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2019-11-18

11月7日8日クマたちの餌場再生に向けて、熊森四国第2 トラスト地22haに至る道を整備しました 

昨年度購入した熊森高知県第2 トラスト地は、四国に残された最後のクマたちがまさに今も生息している場所にあります。高標高ですが、現況は、ほとんどがスギ又はヒノキの人工林です。

 

今年の夏、仕掛けた自動撮影カメラに、このトラスト地の人工林内をゆっくり歩いているクマの成獣が写っていました。(誘引物なしで、四国のクマの撮影に成功しました!)

 

一刻も早くこの人工林を広葉樹林化して、クマたちの餌場に戻してやりたい。

気はあせるのですが、トラスト地に至る道が何か所かで崩れており、チェンソーを背負った人が山に入れないという大きな壁が立ちはだかりました。森林組合にお願いしても、仕事がたくさん入っているので、いつできるかわからないというお返事でした。

 

やっとこの度11月7日と8日の2日間かけて、地域おこし協力隊の方に教えていただきながら、本部2名愛媛県支部2名高知県支部長が現地を訪れトラスト地に至る道を整備することができました。

 

まず、山道入り口付近を閉鎖していたジャケツイバラを刈って人が通れるようにしました。下の写真は草刈り前と後です。

草刈り前(ジャケツイバラ)

 

草刈り後

ジャケツイバラのトゲ。

ジャケツイバラは、トゲがとても鋭く、そして長く、皆丈夫な長袖長ズボンで作業していましたが、服を貫通して痛みに耐えながら作業を行いました。草刈り機を持っていきましたが、鋭いトゲのついたツルが勢いよく飛んでしまうので、カマや鋸で刈ることにしました。

 

今回の最大の難所は、下の2枚の写真にあるような、道が土砂に埋まり斜面になってしまった場所を、再び人が歩けるような道に修復するという作業です。どこが道かわかりませんが、江戸時代にはここは土佐と阿波を繋ぐ街道で、馬を引いて人々が歩いていた道があったそうです。

修復前

修復後

 

今回の道の修復方法は、道沿いのスギの木を伐採したり(山林所有者の許可を得ている)倒木を回収したりして斜面に横倒しにし、土をかぶせて平坦な段をつくるものです。(模式図参照)勉強になりました。

今回行った急斜面の道づくり方法の模式図。

なるべく倒木を活用します。とても重いです。

 

 

手頃な倒木が無い場合は、小径木のスギを切り、入手します。

あまりにも急な斜面には、丸太と斜面の間にスギの枝を敷き詰め、その上に土をかぶせると、土は雨で流されにくくなり、道が長持ちします。

作業終了後、現場で記念撮影。みごとに人が通れる道に修復できました。

 

四国の山はどこも急斜面。本当に昔の人たちはこんな場所に道を造っていたのかと思いました。

すぐ近くに、昔の街道の跡がありました。

江戸から明治にかけて使われていたと思われるこの街道は、現在も所々に往時の道の名残りがありました。当初は地域の方たちが石垣を積んで、立派な道を造っていたようです。

木を組むだけでも大変だったのに、昔の人はすごいなあと感銘をうけました。

山間に生活する四国の方々にとって、道造りは重要です。元々崩れやすい場所なので、クワなどをもって歩き、道が崩れていたらその場で直しながら歩いたということです。

 

修復した道を使い、今後伐採を進めていく熊森トラスト地の林内を調査してきました。

太さ20cmほどのスギがみっちり生えています。

 

近々、第一弾として、ここを小面積皆伐して経過観察していこうと思います。

小面積でしたが、2年前も高知県第一トラスト地佐保の森でスギの人工林を切り捨て皆伐してどうなるか様子を見ているところです。

四国で初めて、熊森がクマたちの餌場再生を始めています!

みなさん、四国のクマの絶滅回避をめざす熊森の「クマの餌場再生活動」を応援してください。

 

今度の伐採地は甲子園球場の5倍というとても広い場所です。

材の搬出は難しい場所なので何回かに分けて少しずつ切り捨て皆伐していく予定ですが、何人もの伐採者が必要になります。

ボランティアだけではなく、仕事として有給で伐採してくださる林業家や業者さんも募集中です。

四国のクマの絶滅阻止のために、是非ご応募ください!

 

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