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2019-09-25
やはりそうだったのか 千葉県の長期停電の原因となったスギの放置人工林
台風15号による千葉県のあまりにも長期にわたる停電に、くまもりは絶句です。
多くの人々や飼育動物たちが、暑い中、どんなに苦しい日々を送らねばならなかったことだろうかとお察しします。
心からお見舞い申し上げます。
千葉県が台風被害被害を受けたと聞いて、私たちがすぐに頭に浮かんだのは、千葉県の山の53%という高い人工林率です。
放置人工林のスギが沢山倒れただろうなと思いました。しかし、千葉県の森林率は31%と低いから、それほど被害はなかったかなとも思いました。
以下は、朝日新聞9月23日記事です。
停電の千葉、まるで終戦直後
台風15号で千葉県に大きな被害が出てから23日で2週間。千葉県東部の山武(さんむ)市では一時、総戸数の約6割が電気を断たれた。特産の山武杉(さんぶすぎ)が次々と倒れて電線や電柱を直撃、停電は広範囲で10日以上つづいた。林業の衰退で放置されたスギに病気が広がったことが背景にある。
スギの倒木が路面を埋め尽くし、電線や電柱にもたれかかる。9日の台風通過後、面積の約3割を森林が占める山武市のあちこちに、そんな光景が広がっていた。停電が解消された23日になっても、電線などの補修作業が続いた。
市の山間部の民家は杉林の中に点在し、林に沿うように電線がつながる。そこに倒木が相次ぎ、停電が広がったとみられる。
東京電力パワーグリッド千葉総支社によると、同市では9日、山間部を中心に、総戸数2万9600戸のうち最大1万7700戸が停電。同社が市全域での復旧を確認したのは、21日午前0時47分だった。
「終戦直後のような暮らしだった」
山間部で落花生を作る男性(81)は、10日以上続いた停電をそう振り返る。
略
蔓延する病気がスギの倒木を拡大
県によると、山武市周辺では250年以上前から特産の山武杉が植林されている。幹が真っすぐで太さに偏りがないため、建材などに使われてきた。
ただ、菌により幹の外側が腐る「スギ非赤枯性(ひあかがれせい)溝腐病(みぞぐされびょう)」にかかりやすい弱点もある。山武市では今回、溝腐病のスギが、7~8メートルほどの高さでポキンと折れる様子が各地で見られた。
倒木が相次いだ理由について、県森林研究所は「最大瞬間風速が50メートルに及ぶ、経験のない強風が最大の理由」と分析。さらに、市内の山武杉の林の約8割に蔓延(まんえん)する溝腐病が、倒木を拡大したとみる。
対策は進まない。同市は民有林の割合が95・7%(2017年)と高く、所有者は費用のかさむ伐採や植林を敬遠する。約5・5ヘクタールを所有する女性(72)は「高く売れるわけでもないのに、手入れを頼むと100万、200万円の単位でお金がかかる。どうしたらよいのか」ともらす。
倒木が助長した今回の停電について、千葉大学の小林達明教授(緑地環境学)は「スギの価格が低迷し、切っても販売先がないため、民有林は荒廃する一方という状態が長く続いている。集落に近い場所に森林がある千葉県では、起こるべくして起きた被害ともいえる」と話す。(熊井洋美)
以下略
熊森から
報道してくださったみなさん、ありがとうございます。
写真を見ると、倒れているのは戦後の拡大造林政策で植林されたスギです。
記事によると、山武杉は、昔から植林してきた特産のスギだということです。
地域によって事情はまちまちですから、他所に住んでいる者が断定はできませんが、しかし、昔は1ヘクタールに3000本というような密植はしていなかったのではないでしょうか。
当協会顧問の元徳島県木頭村村長の藤田恵氏によると、木頭村でも昔もスギを植えていたところがあるが、1ヘクタール600本だったので、間に自然に広葉樹が育って針広混交林になっていたということです。
県森林研究所は「最大瞬間風速が50メートルに及ぶ、経験のない強風が最大の理由」と発表されているそうですが、行政は、雨のせいや風のせいにして終わっていてはいけないと思います。自分たち人間のしてきたことを、この機会に反省すべきなのです。
利益追求第一で、あまりにも不自然な密植植林をしたことと、林業不振で手入れが出来なくなっていたことが、今回の長期停電の原因ではないでしょうか。
野生動物達を棲めなくした山は、人間にもしっぺ返しをしてきます。
これを機に、森林環境税などを使って、スギの単一林を針広混交林や広葉樹林に転換して、野生動物と共存する自然豊かな県土づくりをめざしてほしいと思いました。
不自然なものはやがて自然界が除去していくことになります。長い目で見ると、人間は自然の力になど勝てないのです。人間よ、謙虚さを取り戻そう!
「全てのゲノム編集食品の規制と表示を求めます」という署名
- 2019-09-25 (水)
- くまもりNEWS
上記署名が、熊森に回ってきました。
遺伝子組み換え食品は表示が義務付けられていますが、環境省も厚生労働省も、ゲノム編集生物は規制対象外として食品表示も不要と決めたのだそうです。
本来自然界に存在しない生物を作ることは、研究者にとっては面白いことかもしれませんが、生命への冒涜であり、何が起きるかわかりません。
食品の安全上からも危険です。不自然なものは、一見便利に見えても、必ず負の側面を持ちます。
このような研究に歯止めをかけないと、ゲノム編集された生物が大変な問題を引き起こす恐れがあります。
ゲノム編集
私たち熊森は、神でもない人間が、超複雑なバランスの上に成り立っている<野生動物の個体数を調整する>ことなど不可能であると考えています。倫理上からも認められません。中途半端にしか自然というものを理解していない人が、自然改変を手掛けようとするのだと思います。
同様に、同じく、人間という浅知恵動物が、ゲノム編集することも私たちは認めません。
あまりにも傲慢です。
生物界が滅茶苦茶になっていきます。
ゲノム編集された食品を作らせない、買わない。
欧州司法裁判所は、すべてのゲノム編集を遺伝子組み換えと同様に、規制すると決めたそうです。
日本人はおとなし過ぎる。
危機感がなさすぎる。
みなさん、私たちもノーの声を挙げましょうよ。
ゲノム編集がどういうものかわかる動画(とてもわかりやすいです)
熊森から
可能な方に、以下をお願いします。
署名用紙をダウンロードして集めていただき、日本消費者連盟にまで送ってあげてください。
第2次集約は、2019年11月30日です。
ネット署名もあります。
ノーベル賞受賞・山中伸弥教授が「人類は滅ぶ可能性がある」とつぶやく
- 2019-09-25 (水)
- くまもりNEWS
以下、9/22(日)ネット配信 FRIDAYより要約
「人類は滅ぶ可能性がある」
『シリーズ人体Ⅱ 遺伝子』という生命科学の最前線を視聴者に伝えるNHK番組の中で、iPS細胞の生みの親としてノーベル賞を受賞し、現在も生命科学研究の最先端を走り続ける京都大学山中伸弥教授(57)がつぶやいた。
生命の根本に関わる遺伝子まで操作することが可能になった現在、こうした生命科学が発展するからこそ生まれてくる「危険性」がある。
人類が滅ぶ可能性がある、という発言について、山中さんはこう説明した。
1万年後、私たちとは全然違う生物が、地球を支配していても不思議ではありません。
しかも、自然にそうなるのではなく、人間が自らそういう生物を生み出すかもしれません。
「一歩間違うと、新たな生物に地球の王座を譲り渡すことになります。いま、人類はその岐路に立っていると思います」
山中さんの懸念は、研究者の倫理観が低下して生命に対する畏れを失い、研究に歯止めが利かなくなった結果、人類が滅亡するかもしれないというものです。
山中さんは科学者、研究者に求められる姿勢として、「密室で研究しないこと」を挙げていました。
いま、科学の進歩は加速度的にスピードを上げている。この先、人類はどんな道を進むのか。
生命倫理の規範は、誰かがひとりで決めるものではなく、さまざまな立場の人の意見を反映して決めていくべきだ。
熊森から
研究というのは大変面白いものですが、人間は狂いますから、部屋に閉じこもって研究していると、往々にして、自分のしていることの是非がわからなくなっていきます。
研究者は博士号を持っていたり教授の肩書きを持っていたりするので、人々から一目置かれがちなのですが、実は大変危険な存在です。
なんだかんだと理由を付けて、研究内容を隠ぺいしようとする研究者がいますが、私たち国民の税金で研究しているのですから、私たち国民は、それを認めてはならないと思います。