くまもりHOMEへ

ホーム > くまもりNEWS

カテゴリー「くまもりNEWS」の記事一覧

「くまもり20年を振り返って」 全国大会森山まり子会長挨拶より

「くまもり20年を振り返って」森山まり子会長挨拶

 

挨拶する森山会長

 

みなさんよく来てくださいました。

みなさんのご賛同、ご支援を得まして、日本熊森協会、設立以来20年間、全くぶれることなくまっすぐ歩み続け、今日ここに、20周年の記念すべき全国大会を迎えることができました。

みなさんと拍手で、心から共に祝い合いたいと思います。

 

くまもりがここまでこれたのは、私たち中心者の揺らぐことのない固い決意はもちろん、今日この会場にお集まりくださったみなさんをはじめ、これまで私たちをご指導してくださったみなさん、共に動いてくださったみなさん、会費などで支えて下さったみなさん、本当に多くの皆さんのおかげであり、亡くなられた方も含め、熊森にかかわってくださった全てのみなさんに心から感謝申し上げます。みなさん、本当にありがとうございます。

 

クマのため、全ての生き物たちのため、そして私たち人間のため、奥山にもう一度、広葉樹の水源の森を復元しようという熊森運動20年のあみを、ここで振り返ってみたいと思います。

 

ここで、「熊森20年のあゆみ」(1992年のツキノワグマ絶滅の恐れという新聞記事や、中学生たちによる当時の兵庫県貝原知事への直訴、1997年の日本熊森協会の設立で、①まずクマ捕殺数の一番多い地元を訪問、②1泊して、崩壊した人工林の内部や、動物が夜、田畑に被害を与える様子を視察したこと、③次の日、地元の人達と公民館で長時間懇談して意気投合したこと、ここから始まり現在に至るまでの熊森活動)を、約10分間の貴重な映像や歴史的写真で見ていただきました。

 

また、その中で、荒廃する人工林を自然林に再生しようとして始まった熊森の奥山再生運動だが、行政が全くと言っていいほど過剰人工林問題の責任を放棄し続けていること、さらに、増えたシカなどの影響で自然林の再生が非常に困難な状況になったこと、残された自然林まで一気に荒廃し始めたことなど、20年前には予想もしていなかったこのような新たな問題にも出会い、ますます問題解決がむずかしくなっており、熊森のような民間団体が啓発を繰り返して国を動かすようにもっていかなければならない等の方向性も示しました。

 

 

日本熊森協会はこの20年間、野生動物の命の尊厳を訴えてまいりました。野生動物の命の尊厳がわかるようになれば、残された自然を守り、壊し過ぎた自然を再生しようと思うようになるはずです。この熊森運動のバックには、全ての生き物たちと共に生きてきた祖先の文明を取り戻さなければ、近い将来、水源の森を失うばかりか、他者を思いやる優しい人間社会まで失い、日本文明が滅びてしまうという、私たちの強い危機感があります。

 

しかし、現実には、20世紀半ばから科学技術の驚異的な発展によって、地球上で唯一最強のの支配者となった人類は、他の生き物たちのことなど考えもせず、ますます大規模に自然を破壊する方向へと進んでいます。原発再稼働しかり、リニア中央新幹線しかり、辺野古の埋め立てしかりです。

 

この20年間に我が国の国会に出された奥山関連法案は、どれもこれも人間のしたことを棚に上げて、里に出て来るようになったからと野生動物たちを害獣視し、かれらの大量殺処分を促進するものばかりでした。戦後人間が壊した奥山を、野生動物たちのために復元・再生してやろうという法案など皆無でした。どうしてこんなことになるのか。原因はただ一つ、余りにも現代人がジコチューなのです。人類がこの自己中心主義を克服しない限り、他の生き物たちはもちろん、人類にも未来はありません。

今のようなことを続けていたら、やがて近い将来、私たち人間も滅びてしまう、そんな簡単なことさえ分からなくなるほど、現代人は狂ってしまっています。

 

この20年間を振り返ってみて、もし熊森がこの国になかったら、物言えぬ弱者である野生生物たちの立場に立ってものを言う人など誰もいないところだったという場面が多々ありました。

 

人間は何をしてもよいという欲望全開の破滅型物質科学文明の大きな流れに真っ向から対抗するこのような完全民間の自然保護団体が、会員の会費と寄附だけで運営され、分裂もせずここまで育ってきたこと、みなさん、これをあたり前と思わないでください。ありえないことなのです。

私たちは、熊森の発展は、21世紀に起きた日本国の奇跡の一つだと思っています。何度も何度も奇跡が起きて、奇跡の連続でここまで来れたことを思い返すと、今、この会をつぶしてしまったら、もう2度と誰にもこんな会は作れないのではないかと思ってしまいます。みなさん、絶対にこの会をつぶさないようにしてください。この後の20年も、そして、未来永劫にこの会を私たちの力で発展させましょう!

 

また、熊森には、報酬ゼロが条件の熊森の会長をやりますという若い2代目会長候補が育っています。これも当たり前と思わないでください。まず、ありえないことなのです。2代目会長候補は、本日午後からのプログラムの初めに、登壇いたします。

 

今の日本人は余りにも声を上げない人が多過ぎます。多分、自信がないのでしょうが、熊森会員のみなさんには、自分たちの言動が、全ての生き物と人類の未来を形づくっていくのだという気概を持って、家族、友人、同僚など、まわりの方々に熊森を語っていっていただきたいです。そして、私たちがそうであったように、一人の本気の人間が持つ力のすごさをご自身で確認していただくことを願います。

 

本日の20周年記念くまもり全国大会、最後までお楽しみいただくと同時に、参加していただいたみなさん同士で交流もしていただき、これからのことにも考えをめぐらせる有意義な時間にしていただけたらうれしいです。では、本日、最後までよろしくお願いします。ありがとうございました。

 

(後記)

熊森は、最前線には青年を立てるという運動方針で20年間やってきました。20周年記念大会でも、青年たちが中心になって運営、発表、みんなよく育ってくれて頼もしい限りでした。

当日は195名のみなさんと、20周年を祝い合うことができ、盛会でした。本当は、全会員の皆さんにご出席いただきたかったです。20周年ということで、新潟県から長年の企業会員であるM株式会社の社長さんが初参加してくださったのをはじめ、全国大会は久し振り、または初めてといった参加者も何人かお見受けしました。20年会員の参加もあり、みなさんに支えられてここまで来れたことを再確認しました。感謝でいっぱいです。また、10名の子供や20才の会員たちの参加に未来を感じ、うれしくなりました。後日、「熊森会員を増やしてみようと思うようになった。小冊子を送って欲しい」など、うれしいご感想も届いています。今は、自然破壊や野生動物の大量殺害が拡大する一方で、自然や野生動物と共生する意外に人間は生き残れないことがわかっている私たちには苦しい時期ですが、こんな時だからこそ、会員一同、心を一つにして、喜びや希望をもたらす活動をいっそう進めて参りましょう。

来年の全国大会は、4月28日です。今からご予定ください。遠方の方は申し訳ございませんが、旅費を積み立てていただき、何年かに1回は、全国大会にお集まりいただきたいです。 

 

「アントロポセンに生きる」20周年くまもり全国大会プログラムより

アントロポセンに生きる            会長 森山まり子

現代人は利口なようにみえて、実はもっとも愚かなことをしています。私たちの生存に必須の清浄な空気と清らかな水、安全な食べ物を与えてくれる地球環境を、目先の欲や快適さのために、あらゆる科学技術を使って年々その規模を大きくさせながら破壊し続けているのです。

 

地球46億年の歴史の地質年代表を見ると、現在私たちは最終氷期を終えた約1万年前から始まった完新世という地質時代に生きていることになります。ところが最近、「現在はもはや完新世ではない。20世紀の中ごろから、人類という動物が、物理的にも化学的にも生物学的にも、地球を完新世とは全く別の惑星に作り変えてしまった。現代は、アントロポセン(人新世)と呼ばれるべきであり、もはや完新世の地球に戻すことは不可能である」という説が出されています。

 

熊森20年の活動を振り返って、私が確信するようになったことは、どんな最先端の科学技術をもってしても、人間に自然をコントロールすることは不可能であるということです。最初、奥山に、動物の棲める森を復元してやろう(!)と思って活動を開始しました。しかし、多くの人に参加してもらって何度実践しても、自然界は、人間の思うようになど何一つなりません。私の中で、年々人間というものが小さくなっていきました。人間が自然に対してできることは、破壊だけです。研究者が野生動物の数をコントロールしようとするのは、かれらが本当の自然を知らないからです。アントロポセンに生きる私たちは、このことを知って、自らの生存をかけ、地球上に最大限の手つかずの自然地域を残していくようにしなければなりません。

 

なんと兵庫県姫路市にクマ、くまもり本部が急行

4月から5月にかけて姫路市北西部を中心にクマの目撃が相次いでいましたが、5月3日朝の神戸新聞デジタルによると、ついに捕獲罠がかけられたということです。

どういう状況なのだろう。熊森本部は、急遽、姫路市の現場まで駆けつけました。

地元の方たちに、どこにクマが出たのかきくと、みなさん丁寧に教えてくださいました。

写真1:4月28日~5月1日にクマの目撃があった現場(赤枠内)

写真2:クマの目撃があった場所は、姫路市により立ち入り禁止となっていた

 

現場は、竹林や2,3mの常緑樹が生い茂る山のすそ野で、スーパーや宅地が隣接していました。近くには絶えず車が流れる国道もあります。

くまもりとしては、一番に避けたいのが人身事故であり、立ち入り禁止措置がとられていることにとりあえず、ほっとしました。

 

 

○地元の人達に聞き取りをしてみました。

・ここ3日間ぐらい、夜10時30分~11時くらいになったら、1mぐらいのクマらしきものが現れる。

・クマらしきものが現れるとき、竹林の中で竹を踏んで割れる音が聞こえる。

・この辺は子供もたくさんいるので、不安。

・現場には、大きなべたっとした糞が落ちている。

・このあたりの山では、シカはよく見かける。サルも時折出てくる。クマが出てくることは滅多にない。でも昨年秋から何度かこの近くでもクマの目撃があって、今はこの山にもクマが住んでいるのだろうと思っている。

・住宅地やスーパーなど、人間の生活域が近い。クマが今後も出没するのは危険だと判断し、クマの捕獲罠設置を行政に申請した。

・現場に落ちていた大きな糞は、兵庫県森林動物研究センターが持って行って調べた。その結果クマの糞だったそうだ。

 

 

付近にクマの痕跡がないか見てみると、クマの糞らしきものが落ちていました。中には昆虫の残骸らしきものが入っていました。

クマの糞らしきもの。乾燥しているが、発見当初はもっと大きかったようである。

 

以下は、ここに設置されたクマ捕獲罠の写真で、クマ誘引物は米糠とのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(この写真は、神戸新聞デジタルより)

 

この後、ひとりでウオーキングしている方に、「クマが出ているので、鈴など音の出るものを携帯してください」と伝えたり、外に生ごみを置いておられる方に、「生ごみはクマを引き寄せます。生ごみは屋内で管理してください」など、伝えて歩き回りました。みなさんに、「教えてくれてありがとう」と、喜んでもらえました。

 

(熊森から)

捕獲されたクマはどうなるのでしょうか。奥山に放獣すべきと熊森は思います。連休が明けたら県に電話してみます。

 

それにしても、「県内に生息するツキノワグマは、絶滅の恐れから長く保護されてきたが、個体数の増加を受け、県は昨年11月、20年ぶりに狩猟を解禁した。兵庫県森林動物研究センター職員は、(クマは)食べ物に困っているとは考えにくく、頭数の増加で出没範囲が広がったのだろう。」といっていると、県側のコメントを一方的に掲載している神戸新聞の報道姿勢には、苦笑してしまいます。

 

確かに、兵庫県はクマ捕殺を控えてきましたが、戦後人間が破壊した広大な生息地は一切復元してやっていません。保護の片手落ちです。狩猟を解禁したことを評価したり、頭数増加などと数からしかクマという生き物を見なかったり、食べ物に困っていないと一方的に決めつけたりする県の主張を、何の疑問も持たず県民に垂れ流す報道姿勢を、とても恐ろしく感じました。県の職員よりもずっと長い年月、兵庫県のクマを調べてきた熊森協会に、どうしてコメントを求めて来ないのか、私たちにはその報道姿勢が理解できません。

山梨リニア工事でシカやイノシシが人里に移動の異変~第4回ストップ・リニア!訴訟傍聴報告

4月28日ストップ・リニア!訴訟第4回口頭弁論を傍聴してきました。137名の方が傍聴券を求めて並び今回も抽選となりました。

 

第4回目の口頭弁論では、リニア実験線がある山梨県の住民より、実際に起きている被害とこれからの延伸工事によって引き起こされるであろう被害についての陳述がありました。

 

山梨県笛吹市の現状については、野澤今朝幸市議はじめ3名の方が陳述され、トンネル掘削による水枯れの問題が述べられました。飲み水に使っていた井戸水や水田に用水していた谷川が枯れてしまったことに加えて、「地表の水が失われることによって、水飲み場やヌタ場を失ったイノシシやシカなどの大型獣が、周辺の人里まで降りてくることが、以前より頻発」するようになったということです。

 

リニア建設工事によって、動植物の生息地であった森の自然環境が破壊されていっているのです。このままリニア建設が進めば、リニア沿線すべての地域で同じような被害が発生することになります。生きられなくなって山から出てきた野生動物たちを待っているのは、行政による殺処分です。

JR東海は、私たちの命をはぐくんできた豊かな水源の森や多様な生物たちが、リニア工事によって危機に瀕していっていることが見えないのでしょうか。

 

この訴訟の中で、私たち原告側は、被告側に対し、「どこにどういう施設(車両基地など)ができるのか明らかにしてほしい」と求め続けています。今回は、裁判長が被告側にその計画を提示するよう求めました。被告側は次回以降の口頭弁論で、(国土交通省が)そもそも何を認可したのか、どういう基準でどういう具体的事象に沿って認可を下したのか、を示さなければならなくなりました。

 

今回の口頭弁論には、熊森会員さんも数名駆けつけてくださり、遠く山口県からご参加くださった方もいらっしゃいました。リニア沿線住民以外の方も、是非リニア問題に関心を持っていただき、日本の豊かな水源の森を残すために、取り返しのつかない国土大破壊、リニア工事即刻中止せよ!の声をみんなであげていきましょう。

東京地裁前の集会にて 4月28日

4月22日 20周年記念くまもり全国大会 集まることが大きな力に  お申し込みはお早めに

現在、くまもり兵庫県本部のまわりは桜が満開で、とてもきれいです。

くまもりは今年、設立20周年という節目の年を迎えました。

今年の全国大会は、例年より少し豪華で記念品と軽食付きです。

ご参加くださったみなさんに喜んでいただけるよう、本部スタッフ一同、只今大会準備に励んでおります。

残席わずかとなっておりますので、まだの方はできるだけお早めにお申し込みください。

みなさまのご参加を、心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

昨年8月の第19回全国大会

 

 

 

 

 

 

第18回全国大会

埼玉県会員から 狭山丘陵墓地開発に反対の声を

熊森にお願いがあって連絡させていただきました。

 

埼玉県所沢市三ケ島2丁目の自然豊かで希少な湿地(埼玉県立狭山公園内)に約7000㎡(0.7ヘクタール)856基の大規模な墓地開発計画が進められてます。

墓地計画地では、市内では見ることの稀になった蛍も棲息しています。

所沢市では墓地や駐車場や住宅地などで、年々、森林伐採が進み自然がなくなっているのでとても胸が痛いです。

カブト虫もクワガタ虫も野鳥もあまり見なくなりました。

狭山丘陵は僕の住んでる近くです。墓地計画が確定すると所沢市では希少な蛍がいなくなってしまいます。

貴重な所沢市の自然とそこに住む生き物のために、どうか署名と拡散お願い致します

 

公益財団法人トトロのふるさと基金

 

狭山丘陵墓地開発反対協議会

 

 

(熊森から)

以前、日本には至る所に湿地があって、様々ないきものの良好な生息地だったそうですが、今や、ほとんどが埋められてしまいました。狭山丘陵の湿地はなんとしても残していただきたいです。

今回の開発場所は奥山ではありませんが、熊森は自然保護団体としてこの開発計画が気になり、関係各部署に問い合わせてみました。

 

この開発を計画しているのは大聖寺(だいしょうじ)というお寺で、開発しようとしているのは事業型墓地と言い、ふつうの檀家さん用のお寺のお墓とはちがうものだそうです。この開発計画には、石材店などの業者もかかわっているもようです。申請はこれまで2回出され、いずれも市から棄却されています。現在3回目の申請の手続きが進行中とのことです。

 

所沢市は2015年4月、市内の事業型墓地の余りが5%以下にならない限り、事業型墓地の造成は認めないという新しい墓地条例を作りました。現在、所沢市の事業型墓地は9%以上余っており、新条例ではこの墓地造成は不許可となります。しかし、この開発のための事前協議の申請が、新条例ができる前になされていたため、今のところ、新条例の適用は受けないのだそうです。

 

大聖寺は現在、開発計画の練り直しをしており、市から許可されそうな新しい開発申請を出してくるもようですが、今のところ、市役所にまだ新開発申請は出てきていないということでした。

 

詳しくは、公益財団法人トトロのふるさと基金や、狭山丘陵墓地開発反対協議会のHPをご覧になってください。埼玉にも、自然を守ろうとがんばってくれているなかまたちがいる。うれしいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵庫県本部<実のなる木植樹地> シカ除けネットの雪害状況を点検

くまもり本部がこれまで植樹をしてきた場所は全て奥山にあります。

毎年雪で植樹地のシカ除け柵の杭が折れたり倒れたりするため、雪害対策として植樹地のネットを降雪前に一部はずしてあります。雪が解けると同時に修復しておかなければシカに苗木を食べられてしまいます。各植樹地を点検してきました。

 

 

①まず1か所目は兵庫県宍粟市原のリンゴ園近くに植えたクマ用の柿の大苗植樹地です。少し雪が残っていますが、現場に入ることはできました。

ここは、昨年金網フェンスの下を掘ってイノシシが入っていたので、地元の方と電気柵を張った場所です。

金網フェンスが雪で曲がっていました

部分的に電気柵のポールが折れていました

 

まだ、イノシシに入られた形跡はありません

ここは金網フェンスや電気柵のポールを買いなおす必要があるので、地元の方と協力して至急、修復します。

 

②続いて、兵庫県宍粟市戸倉の植樹地。ここはスキー場も近くにあり、今春かなり雪が積もった場所です。まだスキー場に雪が残っていましたが、暖かくなってきて雪が緩くなってしまったため、今年の営業は終了していました。

 

戸倉植樹地の斜面上の杭が倒れてしまっているので、シカに苗木を食べられる前に、タイミングを見計らってネットの修理に行かなければなりません。今はまだ無理です。

ゲレンデには雪が残っています

 

ここの植樹地はまだ、完全に雪に埋まっています

よくみると左の植樹地の上側は杭が倒れています

 

 

③続いて、兵庫県但東町大河内です。ここは例年そんなにも雪は積もりませんが、今年は大雪となりました。

アスファルトの雪は結構解けてます

雪に阻まれて、植樹地には行けません。

雪がまだ40~50センチほど残っていたので、植樹地に行くのはあきらめました。この植樹地も、雪解けと同時にネットを修復しに行かなければなりません。

 

本部のある阪神間はすっかり春ですが、北部の但馬地方の奥山は、まだまだ雪で覆われていました。

人間はこの程度の雪で山に入れなくなりますが、シカはどうなのでしょうか。彼らは生きるために必死で、わずかに雪から顔を出した苗木の新芽を食べてしまうかもしれません。シカに食べられる前にネットの修復をすませたいです。

植樹地のネットの補修はいきもり活動で実施します。

 

4月のいきもり活動は4月8日(土)と4月16日(日)です。

4月8日は兵庫県豊岡市但東町の植樹地のネット補修を実施します。4月16日は兵庫県宍粟市波賀町戸倉の植樹地を修復します。植樹した苗木を育てていくにはこういう地道な活動が必要です。是非ご参加ください。

【内容】

くまもり広葉樹植樹地のシカよけネットの補修

【集合時刻・場所】

午前8:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー(兵庫県西宮市)

【参加費】無料

(兵庫県ボランティア保険に未加入の方は年間500円で加入できます。)

【お申し込み先】

TEL:0798-22-4190

Mail:contact@kumamori.org

 

 

 

【本部いきものの森活動】3月12日(日)トチノキ苗畑のシカ除け柵修繕 兵庫県千種町

熊森活動に賛同してくださる兵庫県宍粟市千種町の方が、トチノキの苗木を200本ほど育ててくださっています。2015年の植樹活動の時にも、20本ほどここから苗木をいただきました。今年は、兵庫県北部では5年に一度といわれる豪雪に見舞われ、この苗畑を囲うシカ・イノシシ防除柵が一部倒れたり、ネットが破けたりなどの被害が出ました。

3月12日の宍粟市千種町の様子。雪は殆ど解けていたが、家の軒下に残る雪が豪雪時(1m70cm程積もった)の様子を物語る。

3月12日の熊森本部のいきものの森活動では、この柵の修繕を行いました。

 

 

Before:倒れたシカ・イノシシ防除用柵。雪の力はすさまじい!

 

 

倒れた杭を起こして打ち直し、ネットを張りなおしました。

 

After

苗畑のトチノキは、雪の下でもしっかり育っていました。

 

大きくなったトチ苗木には、支柱を立てました。

 

この日は、都市会員3名のボランティアと、地元で苗畑でトチを育ててくださっている方、本部スタッフの5名で作業を行いました。皆さまお疲れ様です。

作業後に、修繕した柵をバックに記念撮影

 

次回のいきもり活動は4月8日(土)です。

【内容】

くまもり広葉樹植樹地のシカよけネットの補修(兵庫県豊岡市但東町)

【集合時刻・場所】

午前8:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー(兵庫県西宮市)

【参加費】無料

(兵庫県ボランティア保険に未加入の方は年間500円で加入できます。保険期間4月1から来年3月31日まで)

【お申し込み先】

TEL:0798-22-4190

Mail:contact@kumamori.org

よろしくおねがいします。

 

 

 

 

3月7日本部【いきものの森活動】皮むき間伐イベントのための選木作業

戦後我が国は、人工林を造り過ぎて放置、内部が大荒廃しています。

そのため、山で生きられなくなった野生動物たちがどんどん集落に出て来るなどの大変な弊害が地元に出ています。この拡大造林政策の後始末に、国や地方自治体が、乗り出していただきたいのですが、お願いしてもお願いしてもなかなか動いていただけません。

 

とりあえず、わずかであっても、気づいた市民の力でなんとかしよう。

熊森本部の森再生活動で特に力を入れているのが、小学生でもできる人工林の皮むき間伐です。

昨年は計4回の皮むき間伐イベントを実施しました。

今年は去年以上にたくさんの方に参加していただいて、人工林の皮むき間伐による自然の森の再生活動をどんどん拡げていきたいです。

 

3月7日のいきもり活動はその皮むき間伐イベントのための選木作業を実施しました。今回の参加者の中には皮むき間伐をしたことがない人もいたので、まずは試しにみんなで皮を剥いてみました。

皮むき間伐に挑戦!

実は皮むき間伐は樹木が水分を吸い上げている4月~8月くらいが最も適しています。この日はまだ樹木がほとんど水分を吸い上げていないので皮がなかなか剥けません。

2人でやっても時間がかかりました

今回は試しに皮むき間伐を体験してもらい、次は実際のイベントで皮の剥け具合の違いを体感してもらいます。

この日は林業経験のある方がいたので、2,3本樹木を伐採していただきました。

現役時代はもっと大きなチェンソーを使っていたそうです

カナダで林業をやっていたそうですが、頼もしい限りです。

 

皮むき間伐に行くといつもお昼ごはんを作ってくださるお宅があります。熊森のイベント共催団体のNPO法人里野山家の佐藤さんです。この日は炊き出しをお手伝いさせていただきました。

初めての薪割体験!

チェンソーはここでも活躍します

薪でごはんを炊くのもなかなか体験できません。

野菜も現地で収穫します♪

みんなで作ったごはんはサイコーです!

 

 

ごはんを食べたら、今日のメイン作業の選木です。と、その前に、現場へ行く途中にトゲトゲのイバラがたくさんあって道を遮っていたのでイバラを除去。自分の身を守るための進化だと思いますが、このイバラはとてもやっかいでした。

鉈でイバラを除去します。

現場の人工林はスギが少し混じったヒノキ林です。中は暗くて下草はほとんど生えていませんでしたがイノシシやシカの糞はいくつか見られました。通り道になっているのでしょうか。

人工林に入りました。

イノシシのフン

まずは樹高を測って、このエリアの人工林の樹高の平均の値を出します。レーザー距離計という機械を使って樹高を測ります。

レーザー距離計で樹高を計測

樹高に対する胸高直径を形状比と言いますが、これ以上の太さがあれば風雪害に耐えられる太さを計算し、その樹木を残します。それより細い木は皮むき間伐の対象となります。

直径メジャーを樹木に巻くと直径がすぐに分かります

残す樹木にはピンクテープを巻きます

ピンクテープを巻き終わって辺りを見回すと、ピンクテープが集中している場所と何も巻いていない樹木が多い場所があります。このままでは樹木が込み合うところとそうではないところができてしまうので、半径4mの円の中に何本くらいの樹木を残せば広葉樹林に遷移しやすいかの目安を考えて、その本数になるように調節します。山林所有者さんの意向も踏まえた上で適度な強度間伐をめざします。

手前の人が持っている4mの竿で円を測ります

最後はまた佐藤さんのお宅でお茶をしました。こういう時じゃないと地元の方とお話できる機会はないので、貴重な時間です。

冷えた体が温まります。

最後に恒例の記念撮影

この日は雪が舞うときもあって寒い一日でしたが、普段なかなかできない体験だったからか、みなさんとても楽しそうでした。

 

今回のいきもり活動参加者の感想

●久しぶりに山に入って、自然に触れる喜びと、まだまだ間伐が必要だなと、あらためて思う1日でした。自分個人的には、まだまだフィールド作業に入れてないんで、少しでも増やし、森再生に貢献したいと思います。皮むき間伐が、自然に優しい方法と聞けましたし、もっとやりたいと思います。それにしても、人間の根源的な喜びや働きって、自然への交流と回帰なんじゃないかなと感じます。今日はありがとうございました。T.Nさん(大阪)

●初めて皮むき間伐をやりましたが、コツがなかなか掴めず四苦八苦しながら作業してました。6月はもっと簡単に皮むき出来るようなので、次回は子供達と参加しようと思います。かまどで作ったお昼のカレーはとても美味しく、今後は佐藤さんと一緒に里山体験もしていきたいです。K.Iさん(兵庫県)

 

次回のいきもり活動は3月12日(日)です。

【内容】

くまもり広葉樹苗木畑のシカよけネットの補修(兵庫県宍粟市千種町鷹巣)

【集合時刻・場所】

午前8:00 阪急電車夙川駅南口ロータリー(兵庫県西宮市)

【参加費】無料

(兵庫県ボランティア保険に未加入の方は年間500円で加入できます。)

【お申し込み先】

TEL:0798-22-4190

Mail:contact@kumamori.org

※3月12日はまだ参加者が少ないので、我こそはという方は是非ご参加ください。よろしくお願いします。

2月24日 東京地裁「第3回リニア公判」傍聴報告 裁判に頼らず、もっと反対運動を大きく!

くまもり本部から、今回も傍聴に行ってきました。

98席の傍聴席に、152名が並び、抽選が行われました。

 

●古田孝夫裁判長が被告側に鋭い質問

古田裁判長は、「事業認可の前に建設指示を出しているが、それぞれの段階での判断がもし違法であれば、最終的に工事実施計画の認可も取消しになるというのでいいですか?」と被告である国に鋭い質問を投げかけました。

国の代理人は、「次回期日までには明らかにしたい」と答えました。

 

●岐阜県民の意見陳述<リニア工事によるウラン鉱床問題>を聞いて

  岐阜県の住民が、リニア通過予定エリアは、ウラン鉱床が点在する場所なので、工事によってウラン鉱床が掘り起こされれば、放射線量が高いウラン残土はどこに持っていくのかという問題について陳述されました。

リニアは国が認可して安部政権が3兆円の公的資金を融資、JR東海という大企業が行う事業だから、きちんと調べてやっているのだろうと思われがちですが、実態は全く違います。

これまでJR東海は、岐阜県側からウラン鉱床に関して、現地調査・ボーリング調査などを求められていたにもかかわらず、文献調査やヒアリングによる調査しか行っていませんでした。

しかし、「リニアを考える県民ネットワーク」が独自で、放射線量測量調査を行い、改めて、調査を要請した結果、JR東海も調査をせざるを得なくなりやっと調査したのです。

その結果、リニアが、ウラン鉱床が生成されやすい地質にトンネルを掘って工事を進めていく事業であることを認めました。住民のみなさんの不安は大変大きなものです。

 

●裁判中にもリニア工事は進み、自然環境が大破壊されていく問題について

参議院議員会館での報告集会会場で、沿線住民の一人が、「こうやって毎回の公判で、沿線住民の意見陳述をひとりずつ続けている間に、リニア工事が進んでいく。もっと裁判のスピードを上げられないのか」と、心配の声が上がりました。

これに対して、川村晃生原告団団長は、「裁判を進める一方で、この裁判を支える運動の裾野を各地にどんどん広げ、そのことが裁判に跳ね返るようにしていくことが大切」と答えられました。

本当にその通りだと思いました。裁判だけに頼るのではなく、裁判中にも、リニアの問題点を知った私たちが、どれだけ各地域でリニア問題を多くの人に伝えていくことができるか、これがリニアを止められるかどうかの鍵になります。

リニア工事は、人間だけではなく、たくさんの野生動植物の生息場所をも奪う工事です。これほど膨大な自然を失ってまで進める価値がある事業なのかどうか、ひとりでも多くの国民のみなさんに、一度立ち止まって考えていただきたいです。

 

熊森本部が参加している「リニア市民ネット・大阪」は、来る3月4日に大阪で勉強会を予定しています。みなさん誘い合ってお集まりください。

 

 今後も、ストップ・リニア!訴訟では、意見陳述が続きます。

今後の東京地裁での公判予定日は、以下です。

2017年4/28、6/23、9/8、11/24、2018年1/19

地裁前の集会の様子

 

フィード

Return to page top