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2022-10-12

10月10日八甲田風力発電を考えるシンポジウムに150名 (青森市) : 平内町長が初の風発反対表明

「Protect Hakkoda~八甲田の自然を後世に」~が主催する八甲田風力発電を考えるシンポジウムに150名が参加し、八甲田を愛する発表者たちがそれぞれ事業計画の見直しを訴えました。

 

以下の写真は、ABA青森朝日放送ニュースからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下は、東奥日報10月12日記事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリックして大きくしてから読んでください。

 

ついに青森でもこのような集会が持たれるようになった!

日本の森や野生動物たちを守りたい熊森は、奥羽山脈の緑の回廊での風発事業をなんとしても白紙撤回させたい。

シンポジウムを開催してくださったみなさん、発表された皆さん、参加された皆さんに感謝でいっぱいです。

今年6月10日の青森県議会で三村知事がこの風発計画に反対の怒りの声を発したのに続き、今回、船橋平内町長さんが山川海のつながりに言及して風発反対の意思表示をしてくださったことも、拍手です。

青森市、十和田市、野辺地町、七戸町、東北町の首長さんも、ふるさとの山を思い一刻も早く後に続いてください。

 

熊森は、Protect Hakkoda~八甲田の自然を後世に~change.orgへの署名をネットで広めたり、今年9月末に発行した会報112号には、Protect Hakkodaさんが作った八甲田風発事業の中止を求める紙署名を全会員に同封させてもらったりしています。

 

また、熊森はこれまで、1/23、2/6、7/8、8/4にブログやフェイスブックでこの八甲田の風発問題をたびたび取り上げてきました。白紙撤回される日まで、今後も取り上げていきます。

 

今回のシンポジウムで、青森の方から、青森の山でこんな風発計画が上がっているなんて知らなかったという声が上がっていると聞きました。

 

今回記事にしてくださった東奥日報、ニュース報道してくださったテレビ局ABA青森朝日放送に感謝するとともに、故郷の命運を左右するこんな大事な問題を、今後はもっともっと報道し続けていただきたいと願います。一回壊してしまった豊かな森は、何百年たっても2度と戻らないと思います。

国会議員の皆さん、地方はふるさとの森を守ろうと必死です。何とか山林での再エネ規制法案を早く成立させてください。

 

(仮称)「みちのく風力発電事業」について

事業者:株式会社ユーラスエナジーホールディングス(東京都港区)は、奥羽山脈の国有林尾根に位置する「緑の回廊」に高さ150m~200mの巨大風車を120~150基建てるという無茶苦茶な計画を発表している。(令和3年9月16日~10月15日に配慮書の縦覧を終え、現在、方法書に進んでいる)事業の目的は、金もうけです。

 

これはひどい!雨で崩れ続ける太陽光発電造成現場 新青森太陽光発電事業(青森市新城山田)

9月21日、「青い森を次世代につなぐ会」の中村美津緒青森市議から全国再エネ問題連絡会に、青森市新城山田に建設中のメガソーラー事業地が大変な土砂災害を引き起こしているという話が届きました。

事業主は青森新城山田発電所合同会社(東京都港区)で、造成面積は105ヘクタールもある広大な山林です。

 

中村市議はこのメガソーラー事業をずっと問題視されてきた方です。

この事業計画があまりにもひどいので、熊森は2021年9月末に発行した会報の表紙に、この事業の造成工事写真を取り上げた経緯があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、この造成地がどうなっているのか。

今年8月の雨で、造成地から泥水と泥がどんどん流れ出て来て、田んぼが埋まってしまったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中村市議のフェイスブックから

 

大災害です。一体何が起きたのでしょうか。

 

業者側が敷地内に入ることを認めてくれないので、ドローンで撮影されたそうです。

びっくりです。造成地がどんどん崩れ出しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晴れた日でも、泥水が流れ出している

 

 

地質学者に動画を見てもらいました。

以下が、その専門家のコメントです。

「この山は火山砕屑物からできているので、全ての盛り土が流れ出るまで土砂流出が続きます。

火山砕屑物の比重は軽いので、液状化も懸念されます。

防災調整池などすぐに土砂で埋まってしまうでしょう。

そもそも開発してはならない山でした

切土の部分も直ぐに風化して洗掘が始まるでしょう。」

 

地元の一般住民は、こんな知識を持ち合わせていなかったと思います。

知っていたら、何が何でも建設を阻止しなければならなかったケースです。

 

林地開発許可を出した青森県は、専門家を呼んでこの山のこの場所を造成していいかどうか、審議したのでしょうか。

 

この造成地ではすでに太陽光パネルがどんどん設置されつつありますが、せっかく設置しても次々と崩れ落ちてくるのではないでしょうか。

太陽光パネルには、ヒ素などの有毒物質が使われています。

泥が流れ込む土筆川では魚を初め、いろいろな生き物たちが命を失うという大変な目に遭っていると思われます。

そもそもこの山に住んでいた多くの生き物たちも生息地を奪われ、微生物たちも死に絶えたと思われます。

 

もうけることしか頭にない人たちの甘言に乗って、自然界が作り上げてきた完璧なバランスを、今、全国各地で人間がどんどん壊しています。

人間、愚か過ぎませんか。

人間、勝手過ぎませんか。

 

青森県や青森市はこの開発に認可を下ろした責任をとって、すぐに対策委員会を設置し、この事態に対処してあげて下さい。

もう、山林を開発しての再生可能エネルギーを禁止しませんか。

こんな開発を許していたら、日本の国土に人が棲めなくなってしまうと思います。

東京のぜいたくな電化生活を支えるために、東北地方の地元が犠牲になる。これでは、まるで植民地です。(完)

 

 

都市ボランティアが、地元の黒豆畑のシカ防除ネットを修理 

今年の7月中旬、地元農家会員の要請で熊森本部が兵庫県宍粟市山崎の黒豆畑でシカ防除ネットを張るお手伝いをしたことを、8月初めにネットで報告させていただきました。

 

そのシカ防除ネットが強風で倒れてしまいました。

10月1日(土)、熊森本部職員2名と会員1名で、シカ防除ネット補修ボランティアに出かけました。

 

黒豆は順調に大きく育っていました。

しばらく見ない間に、ネットにはアレチウリなどの植物がびっしり絡みついており、その重さもあって、支えていた支柱が強風で倒れてしまったようです。

またネットには一部穴も開いていました。

このままだと畑へのシカの侵入を許してしまう可能性があるので、早急に修理することにしました。

シカはすでに畑に一部侵入したらしく、黒豆の葉を少し食べていましたが、豆の部分は食べていませんでした。

まだ豆が成熟しきっていないのが、わかっているのだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このままだとシカがネットを越える

 

まずは一度支柱からネットを外し、絡みついた植物の茎や葉を除去します。鎌で根に近いところを刈っていき、あとは手で丁寧に取り除いていきます。

 

 

 

 

 

 

 

アレチウリなどのつる性のとげのある植物などがネットに絡みついていた

 

足場を覆っているものは草刈り機で綺麗に刈り払います。植物の棘が軍手の隙間から入り込み、チクチクとした痛みが両手を襲います。

 

次に結束バンドで木杭に固定されている支柱を、これも一旦取り外してから、杭打機やハンマーで木杭を力いっぱい打ち直します。支柱を再び固定して周囲を踏み固め、倒れないことを確認してから再度ネットをかけていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

杭を打ち続けるには体力がいる

 

 

最後にネットに穴が開いた箇所を結束バンドで補修して完成です。10月とは思えない暑さの中、作業すること約4時間半!無事に補修全工程を完了できました!

 

 

 

 

 

 

 

 

修理完了!

 

 

 

 

 

 

 

 

防除ネットに守られて大きく成長していた黒豆!

 

 

 

 

 

 

 

 

豆も大きく成長!

 

黒豆はこの後一気に成熟して、4、5日後、最もおいしくなるそうです。

この黒豆農家さんもその日に収穫を予定しているとのことです。

シカもその日を待っているそうです。

どうしてシカにわかるのか。

どうしてシカがその日まで待っているのか。

都会で暮らす私たちにはわからない感覚です。

 

 

野生動物による農作物被害が全国的に問題となっています。過疎化高齢化が進む地元では、被害を防ぐのが大変です。

日本熊森協会はこれまで農作物被害防止作業に、度々、都市のボランティアを動員してきました。

この日は帰りに、この黒豆農家さんからお礼として農作物をたくさんいただきました。

年1回でもいいので、こんな地元でのボランティアに参加してみようと思う方は、ぜひ、熊森本部の農家ボランティアに登録ください。

お金はいただけませんが、地元農家と友達になったり、農作物をもらえたりして楽しいですよ。

自然に触れ合えたり、自然のことが少しわかってきたりもします。

 

都市からのボランティアが来てほしい農家さんも、熊森本部までご連絡ください。

 

都市市民と地元農家が協力し合って、野生動物を殺さずに獣害を防ぐ。熊森はそんな日本をめざしています。

 

 

10月23日予定の広島県クマ生息地ツアーの下見

10月22日(土)日本熊森協会は広島市でくまもりカフェを予定しています。

翌日23日(日)は、広島県のクマ生息地ツアーです。

長年広島の奧山を見て来られた広島在住の広島フィールドミュージアム金井塚務先生の解説付きです。

レンタカーに同乗される方は、広島駅前ホテルグランピア午前8時集合。費用おひとり2000円。

自車参加の方は、中国自動車道吉和インター道の駅9:40集合です。

悪路に付き、自車参加の場合はそれ用の車でご参加ください。普通の乗用車では無理です。

お申し込みは

TEL:0798-22-4190

メール:contact@kumamori.org

 

9月25日、当日案内してくださると金井塚先生と熊森本部職員2名で下見に行ってきました。

最初、細見谷を予定していたのですが、道があちこちで崩れておりとても車では入れないことがわかりました。

予定を変更して、臥竜山(芸北町)方面に向かいました。

西中国山地の冷温帯林は、林床には背丈の高いササ、順に低木、中高木、高木、林冠と、森の階層構造がしっかり見ることができます。林冠層はブナやトチの巨木が優占し、それらには洞ができています。

同じブナ帯であっても、東中国山地の冷温帯林では、もはや林床のササや低木層はなく、高木層しかありません。

東西300㎞にわたる、中国山地。同じ気候帯で、新第三期の造山運動で形成された同じ山地であるのに、植生環境は今や西と東で大きく異なってしまっています。

西中国山地の冷温帯林(ブナ帯 標高約1140m 2022.9.25撮影)

まるで25年前の東中国山地の森です。

 

今の東中国山地の冷温帯林(ブナ帯、標高約1100m 2021.8.19撮影)

 

この日、広島の奥山では、クマの真新しい生息痕跡がいくつも見られました。

さっきまでクマがここにいたのかなと思わる場所もありました。

この地域は、豊かな森が残っているだけではなく、湿地や渓谷など多様な地形環境があり、さまざまな野生動物たちの生息が可能です。

 

 

西中国山地がうらやましくなりましたが、金井塚先生に言わせると、西中国山地の森も劣化の一途をたどっているということです。

原因の一つは、再生可能エネルギーによる森林破壊です。

広島県の奧山で、以前、風力発電事業計画が持ち上がりましたが、広島県民の反対の声が強くて、業者は設置場所を島根県太田市に変更しました。島根県側では風車建設工事が始まっており、最奥地のクマ生息地がすでにズタズタに伐り開かれていました。再生可能エネルギーによる森林破壊は、住民や首長が反対の強い声を上げないと業者の計画を止められません。一刻も早い国の法規制を望みます。

 

ズタズタにされてしまった島根県最奥地のクマ生息地(太田市)

手前道路は、風車運搬用道路で、ただいま工事中

 

 

広島県の住民は、新たな風発事業者がやってこないように、今も当時の風発反対看板を立てたままにしています。

広島芸北町の風発反対看板 住民全員が山での風発に反対した

 

当日は、学びの多いツアーとなるはずです。

野生動物たちとの共存の第一歩は、まず生息地を見ることから。

みなさん10月23日、広島クマ生息地ツアーに奮ってご参加ください。(完)

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