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2023-01

風車設置20年、三重県青山高原土砂崩れ止まらず 室谷会長ら現地視察

2022年年12月30日、弁護士である室谷悠子会長、本部再エネ森林破壊問題担当池田、三重県支部員三浦の3名で、三重県青山高原を訪れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中央が武田先生

 

案内してくださったのは地元の歯科医武田恵世先生です。

室生赤目青山国定公園内に位置する青山高原では、2003年から風車事業が開始され、今では㈱青山高原ウインドファーム(従業員数14名:主要株主は、中部電力系のシーテックと津市と伊賀市からなる第3セクター)の60基をはじめとする風車が、計89基建てられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

青山高原の風車群

 

中でも㈱青山高原ウインドファーム60基による最大出力は95,000kWで、日本の風力発電所の中では最大です。

 

武田先生は当初、建設に協力しようと思うぐらい風力発電に好意的でしたが、いろいろ調べていくうち風力発電の大変なデメリットに気づかれるようになって、今ではすっかり考えが変わってしまわれたそうです。

 

この日は、土砂崩れの止まらない青山高原の土砂崩れメンテナンスの状況を視察するのが目的でした。

 

土砂崩れ地点に対する企業側の修復作業の跡は確かに何か所もありましたが、一方で次々と新たに土砂崩れが発生しており、手が回らないというのが現状のようでした。国定公園の遊歩道なのに、土砂崩れのために各地で通行止めになっていたりしました。

 

 

・土砂崩れによる通行止め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・新たな土砂崩れ 例1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・新たな土砂崩れ 例2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・新たな土砂崩れ 例3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・新たな土砂崩れ 例4

 

 

 

・土砂崩れ補修跡1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土嚢の上にセメントを吹き付けた補修跡

 

 

・補修跡2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森から

 

土砂崩れは応急処置を施しても、またすぐ別のところや同じ場所が崩れるようで、補修後のセメント壁に亀裂が発生している場所もありました。そのうちまた崩れることでしょう。

 

このような土砂崩れに土質や地形が関係しているのはもちろんですが、いったん自然界に手を入れて道を造ってしまったことが原因なのか、風車の振動によってこのようなことが起きているのか、原因を考えてしまいました。

 

どちらにしても、このような終わりのない土砂崩れでは修復が間に合わず、企業側も大変だろうと思いました。

 

山の風車を造るのは絶対にだめだと再確認した1日でした。

 

日弁連が山林破壊型再エネ問題シンポジウムin東京

2022、12、5

日本弁護士連合会の再エネ問題オンラインシンポジウム

12月5日(月)午後、4時間にわたる日弁連主催の再エネ問題オンラインシンポが開催されました。平日の午後で長時間にもかかわらず、約350名の方が参加され、関心の高さがうかがえました。

 

左上が熊森、室谷悠子会長。日弁連のプロジェクトチームの委員として、コーディネーターを務めました。

 

熊森の室谷悠子会長は2時間に亘るパネルディスカッションのコーディネーターを務めました。

 

パネルディスカッションでは、様々なテーマが議論されました。

 

熊森から

日本では、土地所有者の「財産権」を守ることが重要視され、住民の生命や健康をおびかす開発規制が十分にできてこなかった経緯があります。「財産権」は、国民の持つ権利の中で一番下に位置するもので、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利である「生存権」より優先されてきたのはおかしな話です。

 

また、地方自治体が弱腰で、事業者から訴えられることを恐れ、住民の「生存権」より、問題のある事業を認可する方を選択してきた実態が浮き彫りになったように思います。住民や国民は、国民の権利の一番上にくる「生存権」を堂々と主張して、もっともっと強く声をあげていく必要があります。地方自治体は、業者の利益のために存在しているのではなく、住民のために存在していることを、今一度自覚していただかねばなりません。

 

たとえ財産権が国民の権利であったとしても、森林や自然生態系が私たちにもたらす、水源保全、災害防止、生物多様性保全、温暖化防止などの恩恵を考えれば、これらを破壊する事業を規制することの方が優先されるべきで、法的にもそれで問題はないと、パネリストたちの見解も一致していました。

 

国土大破壊をもたらしている再エネ名目の乱立投資事業から国土をどう守るか、令和を生きている私たち全国民の大人の責任は限りなく大きなものです。

 

私たち国民から毎月天引き徴収されている再エネ賦課金が、これらの投資家のもうけとなる仕組みを知れば、全国民が再エネ国土大破壊に声を上げる権利があります。

日弁連が山林破壊型再エネ問題に意見書

2022年11月16日

日本弁護士連合会(日弁連)の再エネ問題についての意見書

「メガソーラー及び大規模風力発電所の建設に伴う、災害の発
生、自然環境と景観破壊及び生活環境への被害を防止するた
めに、法改正等と条例による対応を求める意見書」

 

日弁連には4万人を超える全国の弁護士が全て加入しています。
メガソーラー、巨大風車群建設に伴う自然破壊や地域住民との軋轢が全国で多発していることを受け、2022年の4月、公害環境委員会で再エネ問題検討チームが立ち上がりました。

 

日弁連からの委員就任依頼があり、熊森の室谷悠子会長もこの検討チームの委員を務めています。検討チームでは、各地の再エネ開発現場で起こる自然破壊や土砂災害から現行の法制度の不備を検証し、森林破壊を止め、本当の意味で地域と共生した再エネが推進されるよう、必要な法規制についてまとめました。2022年11月16日付で、意見書を会長名で発表しました。

 

検討会で改めて明確になったのは、日本では、森林や野生動物・生物多様性を守るための法規制が不十分なため、利益を狙った業者たちが再エネで乱開発を展開している事です。外資が次々と参入し、日本の水源の森を破壊している現状を、ただ見ていることはできません。

 

日弁連でも、法規制を求めて、今後は、政府や国会などへのロビー活動も行う予定とのことです。

 

熊森から

 

日弁連では、2021年(令和3年)6月18日に「原子力に依存しない2050年脱炭素の実現に向けての意見書」を出したばかりです。まだまだ弁護士の中にも、一気に進みだした再エネ事業が、取り返しのつかない国土破壊をもたらしていることに気づかれていない方々もおられると思います。

 

しかし、そんな中、今回、再エネ乱開発の実態を知り、危機感を持たれた弁護士たちが、あわてて「再エネ事業法規制」の意見書を出されたことは評価できます。

 

再エネ事業による国土破壊や自然破壊の問題に真っ向から取り組んでいる私たちから見れば、意見書の中身はまだまだ緩すぎると思われる面がいくつかありますが、今後、多くの弁護士たちが現地を視察し、住民たちの声を聴く中で、再エネ問題の深刻さ、大きさに気づいていってくださることを期待します。

 

 

宮城県丸森町地元住民の皆さんは、明日工事強行の業者連絡を受け、山にメガソーラーを造らないでくれと工事車がやってくる道路両脇に立ちました。

 

法律が、地元住民の生存権を守れないなどおかしいです。

  

  

 

 

 

 

 

 

 

「山にメガソーラーを作らないでくれ」と訴える

地元市町が森林破壊型巨大風力発電計画に次々と反対ドミノ   宮城県北部

一昨年初め、宮城県北部に住む会員から熊森本部に、「奥羽山脈尾根筋に宮城県北部だけで7つもの巨大風力発電事業が計画されている」と、悲鳴のような電話がありました。

 

日本文明が未来永劫に続くように、完全生態系であるクマたちが棲む保水力抜群の水源の森を次世代に最大限残すことを使命とする熊森です。

 

危機感でいっぱいになりました。

 

以下は、令和5年1月6日現在の状況です。クリックで拡大できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年12月6日 大崎市長反対表明

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年1月4日 栗原市長反対表明

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年1月6日 色麻町長反対表明

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森から

森なくして人なし、森あっての人間、ふるさとの森を守ろうと地元宮城の皆さんが動いてくださっており、大変心強いです。

 

宮城県北部の風力発電計画のある市町で、まだ反対表明がなされていない市町はあと一つ、加美町だけになりました。

もし加美町が反対表明してくだされば、奥羽山脈尾根筋の森(国有林で緑の回廊)は、無事、次世代に残されます。

 

再エネ推進は国策なので反対しても事業は止められないのではないかと思われている地元自治体が多いようです。

 

大丈夫です。

地元の自然や人々の暮らしを守るために、地元が許可しない限り再エネ開発は実施できないという条例を早急に作ってくだされば、止められます。

 

法律に反する条例は無効であると無力感に襲われている地元自治体のみなさん、

 

大丈夫です。
同じ目的で、国の法律と相反するものを作れば法違反ですが、目的が違うことで条例を作った場合、機能します。しっかりと作りこめば法律と条例は基本的に対等です。

 

地方自治体のみなさん、是非、熊森にご相談ください。

 

国内外のお金持ちたちの投資目的の再エネ事業が、全国で目白押しです。

 

二酸化炭素の吸収源である森林を伐採して脱炭素など、本末転倒です。

 

法律が追いついていませんが、法規制がなされるまで、自然破壊型再エネ事業は条例で止めていきましょう。(完)

日本環境法律家連盟、宮城県再エネ問題紛争地を次々と訪問、現地でシンポジウム

 

日本環境法律家連盟(JELF)は、環境問題に取り組む法律家約500名が所属する団体で、熊森の室谷会長もJELFに所属し、役員を務めています。
2022年11月11日~13日、池田直樹理事長をはじめとする様々な環境問題に取り組んでいる十数名の弁護士たちが、再エネ自然破壊を阻止しようと各地で地元の皆さんが業者と闘っておられる宮城県を訪れました。丸森町、加美町、大崎市のメガソーラー・風力発電開発予定現場を視察し、地域を守るため立ち上がっている住民のみなさんと交流しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

大規模メガソーラー建設が予定されている丸森町で住民の方々と意見交換の様子

 

大崎市鳴子温泉で地元の方から建設予定地について説明を受ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オオハクチョウやシジュウカラガン(絶滅危惧種ⅠA)など、渡り鳥たちが冬を過ごす伊豆沼で朝の飛び立ちを見るために午前4時に起床

 

 

 

 

 

 

 

あいにくの曇りながら、飛び立つガンや沼を泳ぐオオハクチョウなどを見ることができました。

 

12日には、地元加美町でシンポジウム「風力発電を専門家と考える会」を開催し、約100名の方が、ご参加くださいました。

シンポジウムの動画が公開されていますので、ご覧ください↓

 

 

 

 

 

長年にわたり森林開発阻止に取り組んでこられた札幌弁護士会の市川守弘弁護士や、生態学の専門家である広島県の金井塚務氏が講演。
室谷悠子会長も風力発電事業者と加美町の契約で、あまりにも業者有利となっている問題について発表しました。参加された地元の皆さんから、どこに問題があるのか見えてきたと大変喜ばれました。

 

河北新報2022.11.13 朝刊

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