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2019-11-29
環境省はクマ捕殺に暴走する都道府県に助言・勧告を!
- 2019-11-29 (金)
- くまもりNEWS
2019.11.16記
1999年に成立した「地方分権一括法」により、野生鳥獣の駆除権限はそれまでの国から都道府県に降ろされました。
これら都道府県の中には、さらに市町村に降ろすところも出て来ました。
私たちは市町村に野生鳥獣の駆除権限を降ろすことに反対です。
市町村に降ろされてしまうと、行政担当者がいつも顔を合わせる声の大きい人たちが怖くて、言うべきことも言えず、結果、「鳥獣保護管理法」など無視して、何の罪もない物言えぬ野生動物たちが次々と犠牲になっている実態が出て来るからです。
熊森はこれまで何度も違法行為を見つけ、環境省に都道府県を指導してほしいとお願いしてきましたが、環境省は「駆除権限はもう都道府県に降ろしましたので」と逃げます。
では、環境省の鳥獣保護管理室は何の為に存在するのかということになります。
都道府県に駆除権限は降ろしたと言っても、都道府県は好きなように何をしてもよいという意味ではないはずです。
あくまで「鳥獣保護管理法」は国法ですから、この法律に違反しない範囲に置いてという意味です。
これまで見てきた限りでは、環境省の担当者といっても3年ごとに部署替えがあり、林野庁から今年環境省に来ましたなどとという新人にすぐ変わってしまいます。
熊森が会いに行っても、1992年から熊問題に取り組んでいる熊森の方がずっと先輩なので、レクチャーして帰っただけということもありました。
3年ごとに人を動かしていたら、行政内にいつまでたっても専門家が育たないので、日本の自然が守れません。
国のシステムを変えてほしいとお願いしたこともありますが、昔から日本はこうだったと言って取り合ってもらえませんでした。
今年のように都道府県がクマ捕殺に暴走し出したなか、やはり環境省が動いてくれないともうどうにもなりません。
環境省の担当部署には電話で問題点を報告し、今年、大変なことになっているので至急動いてほしいとお願いしています。
本気で動いてくださる人が現れるかどうか、まだわかりません。
地方で野生動物保護の話をすると鳥獣担当者であっても、「私たち行政は人間を守るために存在していますので」と、逃げてしまわれる方がほとんどです。本当に人間を守ろうと思えば、自然や野生動物と共存するために動かなければならないのですが、そこまではわからないようです。
熊森は環境省のしかるべき人に会いに行って、今、どんな無茶なことが国内で起きているのか、どうすればいいのか、じっくりと伝えたいと考えています。
地方自治法第245条の4には、国は都道府県に助言・勧告できることになっています。
環境省の力で「鳥獣保護管理法」を、全都道府県がきちんと守るようにして頂きたいです。
今こそ、環境省の出番だと思います。
P.S 11月27日、室谷悠子熊森会長が東京に出向き、環境省野生生物課鳥獣保護管理室の担当者3名に約90分間、都府県がクマ捕殺に暴走している問題について訴えてきました。環境省の役人たちがどうしたら動いてくれるようになるのか、今後の課題です。
11月11日 兵庫県庁記者室で熊森がクマ狩猟禁止と捕殺抑制を求める記者会見
- 2019-11-29 (金)
- くまもりNEWS
ネット情報ですが、環境省が、「小泉進次郎環境相を取材しないように、もし取材規制を破る社があればこれまでのような取材協力や便宜は図れない」と環境省記者クラブに圧力をかけていたことが判明したそうです。
ネット情報なので真偽のほどはと思いますが、この環境省圧力に迎合したNHKの記者が、記者クラブの記者全員に取材を控えるよう促すメールを送っていたそうで、今、ネット上でこの記者のメールが公開され問題になっていますから、事実かもしれません。
もし事実なら、委縮する国内ジャーナリズムの実態が、浮き彫りになった格好です。
環境省の記者クラブには二十数社が入り込んでいるのではないかと思われますが、このメールに対して他社の記者たちが反論した形跡が全くないそうです。(言語道断だが、さもありなん)
私たち熊森は、これまでどこかからの強い圧力?が記者クラブにあったのか、兵庫県庁記者クラブでの会見を断られることが続いていました。
しかし、今回、兵庫県庁記者クラブにアタックしたところ、なぜか今回は認められ、3社だけでしたが久し振りに記者会見をすることができました。(記事にはされなかった)
今回驚いたのは、熊森が記者会見する前日の11月10日に、神戸新聞が「ツキノワグマ駆除が最多 人身被害多発でわな増設 兵庫県」という記事を出したことです。
この記事には、今年、ツキノワグマの駆除数が兵庫県内で4~10月、103頭に上り、過去最多だった2010年度の1年間(70頭)を上回ったとあります。
本当に十何年ぶりか、クマの捕殺数がマスコミに出ました。
これまで熊森は何年間も、クマの捕殺数をがどんなに多いか県民が知らないので書いてほしいと新聞社に要請してきましたが、当時過去最多捕殺数であった2010年の70頭捕殺の時ですら書いてくれませんでした。(どこかが、公表させないよう圧力をかけている感じでした)
今回、熊森が記者会見をして今年の捕殺数を発表しようとしたら、突然前出しで103頭の捕殺数記事が出たのです。兵庫県のお計らいでしょう。ただし、この記事には間違いが2か所(後述)あります。兵庫県の発表を一方的に垂れ流しただけなので、このような事実でないことを県民に伝えてしまったのだと思います。事前に熊森など複数ソースに取材してくれていたら、このようなことは防げました。残念です。
11月11日 熊森の記者会見(於:兵庫県庁記者室)
記者室で記者会見中の森山名誉会長と水見研究員
今回は、狩猟解禁日が近づく中、この日兵庫県井戸知事に提出した熊森協会からの緊急要請書の内容、
1、クマの狩猟禁止、
2、クマの大量常設罠除去、
3、無害グマの捕殺禁止
について記者さんたちに聞いていただきました。
熊森は、初めて兵庫県のクマ問題について聞かれる記者のために、これまでの流れがわかるように用意した配布物を配りました。
兵庫県のクマ対策は2006年に、兵庫県森林動物研究センターができる前とできた後で大きく方向転換しました。
2006年以降は、兵庫県森林動物研究センターに職員として入所してきた兵庫県立大学のワイルドライフマネジメント派(野生鳥獣頭数調整派)の研究者たち(横山真弓氏・坂田宏志氏)が、それまでの兵庫県の行政担当者に代わって、兵庫県の鳥獣行政を取り仕切っていくようになったと感じます。
この派は、人間が狩猟や駆除などで野生鳥獣を殺すことによって野生鳥獣の生息数をコントロールし一定数に保つことをめざしており、野生鳥獣の命に畏敬の念を抱き共感する私たち一般国民と自然観や野生鳥獣観が大きくかけ離れています。
永遠に水と油で合わないでしょう。この派は国と結びつく力にたけており、環境省の重要ポストもとっくに彼らが握ってしまっています。
残念ながら、いくつかの道府県の行政担当者も、次々と商売上手なこの派の手に落ちていっています。(平成30年度、坂田宏志氏が社長をする株式会社に、兵庫県から3700万円超が支払われている)
以来、私たち野生鳥獣共感派は、野生鳥獣が害鳥害獣に仕立て上げられて大量駆除されていくのを見続けることになり、毎年胸のつぶれる思いです。(多大なる精神被害を受けている)
行政はこのところ狩猟者養成講座や野生鳥獣肉料理(=ジビエ料理)の振興策にやたら多く税金を使い始めたなと、国民は感じていると思いますが、この裏には、ワイルドライフマネジメントという新ビジネスの興隆があるのです。
ビジネス=利権であり、多額のお金が動きます。
私たちが、まず、この学派がおかしいと思うところは、これまで何回も書いてきたように推定生息数の計算です。
彼らは兵庫県のクマ数が爆発増加しているというのですが、県発表のクマによる農林業被害は反対に激減したままです。
私たちにもわからないことがたくさんありますが、これはどう理解すればいいのでしょうか。
兵庫県ツキノワグマ推定生息数の変化
クマによる農林業被害の実態
2枚のグラフはいずれも兵庫県ツキノワグマ管理計画平成31年より
注:スタート年がずれているので比較時注意。
次にあるべき自然像ですが、生き物は工業製品とは違います。
人間が決めた一定数に野生鳥獣の生息数を保ち続けることに何の意味があるのでしょうか。
豊かな自然界に於ける野生鳥獣の生息数は、様々な要因により増減を繰りかえします。
一定数で一直線にしようなどあまりにも不自然です。
兵庫県行政の主張だけを取材して書かれた11月10日付新聞記事と熊森の主張がどれくらい違うか、この記者会見で明らかにさせていただきました。
この記事に、16、17年に人身被害が多発したのを受け、兵庫県は駆除対策を強化し、人里周辺に増設したわなが効果を発揮した形だとありますが、以前と比べて人身事故など多発していません。熊森にも同時に取材してくださっていたら、このような誤記は生まれなかったと思います。(本文中の、兵庫県ツキノワグマ対策経緯と駆除数表の下部の人身事故件数参照)
また、この記事によると、ツキノワグマ猟は特別な講習を受けたハンターに限って1カ月間解禁すると県が話したそうですが、以前、この講習会に参加した猟師が、「特別な講習と言っても、部屋の中で1時間、これまでクマを捕ったことのあるハンターから自慢話を聞かされただけ。こんなのでクマ猟のコツなど体得できるはずがない」と語っていました。特別な講習を受けたとは言い過ぎです。
熊森は毎年クマ狩猟講習会場に行っています。今年もクマ狩猟に反対するチラシを持って会場となった和田山庁舎まで行きましたが、今年も傍聴を認められなかったばかりか、公的な建物なのに敷地内に入ることも許されませんでした。このような兵庫県の姿勢は民主国家にあるまじきもので、本当に問題です。
記者さんたちには勇気を出してもっと私たち利権ゼロで活動している環境NGOも取材していただき、一般国民が行政の垂れ流し記事しか読めない状況に陥らないようにしていただきたいです。(完)