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温暖化 の検索結果: 116件
ナラ枯れの原因が地球温暖化に関係していることは明らかだ
- 2015-09-12 (土)
- くまもりNEWS
国は、ナラ枯れの原因を、ずっと、亜熱帯性の5ミリほどの甲虫であるカシノナガキクイムシにしてきた。
虫に責任を負わせるのだ。
しかし、国の調査機関である森林総研の発表を見ても、私たち人類の現代文明が引き起こした温暖化が大きく関与していることは明らかだ。
<森林総研資料より>
カシノナガキクイムシは北上を続けており、何年か前に、ついに秋田県に入ったことを聞いて衝撃を受けた。
今年の夏、北秋田市まで行ってきた。まだ北秋田市には入っていなかった。
地球温暖化がこのまま進めば、カシノナガキクイムシが北秋田市に入るのは時間の問題となる。
人類は、化石燃料を使うのをやめなければならない。
といって、福島原発事故で、原発も使えないことがはっきりした。
人類は、72億にも爆発増加してしまった今、これからどう生きていけばいいのか。
本当に、武器を作って海外に売ってもうけたり、隣人や隣国と憎しみ合って戦争をしたりしている場合ではないのだ。
8月4日 本部職員、福島県会員らと福島県庁を訪問
本部職員1名福島県会員5名計6名で、福島県庁生活環境部自然保護課を訪れました。
福島空港到着
県庁では、3名の担当者が出て下さり、ていねいに対応していただきました。
福島県では今年、ブナが豊作だそうです。という事は、来年は凶作です。
大型野生動物の現状は、地球温暖化が原因でしょうか、
会津でイノシシが増加し、クマの生息域と重複しだしている。
ニホンジカが茨城県、山形県より入ってきているなどと、
教えていただきました。
ツキノワグマについては、推定生息数は2700~2800頭。しかし、よくわからないということでした。
最近は人家の近くに出没し、人間を見ても逃げない若グマが増えているのだそうです。
昨年度の有害捕殺数は430頭で、長野県に次いで全国で2番目に多い捕殺数です。
もちろん、放射線量が高いので、食用にすることはできません。
殺す必要はあるのでしょうか。
シカやイノシシがあまりいないためか、シカ罠やイノシシ罠にクマがかかるという事はほとんどないそうです。
誤捕獲グマは、2015年春より現在まで2頭あり、2頭とも放獣したといわれていました。
県民へのクマ対策としては 県が作成した啓発チラシを会津地区の全戸に配布したそうです。(以下参照)
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/48231.pdf
最近の クマの行動には、これまでになかった明らかな変化が出て来ており、それがなぜなのかわからないと言われていました。
会津は福島の中では放射線量が低い方ですが、それでも他県と比べると高くなります。
熊森としては、2011年福島原発事故以来、野生鳥獣の体にも被曝変化が出て来ていないか心配ですが、行政の方は、少ない人数で調査もなかなか思うように進んでいないようでした。
熊森福島県会員たちは、市民団体として、自分たちもこれからもっともっと調べていこうということになりました。
お時間を取っていただいた担当部署のみなさん、ありがとうございました。
今夏、マイマイガが異常発生した地域の秋の実りなし→餌を求めて出て来た野生鳥獣の大量補殺が続く
- 2014-11-03 (月)
- くまもりNEWS
林野庁によると、今年の6月~7月にマイマイガが異常発生した県は、秋田県、山形県、福島県、新潟県、長野県、富山県、石川県、福井県、岐阜県だそうです。ほぼすべての樹木や草本の葉を食い尽くし、山を丸裸状態にしてしまいました。
平成20年には、岩手県で大発生しましたが、1年で自然収束したそうです。しかし、今回は、どうなるか、予測がつかないということです。
過去に北海道でも大発生したことがあるので、地球温暖化とは無関係かもしれません。
マイマイガについては、わからないことだらけなのだそうです。
●以下は、今年の夏、マイマイガが大発生した<長野県北部>住民からの訴えです。
今年6月~7月に大発生したマイマイガの食害によって、森の木の葉が全部消えてしまい、いったんスカスカの山となりました。なぜか、マイマイガは、つる草だけは食べませんでした。その後、夏に、まるで春が来たように、一斉に木々に若葉が出ました。こうなると、今年も来年も木々の実りは、全くありません。(来年の花芽ができるのが、今年の7月のため)
山から野生鳥獣が連日出てきては、クマ・サル・シカ・イノシシを中心に、大量駆除されています。つる草の、サルナシ・ヤマブドウ・アケビなどは良くなっていましたが、もうクマたちはとっくに食べ尽くしてしまっています。町によっては、記録的にクマが大量補殺された2006年より、ずっとひどい状況です。
良心的な猟友会の方は、クマだけでも、助けられないかと、誤捕獲グマを逃がしたり、追い払ったりしていましたが、追い払っても追い払ってもまた出て来て稲を食べたりするので、クマも殺さざるを得ない状況です。もうこれ以上殺したくないと、悲鳴を上げている方もおられます。
去年は、山の実りが良かったので、その分、子グマも生まれたもようですが、この調子では、今年の秋を生き抜けないでしょう。
役場は、もう打つ手がないとして、お手上げ状態に見えます。もう限界で、みんな呆然という感じです。これだけ山に実りがないのだから、野生動物たちはもう生きていけないよねと、周りの人たちも言っていますが、どうしようもありません。
山から出て来た動物たちを殺しても殺しても、もう山が壊れてしまっているんだから、解決不可能だと思います。
今年のマイマイガ以前に、ナラ枯れで、この辺りは大量のミズナラが枯れていたのに、そこへもってきて、今年のマイマイガの大量発生。この地方には、柿の木はありません。
シカが自然林の下草を食い尽くしたことによって、クマはすでに、山で生き残るのがむずかしくなっていましたが、そこへ今年のマイマイガです。
<熊森より>
今や人間は、毎日おなかいっぱいたらふく食べています。戦後、人間が、山を壊し続けてきたことを思うと、このような異常年は、祖先がしていたように、分かち合いの精神を発揮して、殺すのではなく、食料を提供するなどして、野生鳥獣との共存をめざすべきでしょう。行政はまず、このようなやさしいことをするとは思えませんので、一般の国民に期待するしかありません。。
一方で、せめて奥山は、自然林に戻し、人間が一歩も二歩も引きさがって、野生鳥獣に餌場の山を返してやるべきです。
何種類かのネオニコチノイド系農薬が、松枯れ防止で奥山にも撒かれていた
- 2014-09-12 (金)
- くまもりNEWS
くまもり群馬県支部長が、最近行政は、松枯れ防止薬として、奥山にネオニコチノイドを空中散布していると、本部に教えてくださいました。まさか。ネオニコチノイド系の農薬は、これまでの殺虫剤と違って、植物に来た虫を殺すのではなく、植物の体内に農薬をいったん吸収させ、その植物を食べた虫が死ぬようになっています。この農薬を使うと、これまで大量に使用していた農薬の量が少しで済むようになり、減農薬として脚光を浴びているのです。
本当にそんなことをしているのかどうか、兵庫県の行政担当者に電話でたずねてみました。大変誠実に、いろいろと教えてくださいました。こんな公務員なら、税金を出してもいいなと思いました。ちょっと話しただけで、相手が誠実な人かどうかわかりますから、電話というのもふしぎです。
結論は、平成20年から、兵庫県も1ヘクタールに30リットルの割合で、松くい虫退治のために、ネオニコチノイドをヘリコプターで空中散布していました。ただし、ネオニコチノイドといっても、カメムシ用とかいろいろな種類があるということで、EUで使用禁止になっている種類のネオニコチノイドは使っていないということでした。また、山にばかり撒いているのではなく、海岸のクロマツを守るために、海岸にも結構撒いているということでした。松くい虫退治の空中散布は効果がないと聞いていますがとたずねると、効果はある程度は出ているということでした。散布地域を初め、農薬の種類など、HPには、詳しいことがすべて掲載されていました。
国民に隠す、嘘を言う、ごまかす、これほど国民を愚ろうするものはありません。良きに付け悪しきにつけ、全部国民に知らせると言うのが、民主主義国家の基本です。また、知らせて行かないと、国民は賢くなっていけないのです。しかし、HPの一覧表を見せてもらって、カタカナの薬品名を知ったところで、その薬品がどういう副作用を持っているかなど、わたしたちにはさっぱりわかりません。きっと、研究者にも、専門家にも、人間には誰にもわからないでしょう。
奥山原生林から、虫が消えたこと、実りが消えたこと、生き物たちが消えたこと、これらの原因説として、酸性雨、地球温暖化、シカなど、いろいろな原因諸説がささやかれていますが、松くい虫の防除薬として奥山に撒いている農薬も原因の一つではないかと、直観しました。山に農薬をまいて全ての生き物たちを殺してしまうのなら、松枯れを放置してマツだけが消えた方が被害が少ないのではないかと思います。マツが枯れることを止めるために、他の生き物たちを全部死なせる。こちらの方が、問題ははるかに大きいと思います。
兵庫県西宮市の夙川沿いに生えているマツは、青々と繁ってとても元気です。松くい虫に強いタイプのマツを植林したからだそうです。ならば、松くい虫対策の農薬という化学物質を撒くのではなく、松くい虫に強いタイプのマツに植え替えた方が早いと思います。ただ、この時代に、マツがどれほど有用で、山に植えておく必要があるのかどうか、疑問です。マツは、森林遷移の先駆者で、自然界の中では、土地が肥えて来ると、自然と消滅していく樹種です。マツが枯れるのも自然と考えて、山や海に、化学物質を撒くのを止めていただきたいと思います。自然は自然のまま手つかずで残しておいてほしいのです。
この担当者に、「沈黙の森」の実態を話すと、驚いておられました。疑わしきは使用せずで、すべての農薬の山林散布を中止して欲しいです。
シカによる森林消滅問題は、日本民族が初めて経験する深刻な問題 4/27くまもり全国支部長会③
今や、森林の奥にまで入り込んだシカが、所によっては、下草や低木、稚樹を食べ尽くしてしまい、山は天然更新もできなくなっている。他の虫や鳥や獣が餌場や隠れ場を失い、山に住めなくなっている。虫媒花は実らなくなる。所によっては、冬、シカが木の皮までかじって高木まで枯らしてしまい、森が消えたり、山が崩れたりしてきている。山の保水力が失われる・・・
シカによる森林消滅問題は、これまで日本民族が経験したことのない深刻な問題です。自然界では起きないことが起きているのであり、人間がやらかした事が原因としか考えられません。
チシマザサや低木、稚樹が消えてしまったブナ林。(兵庫県2013年5月17日撮影)
上の写真に対して、九州地区の支部長たちから、「下草を消したのは、本当にシカなのか。九州にもシカが多いが、九州では林床が裸地になどなっていない」という疑問が続出しました。同じこの山でも、7分の3は下草がまだ残っています。この町の人工林率は73%。奥地ほど、人工林率が高いのです。
また同じ長野県内でも、居住地の違いによって、シカが増えているかいないかでさえ、答えが違っていました。
「世界遺産をシカが喰う」という衝撃的な題名の本を読んだことがあります。あれ以来、シカを放置しておけば、どこでも森林が消滅に向かうのか、場所によって違うのか、調べに調べていますが、自然界のことは、わからないことがあまりにも多過ぎます。
しかし、今度の、民間捕獲業者を導入して、シカ・イノシシ・サル捕殺事業に当たらせよという「鳥獣保護法改正案」は、また、例によって、中央から出された同一指令となります。青森県や秋田県など、シカやイノシシのいない県もあります。みんながみんな、歩調を合わせる必要もないと思うのですが、その辺はどうなるのでしょうか。
どちらにしても、問題解決のためには、原因究明が必要です。原因の特定を誤ると、打つ手打つ手が全部外れてしまいます。
森林が消滅するのかとおもわれるほどシカの食害が増えたのはなぜか。様々な要因が考えられますが、原因を作ったのはすべて人間です。
1.人間に草地を取り上げられた。
芝生に覆われた奈良公園では、2008年調査によると502ヘクタールに1128頭の野生ジカが暮らしており、前年比で33頭減。有害駆除や個体数調整捕殺はしていないということです。(生存のオス262頭、メス695頭、子供171頭。1年間の死亡原因は、病気174頭、事故71頭、犬18頭)
2.捕食者がいなくなった?
(明治時代にオオカミを絶滅させた。東京オリンピックに備えて、野犬を一掃処分した。条例で犬を放し飼いにできなくなった。キツネなどが減った)
しかし、オオカミがいた頃、シカは今より多かったというのですから、よくわかりません。
2.拡大造林による奥山草原化や林道の法面に草の種を吹き付けて回ったことによる一時の餌増加?
シカの食生活のバランスを人間が崩したことは間違いないでしょう。
3.地球温暖化で積雪量が減ったことによって、大積雪一斉死があまり起きなくなった?
温暖化していなかった昔の北海道でも、エゾシカは今より多くいたそうですから、良くわかりません。
4.中山間地の過疎化高齢化?
縄文時代の人口は26万人だそうです。このころ、全国が過疎化していましたが、それによってシカが際限なく増え、森が消えたりはしていません。
今回の「鳥獣保護法改正案」は、シカ増加を、狩猟者が減ったことによるシカ捕獲数の低下によるものとして、あらゆる手段を講じてシカを大量に殺すための法改正案です。私たちには、狩猟者が今より少なかった戦前、なぜシカが爆発増加しなかったのかという疑問が残ります。
また、人間が、ある種の野生鳥獣の生息数など調整できるものではない。崩れてしまった自然界のバランスを取り戻す方向にもっていくべきだ。シカピルなどの非補殺対応も検討して欲しい。森林消滅を防ぐため、高山地帯やブナ帯から、シカを下の草原帯へ移動させてほしい。奈良公園のようなところが各地にできてもいいのではないか。などと、思います。どちらにしてもわからないことだらけで、どういう手を打つのが最善か、誰にもわからないという深刻な問題です。
ともあれ、シカのホロコーストを狙う「鳥獣保護法改正案」は、人間がさらに自然界に徹底的に手を入れていく方向に改正されるもので、いっそう取り返しのつかない事態を招く恐れがいっぱいです。④へ。
「狩りガール」を持ち上げるテレビ番組に苦言
いつの世でも、どこの国でも、国民の洗脳や国民の意識改革の宣伝に、効果的に利用されるのは、若くてきれいな女性です。
危険なものや間違ったことでも、「若い女性もやっています!」とプロパガンダされると、多くの国民は、警戒心を失い、同化されやすくなります。
若い女性は、間違ったことに利用されないように、本当に、何が正しくて何が善なのか、よく勉強して、慎重に行動して欲しいと思います。
●
4月3日、毎日テレビ夕方6時過ぎからの放送「VOICE」で、「狩りガール」が、取り上げられました。
「VOICE」への意見は
→voice@mbs.jpまたは、FAX06-6359-3622
この番組は、近畿2府4県と徳島県の一部に報道されています。
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「狩りガール」報道は、今や国策プロパガンダ放送局に成り下がってしまったかのように見えるNHKテレビが、昨年10月に、「狩りガール」を持ち上げるニュースを流していましたから、別に、目新しいものではありません。しかし、本当にこんな方向に日本文化を進めていってもいいのか、全国民がしっかり考えねばならないと、今回のテレビ報道で改めて強く思いました。
●
近年、環境省は、日本人は狩猟民族であるとして、「すごいアウトドア」というキャッチコピーで、若者たちにハンターになることを呼びかけています。そのポスターの真ん中には、猟銃を持った若い女性の絵が描かれています。縄文時代ならともかく、日本人は誰が見ても農耕民族です。たとえシカが増えすぎて困ったとしても、レジャーや遊びとして国民にシカを殺させるのは、間違っています。環境省の政策に大きな問題があることは、報道関係者ならば、ちょっと調べていただければ、すぐにわかることだと思うのですが。
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今回のテレビ報道では、銃という武器を持った圧倒的強者である人間(=若い女性)が、無抵抗の野生動物たちを、笑いながら撃ち殺していました。「野生動物たちが山から出てきて、農作物などに被害を与えたから、退治してやる」という、英雄気取りなのでしょうが、自分が被害を受けたわけでもないのに、ファッション感覚やゲーム感覚で、厳しい自然界の中で、人間の援助も受けず、一生懸命に生きている野生動物たちの命を奪うなら、人として許されるものではありません。冷静になり、慎重に考えなおしてほしいと思います。(この狩りガールと個人的に話し合ったわけではありませんから、彼女を深いところまで知って書いているわけではありません。ただ、報道の仕方に問題を感じたのです)
●
「狩猟者を増やしたい。そのために、若い女性を使おう」
環境省の政策の後ろには、戦後の森林政策の失敗を覆い隠そうと躍起になっている人達の黒い企てと、研究という名で無数の元気な動物たちを解剖し続け、命の尊厳がわからなくなってしまい、一般人の感覚からはるかにかけ離れてしまった研究者の存在があると、私たちは感じます。
●
「狩りガール」のみなさんは、かつて、野生動物たちが棲んでいた山が、今どうなっているか、奥まで入って一度検証してみてほしいと思います。
国策により、戦後、青森から福島まで、東北6県分の面積に等しい広大な原生林が伐採されました。その跡地などに、1000万ヘクタールの針葉樹一辺倒の人工林が奥山を中心に造られました。
しかし、林業の低迷で、今や多くの人工林は放置され、内部は砂漠化しています。広大な奥山人工林内には、動物たちの餌は何もありません。動物たちは本来の生息地では、生きられなくなっているのです。動物たちは、被害者です。
人間は、各地で、動物たちの欠席裁判を行い、死刑判決を下していますが、これは弱い者いじめです。こんなことをしていては、この国で、人と野生鳥獣との共存などできないでしょう。
●●
自然界のことは、人間の頭ではわからないことが多過ぎるのですが、戦後の拡大造林や東京オリンピック時に行ったヤマイヌ全頭殺害、地球温暖化など、様々な人間活動の結果、シカは生息数のバランスを崩して増えているのではないかと思われます。
すべて、人間の失敗です。人間が問題の原因を作ったのです。目の前の現象だけを見て、被害者である野生動物たちを加害者扱いし、山奥にまで入り込んで命を奪うという、相手の存在を全面否定する行為を、若い女性が、笑いながら軽々しくやってほしくはありません。まず、彼らがどこにいたらいいのか、生息地を保証してやるところから始めるべきでしょう。
●
●狩猟行為は、山奥にはりめぐらされた林道、車や銃、犬があれば、女でもできるかもしれませんが、狩猟の後始末は、女性には一般的にむずかしいと思います。殺したシカやイノシシは、山に埋めるか、焼却場へ持って行くかしなければなりません。山中に放置すれば、クマを初めとする多くの野生鳥獣の餌となり、ますます山の生態系が狂ってしまいます。しかし、若い女性に、重いシカやイノシシを運ぶことなど、普通は無理です。
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●「狩りガール」を推奨している人たちに、なぜ若い女性を狩猟に巻き込むのかたずねてみました。
答えは、「若い男の狩猟者を増やしたいのだが、呼びかけてもなかなか増えない。罠猟免許を取る人は増えたが、銃猟免許者は減る一方だ。若い女性に目を付けたのは、若い女性が銃を持つと、彼氏が影響を受けて銃を持つようになる。そこを狙っている」と、いうことでした。
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私たち人間にとって命はたった一つしかない最高に貴重なものですが、野生動物たちにとっても同じです。なぜか、優秀な官僚のみなさんには、現在起きている野生動物問題を、野生動物を殺さないで解決しようという努力がまったく見られません。初めから、殺害ありきです。これは、恐るべき倫理観の欠如です。
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●動物用防除柵を作ったり、奥山の針葉樹一辺倒の人工林を広葉樹林に戻して生息地を復元したり、シカに関しては、人間が彼らから奪った草原や湿原を返してやったり、シカが増え過ぎないようにシカ用避妊薬を開発したり、シカの天敵であるヤマイヌやキツネなどを放して、人間が壊した生態系のバランスを自然の力で取り戻したりして、人間は、あくまで生命尊重思想の上に立って、非補殺対応をめざすべきです。
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●若くてきれいな女性には、生き物の命を大切にする、人にも生き物にも優しい人間であってほしいと願います。
●メディアのみなさんは、生き物の為にも、人間の為にも、慎重な報道を心掛けてほしいです。身の回りに、軽い気持ちで銃を持つ人が増えれば、銃を持たないわたしたちは、不安でたまらなくなります。
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神道や仏教の影響も大きかったのでしょうが、日本人は殺生を嫌い、物言えぬ弱者である野生鳥獣を大切にしてきました。このような文化を大切にしていかないと、自然破壊にいっそう歯止めがかけられなくなり、やがて日本文明は水源を失って滅びてしまうでしょう。
●
メディアの皆さんは、番組制作にあたって、必ず、反対者、疑問者の声も同時に拾っていただきたいと思います。でないと、国民は、何が正しくて何が善なのか、考える力を失ってしまいます。
滋賀県支部第10回総会と画家ウィリアムズ氏による記念講演
3月2日、歴史を感じさせるすてきな建造物である大津市旧公会堂で、熊森滋賀県支部第10回総会と記念講演会がありました。滋賀県支部は、京都府支部に続く、熊森の第2号支部です。
滋賀県支部は、この10年間、村上支部長を中心にスタッフ一同が心を一つにして、熊森活動に励んでこられました。10年間変わらず、しかも、休むことなく活動し続けてこられた。これだけでも、みなさんが本気で本物であることがわかります。
村上支部長は、本業であるフルタイムのハードな仕事を持ちながらの熊森無償活動で、その大変さは、やったものにしかわからないと思います。この日、熊森滋賀スタッフのみなさんが、輝いておられるように感じました。
森山会長から村上支部長に花束贈呈。10年間の感謝とねぎらいのことばがありました。
去年度滋賀県支部は、琵琶湖西部トチノキ巨木群を伐採業者から守り、立木トラストすることに成功されました。今、滋賀県内における次なる大規模奥山トラストをめざして、動いてくださっています。
立木トラストに成功した、朽木のトチノキの巨木群展示写真
今回は、10周年を記念して、ブライアン・ウィリアムズ氏が講演をしてくださいました。有名な画家であるウィリアムズ氏が、地球の環境問題について、こんなにも勉強されていたのかと知って驚かされました。まるで専門家です。
ウィリアムズ氏は、ペルー生まれのアメリカ人で、世界一周写生旅行の途中に日本に立ち寄り、日本の風土や人情に魅了されて、大津市伊香立に定住してしまわれたのだそうです。家の窓から見える景色が、即、絵にしたくなる美しさだということでした。その感性の鋭さゆえに、人類が今のような生き方を続けるなら、地球温暖化問題をはじめ、近い将来、滅びざるを得ないことが見えておられるようでした。熊森同様、大変な危機感を持っておられました。
講演中のウィリアムズ氏
舞台には、曲面に描かれた巨木の絵がありました。魅了されて眺めていたら、ウィリアムズ氏が、私が描いた絵ですと言われました。一瞬、「えっ」と思いましたが、ウィリアムズ氏は、地球環境問題の研究者ではなく、本業は画家だということを思い出しました。ウィリアムズ氏は立体キャンバスに絵を描く画家としても有名なのだそうです。3次元の世界は、平面ではなく立体キャンパスに描いた方がいいという発想にも、驚かされました。
私が描いた絵ですと教えてくださったウィリアムズ氏
最後に、ウィリアムズ氏が、「自然保護を語っている人が多いが、よく聞くと、ほとんどが自然保護ではなく、人間保護。」と、苦言を呈しておられました。全く同感です。
この日、ウィリアムズ氏は、日本熊森協会の会員になってくださいました。それもこれも、滋賀県支部のみなさんのおかげです。
ウィリアムズ氏の講演を聞かせていただいて、ここまで日本の自然を守りたいと本気で思っておられる人は、めったにおられないだろうと思いました。その本気の人が、日本人ではなくアメリカ人というのは、なんか不思議でした。
「温暖化影響か 白神山地にブナの実食べる虫大発生」の新聞報道について
- 2014-04-02 (水)
- くまもりNEWS
3月に横浜で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の総会が開催されました。
この関連イベントで講演されたマタギの方が、世界自然遺産の白神山地で「象徴ともいえるブナの森に、地球温暖化の影響が表れている。気温が高くなったせいか、虫が大発生し、ブナの実が熟す前に食べられてしまう。」として、地球温暖化対策の強化を訴えられたそうで、新聞で大きく取り上げられました。
ブナの実を食べる虫というのは、ブナヒメシンクイ(蛾の一種)のことだと思われます。ブナの実を拾って食べようとしたら、よく、1ミリメートルぐらいの穴が1個あいています。(以下写真)
これは、ブナヒメシンクイの幼虫がブナの実を食べて、出て行ったあとです。
この報道内容が事実であるならば、大変タイムリーな発表です。しかし、私たちは、ブナヒメシンクイが大発生しているということを聞いたことがなかったので、さっそく、詳しい研究者に問いあわせてみました。以下、その回答です。
●ブナに付く虫は、300種類ほどあり、そのほとんどが、クワガタムシ、カミキリムシ、ブナハバチ、ブナハムシなど葉を食べます。
実を食べる虫は少なくて、代表的なものは、ブナヒメシンクイです。この虫の成虫は、春の開花時に、ブナの雌花に産卵し、やがて卵が孵ると、6月ぐらいから、幼虫はブナの実を食べ始め、やがて、ブナの実を落としてしまいます。
しかし、この虫は、終齢幼虫後、地面に潜ってサナギになります。その時、地面の中にいる菌の菌糸が体に付いてキノコに成長していくため、やがてこの虫は死んでしまいます。この虫は、地球温暖化によって大発生するタイプの虫ではありません。自然の力で、この虫の生息数はコントロールされているので、心配する必要はありません。
地球温暖化でブナが影響を受けるのは、中の実が実らず、シイナと称される殻だけの実が増えることです。この原因は、ブナが、光周性の植物であるため、日照時間は同じでも、気温だけが上がってしまうと、うまく実が作れなくなるためです。ブナは、年平均気温が、6℃~12.5℃の間で生育する植物で、白神では、標高80メートル~1200メートルがブナ帯です。
<熊森から>
地球温暖化に関しても、地球は今、温暖化しているという研究者がいる一方で、地球は今、寒冷化しているのだという研究者がいます。地球温暖化の原因は、空気中の二酸化炭素濃度が高まったことだという研究者がいれば、それは都市熱が原因であるにすぎないという研究者もいます。
過剰と思えるまでに情報が氾濫している時代ではありますが、自然界のことは複雑過ぎるので、全くもって、どれが真実なのか、判断に困ることが多々あります。どちらにしても、白神のブナの実が、クマたちを初めとする動物たちの口に入らなくなってきているのなら、困ったことです。実際はどうなのか、調べられた方は、教えてください。
大量捕殺推進一辺倒の環境省素案に、言葉を失う パブリックコメント② 熊森解説
- 2013-12-11 (水)
- くまもりNEWS
<鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置についての素案>への熊森解説
(素案全体について)
増加したシカによる農作物被害や森林被害が拡大し、地域によっては大変な問題になっているという現状認識は、熊森も同じです。
●しかし、物事にはすべて原因があります。問題を解決するには、原因を特定し、その原因に対して対策を取らねばなりません。ただし、自然界のことは、実際には、人間に原因がわからないことだらけなのです。
●素案では、ハンターの減少が、シカ増加の唯一の原因になっています。よって、この素案は、対策として、いかにハンターを増やし、いかにシカを大量に捕殺するか、そのこと一色になっています。
●熊森は、これまで何度も指摘してきたように、シカ問題は、シカが数的バランスを崩した結果であって、ハンター減少が原因ではないととらえています。
狩猟者数の変化 (黒色折れ線グラフ)と シカ捕殺数 (水色)
日本に狩猟が入ってきたのは明治からです。以前、今より狩猟者が少なかったとき、シカ捕殺数も少なかったのです。しかも、ハンター減少が原因なら、狩猟鳥獣のすべてが増加するはずです。よって、シカ捕殺推進一辺倒の素案にパブリックコメントをと言われても、根本から考えが違うとしかコメントのしようがありません。
こんなことになるのは、素案作りにかかわった検討小委員会の委員選びに問題があります。原因はハンター減少だという論者ばかり委員に集めて、検討会を持てば、幅広い意見は出ません。
本来、検討会や審議会は、多様な意見の者たちを集め、激論を戦わして真理に迫るべきなのですが、実際は、国が、国の森林政策の失敗や人間側の責任に触れない意見を言う、狭い範囲の人たちだけを集めており、大きな問題です。
しかも、この素案は、国民に、
・明治になるまでの1200年間、殺生禁止令が出ていた
・明治時代の初めに3000万人だった人口が、爆発増加し、現在4倍に増えた
・車社会が発達し、道路が奥山まで伸びて、人間は、かつて野生鳥獣の国であった国土まですべて自分のものにしてしまった
・戦後の林野庁の森林政策であった拡大造林策が行き過ぎて、日本の山は動物が棲めないまでに荒廃した
等の社会的背景や、シカは本来、豊かな自然生態系を我々に提供してくれる益獣であることなどを、全く知らせていません。それどころか、戦後、人間が行ってきた森林の大破壊には一切ふれず、森林劣化は全てシカが原因だと、シカに責任転嫁しています。
その上、シカの殺処分を「管理」「個体数調整」と表現し、大量に捕殺することは、「積極的な管理」などと表現し、読んだ一般国民に、国が何をしようとしているのか具体的なイメージが浮かばない書き方になっています。
●熊森が考えるシカ増加原因説
① 地球温暖化による冬季積雪量減少
②人間による シカ捕食者の消滅
③ 拡大造林による一時的な奥山草原化とその後の放置による奥山荒廃
④ シカの山奥移動を可能にした奥山開発や道路網の整備
⑤ 平地での過度の駆除による奥山追い上げ
⑥ 耕作地の放棄や林道壁面緑化による餌場提供
原因の一つ一つに対策を練っていくべきです。
・このような
このような人間活動によるさまざまな原因説が考えられますが、素案には、人間活動の反省や責任が全く書かれていません。
●自然界の生物数をコントロールできるのは自然の力だけなのに、殺処分の強化により、人間が自然界の生物数をコントロールできるかのように書かれています。一定以上の広い土地を野生鳥獣に返してやり、野生鳥獣が自然界のバランスを取り戻せるようにすれば、その中で、何頭いてもいいのです。
●野生動物の命のすばらしさや生命尊重が完全に抜け落ちています。
●非捕殺対応が、全く議論されていません。
●今、シカは、どこにいても、個体数調整という名で人間に殺されます。
シカたちはどこにいればいいのか、いてもいい場所をシカたちに示してやるべきです。
10月17日、 「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」の中止、または抜本改革の要請書を持って環境省へ
- 2013-11-02 (土)
- くまもりNEWS
環境省担当官と午後1時から3時までの意見交換会のアポが取れました。
今、全国を巡回している環境省主催「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」の内容があまりにもひどいので、とりあえずこれだけでもなんとか直してもらいたいと、熊森から、会長、副会長、調査研究員の3名が上京しました。
新橋からタクシーに乗って、「環境省まで」と告げると、運転手さんが、「ここで20年も運転手しているけれど、環境省までと言われたのは初めてだ。環境省ってどこにあるんだ」と言われました。これまでもタクシーに乗ったとき、何度か運転手さんに同様のことを言われました。地方から環境省を訪れる国民は、ほとんどいないのだろうかと思いました。
霞が関の中央合同庁舎に着きました。
環境省側からは2名の係官が出てこられました。ひとりは去年の春ここに来られた方で、もう一人は今年の春からここに来られた方でした。
日本の行政は、ふつう3年、短い人は1年で担当者が変わっていきます。
21年間も日本の森や野生動物、奥山の保全・再生に、寝ても覚めてもかかわってきた私たちとは、残念ながら、ほとんど話が合いませんでした。自然観や動物観が、私たちとかなり違うように感じました。
環境省担当官に、環境大臣石原伸晃様宛の要請文を手渡す森山会長
<熊森から環境省への主な要請>
①今、シカはどこにいても撃たれます。ここにいたらいいよという場所(=生息地を)を、まず決めてやってください。<生息地保証>
②捕殺対応だけではなく、被害防除、追い払い、避妊・去勢など非捕殺対応も検討してください。<非捕殺対応の検討>
③「すごいアウトドア!!」というキャッチコピーでシカやイノシシを殺すのは、他生物の生命への尊厳を忘れた恥ずべき行為なので、即刻このコピーを変えてください。<生命尊重思想>
④ハンター数が減少の一途をたどり始めた1970年以降だけのハンター数の推移グラフを見せて、ハンターが減ったからシカ・イノシシが増えたのですと世論誘導するのは、国民だまし。今や、環境省付き研究者たちの「ハンター減少説」は、完全に破たんしています。
地球温暖化等人 間が引き起こした地球環境問題が、現代のシカ問題を引き起こしているのに、まるで、シカがシカ問題を引き起こしているかのごとく、シカに全責任を負わそう とするのは、人間として恥ずかしい。即刻やめてほしい。
人間が狩猟によって野生鳥獣の数を減らし続けないと、野生鳥獣の数が増えすぎてしまうという学説な ど、どこにもない。自然界は、自らの力で、絶妙のバランスを保つ。人間が入っていない未開の地ほど、自然は豊かです。
<対症療法ではなく根治療法を。本当の原因を国民に知らせること>
⑤自然界や山が荒れ、多くの狩猟鳥獣が激減している。むしろ今、一般的な狩猟を禁止すべきである。
今、地元の人たちが困っている、シカ、イノシシ、サル、クマなどの大型動物問題に対応できる被害防除専門官などを育成すべきだ。
レジャーハンターやスポーツハンターなど増やしても、大型野生動物問題など解決しない。「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」は、単なるイベントであり、税金の無駄遣いである。若い女性をプロパガンダに使うのは恥ずかしいので、やめてほしい。
<環境省の答え>
①生息地保証は環境省の仕事ではない。
②非捕殺対応は考えたことがない。
③このキャッチコピーはすごく気に入っている。このコピーによって、「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」への参加者が増えたから、変えない。
④グラフの一部だけを提示することに問題はないと考えるが、(熊森が強硬に求めるので)、次回の福井県のフォーラムから、1970年以前のハンターが今より少なかったときのグラフも見せることにする。
⑤考えが違う。
<参考>環境省発表データをもとに熊森が作成したグラフ。
全国狩猟者登録数(黒の折れ線)とシカ捕獲数(水色)の推移
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