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2022-09-11

2022年 九州遠征その3 熊本県②人間同様、一羽一羽違う小鳥の声

7月19日、山野草希少種の宝庫として知られる阿蘇高森町に、顧問の平野虎丸さんを訪れました。

 

平野さんは2017年にここで50haという広大な山を購入され、人工林のスギ伐採跡地を天然林に自然再生(植えない森づくり)させて、自生する四季の山野草を楽しむ森づくりをされています。この場所は道路沿いなので、簡単に行けます。

 

この日はあいにく、線状降水帯が通過する大雨の日でした。私たちを迎えてくださったのは、平野さんと平野さんの会の理事長をされている向井さんです。さすが九州熊本です。人工林を皆伐して放置しておくだけで、みるみると森がよみがえっていました。シカもいるのにです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここがこの前まで人工林だったとは(高森花の森)

 

平野さんのうちは熊本の代々の林業家です。平野さんは若い時、原生林の巨木を伐採する仕事をされました。木を1本伐り倒す度に、無数の動物やハチが雨あられと落ちてきたと言います。昔、熊本の森にも鳥や昆虫や生き物たちがうじゃうじゃいた。うじゃうじゃいるのが自然。今はめっきり減ってしまったと残念がっておられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが自然

 

平野さんは警察官となり、全国を歩いて野鳥の密猟を次々と摘発し、これまで約600万羽の野鳥を野に返してこられました。おかげで、日本では野鳥が店舗で売られることがなくなりました。

平野さんの中では、小鳥も虫も花も動物も、人間が飼うも買うもせず、みんなありのままの自然の姿でおいておきたいのです。

 

家の中に密猟された小鳥がいるなど、どうやってわかるのですかと操作方法を尋ねてみてびっくりしました。鳥の声は一羽一羽みんな違うそうです。「本当ですか?!」とびっくりすると、「人間だってひとりひとりみんな声が違うでしょう。耳を澄ませていたらこの家の中に何人の人がいるか声の違いで分かるでしょう」と言われました。

平野さんは、メジロを不法に飼っているのではないかと思う家の前で、メジロの鳴き声をまねるそうです。すると、鳥かごの中の小鳥たちが、新しい仲間が来たと思ってめいめい大声で鳴き始めるのだそうです。その声を聴いていると、この家にメジロが何羽いると数までわかり、踏み込むんだと言われていました。

 

以前、一緒に三重県の山に行ったとき、平野さんが鳥を集めてみましょうかと言われて、何かの鳥の鳴きまねをされたら、山の中からどんどん鳥が集まってきてびっくりしたことがありました。どうしてそんなことができるのか不思議でしたが、この日、初めて謎が解けました。

 

平野さんに、メジロの鳴きまねをしていただき、録画させていただきました。皆さんも聞いてみてください。

 

 

鳥たちの鳴き声をどうしてそこまでまねることができるのか、生まれた時から一日中彼らと山の中で一緒に暮らしてきたからだそうです。平野さんのお話はすごいお話でいっぱいです。ずっとブログを書き続けておられるので、よかったらみなさんも読んでみてください。(完)

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