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2024-04-15
昨年の秋田県クマ大量駆除の嵐の中を生き延びた子グマたちがわずかにいた
秋田魁新報4月10日によると、昨年の秋田県のクマ大量駆除の嵐の中を奇跡的に生き延びた子グマたちがいました。
以下の写真は、秋田朝日放送より。
注:2023年度秋田県では、山の実り大凶作によるクマ大量出没と過去最多のクマによる人身事故62件70人の発生もあり、有害駆除名目などで前代未聞2314頭のクマを捕殺しました。生息推定数4400頭の52%のクマが殺処分されたことになり、クマは絶滅に向かう恐れがあります。そんな中、秋田県は指定管理鳥獣実施計画を策定して、更なるクマ捕殺を進める方針です。
下の目撃件数グラフは、秋田魁新報記事からです。
注:ふつう、同じクマが何度も目撃されるので、実際のクマ数は目撃数より少ない。
テレビニュースによると、秋田の冬を生き残ったみなしごグマは、春になった今、集落周辺の耕作放棄地などに生えている草の新芽などを人目を気にしながら食べています。
もし母グマが殺されていなければ、この時期、冬ごもりからあけて、山のバッコヤナギの花や木々の新芽を食べていたことでしょう。
クマの大好物、バッコヤナギの花
人間に見られながらびくついて草を食べている子グマの顔が、テレビニュースで映し出されていました。
時々顔を上げて人間の動きを見ながら、不安そうに草を食べる悲しげな表情の子グマ。近くには、捕獲用の罠がすでに2つ仕掛けられています。
秋田県では県のツキノワグマ管理計画に「放獣しない」と明記されていますから、市町村はクマが出没した際に、捕獲後は銃殺すると記して県に捕獲申請を出しています。(北海道も同様)
秋田では、これらの子グマをヌカとハチミツ入りの箱罠に誘引して捕獲し、全て銃で殺処分しています。
秋田ではクマの捕獲権限が市町村に下ろされているため、捕獲したクマを殺処分するのか放獣するのか市町村の判断で決められるはずです。また、クマの放獣は法律で禁止されているわけではありません。
秋田県は昨年、私たちが放獣を依頼した際、今年は捕獲数が多過ぎて放獣などできないと言われました。今の時期ならできると思います。去年殺された大量のクマの穴埋めのためにも、捕獲してそのまま何もせず山に放獣してやるべきだと思います。
山に放してもまた帰ってくると言う方もいますが、帰ってこない場合も多くあります。放獣例もないのに帰ってくると決めつけるのはいかがなものでしょうか。
クマの行動を決める主要な要因はえさです。山に餌があれば集落には出てきません。
小さな子どものクマまで見つけ次第、罠をかけて捕殺してしまうのは、子どもたちの精神衛生にも悪いです。秋田県は生き物たちへの共感を思い起こして、生き物たちにやさしい対応をとっていただきたいです。
人間が攻撃しない限り、犬くらいの大きさの子グマが人間に向かってくるということはありません。クマが凶悪犯人のように報道されるため、クマへの誤解が蔓延していますが、クマたちは基本的に人を避けて行動しており、人が気をつけることで人身事故は防げます。
思いやりのある優しい対応が、人にも自然にも一番優れているのです。
すでに熊森本部や熊森秋田県支部から、生き延びた子グマを放獣してほしいという要望を、秋田行政へ伝えてあります。
パブコメで大多数が反対でも原案通り進める 環境省がクマを指定管理鳥獣に指定(省令発表未)
検討委員たちの発言は、クマは数も少なく繁殖力も弱いのでシカ・イノシシと同列にはできない。東北や北海道と他の地域では生息状況がかなり違うので、全国一律にクマを指定管理鳥獣に指定することには無理があるなど、まっとうな意見が全体を占めていた。
検討委員たちの意見が無視されている。
ヒグマ、ツキノワグマ(四国の個体群を除く)を指定管理鳥獣にすることに( )します。
野生鳥獣との軋轢を、野生鳥獣の生息数を人間が大幅に低減させて一定数にコントロールすることによって解決しようとする考え方を導入して25年が経過しましたが、罠だらけの山となり残酷なだけです。しかも、大量捕殺によって被害がなくならないことはシカやイノシシの対応で、すでに結論が出ています。