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2023-05-21

国有林を大規模伐採する再エネ事業は控えるべき 長野県選出の務台俊介衆議院議員が国会で質問

今国会では、内閣が提出した「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」の審議が行われています。(再エネ法規制第一弾をめざしています)

 

4/19の経済産業・環境・原子力問題連合審査会で、くまもり顧問の務台俊介衆議院議員が、森林伐採を伴う大規模再エネ事業など論外である等、質問してくださいました。(以下、質問及び答弁要旨の文責は熊森。動画なその時の一部を紹介)

 

 

 

【務台俊介議員質問要旨】

 

再エネ事業について

最近、良い再エネと悪い再エネが明らかになってきた。再エネは地球環境に資するために推進するべきもので、単に金もうけの手段として考えてはいけない。

 

森林伐採について

CO²の吸収源である森林を伐採して太陽光パネルを設置するとか、大規模風力発電を導入するなどは論外である。

森林破壊が行われようとしている地帯は、日本の脊梁部で保安林水源涵養機能があり、土砂災害防止の役割も果たしている。

国有林を大規模伐採するような再エネ計画は控えるべき。

(よくぞ、言ってくださいました。林野庁の回答が欲しい。くまもり)

 

 

クマについて

山の尾根伝いに大規模な風車を設置すると、クマが里に追い出される。

クマは生態系の頂点に立っている生物多様性の象徴たる存在だが、毎年4000頭を超えるクマが里に出て捕獲殺処分されているという(看過ならない)現状がある。

 

【資源エネルギー庁新エネルギー部長井上氏答弁要旨】

住民説明会の開催を重視

今回の法案では、フィットの事業譲渡の際に住民説明会の開催などを認定要件化するということを盛り込んでいる。これにより事業者の責任を明確化するとともに、住民説明会等の事前周知が行われない場合には変更を認めないといった措置により、事業譲渡に対する規律を強化し、地域に根差した再エネ発電事業の実施を促していきたい。

 

熊森から

務台議員が心から日本の森や生物の多様性を守りたいと願っておられることが、質問内容から伝わってきて感動しました。

 

今やっとの感もありますが、与野党の心ある議員の皆さんによって、「CO²の吸収源である森林伐採を伴う再エネ事業は本末転倒である」といった声が国会で大きくなってきています。
再エネ事業が合法であるため、再エネ事業の暴走をどうやって止めたらいいのか頭を痛めていた私たちですが、まだまだ日本の国会も捨てたもんではないと希望が湧いてきました。
たった20年間のどれだけ発電できるのか怪しい再エネ発電(風力の年間稼働率10%、太陽光の年間稼働率15%~20%風力や太陽光の設備造りや設備維持のために使われる化石燃料由来の電力の方が多いという説もある)のために、自然を大破壊し、現在、もう取り返しのつかないことになってしまっている場所が次々と誕生していっています。

 

エネ庁の井上部長は、住民説明会を持つことによって地域に根差した再エネ事業になると思われているようですが、それはムリです。なぜなら、日本はドイツのような市民社会ではありませんから、市民がみんなで調べて声を上げようという動きが非常に起きにくい上、未だにお上の国的なところがあって、市民運動のリーダーとなれる人がほとんど育っていません。(国民のみなさん、がんばりましょう!熊森がリーダー養成の手助けをします。)

 

よって、とにかく国会は、一刻も早く法、政令、省令、通達で再エネ規制を急いでください。

 

国会議員の中には再エネ業者とべったりで、業者から大口寄付をもらい続けている人たちが、今も与野党問わず大勢(3ケタ?)いると言われています。それらの議員は、最初は再エネ推進が100%善であると思って業者を応援し始めたのでしょうが、これだけ再エネによる水源破壊生物多様性喪失住民の安全安心の危機が明らかになってきた中で、まだ法規制を考えないのなら、売国奴と言われても仕方がありません。

 

国会議員になるには多大なる資金が必要と言われています。国会議員が大口寄付者と訣別するのは大変でしょうが、業者の側に立ち続けるなら、次の選挙で落ちてもらわねばなりません。

 

熊森はどこまでも国土とその上に生きる全生物の保全をめざします。水や電気などの大切なインフラを外資に任せたりしてはならないと考えます。(完)

5/15 マゲシカの保全対策を求めて東京の防衛省に電話 日本人が声を上げるしかないと思い知る

馬毛島は種子島の西約12キロに浮かぶ約8平方キロの無人島です。

 

 

 

 

 

 

 

 

種子島の左に浮かぶ小さな島が馬毛島 赤印

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前の馬毛島

 

 

12年前に、この島を米軍と自衛隊が使う基地にするという計画が発表され、地元は賛成・反対で大きく揺れてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年8月大半の樹木が伐採されてしまった朝日新聞馬毛島写真

 

2年間にわたって進められてきた環境影響評価(環境アセスメント)ですが、2023年1月に最終段階である「評価書」が公告されました。

陸域に限ると、鳥類83種、ほ乳類4種(シカ、コウモリ、ネズミ、モグラ)、両生類2種、爬虫類6種、昆虫類580種の生存が確認されたそうです。

 

いよいよ今年1月から工事が始まりました。工期は4年間です。

交差する2本の滑走路のほか、火薬庫や港湾施設などを整備し、島全体が基地となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

計画では、島のほとんどが基地に

 

熊森は、そこに生息している最大の動物に目を付けて保全活動を行いますから、もちろん馬毛島固有種と言われるマゲシカにずっと目を付けて、防衛省に意見を出し続けてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マゲシカの群れ

 

基地建設反対を掲げて再選された西之表市の八板俊輔市長は、元朝日新聞の支局長です。2021年に当選後、基地化を黙認するようになりました。

もちろん公約違反です。

島内の市有地を国に売却し、協力自治体に支給される「米軍再編交付金」を受け取ることにしたようです。

 

「なんだ、お金か。お金のためなら、豊かな自然や漁場を永遠に失い、マゲシカたちが絶滅してもいいのか」と思ってしまいます。

<武士は食わねど高楊枝>の日本人の誇り高き武士道精神はどうなったのか。

まあ、基地も大切だし、地元の人たちにしかわからないことも多いので、勝手なことは言えませんが、地元の皆さんは公約違反するなとみんなで怒らないのでしょうか。

 

空手道で有名な宇城憲治先生は、「人間にとって、一番大切なものは怒りです。怒りを忘れたらもはや人間ではありません」と言われています。

最近の日本人、怒りを忘れていませんか。もっと怒りましょうよ。世のため人のため。

 

と言っていても、急がないと、今、島に数百頭いると言われているマゲシカは、生息地を極端に縮小させられて、存続の危機です。

ああ、マゲシカたちの顔が浮かんでしまいます。

馬毛島固有種マゲシカの優しい顔

 

2022年12月、環境省は環境大臣名で防衛大臣に、馬毛島のニホンジカの生息地となる樹林地等の改変面積を可能な限り低減、餌資源や水飲み場等を再生、創出すること。また、生息状態に係る事後調査を実施し、その結果を踏まえ、適切に環境保全措置を講じるこという意見書を出しています。さすが環境省。

 

しかし、予定通り、工事が始まるのですから、日本の環境アセスメントっていったい何なの?儀式?意味あるの?という感じです。

 

日本人は日々の生活に追われて、マゲシカどころではない人が多いかもと思い、5月15日、東京の防衛省に熊森が電話しました。

 

電話交換手は出てくれたのですが、他の省庁と違って、防衛省は担当者に電話をつなぐということはできないのだそうです。マゲシカ保全にどんな対策が取られるのか具体策を教えてほしいと電話番号を伝えましたが、返答するかどうかもお答えできませんということでした。

 

もうこうなったら、かねてより狙っていた外圧です。

 

世界自然保護連合(IUCN)に詳しい団体に電話で相談してみました。

回答は、「期待しても、無理です」とのこと。

20年前に、IUCNが沖縄のジュゴンの保全を求めて意見書を出してくれたことがありますが、その時、日本政府は、棄権しました。

以来、IUCNが日本の生物についてコメントしたことは1回もないし、今、取り組んでいる日本の問題もありませんとのこと。

では、生物多様性条約事務局に訴えるというのは?などといろいろ外国の団体名を言ってみたのですが、マゲシカが生息地を壊されて生きていけなくなる問題に声を上げてくれそうな団体は、世界にゼロという答えでした。

 

私たち日本人が声を上げないと、日本の自然や生き物たちは守れないんだ!

 

みなさん、熊森はブログを書く暇もないぐらい日々多忙です。がんばって書くようにしますが。

どんどん動きますので、まだの方はぜひ正会員になって、熊森を広め、熊森をもっと大きくしてください。(完)

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