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台湾、25年に全原発廃止 アジア初、法案を可決
- 2017-01-16 (月)
- くまもりNEWS
以下、中日新聞1月12日朝刊より
【台北=迫田勝敏】台湾の立法院(国会に相当)は十一日、電力事業の自由化と再生エネルギーの供給拡大で二〇二五年に原発を完全に廃止する電気事業法の改正案を可決した。昨年五月に政権を発足させた蔡英文総統は「二五年原発ゼロ」を公約に掲げて総統選に勝利しており、今回の法改正で太陽熱や風力などの再生エネルギーの開発に弾みがつくとみられる。
東京電力福島第一原発事故の後、脱原発にかじを切るのはアジアでは初めて。台湾には現在、三カ所に計六基の原発があるが、二五年までに順次、運転期間が終わる。
改正法では「二五年までにすべての運転を終えるべきだ」として、運転期間を延長しないことを明記した。原発廃止による電力の不足分は、再生エネルギーの供給で補うことにしている。
また、改正法には、現在は公営の台湾電力が独占している電気事業を段階的に自由化することも盛り込まれた。当面は再生エネルギーの発電事業を自由化し、台湾電力が優先的に送電するなどとしている。
台湾の電力需給は、原発が故障続きで全面稼働していないこともあり、夏場は特に逼迫(ひっぱく)している。このため再生エネルギーの開発が急がれており、台湾電力も風力発電などを導入しているが、現在は再生エネルギーによる電力供給は全体の4%程度にとどまっている。
<熊森より>
世界は、広島原爆の被害、長崎原爆の被害、福島原発事故の被害…3回も放射能の恐ろしさを体験した日本国が、1番に全原発停止の声を上げるだろうと思っていたと思います。台湾に大拍手です。
以下、「いのちと環境」柳澤桂子(生命科学者)より
放射能はなぜ怖いか。放射線がDNAをキズつけるからです。原発事故はいつか必ず起きます。日本の原発でも何度も事故が起きています。1999年に東海村で起きた事故など、あと一歩で原子炉が爆発するという大事故でした。政府は隠して国際原子力機構に虚偽の報告をしました。
北海道ヒグマ管理計画(素案)に対する熊森見解の主なもの
- 2017-01-16 (月)
- くまもりNEWS
北海道ヒグマ管理計画という名について
ヒグマ共存計画と訂正すべき。ヒグマを管理してやろうという人間の上から目線、傲慢さ、自然観の大いなる間違いを恐ろしく思います。(環境省の決めた言葉ですから,道庁が責任というものでもありませんが)
自然もヒグマも、人間ごときが管理できるようなものではなく、人間が管理できないから自然であり、だから自然は貴重で、人間が畏敬の念をもって大切にしなければならないものなのです。
(1)ヒグマ問題の原因特定が間違っている
原因特定を間違えば、打つ手、打つ手、全部外れていきます。人間の所に出て来る問題グマが増えた根本原因は、素案が言っているように、ヒグマの数が増えたからでもなく、近年春グマ狩りをやめる(現在、人材育成の名で復活)など捕獲圧を緩めたからでもありません。北海道の場合は、まだナラ枯れも入っておらず、山の実り豊凶や食料不足にも関係がないようです。
実際、ヒグマ捕獲数グラフを見せていただくと、年間数百頭のヒグマが罠にかけられて殺される年が近年普通になってきています。北海道はヒグマに大変な捕獲圧をかけておられます。
人間の所に出て来る問題グマが増えてきた主な原因は、道の指導で農家がバイオエタノール用の広大なデントコーン畑を被害防除対策なしで各地に造ったり、ごみ処理対策のない観光地化を進めたりして、ヒグマを人間の所におびき出しているからです。問題グマが誕生しているのは本当ですが、誕生原因は、人間活動にあることを、道庁は最初にしっかり押さえておくべきです。
親から離れたばかりのオスグマの中には、自分の新たな居住地を決める前に、一度、人間の町をそっと見に来る習性がある者がしばしばいるようです。この場合は、殺さなくても、しばらくの間、遠目に街を見たら納得して山に帰り、もう出て来ないそうですから、問題グマではありません。殺すのをやめるべきです。
(2)はじめに殺すありきは間違っている
観光地や畑に居ついた問題グマにどう対処するかという問題に対して、素案が殺す一辺倒になっているのは、理解に苦しみます。人間が原因を作っているのですから、ヒグマ被害防除対策をとるように、まず人間の方を指導しなければなりません。
ヒグマが先住民で、北海道の大地で生きる権利を持っていることを理解し、ヒグマの命に対する尊厳や共感があれば、こんな素案にはならないと思います。殺す一辺倒というような対策では、とてもヒグマと人の共存は望めません。人間の倫理感の問題でもあると考えます。
クマはとても知能の高い動物ですから、いろいろと学習して成長していきますし、その地域のクマの文化も持っています。人間の所に出てきたから問題グマであるとして殺してしまったら、また次の新しいクマが出て来るだけで、また殺さねばなりません。いつまでたってもイタチごっこなだけではなく、自然や野生への冒涜であり残酷です。
(3)具体的な問題グマ対策が不足
人間の所に出て行かないヒグマや、そのようなヒグマ文化をその地域に作るには、そういうことを学習した成獣ヒグマを残しておかねばなりません。それには電気柵などの被害防除対策と共に、ヒグマが山から出て来ないように、ヒグマを追い返す人間たちが必要です。これは、相手がヒグマですから、危険を伴います。アウトドアを楽しむ趣味のハンターには無理です。行政が予算を組んで、ヒグマ対応の専門家を各市町村で雇用すべきです。
現在、春グマ狩りの名を変えた人材育成のためのヒグマ狩りを春に行っておられますが、全く無意味なので中止してください。まだ木々の葉が出ておらず下草も生えていない春先のクマ撃ちは簡単です。北海道に今必要なのは、観光地やデントコーン畑に居ついたヒグマをゴム弾や犬を使ってどう追い払うかで、夏に練習しないとハンターの腕が磨けません。
人への警戒心や人への恐れはもちろんヒグマの身に着けてもらわねば困りますが、ヒグマは食べ物に異常に執着する性質があるので、人への警戒心がないとか人を恐れないとかに見えるだけです。
人間側がヒグマの生態を攪乱させるようなことをしない限り、北海道の自然がその環境収容力に沿った数にヒグマを個体数調整していくので、基本的に、狩猟やハンターの養成は不要です。
外国では、ヒグマの移動放獣が盛んにおこなわれているのに、北海道ではいまだに全て殺処分しており、放獣はゼロです。日本のような先進国・経済大国がこれでは本当に恥ずかしい。北海道庁は直ちに、ヒグマ放獣が可能になるように、箱罠ではなくドラム缶檻の作成に予算を組むべきです。当協会が、北海道庁に口を酸っぱくするほど言い続けてきたことであり、今度こそ実現してほしい。予算がないと言われるなら、当協会が支援させていただきます。
(4)命あるヒグマに使う言葉がひどすぎる
随所、言葉遣いの乱暴さには、何度も唖然とさせられました。これは絶対に改善してただきたい点です。例えばヒグマを狩猟資源と言ったり、エゾシカの有害駆除死体を残滓と言ったり、日本の大地にともに棲む生きとし生けるものにたいする畏敬の念が全く感じられず、同じ人間として信じられない思いがしました。
(5)その他
狩猟や有害駆除時にハンターが受けた殺傷は、人身事故とは全く別物であるため、補殺時のけがとして別枠で表記すべきです。ヒグマがハンターに殺されそうになって反撃してくるのは、生物として正当防衛であり、事故ではありません。
ベイズ推定法を使用してはいけません 国立研究開発法人統計モデル解析ユニット 山村光司氏
- 2017-01-14 (土)
- くまもりNEWS
山村光司氏が、ベイズ推定法には欠陥があり使用できないことを論文に発表されているのをネットで見つけました。
北海道庁ヒグマ検討会委員のおひとりでもある山村光司氏のHPは以下です。
http://cse.naro.affrc.go.jp/yamamura/
この中で2016年の論文が紹介されています。
http://cse.naro.affrc.go.jp/yamamura/topic31.html
「ベイズ推定法を使用してはいけない」(原文は英語)
<論文の概要>
マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC法)に基づくソフトウエアを用いることにより, Bayes (1763) 流のベイズ推定法で複雑な推定問題も簡単に解決できそうに見える。しかし,Fisher(1922)によって指摘されたように,ベイズ推定法には致命的な欠陥が存在している。いくらでも異なる推定値を捏造することができるのである。
現在では多くの人々が ベイズ推定法を用いているが,それらの人々はこの問題を見て見ない振りをしているかのようである。ベイズ推定法を用いれば,いかに簡単に推定値を正しく捏造することができるかを例示する。
<熊森から>
兵庫県のツキノワグマ940頭に爆発増加というシナリオは、当時の兵庫県森林動物研究センターのある研究員がだした、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC法)を用いたベイズ推定法で推定された値です。
奥山を歩き続けてきた熊森としては、兵庫県のクマが20年間に15倍に爆発増加したなど感覚的にまったくありえないので、当時、大学で統計学を教えておられる専門家たちに相談してみたことがあります。
先生方は大笑いされて、「ベイズ推定法でクマの生息数を推定することなどできませんよ。10年後の経済発展をここまでにするにはと、初めに結果を出して、そのためには毎年どうすればいいか考えることに使うためのものです。クマの生息数がわかっていないと使えませんよ」と、教えてくださいました。
先生方の説明は大変難しくて私たちにはわからないことも多かったのですが、ベイズ推定法でクマの推定数をいくらにでも好きな数にして出せることがわかりました。わたしたちは、この推定法で、クマ生息数を出すことはできないと確信を持ちました。なぜなら、この推定法でクマの生息数を出すには、捕獲率が必要です。
しかし、今年捕まったクマがいたとして、捕獲率を出すには、全体数がわかっていなければなりません。クマが何頭いるかわからないから推定しようとしているのに、全体数がわからないと推定できないなど、自己矛盾しています。熊森がベイズ推定法で熊の生息数を出すことは出来ませんといくら主張しても、権威や肩書がないからか、誰も取り上げてくれませんでした。
この度、権威ある国立研究開発法人の山村氏が、ここまではっきり論文で断罪してくださったので、もう、クマの生息推定数算出にベイズ推定法が使われることがなくなるのではないでしょうか。
これで、兵庫県クマ狩猟再開の根拠となった生息推定数940頭は根底から崩れました。クマ狩猟再開は、当然、中止されねばなりません。
森の王者 ツキノワグマ 1/15(日) NHKスペシャル予告 午後9:00〜9:49
- 2017-01-14 (土)
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1/15(日) NHKスペシャル 午後9:00〜9:49
「森の王者 ツキノワグマ」
~母と子の知られざる物語~
栃木県足尾という特殊な環境に生きるクマたちを撮影し続けてきた
横田博氏の作品です。
山の獣たちから重大な警告
- 2017-01-13 (金)
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ヒグマを殺すことのみに重点!北海道ヒグマ管理計画 パブリックコメント締め切り1月13日 国民の声を届けよう
- 2017-01-11 (水)
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北海道のヒグマ管理計画(素案)へのパブリックコメントの締め切りが近づいてきました。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/higumasoan.htm
先住民であるヒグマへの敬意や保護が欠落した、信じられないような管理(=捕殺)計画です。
環境省のガイドラインをも無視した、人間勝手な内容が多々述べられています。
人間の倫理観はどうなっているのか?!
発案者を知りたくて、思わず北海道庁の担当部署に電話をしてしまいました。
ヒグマ検討会の委員の先生たちの意見も聞きながら、道庁担当職員たちが道庁として作成したのだそうです。
全体的に、ヒグマを殺して人間とヒグマとの軋轢問題を解消しようとしており、ヒグマとの軋轢を引き起こす原因を作った人間側のデントコーン畑の拡大などには、何の規制もありません。
内容には矛盾点も何か所かあります。
国民が声を上げないと、こんなのが通って行く。
もうあまり日がありませんが、
ぜひ皆さんのご意見を、北海道庁へ届けてください
9年前の兵庫県野生動物育成林事業地を再チェック
- 2017-01-08 (日)
- くまもりNEWS
30ヘクタールでクマの餌場が復元されたことになっている場所です。
①入り口です。
②どこかに餌場が復元されていないか探しながら、険しい道を上がって行きます。
③間伐された木が林床にきれいに並べられています。
斜面が急なので、大変な作業だったと思います。
しかし、この程度の弱間伐では、9年たっても草1本生えないことがわかります。
④1時間半かけて、頂上近くにまで登ってきました。
⑤ついに人工林のくり抜き部分を発見!
実のなる木の植樹苗は全く見当たらず、植樹した形跡さえありません。
シカよけ柵の網が破れて穴が開いていたので、苗木はシカに食べられたのでしょう。
近くに、もう一つの人工林のくり抜き部分がありました。
ここは数メートルにもなる木が多く育っています。
よく見ると、どの木も樹種が同じで、幹にトゲトゲがびっしりついています。
先駆種であるカラスザンショウの群生地になっていました。
植樹した苗木が残っていないか探し回ったら、成育不良で未だに小さなシバグリとコナラの苗木がほんの数本見つかっただけでした。
人工林くり抜き空間は、カラスザンショウの群生地になっていた
⑥尾根の広葉樹林には、シカよけ網で囲った部分が数か所あるはずなので探してみましたが、見当たりません。生き物の生息痕跡がない死んだ山でしたが、ここで1匹のリスに出会いました。(この日出会った唯一の動物です)
やっと、シカよけ網で囲った広葉樹林を1か所見つけました。中で何か良き変化が起きているのかと期待しましたが、柵が倒れていたのでシカが入っていることでしょう。
下層植生が消えた周りの広葉樹林と何の違いもありませんでした。
シカ除け柵の網が倒れていた
今の所、この事業は9年経過していますが、クマの餌場は全く復元していないと言ってもよいでしょう。兵庫県は、クマが山から出て来るとして悪者扱いする前に、また、クマ狩猟をハンターに楽しんでもらうという前に、クマの生息地を復元してやるべきでしょう。
兵庫県の環境保全部門は、この20年間いったい何をしていたのか。
生息地を破壊したまま、クマ狩猟を楽しもうなど、人間のすることではないとくまもりは考えます。今年度のクマ狩猟などありえません。
第一、日本の法律では、クマは狩猟獣だから狩猟を再開するのだと兵庫県は単純に主張してきましたが、世界の流れはすっかり変わってきています。日本だけではなく、ヨーロッパでも、笛吹けどスズメ踊らずで、狩猟者の成り手が激減しているそうです。
日本野鳥の会は、「野のものは野に」として、野鳥の捕獲飼養を全面禁止してしまいました。すばらしいと思います。
確かに今、地元では獣害が大変ですが、大きな原因は、自然の山を壊し続けてきた人間にあるということを忘れてはならないと思います。
県と民間が協力して、この山を何とか野生動物が棲める餌場の森に戻せないものでしょうか。
最後に、いい話です。
尾根近くの数十年と思われるコナラの木々の幹を見ると、あちらでもこちらでも黒い樹液がカシノナガキクイムシが開けたと思われる穴からしたたり出た跡がありました。
穴から、コールタールのような樹液を出して、カシノナガキクイムシを撃退したコナラ
もちろん、ナラ枯れに負けて枯れたコナラも何本もありましたが、こうやって、自力で必死に樹液を出してカシノナガキクイムシと闘い、枯れずに生き残ったコナラもたくさんあったのです。自然界は実にうまく出来ている。
自然界から勇気と力を得ました。
環境省のパブリックコメントに応募を! 6年ぶり(クマ類編)ガイドライン改訂
- 2017-01-05 (木)
- くまもりNEWS
環境省募集(パブリックコメント)
●特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類)改訂案
●平成 28 年2月 環境省主催 クマ類保護及び管理に関する検討会 議事概要
● 意見募集要項
募集期間 平成28年12月26日(月)~平成2 9年1月25日(水)まで
今後、クマ類はゾーニング(=棲み分け)管理を行う
①コア生息地・・・クマの生息OK.狩猟や積極的な個体数調整はできない。(かつての奥山イメージか?)
②緩衝地帯・・・クマの生息OK.人間とクマが空間的・時間的に棲み分けて生息する。(かつての里山イメージか?)
③人間活動地域・・・ここに出てきたクマは、捕獲(≠捕殺)される
ア、防除地域・・・農林業地域
イ、排除地域・・・人間の居住地
ガイドライン案は、63ページもありました。
読むだけでも大変でした。
環境省には、パブリックコメントを得たい項目だけを別紙一覧表にあげて、パブコメを取っていただけたらと思います。
ともかく今回、祖先の野生動物との共存の知恵、<棲み分け>が導入されてすばらしいと思います。これは、わたしたちくまもりが20年来、主張し続けてきた共存法でもあります。
ガイドラインで決められたいいことは、本当に都道府県・市町村に実施していただけるよう環境省が指導していただきたいと思います。
例えば、ひとつ前の2010年3月環境省「特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン」(クマ類編)には、以下の文言がありました。
●恒常的生息地(コア生息地)
ツキノワグマの本来の分布中心地として、
また、水源涵養など多様な機能を持った森林域として、
クマ類を含めた生物多様性・生態系の維持・回復を図る。
必要に応じて、鳥獣保護区などの保護措置を行うとともに、
クマ類へのエサ供給木を含む多様な樹種で構成される広葉樹林を中心とした良好な生息環境の維持・回復を行い、低地、人里へのツキノワグマ出没を減らす。
(熊森から)
100%正しい。この通りだと思います。
6年前の前回のガイドラインを読んで、賛同した方、感動した方も多くおられると思います。
しかし、この6年間、どこかにこの文面に書かれていることを実際に実施された都道府県や市町村はあるのでしょうか。
おそらく答えはゼロだと思います。
国民がガイドライン文を読んで、一生懸命考えて意見を申し立てても、ほとんどが、今後の参考にしますの回答だけ。
すばらしい環境省の指針に安心しても、
誰も実行しないまま、また次の新しいガイドラインのパブリックコメントが求められる。
真面目な国民ほど、ばからしくなってくる。
環境省は新しいガイドラインを世に問う前に、前回のガイドラインに書かれたことがどれだけ達成されたのか、国民に示すべきだと思う。
ガイドラインが美辞麗句だけで終わっているのでは、意味がない。
こんなことが許されるのも、日本に力のある自然保護団体が育っていないからです。
市民力が弱すぎて、国民が環境省になめられているのです。
そう感じました。
(くまもりを、もっと早く大きくしたいな)
2017年 謹賀新年
- 2016-12-31 (土)
- くまもりNEWS
これだけ科学技術が発達した21世紀の今も、
そして未来永劫に、
人間は自然に生かされており、
自然に生かされているだけに過ぎない動物です。
このことを、全国民が知らねばなりません。
自然をコントロールしてやるだの、マネジメントしてやるだの、
こういうことを言うエリート研究者が、今、日本の国を動かしていますが、
人間にそんなことは、できっこありません。
残念ながら、かれらは自然と接することが足りなかったのか、
自然がはるかに人智を超えた超複雑系であることを知らないようです。
クマのいるお寺(日本でここだけです)
大阪府豊能郡豊能町高代寺
グーグルアースが、2016年5月の航空写真をアップしています。
大阪府豊能郡高代寺の本堂・庫裡・「とよ」の家・駐車場が、はっきりと見えます。
近隣の方は、今年、ぜひ高代寺を訪れ、「とよ」に会ってやってください。
元野生グマ「とよ」6才
大阪で、イノシシ罠に誤捕獲された野生グマ「とよ」、
大阪府によって殺処分が決定されていました。(殺処分だなんて、物じゃないぞ)
熊森の要請で、高代寺の住職さんが、「かわいそうだから飼います」と言ってくださり、「とよ」は、命拾いしました。
もちろん、熊森は保護飼育に全面協力。
あれから2年。
野生グマ「とよ」も、2017年2月には7歳となります。
人間が怖くて怖くて、人間が近づくと、走り寄ってきて獣舎の鉄格子に体当たりし、必死に威嚇していた「とよ」。無理もないよね。人間に殺されかけたんだから。
お寺、熊森、近隣住民、
みんなの深い愛情を受けて、あんなに恐れていた人間に、「とよ」はこの2年間、少しずつ心を開いていきました。
今では、住職さんの手からりんごをいただいたり、住職さんのてのひらをペロペロなめながら食べ物を食べたりしています。
いったん野生で大人になったクマでも、飼えることが証明されました。日本初の報告例です。
厳しい自然界の中で必死に生きる野生動物たち。
どの生き物も、知れば知るほど、その優しさすばらしさに魅せられ、深い感動に包まれます。人間が教えられるところがたくさんあります。
本当は故郷京都の奥山に放してやりたかったのですが、京都府が許してくれませんでした。(何故なんだ)
しかし、2015年2016年の京都府のクマ大量補殺を見ると、もし、放していたら、「とよ」は、今度は、クマ捕獲罠にかかって殺されていた可能性が大です。野生鳥獣を殺さない国に、変えていかねばなりません。
「動物たちに帰れる森を、地元の人たちに安心を」
「水源の森を全生物に、次世代に」
今年も、わたしたちは、奥山再生活動に、あの手この手で、取り組んでまいります。
日本熊森協会の旗のもとに、今年もみなさん、お集まりください!
Welcome to くまもり本部事務所!説明看板設置
- 2016-12-22 (木)
- くまもりNEWS