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カテゴリー「兵庫県」の記事一覧

くまもり親子自然農その1、田植えをしました! 次回自然農は、6月24日の草取りです☆

2018年6月10日、三田市の小柿という所で、田植えを実施しました。当初、6月3日に実施する予定だったのですが、苗の生育が遅れたので、1週間延期しました。急な日程変更だったので、参加者が減らないか心配しましたが、おかげさまでたくさんの方にご参加いただくことができました!

 

子供たちは田植えが始まる前から生き物を探すのに夢中です。何か捕まえたのかな?

初対面でもすぐ仲良くなりますねー☆

 

三田市小柿は西宮市の本部事務所から車で一時間ほどですが、緑あふれる田園地帯で本当に気持ちの良い所でした。

田んぼまで歩いて行きます。

 

今回、肥料も農薬も使わない生き物たちと共存する自然農を指導してくださるのは坂本さんです。自然農は、全ての生き物たちと共存するという熊森の自然観そのものの農業版です。熊森は、人類が生き残るためにも、森造りだけではなく、あらゆる分野に、この自然観を広めて行きたいと考えています。

 

稲の苗は立派に成長していました。

 

最初は恐る恐る泥田に入っていた子供たちも、すぐに慣れました。

 

もちろん田植えも手伝ってくれましたよー。

 

1本1本大切に植えていきます。すくすく育ってね☆

 

 

大人も一緒に田植えをします。前から見るととてもきれいに植わっていますね。

 

こちらは泥が気持ちよくてたまらないようで、足に泥を塗り始めた子供です。(笑)

 

きれいに苗を植えていくためには、本来は下の写真の奥の方にある六角形の木の骨組みを転がしていきます。泥についた跡を目安に植えていくのですが、この日は水が多すぎて跡がつきませんでした。そこで、竹の棒でだいたいの場所を決めて植えていきました。

ついに田んぼに座って植え出した子供(笑)

 

みなさん、思い思い楽しんでくださっています。

 

この日は高確率で雨が降る予定だったので、午前中のうちにみんなで記念撮影しました。きれいに植えられてみんな大満足です!

 

お昼ご飯は、坂本さんのお宅でいただきました。農作業をされているお米の勉強会のみなさんが作って下さいました。赤エンドウ豆のおにぎりと、お醤油の搾り粕で作った具だくさん汁、冷ややっこなどのマクロビ食でした。シンプルですが、とてもおいしくて、何度もおかわりをしてしまいました。

 

午後からは、子供たちは、本部環境教育担当者に連れられて、生きもの探しに出かけました。大人たちは田植えの続きです。みなさん泥田の気持ちよさを感じながら楽しく作業していきます。

午後から頑張ってくださった大人チーム

 

一方、子供たちは、「これはなに?」「こっちにもいそう!」「あっ、逃げられた!」

元気に駆け回りながら、生きものたちとの出会いを楽しんでいました。

ゲンジボタルがいました。昼間も光っていました!

 

コオイムシ。小さくても、卵を守る立派なお父さんです。

トノサマガエルとツーショット☆
子どもたちは、生きものたちとすぐに仲良くなります。

 

生きもの探しの中で、様々な自然体験がありました。

ヤマグワを試食したり、サンショウの香りをかいでみたり。

 

最後は、みんなで生きもの探しの報告会です。

ひとりひとり前に出て、今日の成果を発表してくれます。

子どもたちがこの日出会った生き物は、23種類!

 

それぞれの自然体験を語る、子どもたちのきらきらした表情に、

お父さんお母さんも、ニッコリ笑顔でした☆

 

自然農を勉強したい、子供たちに自然の中で生きものや泥遊びをさせてみたかったなどなど、みなさんいろいろな動機で参加して下さいました。大人も子供も楽しんでいただけたようで、とても良い一日でした。

 

次回のくまもり自然農その2は、6月24日(日)で、草とりです。

もちろん、田植えに参加できなかった方も、ご参加いただけます。

子供チームはまた生きもの調査をする予定です。

たくさんのご家族にご参加いただきたいです。

もちろん、大人だけの参加も大変心強く、熱望します。

参加応募がまだの方は、熊森本部まで早めにお申し込みください。

 

 

 

 

 

新温泉町における風力発電事業の地元説明会(3月11日)に参加

兵庫県新温泉町の人工林率は45%です。

天然林内には、今も下層植生が生えており、ツキノワグマをはじめとする野生動物たちの貴重な生息地です。

 

この新温泉町の山の尾根筋に、外資である合同会社NWE-09インベストメントが、21基の風力発電用風車を立てようと計画しています。

何のために。社名のインベストメントというのは、投資という意味だそうです。つまりお金儲け。

総工費280億円の事業となるそうで、他にも日本全国で事業展開を予定されています。

この会社の本社はシンガポールにあり、社長さんは、アダム・バリーンという40歳くらいのニュージーランド人だそうです。

 

高さ150メートルの風車が21基、新温泉町の尾根筋に立ったところの想像図(熊森作成)

 

熊森は、必ずしも風力発電に反対している訳ではありませんが、尾根筋に風車を立てるのはやめていただきたいです。

山の命である一番デリケートな尾根に、大きな穴を掘って大量のコンクリートを流し込まねばなりません。

直径130メートルの羽を運び上げるために、広い道路を山の上まで造らねばなりません。

そこから山が崩れることも十分、考えられます。

 

また、風車の寿命は20年ですから、20年ごとに、尾根筋を爆破して、コンクリート片を除去し、新たなコンクリートを流し込む工事が必要です。

そのうち、山がぐちゃぐちゃになって崩れてくるのではないでしょうか。

セメントの灰汁や泥水で渓流魚は死滅、野生動物を初め、大切な住民の水源も汚染されます。

原発と違って、町にもたらされるお金はスズメの涙だと聞いています。

 

次世代のためにも、他生物のためにも、尾根筋への風車設置は思いとどまって欲しいです。

風力発電は必ずしもエコではなく、立てる場所によっては取り返しのつかない環境破壊となります。

説明会では、マイナス面がほとんど紹介されていませんでした。

造ってしまってからでは遅い。これを機に、国民みんなで風力発電の勉強をしていきましょう。

 

この計画に意見のある方は、3月26日までに、以下に意見書を提出すればよいそうです。熊森提出済み。

〒105-0001

東京都港区虎ノ門4丁目1の28 虎ノ門タワーズオフィス14階

日本風力エネルギー株式会社 「新温泉」と書いてから意見と理由

FAX03-6452-9778  hiroshi.takayama@equisenergy.com

事業開発マネージャーの高山寛氏宛て

 

2018年1月19日くまもりブログを御参考にしてください。

本当の森を知ってるかい?西宮の親子フェスタでくまもり環境教育部が、森のお話 

3月10日、本部のある西宮市で、CANDY親子カレッジという団体が「CANDY親子フェスタ」を開催されました。

ここで、熊森本部環境教育部は数十人の子どもたちに向けて、30分間の環境教育プログラムを実施させていただきました。

 

この日は晴天で、さわやかな青い空。本当に、気持ちの良い日でした。

足元にはスミレの花やツクシが顔を見せ、春の訪れを教えてくれています。

 

さて、熊森のプログラムは、動物クイズからスタート。

「日本の森には、どんな動物が棲んでるかな?」とたずねると、

クマ、イノシシ、キツネ、カエル、ヘビ、キツツキ、ゾウムシ…

子供たちは、たくさんの動物の名前をあげてくれました。

「森に遊びに行ったことは、あるかな?」 「あるー!」「ない-!」

 

クイズの後は、くまもり紙芝居「どんぐりのもりをまもって」を上演しました。

「今、森では大変なことが起きています…」と話し始めると、

子どもたちは、途端に、真剣な表情に変わりました。

そして、最後まで集中して、紙芝居の世界に入ってくれました。

 

終わってから、「これって、ほんとにあったことなの?」

「どうすれば、クマたちは殺されないの?」と、

質問をしてくる子もいました。

野生動物たちの悲惨な現状を知って、子供たちが悲しみ、心を動かしてくれているのが、

ひしひしと伝わってきました。

 

☆☆☆

 

今回の参加を通して、子どもたちに伝えることの大切さを改めて再確認しました。

自然のことを知りたいとき、自然について学びたいとき、

すぐそばに、教えてくれる人たちがいる。いつでも聞きに行ける。

そんな存在に、熊森がなれたらうれしいです。

くまもり事務所は西宮市にあるので、遊びに来てね。

 

CANDY親子カレッジの皆様、こんな機会をいただき、本当にありがとうございました!

 

(SY)

2月8日 和田山ロータリークラブで室谷副会長が卓話

兵庫県朝来市にある和田山ロータリークラブの例会で熊森の室谷副会長が卓話をさせていただきました。

荒れて放置されている奥山のスギ・ヒノキの人工林を、もう一度、豊かな森に戻すため、21年前から地元の方と一緒に行っている熊森の森復元活動を紹介し、地元である和田山ロータリークラブのみなさんともぜひ一緒に森復元に取り組みたいと伝えました。

和田山ロータリークラブのみなさんは16年前からくまもりをずっと応援してくださっているだけあって、熱心に聞いてくださいました。「20年くらい前に急傾斜で植樹を頑張っている様子を見たよ!」と、熊森ができたての頃、朝来市でしていた森復元を知ってくださる方もいました。

森林保全担当の家田は、「豊かな森づくりは自分たちの代だけではできないので、子や孫にも伝えてください」という話をしました。

行く前、和田山は積雪がすごいのではないかと危惧していましたが、北陸地方と違って雪はほとんどありませんでした。

次世代に豊かな水源の森を残すための熊森の活動を伝える講演や卓話をこれからもどんどんしていきたいです。

お話をさせていただける団体さんがありましたら、お気軽にお声掛けください。

 

 

2017年 官・民で兵庫県のクマ対応を振り返る

12月25日、お互い年末の忙しい時期ではありましたが、熊森本部の会長、クマ担当、森担当の3名は、兵庫県庁の農政環境部環境創造局局長と鳥獣対策課課長を訪れ、約45分間、今年度の兵庫県のクマ対応を共に振り返る時間を持ちました。

 

(1)県土はどのようにゾーニングされたのか

 

兵庫県は今年から、環境省が昨年度出した指示に従い、クマのゾーニング管理を導入しました

県土を、[保護地域]、[緩衝帯]、[人の生息する地域]などに分けて、それぞれの場所でのクマ対応を決めていくのです。

足で歩いて現地の様々な状況を見て、その場所をどのゾーンにするか検討しなければなりません。

想像しただけでも頭が痛くなるほど、むずかしい作業です。

これまでずっと、「まだ、ゾーニングは、できていません」という県の答えでした。

一体、県土はどのようにゾーニングされたのか、今日こそゾーニング地図を見せていただこうと思いました。

県の答えは、<集落から200m以内にクマがいてはならない>ゾーニングの中身は、たったひとつそれだけでした。

(あまりにも機械的。こんなゾーニングなら、一瞬にしてできるのではないでしょうか)

 

熊森:集落の裏がクマの生息に適した自然林で、これまでクマがそっと棲んでいた場所であっても、集落から200m以内ならば、捕殺対象ですか?山中に罠を仕掛けたんですか。

兵庫県:そうです。地元から駆除申請があればね。

 

熊森から

今年勝手に人間が集落から200mにラインを引いたのです。

クマにそのようなラインができたことを伝える努力は何一つしていません。

これまでは、山の中にいるクマまでは獲らないという共通認識があったのに、このようなゾーニングは保護体制の大後退です。

かつて兵庫県は、日本一のクマ保護先進県として、他府県の行政からも称賛されていたのに、今の状況は残念の一言です。

 

(2)有害捕殺32頭

 

熊森:どんな罠を仕掛けたのですか?

兵庫県:箱罠や、ドラム缶罠。シカ・イノシシ用に掛けた罠に、クマという名札を付けて共に獲ったりもしました。

熊森:誘引剤は何ですか?

兵庫県:まだまとめていません。

熊森:今年32頭も、有害駆除されましたが、200m以遠のクマまで罠の誘引物がクマを誘引してしまった結果ではないでしょうか。

兵庫県:そういうこともあるでしょう。今年は、春・夏の目撃がすごく多かったです。

熊森:春や夏は、どんな食べ物を食べようとして、人里までクマがやってきたのですか?その食べ物を除去したり、電気柵で防いだり、クマを追い払ったりされましたか。

兵庫県:何を狙って出て来たのかわかりませんでしたから、できませんでした。

熊森:そういう時は、熊森が調査に駆け付けるから、クマを捕獲する前に連絡してほしいと、毎年、県にお願いしてきましたが、今年も1回の連絡もいただけませんでした。

兵庫県:・・・

 

クリックするとグラフが大きくなります。注:11月に狩猟1頭あり。

有害捕獲は全頭殺処分。錯誤捕獲は全頭放獣。

秋の山の実り:豊作  センターは、春や夏のクマの餌は何で、なぜ山で得られなくなったのか究明されていますか?

 

熊森から

 

兵庫県はとにかく、クマが爆発増加している。何とか捕殺して頭数低減を図らなければならないという考えに憑りつかれているように見えます。

奥山生息地を人間が壊したために里に出て来ざるを得ないクマの哀しみや、山にハンターが捨てた無数のシカ駆除個体にクマが付いていることなどを何故考慮されないのか、不思議でなりません。(熊森は指摘し続けてきました)

山中のクマ数が爆発増加していると言われる割には、昨年度のクマ狩猟数4頭、今年度のクマ狩猟数1頭をどう分析されるのか、まだまだ聞きたいことでいっぱいでした。

昨年度お願いした情報公開請求の件も、まだ終わっていません。

時間がないということなので、これらの意見交換は来年に回させていただくことにしました。

 

12月4日 本部 奥山の生き物調査 (兵庫県)

 

登り口となった標高650m付近は、まだ雪がありません。

頂上に近づくにつれて数センチ程度の積雪が現れてきました。

この日は地下足袋ではなく長靴で来ていたので、雪対策はバッチリでした。

 

ブナにつけられた新しい爪痕を発見しました。

爪痕が深いので、幹が柔らかい春につけられたものだと思われます。

花か若葉を食べに来たのでしょう。

 

山中でのクマの痕跡は、以前と比べると激減です。

そんな中、まだ山にクマが居るかどうか、各地で奥山の生き物たちをチェックし続けている熊森のなかまたちの存在は貴重です。

昆虫も、いなくなったと言っていいほど、激減しています。

 

以下、一般社団法人「ハニーファーム」代表理事 船橋康貴氏の言葉(みやざき中央新聞12月11日号より )

私たちが食べている作物の70%が、蜜蜂の受粉に基づくものです。

ネオニコチノイド系農薬が近くで撒かれた時、私の育てていたミツバチ40万匹が、一夜で全滅しました。

地球温暖化もミツバチが少なくなった原因の一つではないかと言われています。

よく、クマやイノシシが人里に下りて来て畑を荒らしたり、人間を脅かしたりしていると言いますが、あれは、ミツバチが少なくなって森の中の植物が受粉できなくなって、木の実が実らなくなっているからです。お腹がすいて里へ下りてくるのです。

 

 

15時、自動撮影カメラには、イノシシが雪の中を寂しそうに歩く姿が写っていました。

見たところ、餌らしきものは、ありません。

 

午前7時、オスジカが座り込んでいました。ここで寝ていたのでしょうか。

 

この辺りは、これまでも何度かヤマドリが写りました。メスですね。

 

今回、ツキノワグマは映っていませんでした。

この辺りの積雪は3m~4mにもなるそうです。

雪の間も生き物たちが撮影できるように、木に登って高い位置に自動撮影カメラを設置し直してきました。

 

この国で、共に生きるなかまたち。

熊森のブログを通して、多くのみなさんに野生動物たちを身近に感じてもらえればうれしいです。

今後も奥山での生態調査を続けていきます。

 

 

阪神間でもクマの目撃 人身事故が起きないか心配 熊森本部はその度に現地に急行

今年は、都市近郊でもクマの目撃が相次ぎました。こんなところにクマが?というほど住宅地の中であったこともあります。熊森本部は現地へ何度も足を運び、クマによる人身事故が起きないよう地域にお住まいの方に注意喚起して歩きました。

2017年5月3日くまもりNEWS「なんと姫路市にクマ、熊森本部が急行」

 

◎クマではなく、イノシシだった猪名川町のクマ目撃地点

今年の7月~9月にかけて、兵庫県の西宮市、宝塚市、猪名川町、隣接する大阪府の能勢町、豊能町などでクマの目撃が相次ぎ、本部のクマ保全担当が現場へ駆けつけました。いずれも、早朝や夕方にクマが目撃されており、目撃場所はどこも雑木林や竹林などが近くにありました。

 

9月、猪名川町の住宅地で、夜にクマらしき黒い動物の目撃情報が寄せられているという情報を得ました。人身事故が起きると大変なので、すぐに現地へ足を運びました。

住宅地の周囲は300~400m程の小高い山々に囲われており、クマらしき動物が出たのは山裾に近い家の裏であるとのことです。近くの方にお話を伺いに行きました。

【山裾に近い家にお住まいの方のお話】

・9月3日の夜に、家の裏にある山の繁みから大きな動物が枝葉を踏むような足音が聞こえてきた。家の窓からのぞいてみると、繁みの中に黒くて大きな生き物がいるように見えてクマだと思った。これまでにも何度か大きな動物が茂みの中を歩くような音が夜に聞こえてきたことがあったので心配。

クマらしき動物が現れた繁み。住宅地は堀をはさんで右側にある

熊森本部は、付近の山の中でクマの痕跡がないか探し回りましたが、見当たりませんでした。そこで、家主に許可をもらい、家の裏の繁みの中に自動撮影カメラを設置して観察することにしました。

1か月後の10月上旬、クマらしき動物がまた現れたので、カメラの確認に来てくださいと家主さんから連絡が入りました。現地へ行き、家主さんがクマらしき動物を見たという日時の写真を確認してみると、そこには大きなイノシシが写っていました。

クマではなくイノシシだったことを、家主にお電話でお伝えしたところ、安心されていました。クマの目撃情報は、必ずしもクマが現れたとは限らないのだと改めて思いました。

 

◎11月20日、21日、早朝の住宅地をクマが横切った

11月に入って、兵庫県の川西市でクマの目撃が相次ぎ、熊森本部は現場へ駆けつけ、地元の方に詳しい状況についてお話を伺いました。

【地元の方のお話】

・11月20日、朝の6時半ごろに、近くに住む方が出勤途中に目撃したときいている。黒くて大きく、間違いなくクマだった。交差点になっており、クマが東の角から出てきたという(地図参照)。クマとの距離は10mほどで、大きさは立ち上がったら170cmくらいありそうだったという。クマは男性に気づくと、交差点を西の方へ横切り、一目散に走って山の竹林へ逃げていったという。

クマが走って逃げた竹林を指さす熊森スタッフ

・この地域でクマが出たのは初めて。他の地区では、時々クマが出たと聞くので全くいないとは思わない。4日ほど前にクマが出てから、一人で外を出歩くときはクマ鈴をもって歩くようにしている。

・普段から集落の中にイノシシが出てくるので、生ごみを外に置くということはこの地区ではほとんどない。ゴミ捨て場も、かなり頑丈に作っている。

・3.4日前にクマが近くで出たというのは、回覧板を見て知った。集落の中にある雑木林や竹林に大きなけもの道が1本通っていて普段はイノシシがよく見られるが、クマもその獣道を通って移動してきたんじゃないかと皆言ってる。

・11月21日にもクマが川沿いの堀を山の方へ歩いて行ったと聞いている

11月20日、21日に川西市で目撃されたクマの動き

 

熊森から

クマは、朝と夕方の薄暗い時間帯に出ているので、その時間に一人で出歩く際はクマ鈴を携帯するなど、早めにクマに人間が来たことを伝えてくださいということと、狭い路地や見通しの悪い場所を歩くのはなるべく避けてくださいと、聞き取りに応じてくださった方々にお伝えして歩きました。

 

目撃されているクマは、人間を見たら確実に逃げており、人間を避けて行動していることがわかります。目撃しても、えさを与えたり、人間のほうから攻撃をしたりしないで、そっと後ずさりして離れてください。

 

大型野生動物が都市近郊を徘徊する状況は、まずいです。熊森も悩んでいます。都市近郊には昔里山薪炭林だったころのクヌギ林などが結構残されており、大量のドングリが落ちています。クマにとっては人工林で埋まる山奥よりも、えさが豊富かもしれません。12月15 日にクマ狩猟が終了したら、すぐ山に帰って冬ごもりしてほしいです。

 

中山間地を抜けて都市周辺までクマが出て来るようになった問題は、国が乗り出さねばならない大きな問題だと思います。奥山に大型野生動物たちのえさ場を早急に復元すべきです。多くの国会議員にも訴えていきたいと思っています。

 

今の所、地元のみなさんは冷静にイノシシやクマを見守ってくださっているようです。これが日本文化だと思いますが有り難いことです。

 

 

10月7日 兵庫県クマ狩猟問題を考える 講師 金井塚 務 氏(広島フィールドミュージアム代表) 於:芦屋市民会館 参加者63名

この日、西中国山地のクマ生息地を長年調査されてきた金井塚務先生(西中国山地ツキノワグマ保護対策協議会科学部会委員)を広島からお招きして、現場第一で研究されてきた研究者として、中国山地の西で起きていることを話していただき、その後、参加者全員で改めて、中国山地の東端にある兵庫県のクマ狩猟を考えてみる会を持ちました。

 

(1)子供たちの未来のために

まず初めに、森山まり子会長が、

「子供たちに豊かな自然が残せるのかどうか、今、大人たちの子供たちに対する愛が問われています。

クマとの共存をめざすならば、クマの生態観察や、生息地である奥山の現地調査が欠かせないはずなのに、クマ狩猟再開に至るまでの兵庫県行政のプロセスではこの部分が抜け落ちており、狩猟実施の根拠となった数字の科学性にも大きな疑問があります。

兵庫県はクマ生息数の低減に躍起で、今年9月末までに32頭ものクマを有害獣として捕殺していますが、本来、有害な動物などいません。人間が有害にしたのです。

クマたちにも、喜びや悲しみなど、人間と同じ感情があります。兵庫県行政を動かしている捕殺推進派の研究者たちは、このことがわかっていないのではないでしょうか。

利権のある有識者たちの判断に任せるのではなく、利権のない一般国民の澄んだ目で、環境省や地方行政が物言えぬ自然や生き物たちにしていることの善悪を判断し、声を挙げて改善していく必要があります」

と、あいさつしました。

森山会長

 

(2)「生息域分布にドーナツ化現象が確かめられたため、西中国3県のクマは今期も保護計画の対象であり、狩猟は導入しません」

 

次に、金井塚先生が、「フィールド調査から見た西中国山地のツキノワグマの現況」という題で、1時間の講演をしてくださいました。

以下、要旨を平易にまとめました。多くの図表やグラフは、ここでは割愛させていただきました。すばらしい内容だったので、いずれきちんとまとめてみたいです。

会場風景

西中国山地でも、1979念の1.5倍にまでクマの生息域が年々拡大しています。

ツキノワグマの分布の経年的変化1998年~2015年(ダブルクリックで拡大します)

 

考えられる原因は3つです。

①個体数増加

②個体数は同じだが、生息地の生活資源量が減ったため、分散して生息密度が低下

③個体数が増えたのではなく、本来の生息地の環境が悪化したため、新天地を求めて周辺地域に分散するドーナツ化現象が起きている

金井塚先生

 

東中国山地行政と違って、西中国山地行政のいいところは、3県の科学部会に属する研究者たちが集まって、喧々諤々と議論しているところです。

上地図の赤塗りしている部分が、西中国山地のクマの中核的生息域で、5年おきにクマを捕獲し、再捕獲法でこの25年間、生息個体数を推定してきました。(再捕獲法がどこまで科学的かというと、多くの仮定の上に成り立っているため、科学ではありません。正確な数値など出ません。しかし、何回かやっているうち、ある程度のトレンドは出ると考えられます。他にクマの生息数を推定する良い方法がない現在、再捕獲法を使うしかありません。)

私たちの出した結論は、上記③です。

西中国山地のクマは山奥に棲めなくなり、人間の生活圏内に近い所まで降りてきており、生息域分布のドーナツ化現象がどんどん進んでいます。

実際、私の調査している広島県のクマの中核的生息地である細見谷でも、5・6年前までは一つの沢に少なくとも10頭のクマが出入りをしていたのですが、今年はどうも4頭ぐらいしかいません。このままいけば、クマは生きるために人間の生活圏に入り込んで来て軋轢を引き起こし、駆除され続けて滅びていきます。なぜ、クマたちの本来の生息地が、クマたちが棲めないまでに劣化したか。原因はみんな人間です。原生林の徹底的な伐採、人工造林、林道、ダムや砂防堰堤・・・人間活動によって、山も川も海も循環を絶たれてしまい、悲惨なことになっています。

以上のことから、西中国3県のクマは今期も保護計画の対象で、狩猟は導入しません。

 

(3)兵庫県はクマ狩猟を中止すべき

1、「推定数字だけにとらわれず、生息地の実態調査を」(要旨) 

日本熊森協会本部 クマ保全担当 水見竜哉

 

兵庫県のクマ狩猟は、環境省の中央審議会が決めた成獣の推定生息数800頭が安定個体群という根拠不明の全国一律基準に基づいて実施されます。

しかし、日本のクマが生息する森は、東北地方のように山が深く豊かな広葉樹林が残っている県もあれば、兵庫県のように山が浅く人工林だらけで、わずかに残された自然林まで近年一気に大劣化してクマが山で生きられなくなっている県もあるのです。

計算した推定生息数の数字ばかりを見て生息地の実態を見ず、全国一律基準に基づいてクマ政策を決めるのはまちがっています。

兵庫県は山中でクマ狩猟を行うことによって人里近くにいるクマを山奥へ追い戻す効果があると言っていますが、かえって山中から人里にクマが出て来てしまう恐れがあります。このような取り組みでは、クマと人は共存できないし、地元の人たちの安全も守れません。山中で踏ん張っているクマは、そっとしておくべきです。

水見発表 兵庫県発表では、クマが爆発増加したことになっている

 

2、「被害防除の徹底と、森の再生を」(要旨)

日本熊森協会本部 森保全担当 家田俊平

 

私たち日本熊森協会は民間の自然保護団体として、実のなる木を奥山に植えてクマに餌場を提供したり、広大な人工林を伐採して水源の森となる広葉樹林を復元したりしてきました。被害防除の徹底と共に、このような森再生に税金を使って実行していただければ、クマが集落に現れることもなくなっていくはずです。被害防除と森の再生につきます。私たちは今後も「動物たちに帰れる森を、地元の人たちに安心を」という言葉をスローガンに、クマと人間の棲み分け共存ができる森造りを進めていきます。

家田発表 植樹クリに今年もクマ棚

 

質疑応答 左から、金井塚先生、家田、水見

 

◎参加された方の感想から

・西宮で暮らしているとクマという動物は身近かではありません。だから、人が襲われたというニュースで、日頃からクマはイメージの悪い動物になっていますが、クマのすむ山が人間活動によって荒廃してしまっているという現状があって人里に出てくるんだということを、みんなで世に伝えていく必要があると思いました。

 

 

◎熊森から

今夏、金井塚先生に兵庫県のクマ生息地を見ていただきました。山に液果の実りがほとんど見られず、谷川は両岸の土砂が崩れて浅くかつ狭くなり、水量も激減で魚影も見られず・・・、ここのクマたちは、夏食べるものが何もないと驚いておられました。せめて、魚がいれば、生き延びられるのだがということでした。先生が、「このまま、奥山にクマが棲めず、人里近くにしかクマの餌がない状態が続けば、最後の1頭が有害捕殺されるまで人間とクマの軋轢が起こり続けるでしょう。」と言われました。衝撃でした。

形だけの審議会で、議論することもなく安易にクマ捕殺が進む中で、西中国3県の科学部会は本当に大きな存在意義を持っていると思いました。

もし、東中国3県に、西中国3県の科学部会のような行政に物が言える存在があれば、兵庫県や岡山県のクマ狩猟再開はありえなかったでしょう。

 

 

 

10月8日 地元で兵庫県クマ狩猟問題を考える 於:豊岡市民プラザ 参加者12名

地元の人達にも、ぜひクマ狩猟問題を考えていただこうと、JR豊岡駅前に会場を取りました。しかし、前日までの参加申し込みがあまりにも少なかったため、予定していた金井塚先生の講演は取りやめにして、先生には広島に帰っていただき、参加者の皆さんには録画ビデオで先生の講演を見てもらうことにしました。

ところが、うれしいことに、会場には、12名の方が来てくださいました。予定通り、金井塚先生に来ていただいたら良かったと、後悔しました。

 

会場風景

昨日と同じように、会長挨拶、金井塚先生の講演ビデオ、熊森研究員からの発表を済ませ、後半はご出席くださったみなさんとの意見交換会としました。

 

 

<出された主な意見>

シカを何とかしてほしい

・クマを獲りたい猟師は、但馬にはおらん。いても一人くらいや。自分たちが困っているのはシカだ。シカは昔はおらんかった。南から来た。シカが増えたのは、戦後メスジカを保護して獲らないようにしたからだ。人間が獲らないと野生鳥獣は増えていく。

・十数年前までは、さっき見せてもらった東北の山の写真のように、但馬の山も豊かだった。それが今では、爆発増加したシカが下層植生を食べ尽くしてしまった。ゼンマイ、フキ、イタドリ・・・山菜も何もかも山から消えた。

・シカが林道を通って、妙見山から香住、浜坂と移動していく。移動原因の一つは林道だ。今、香住でシカがすごく増えている。クマもかわいそうや。山の中に食べるものがない。トチノミが落ちても、クマが来る前にシカが全部食べてしまう。クマを守りたいのなら、なぜシカを獲る話を出さないのか!山をシカから守る話が先だろう。

 

広葉樹林の再生運動に疑問

・広葉樹林を再生すると言っても、シカが苗木を食べてしまう。シカよけチューブをかぶしても、雪解け時に倒れてしまう。植樹などしても無理だ。シカがいる限り、豊かな森など戻らん。植樹地を網で囲っても、1か所破ってみんな入ってくる。集落は網だらけ柵だらけ。こんなところに若い人は帰って来てくれない。

・広葉樹林に戻して問題が解決するのか。クマやシカが増えるだけだ。クマよりまず人間を守って欲しい。

 

一方向からの話はダメ

・一方的にクマの側からの偏った物言いをされるのは、がまんならん。いろいろな動物や虫、植物、総合的に話すべき。

・山の専門家、シカの専門家、農家、林業家、猟友会…みんなが集まって討議してみてほしい。

 

納得した

・この前、近くの町中で、早朝、クマの親子が歩いていた。集落の柿にも出て来るようになった。どうしてクマが山から出て来るようになったのか、金井塚先生の話を聞いて納得した。クマの目撃は増えているが、県が言っている爆発増加というのは信じられない。

今日、三重県や静岡県では、山主の持ち出しゼロで、県が人工林を自然林に戻してくれるという話を聞いた。兵庫県も早く奥山を補助金で自然林に戻してほしいと思った。県民みどり税で花作りをするようにと言われたが、山の方を先にすべきだ。

 

 

(くまもりから)

・シカ駆除のために罠猟師になられた方も数名参加されていたようで、私たちに厳しい発言も出ました。

・貴重な声を聞かせていただいたと感謝しています。ご参加くださったみなさまに、心よりお礼申し上げます。

・戦後の諸政策や文明の発展方向が、どれもこれも結果的には人々が郡部に住みづらくなるものとなったようです。

・シカ問題は大変難しくて、今のところ私たちの手に負えませんが、ネットで読んだブータンの集落犬のように、シカを殺さずに解決できればと思います。

・専門家が一堂に会してシカ問題のシンポジウムをというご提案をいただきましたが、被害防除の専門家と、いかに効率よくシカを大量捕殺するかという専門家は誕生していますが、それ以外の事はわからないことだらけで、専門家など育っていないと思われます。

・人間が役割を知らないだけで、シカも日本の国土にとって欠かすことのできない貴重な生き物のはずです。

・シカに、草原や湿地という本来の生息地をある程度は返してやり、人とシカが共存できる道を探っていきたいです。

・クマの狩猟問題について考えていただこうと思って企画した会でしたが、地元はそれどころではなく、関心のない問題であることがわかりました。

 

兵庫県環境審議会が、審議らしい審議もなく、今年もクマ狩猟を原案通り承認 茶番100%

9月4日、今年の兵庫県クマ狩猟をどうするかを決める兵庫県環境審議会鳥獣部会が、兵庫県庁北、のじぎく会館で持たれました。

直前の8月30日の兵庫県のホームページに審議会開催の予告が出ましたが、気づいた県民はまずいないでしょう。

傍聴者は熊森本部からの3名のみでした。

 

前の7名は審議会委員のみなさん、後方の大勢の方は行政担当者

 

会の冒頭、兵庫県秋山環境部長から、本審議会で、「ツキノワグマの狩猟による捕獲等の制限について」ご審議願いますという挨拶がありました。

 

この後、部会長の兵庫県立大学江崎保男教授の進行で、まず、兵庫県鳥獣対策課の藤本副課長が配布資料に基づき諮問内容(=意見を求める内容)を説明されました。

 

(主な諮問内容)

平成28年度兵庫県ツキノワグマの推定生息数がMCMC法によるベイズ推定で中央値が897頭であり、環境省狩猟基準の成獣800頭を超えているに相当するため狩猟対象とする。

クマは冬眠するため、狩猟期間は11月15日~12月14日とする。

狩猟者一人当たり原則1頭。安全講習会を受講すること。

依頼事項として、親子グマは捕獲しないこと。

捕殺上限設定は、(環境省規定では、通常、推定生息数の12%以下だが、)兵庫県の場合は分布域拡大により人間との軋轢が増加しているので、人身被害、精神被害、農林業被害防止のための有害捕殺と合わせて(環境省規定最大の)15%を捕殺上限とする。

897頭×0.15134頭が捕殺上限

()内は熊森捕捉

 

この後、兵庫県森林動物研究センターの廣瀬専門員から、ツキノワグマの目撃数や捕獲数が増加していること、生息域が阪神間北部にまで拡大していること、今年からゾーニングを取り入れて、個体数低減のために集落内だけではなく集落から200メートルまでのクマを有害捕殺していること(8月末までの有害捕殺は28頭)、昨年度人身事故が4件発生したこと、昨年度のツキノワグマ狩猟数は4頭だったことなどについて報告がありました。

また、昨年度のクマ狩猟講習会参加者140名に狩猟後アンケートを取ったところ、122名から回答があり、クマを狙って獲ろうと思った人は23名、後の8割は、狩猟中にクマに出くわしたら撃てるようにしておこうと思った人で、実際に山でクマに出会った人は16名だったそうです。

 

熊森は、行政のクマ対応を聞いてずっこけました。

●人間活動によって大荒廃している餌のない山の話に全く触れられていない!

●全国一律の環境省基準に、兵庫県の特質も考慮せず機械的に数字を合わせているだけ

●相手(クマ)の立場に立って考えることがさっぱりできていない

兵庫県と比べ物にならないほど森が深く豊かで人口密度の低い東北などのクマ狩猟県と同一基準で捕殺するのは無謀です。

人間が壊した生息地の復元も出来ていないのに、人前に出てきたクマを数が増えすぎているなどと安易に判断して捕殺するのは誤りです。

また、MCMC法によるベイズ推定を使用するとお好みの生息推定数にできると専門家によって指摘されているのに、耳を貸そうともしていません。

これでは、とてもクマの保護など任せられないと思いました。

クマがこの審議会を傍聴していたら、あまりの人間の身勝手さ残酷さに泣いたと思います。
山に食べ物がないから、人里に出て行っているのであり、ドーナツ化現象を起こしているだけです。

狩猟で人間の怖さをクマに教えると言いますが、今、銃の性能が飛躍的に向上しており、クマを追い掛けまわす必要はありません。

狩猟でクマを撃ち殺してしまうと、人間の怖さを知ったクマはいなくなります。

 

さあ、ここからが審議です。

しかし、委員の先生方の発言は誠に低調で、先程の兵庫県の説明に少し質問がある程度、兵庫県がそのたびに長々と答えていました。

諮問内容に対する意見は無きに等しかったです。

しいて意見らしきものと言えば、猟友会の方が発言された、「狩猟圧をかけて何度クマを追いやっても、奥山が豊かな森でなければまた出てきます。奥山生息ゾーンという名を、豊かな森ゾーンというようなインパクトのある名前にして、みんなで豊かな森について考えるべきではないでしょうか」だけでした。

しかし、この意見は流されました。

 

こうして、この審議会によって諮問内容は何一つ審議されないまま、原案通りの審議会答申となるのです。

これを茶番と言わずに何というのでしょうか。

 

熊森は25年間クマ問題に取り組んできた熊森の副会長を審議会委員に入れてほしいと、ずっと兵庫県にお願いし、面接まで受けましたが、はねられました。

熊森メンバーが審議会委員に入れば、現地を調べ続けているので、山のように意見が言えるのにです。

 

どこでも行政は、審議会をセレモニー的なものにしておきたがるようですが、そんなことではいい国が造れません。今のような体質を、とても残念に思います。

喧々諤々の議論があって初めて人々の思考は深まるのです。

 

 

帰宅後、審議とは何か、辞書で調べてみました。

ある物事について詳しく調査・検討し、 そのもののよしあしなどを決めることとありました。

 

かくして、今年も哀れ、山の中にひそんでいるクマまでが、「すごいアウトドア」として、ライフル銃で人間の楽しみのために撃たれるのです。

地元では、動物なんて殺してしまえという大きな声の人の陰に隠れてしまっていますが、生息地を破壊しておいて殺すことに胸を痛めておられる方は猟友会員も含め、何人もおられます。

みんなで、おかしいぞの声を挙げましょう。

でなければ、行政の方々は気づかれません。

肩書は立派だが野生動物を殺すことに何の心の痛みも感じない特殊な人の言いなりに動かれてしまいます。

 

 

以下、   NHK テレビ     関西 版 9月8日

兵庫 クマ狩猟ことしも解禁へ

 

ツキノワグマの住宅周辺への出没が増えていることなどから、兵庫県の環境審議会は、去年、20年ぶりに解禁したクマの狩猟をことしも認める方針を決めました。

動物の研究者や猟友会の代表などでつくる兵庫県の環境審議会は、県内のクマの生息数が去年4月の時点で897頭と推定され、狩猟が妥当とされる800頭を上回っているとしています。

またことし4月から7月までのクマの目撃などの出没件数が、去年の同じ時期を100件以上、上回る306件にのぼり、4月以降、2人が襲われけがをしているということです。

このため審議会は生息数の調整が必要だとして、去年、20年ぶりに解禁した狩猟をことしも解禁し、11月15日から1か月間、134頭を上限に狩猟を認める方針を決めました。

審議会の委員で、兵庫県森林動物研究センターの横山真弓部長は、「クマの出没が増え、人的被害も起きていて狩猟による捕獲が必要だ。また、クマを人里に寄せつけない取り組みも求められる」と話しています。

一方、(審議会を傍聴していた)西宮市の自然保護団体、「日本熊森協会」の森山まり子会長は、「森林(奥山)の環境が整備されていれば、里山からクマが下りてくることはない。狩猟ではなく、共存の方法を探るべきだ」としています。

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