くまもりNews
ジャパンタイムズデジタルに森山会長のコメント
昨年末、みなさんにご紹介しそびれていましたが、以下、ジャパンタイムズデジタル版2017年11月27日記事です。
(大意和訳)
秋田で、クマの目撃増加 人間側に原因も
秋田の田舎に住む42歳の主婦は、「クマが家の近くにいるなんて思えないのですが・・・」と、近くのコンビニまで慎重に歩いて行く。
生まれも育ちも秋田だが、山以外の所でクマと遭遇した話はこれまでほとんど聞いたことがない。それが今、一般的になってきた。
この夫妻は、毎朝12歳の娘を中学校に送って行く。
昨春、秋田県第2の都市である横手市で、学校から20メートルのところにツキノワグマが現れたのだ。
秋田県におけるクマの目撃数が急増し、それまで年間200頭~300頭程度だった有害駆除数が、2016年には468頭となった。
1979年~2015年までの秋田での熊による死亡事故はわずか8件だったが、2016年~2017年には5件発生した。
注釈(2016年、秋田県鹿角市でタケノコ採りに山に入った4名がクマによって死亡する事故が起きた。2017年には、秋田県仙北市でタケノコ採りに山に入った1名がクマによって死亡する事故が起きた。)
●秋田県行政は、2015年はブナの実りが良て多くの子グマが生まれたため、2016年はブナ不足となり、食料を求めてクマたちが山から出て来たことによって起きた事件だと説明している。
●しかし、日本ツキノワグマ研究所所長の所長である米田一彦氏は、長きにわたって山と集落を分けてきた里山が崩壊したことに要因があるという。
20世紀後半、日本は急速に経済発展し、猛烈な都市化が進んだ。
「以前は薪として絶えず伐られていた里山林が、今や伐る人もいなくなり、成長して大きくなっている。野生動物と人の緩衝帯であった里山が失われた。里では過疎化高齢化が進み、農園や果樹園を管理する人もいなくなった。こうしたなか、クマたちが山から里に移動して定住した」と、米田は言う。
●日本熊森協会の森山まり子会長は、過疎化高齢化も関係あるが、根本原因は、かつて山のなかにあふれるほどあった野生動物たちの食料が激減していることだと指摘する。
森山は、地球規模で森林が劣化してきており、木々の成長が弱くなって葉量や実の量が減っていることを示す研究を挙げた。
(人工林、開発)、地球温暖化、酸性雨、大気汚染など、全て、人間活動が引き起こしたことだ。
2016年に秋田の山を旅した人から、ナラ枯れがすごかったという報告を受けているという。
最近の日本人は、ほとんどが都市に住み、山に入らなくなっている。
そのため、人々は、森の中のクマたちの食料(植物・昆虫)がなくなっていることに気づいていない。
もう一度、豊かな森を再生させていかない限り、クマ問題は解決しないと彼女は言う。
冒頭の主婦は、いつか本物の野生グマを見たいと言う。
主婦は、「私だって死にたくはないですよ。、、、でも、クマってかわいいじゃないですか。」という。
ご主人も、「私だったら、クマに会って最初にやってしまうのは、携帯を取り出して写真を撮ることでしょうね。」と、同意する。
As Akita deals with surge in bear sightings, some point to a human cause
AKITA – Far from Tokyo’s bright lights and noisy streets Kaori Kawashima walks cautiously on her way to the nearest convenience store in rural Akita Prefecture, where danger might be lurking in the shadows.
“I don’t think bears come close to where I live, but there’s no way to be sure,” the 42-year-old housewife says.
Together with her husband, they take no chances. Every morning they drive their 12-year-old daughter to junior high — breaking the age-old norm that children should walk to school.
And they’re not alone. This past spring, a black bear was spotted just 20 meters from a high school in Yokote, the second-largest city in the prefecture. Kawashima has lived her whole life in Akita, but stories of bear encounters outside the mountains used to be few and far between. Now they are becoming common.
Sightings exploded in 2016, shooting to 468 from just a couple of hundred in previous years, according to the Akita Prefectural Government. From 1979 to 2015, only eight deaths from bear attacks were reported in Akita. Since then there have been five.
Behind the headlines, experts say, is a silent transformation in the countryside that is setting the stage for greater numbers of wildlife encounters.
When a string of bear attacks caused a national stir last year, residents hoped it was just an anomaly and that things would soon return to normal.
●The official explanation was that the supply of beech nuts in 2015 that helped more cubs survive was followed by a shortage last year, which led them down from the mountains in search of food.
●But Kazuhiko Maita, chairman of the Hiroshima-based nonprofit Institute for Asian Black Bear Research and Preservation, says a more long-term factor is at work: the disappearing satoyama, a term referring to traditional rural landscapes of carefully maintained forests and farmland.
Part of Japan’s rapid economic development in the late 20th century involved an aggressive urbanization that changed it from a principally rural country to one of the most urban populations in the world. Prefectures far from major cities began to wither, but on a rural level, the satoyama all but vanished.
“The buffer zone has disappeared,” Maita said. When forests previously chopped down for firewood grew back, and farms and fruit trees were left unmanaged, the bears left the mountains and moved in to stay, he explained.
Predominantly rural Akita has the fastest-shrinking population in Japan. This year, the prefectural government reported that it had dipped below 1 million for the first time since 1930, with over a third of its residents aged 65 or older. But it’s not alone.
Across Japan, wildlife is becoming a menace in places it never was before.
Akita, known for the bear-hunting dogs that carry its name, has always had bears around, but experts warn of boars and deer overrunning the countryside as the human activities that once held them back — such as hunting — fade due to depopulation.
In Akita, depopulation is only one part of the equation. The rest simply has to do with the subsequent increase in hunger, another expert said.
●“The depopulation of rural villages is connected, but it’s not the root cause,” said Mariko Moriyama, president of the nongovernmental organization Japan Bear and Forest Society.
“The root cause is that food has disappeared from the mountains.”
Moriyama points to research showing that trees have been growing weaker across the world, with a dramatic decrease in leaves and fruit.
The culprit, she said, is us.
“Global warming, acid rain, air pollution — all caused by human activities,” she said. In Japan, the effects have been particularly noticeable with the Mongolian oak (mizunara).
For years, Moriyama has been tracking the progress of Japanese oak wilt, a fungal disease brought on by climate change, as it creeps northward into southern Akita. Busy with their lives in the city, newly urbanized Japanese are no longer going up into the mountains like they used to. “They don’t realize how devastated it has become.”
This is particularly damaging for Akita’s black bears.
“They rely on mizunara, not beech,” for nourishment, she said.
With the mountains bare of food, no matter how skittish they are, returning to the woods might not be an option for these animals. “If nothing is done to help the mountains, the bear attacks will continue.”
Today, officials put the number of bears in the prefecture at roughly 1,000, but the primary data derive from reports about encounters — a statistic likely to get warped as sightings become more commonplace.
Here, wild mountain vegetables have been a spring delicacy for as long as anyone can remember.
Perhaps that is why residents remain eager to ignore the figurative and literal signs telling them times have changed. This has led the police to close off mountain trails and patrol popular entry points instead.
Others think back to when they were young, when the matagi (traditional bear hunters) would supply the wild animals’ tough and gamey meat to restaurants and school cafeterias. Today, the ranks of the matagi are aging and dwindling, and the meat is shunned even by residents as it can be poisonous if not properly cooked.
Meanwhile, Kaori Kawashima stays at home, getting her meat and vegetables from the supermarket. Perhaps attracted by Kumamoto Prefecture’s popular bear mascot Kumamon or Winnie the Pooh, she still hopes someday to see a real live wild bear in the flesh — as long as it’s from the safety of her car.
She laughs, saying: “I don’t want to die, but … they seem cute, don’t they?”
Her husband, Kazunori, agrees. “My first impulse would be to take my phone out and snap a picture.”
秋田のクマ、推定生息数の6割捕殺 「前代未聞」懸念も
(以下、1月8日朝日新聞デジタルより)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13303856.html
秋田県内で今年度、ツキノワグマの捕殺数が前年度の1・7倍に急増し、推定生息数の6割弱にあたる817頭に上っている。
自然保護団体が駆除の中止を求めているが、クマによる死傷者も2009年以降、最多の20人。住民の要請を受けて捕殺が増えているといい、県は人とクマの共存に頭を悩ませている。
ツキノワグマは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで危急種に分類される。環境省によると、国内では九州で絶滅と考えられ、四国では絶滅の恐れがあるとされている。
「日本熊森(くまもり)協会」(本部・兵庫県、会員・約1万7千人)は昨年10月、「根絶殺害に近い」と、秋田県の佐竹敬久知事に有害駆除と冬の猟の中止を強く求める要望書を提出した。熊森協会の森山まり子会長は「前代未聞の数でむちゃくちゃ。共存に取り組むのではなく、見つけたら殺さなあかんという流れがあまりに残念です」。
秋田での捕殺数は全国で群を抜く。環境省のまとめによると、今年度は昨年10月末時点で全国で最も多く、昨年度も全国最多の476頭。この10年で唯一、2年続けて300頭以上を殺した。今年度は冬の猟も9年ぶりに解禁し、解禁の昨年11月15日から12月末までに26頭を捕殺した。
ただ、県によると、12月末までの捕獲数は817頭に上り、すべて殺された。このうち、767頭は住宅地や農地への出没による「有害駆除」。増加は、住民の要請に応えた結果という。県警などによると、目撃頭数(12月末まで)も過去最多の延べ1500頭余。クマによる死者が1人、重傷者が5人出ており、死傷者数は計20人に上る。例年は山に食べ物が少ない夏に出没が多いが、ドングリ類が凶作で、昨年は秋も目撃が多かった。県自然保護課は「人が襲われる事故も多く、生活圏の近くで目撃され、住民から求められれば、対応せざるをえない」という。
引用ここまで
熊森から
豊かな森が残っていさえすれば、動物たちも人間も生きられます。
クマたちは、秋田の山にもはやえさがないことを、身を賭して人間に訴えていると思います。
撃たれても撃たれても、冬ごもり前の食料を求めて出て来るクマたちの姿は、近い将来の私たち人間の姿かもしれません。
何十年後かに地球規模で大変な食糧難時代がやってくると言う予測がありますから。
佐竹知事を初め、秋田のみなさんはやさしい人でいっぱいですし、熊森は秋田県庁にもいろいろとお世話になっていますから、秋田県を責める気はありません。
ただ、殺人熊誕生、人喰い熊誕生と、センセーショナルに叫んでいるマスコミの寵児に、あまりにも踊らされていないでしょうか。
クマは秋田のみなさんが知っておられる通り、臆病でやさしい動物です。
棲み分けにより、この国で人間と共存が可能です。
地球温暖化による大規模なナラ枯れや昆虫の激減に加えて、昨年度は山の実りなしという異常な大凶作年でした。
外から見ていると、殺す以外の対策が何も見えなかった秋田県ですが、電気柵などの被害防除対策や、リンゴ園の落ちリンゴはクマにあげるなどの食料の分かち合いなど、殺さない対応はとれなかったのでしょうか。
秋田にも、殺さないでクマに対応した個人や集落がきっとあったと思います。秋田県行政ややメディアはそこを発掘してほしいと思います。
また、人身事故が起きないようにうまく対応したところも多いと思うので、そういう住民たちの知恵を出し合っていただきたいと思います。
最後に一番大切なことをお願いします。
クマたちを育んできた秋田の山が、今どうなってしまっているのか、私たちが調べきれていない秋田のクマ生息地の山の中の食料調査を早急にしてください。
このような調査は、一見、クマのためではありますが、結局は私たち人間のためでもあるのです。
とよ、例年より1ケ月早く本格冬ごもり
- 2018-01-06 (土)
- くまもりNEWS
今年の冬は本当に寒いです。
昨年、1昨年共、1月末の積雪があった日に冬ごもりに入った「とよ」ですが、今年は12月末から冬ごもりに入ってしまいました。
1月4日、お世話隊のみなさんは、今年初のお世話に行ってくださいました。
獣舎周辺は、うっすらと雪げしき。
この日の最高気温は7度、最低気温はマイナス2度でした。
獣舎の周り
とよは寝室から出てきませんでした。
穴からのぞいてみましたが、もう顔も上げず、ずっと寝たままでした。
寝室の入り口には、ワラがうずたかく積まれていました。
中をのぞかれないように?、寒い風が入らないように?
とよのしわざです。
寝室の入り口
運動場に置いてあったクリは完全に食べられていましたが、あんなに大好きだったドングリには全く手を付けていません。
手前のクリだけを食べていた
この日、お世話隊は、運動場のドングリだけを残して、給餌をストップしました。
副住職さんに聞くと、とよはクリスマス以来、寝室から出て来なくなったということです。
本格的冬ごもりに突入です。
おそらく3月末ごろ、体の周りの脂肪を落としてスマートになったとよが、寝室から出て来ることでしょう。
それまで温かく見守ってあげましょう。
「冬ごもり中に付き、そっとしておいてください」の看板も用意しました。
それにしても、これから3か月間飲まず食わず。
なんとも不思議なクマの生態です。
人間には絶対に真似られませんね。
お世話隊の皆さん、新年早々ありがとうございました。
冬ごもり中も、見守りを続けて下さるそうです。
日本熊森協会のことを知りたい方は、まず、この小冊子から!熊森誕生秘話「クマともりとひと」くまもりホームページで無料PDF公開開始
※拡散希望
日本熊森協会は、なぜ、どのようにして誕生したの?
日本熊森協会ってどんな団体なの?
熊森誕生秘話「クマともりとひと」(熊森小冊子63ページ100円)
2017年末までの販売実績51万部(発行2007年)
著者 日本熊森協会 会長 森山まり子
日本熊森協会のめざしていること、実際の活動などを、より多くの方に知ってもらうため、この度、日本熊森協会の誕生秘話をまとめた小冊子「クマともりとひと」を熊森協会ウェブサイトより無料で公開しました。(読了所要時間約20分)
「この本は、どうしてこれほど人を感動させるのでしょうか」と問われた森山会長は、「100%、真実を書いたからだと思います」と答えられました。
ふりがながふってあるので、小学生にも読めます。
是非、多くの方に読んでいただきたいです!
熊森協会ウェブサイトはこちら
「クマともりとひと」PDFはこちら
「愛は、言葉ではなく、行動である。」
この本を読んで、自分も日本の森や動物を守るために何か寄与したいと思われた方は、ご連絡ください。
ぜひいっしょに声をあげましょう!
・熊森会員になる、
・ボランティア活動に参加する、
・勉強会や集会に参加する、
・行政に声を届ける、
・寄付をするなど、
・・・・
あなたにもできることがきっとあります。
読後感想もお寄せください。
尚、これまで通り1冊100円での紙媒体での販売も続けています。
結婚式での引き出物から学校(中・高・大)での環境学習用教科書としてなど、今も注文が絶えません。
世界的な環境考古学者である安田喜憲先生も、「教科書に載せて、全国民必読にすべき」と、絶賛されています。
今年最後の仕事、発砲禁止の幕を外してきました
- 2017-12-29 (金)
- くまもりNEWS
温暖と言われる瀬戸内式気候に属する西宮市ですが、今年の冬はかなり寒いです。
今年最後の仕事として、兵庫県北部但馬地方に設置していた発砲禁止の幕を外しに行きました。
福知山までは雪があまりありませんでした。
しかし、トンネルを出て、但馬地方に入った瞬間、信じられないような積雪でした。
発砲禁止のこの幕が、何頭かの野生動物たちの命を救ってくれたでしょうか。
人間と違って、あたたかい家も食べ物もない野生動物たちにとって、冬は本当に厳しい季節です。
このきびしい自然界のなかで、人間のお世話になど一切ならず生き抜いている野生動物たちに、思わずエールを送りたくなりました。
いろんな考えがあっていいとは思いますが、スポーツやレジャーで野生動物たちを殺すことはもちろん、人間が勝手に決めた生息数にするために彼らの国である山の中まで人が入りこんで野生動物を殺す、これはあってはならぬことだと思います。
くまもりは来年も、自然や野生生物に畏敬の念を持って共存する日本文化を取り戻すためにがんばります。
今年も1年間、ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。
日本熊森協会は、1月4日が仕事始めとなっております。
12月28日 3頭はいつ冬ごもりにはいるのか 太郎・花子・とよ
和歌山経済新聞によると、和歌山城公園の動物園園長であるツキノワグマのベニーが、日中最高気温8度の12月28日、冬籠りに入りました。
以下は、くまもりのクマたちの近況です。
太郎と花子(和歌山県生石高原)
愛知県の会員から、持って遊べるようにと、どっしりとした真新しいアカシアの丸太がプレゼントされました。
12月24日、お世話隊が、その丸太の上に、ノイバラの赤い実が付いたクリスマスのきれいな手作りリースを飾ってあげました。
さかんに匂いをかいでいる太郎
太郎は飾りには関心がなかったようで、すぐにリースをバラバラにしてしまいました。
和歌山県生まれの太郎は、冬ごもりをしません。
クヌギ、アベマキのドングリを食べます。
大好きな食べ物は、殻つきピーナツとクルミです。
花子は、最後の食い込みでしょうか、12月末というのに、まだドングリを食べ続けています。どうも、今年の秋に与えたドングリの量が足りなかったようです。
アカシアの丸太の周りの殻は、花子が食べたドングリの殻です。
花子はクヌギやアベマキはもちろん、マテバシイ、シリブカガシ、アラカシなど、常緑のドングリでも喜んで食べます。
クリスマスリースの横で、洋ナシをほおばる花子
長野生まれの花子は、そろそろ冬ごもりに入ると思われます。
しかし、冬ごもり中でも、お世話隊が行くと起きて来て餌を食べますから、完全な冬ごもりではありませんね。
神奈川県から餌を送り続けて下さっている方がおられます。
飼育者である山田さん一家、和歌山県・南大阪地区・京都府・兵庫県のお世話してくださった会員の皆さん、今年も2頭のお世話を、ほんとうにありがとうございました。
とよ(大阪府高代寺)
とよの獣舎にも、アカシアの丸太が運ばれてきました。
クリスマスのきれいな手作りリースも飾られました。
副住職さんの話では、とよはクリスマスごろからほとんど運動場に出てこなくなったということです。
冬籠りが近いようです。とよは、春まで寝ます。
去年までは常同行動をしていたので体が熱かったのか、真冬でも何度もプールに入っていました。
しかし、もう常同行動をしなくなったからか、今年の冬はプールに入りません。プールの水がとてもきれいです。
水飲み場の水は、凍っています。とよは、プールの水を時々飲んでいるそうです。
12月28日、お世話に行くと、とよは寝室に籠ったままで出てきませんでした。
寝室の小さな穴からのぞくと、寝ています。
名前を呼ぶと、頭を少し上げてこちらを見ました。
目と目が合いましたが、またすぐに寝てしまいました。
とよが一瞬、頭をあげてこちらを見た・・・
何と、寝室の引き出し型餌箱が糞尿でいっぱいになっていました。
もう、水や食べ物はいらない。運動場に出るのはおっくう。餌箱をトイレにしてしまおうと思ったのでしょうか。
ステンレスの餌箱なのですが・・・とよ、考えたね。
寝室の中は、眠りやすいように、藁が整えられて,真ん中に大きな穴が開けられていました。
寝床はとてもきれいで、糞尿は一切ありません。
この日は、最低気温マイナス0度、最高気温8℃でした。
寝室の扉を静かに閉めて、獣舎をみんなでお掃除しました。
掃除後、寝室の戸をあけてやると、とよはゆっくりと出てきました。
そして、大きなあくびをしたのです。
その長い舌に、みんなびっくり。
アリやハチを食べるためだよ
お世話隊のみなさんをはじめ、多くのみなさんのおかげで、今年も、3頭のクマたちは元気に暮らしました。
大きな愛情でクマたちを包んでくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。
生き物たちの幸せを思い生き物たちを大事にする方は、ご自身の人生もきっと幸多いものになるはずです。
とよの獣舎にも、手作りのお正月飾りがかけられました。
毎日とよを見て下さっている住職さん、副住職さんには、感謝でいっぱいです。
12月31日、高代寺では除夜の鐘をつきます。
夜 11:30ぐらいに、くまもりも除夜の鐘をつかせてもらいに行こうと思っています。
お時間のある方は来られませんか。
LED等の普及で余る電力 今年のピーク時使用電力2010年比で15%減 原発は不良資源化していく
- 2017-12-29 (金)
- くまもりNEWS
以下、東京新聞12月25日記事より抜粋
<経済産業省の認可法人「電力広域的運営推進機関」の報告書より>
今年の夏の電力需要のピークは8月24日午後2時~3時で、1億5554万キロワットだった。
この使用量は、原発事故後最少。
LED等の普及や家庭や企業による節電効果の結果であり、電力需要の減少分は原発26基分に相当する。
公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事務局長談
「電子機器などのエネルギー効率化が進み、電力需要は今後も増えないだろう。
日本では人口が減っており、オール電化住宅やEV(電気自動車)の普及が進んでも、一方的に需要が増えることはない。
世界的にも、太陽光や風力の発電コストが下がり、原子力や化石燃料による発電所が不良資源化していく潮流にある」
熊森から
電気使用量の17%削減に成功したある会社の場合、最も削減に貢献したのは、全施設の照明を白熱灯より消費電力が85%少ない発光ダイオード(LED)照明に変えたこととのこと。
原発不要は当然ですが、といって、尾根筋に林立する風車や、山の斜面をべったり覆う太陽光発電による森林破壊にも頭を痛めている熊森です。
LEDという技術革新や節電が、電力需要の減少にそこまで大きな効果を上げていたことを知って、少しですがほっとしました。
人口減も大切です。
おわび:くまもりフェイスブックが、現在、作動不良です
- 2017-12-27 (水)
- くまもりNEWS
ご迷惑をおかけしています。
くまもりフェイスブックの修理は、新年になります。
しばらくは、HPのブログかツイッターで情報を得てください。
12月25日 国・県・山主の3者による分収造林地、麻生林215ヘクタール 、55年契約を満期終了
- 2017-12-27 (水)
- くまもりNEWS
くまもりのトラスト地である滋賀県高島市にある麻生林は、これまで211ヘクタールの広さでしたが、今年11月13日に、麻生林内に残されていた 他人名義の分収造林地4ヘクタールを買い入れたため、総面積が215ヘクタールとなりました。
真ん中の赤線内は他人名義(以前) 赤線内すべてが麻生林となる(現在)
熊森は、奥山に大量に造られた伐り出しも不可能な分収造林地(山主が山を提供し、国が費用を出し、県が造林してスギ・ヒノキの人工林を育てる。55年後、育った材を搬出し、もうけを、国:県:山主=5:1:4で山分けするシステム)を、保水力豊かで生物の多様性にあふれる自然林にもどそうと、10年以上も前に決意しました。(すばらしい自然保護活動です。)
世の山主さんたちにくまもりの後に続いてもらうため、さっそく、モデルとする分収造林地を購入しようとしました。
しかし、国は、全山主に分収造林契約をさらに30年延長してもらう方針を打ち出してきました。
なぜなら、材の需要が低迷しており、現況では材を伐り出したところで、経費を差し引くと赤字となり、収入が見込めない山がほとんどだからです。
熊森が分収造林地を購入するために国が出してきた条件は、分収造林契約に30年延長の印を押すことでした。
印を押してしまうと、自分の山であっても地上権を失います。
それでは、この後30年間、「林を森に戻す活動」ができません。
当然、熊森は分収造林契約30年延長を断りました。
その結果、山主さんから山を買うことができませんでした。
仕方なく、熊森は、山主さんの会社である麻生林業を買収して、分収造林地の山主となり、分収造林契約の中途解約を願い出ました。
すると、国は、これまで分収造林地の整備に掛けた費用を全額返せという目が飛び出すような高額のお金を、熊森に要求してきました。
そんなお金を完全民間の自然保護団体が出せる訳がありません。
熊森は、ひたすら、前、そして、前々の山主から引きついだ分収造林55年契約の満期日が来るのを待つしかありませんでした。
こうしてこの度、麻生林215ヘクタールの分収造林55年契約の満期終了を迎えたのです!(おめでとう)
本部スタッフと滋賀県支部スタッフは、ここに至るまでに使った大変な時間とエネルギーを思い返し、今、感無量です。
これで、麻生林の地上権は、山主である私たちの手に戻りました。
しかし、契約では国はスギを皆伐して分収後、山主に山を返還することになっていますが、山にはまだ木がびっしりと植わったままです。
麻生林だけではありません。
周りの山を見回しても、このあたりの材は九州などとは違って、全く動いていません。
山は放置され、大雨や台風の度に、山の斜面や林道がどんどん崩れていっています。
こんなご時世ですから、契約違反だと国を責める気など熊森にはありません。
ただ、今のままだと、全立木が、国・県・山主の共有物となって残っているのです。
この状態では、熊森には、人工林のスギを伐る権利がありません。
ミツバチやクマが棲めるような豊かな森に戻すために買った山です。
分収造林契約は満期終了しましたが、この後のことを、国・県・熊森で今、真剣に話し合っているところです。
動きがあれば、また、みなさんにお知らせします。
分収造林契約の30年延長にまだ印を押しておられない山主さんは、熊森の後に続いてほしいです。
奥山は、広葉樹の巨木の森に戻していきましょう。
動物たちのために!、次世代のために!
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- 2017-12-26 (火)
- くまもりNEWS
いつも応援ありがとうございます。 クマの魅力を知ってもらいたいと考え、今年4月にホームページ「くまプラネット」を開設しました。
このホームページの中のブログ「くまくま日記」では、保護飼育しているツキノワグマ「とよ」「太郎」「花子」や野生クマに関する楽しい話題を写真や動画で公開しています。
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