食べました。

その後、トヨくんのところから事務所へ帰ったところ、ボランティアさんから動画が送られてきていて、トヨくんが運動場に出ていました。

お薬が効いたのか少し後肢を引きずりながらプールの横までいき、トイレができるくらい踏ん張れるようになっていました。

動画を見た職員さんもとても喜んでいて期待が高まっていました。

 

トヨくんが元気に運動場で動き回っている姿が見られないのは残念ですが、職員さんやボランティアさんと一緒にエサを工夫したり、運動場の模様替えをしたり、色々な方法を試して回復に繋がるように考えていき、トヨくんが元気になっていく姿を見ると、喜びとやりがいを感じました。

 

インターンシップ生 H

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