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京都府芦生原生林に生息する昆虫が、かつての1割までに激減

トチノキ:豊かな実り託し、ミツバチ授粉作

戦 昆虫激減の“代打”

毎日新聞 6月11日(土)15時6分配信

高島市朽木のトチノキ巨木林保全に取り組む「巨木を育む豊かな森と水源の郷(さと)をつくる会」(青木繁会長)は、実が満足にならなくなったトチノキの 再生へ、開花期の今、ミツバチによる授粉促進作戦を展開している。自然環境の変化で授粉に不可欠な昆虫が激減し、ピンチヒッターとしてミツバチを起用。結 実回復で巨木林を元気にする一方、ハチミツ採取を軌道に乗せて地元活性化につなげるなど“一石数鳥”の効果を期待している。
朽木名産トチ餅の材料は、元来地元で豊富に取れるトチの実だったが、実が十分にならなくなり他産地から取り寄せている。背景に、シカの食害を原因とする 動植物の生態変化が指摘されている。トチノキは虫媒花で、授粉には昆虫の活躍が不可欠だが、朽木に隣接する京都府の京大芦生(あしう)研究林内の調査で は、生息昆虫が1割にまで激減しているという。

育む会はミツバチ授粉に着目し、巣箱2箱とセイヨウミツバチ1群(約1万匹)など養蜂用具一式を用意。開花が遅れていた県内最大のトチノキ(幹回り約 7・2メートル)などの授粉をさせている。巣箱は約1・3キロ北の育む会会員、伴正男さん(78)宅前に設置し毎日、元気に飛び立つ。巣箱内の板には巣が 形成され、ミツもできていることがわかり、食用採取も可能と分かった。
青木会長は「安曇川源流域でミツバチが集まる花はこの時期、トチノキが主なので授粉はうまくいっていると思う。ミツバチにしっかり働いてもらい作戦を拡大したい」と夢を膨らませている。

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