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2011-02-05

2月2日 河島英五記念基金から熊森に寄付金贈呈 於:奈良市

2月2日、河島英五さんの奥様がされている奈良市のTENTENCAFEというお店で、待ちに待った河島英五財団からの寄付金贈呈式がありました。寄付金を贈呈していただくことへの感謝はもちろんですが、河島英五さんの残された3人の子供さんがどんな方たちなのか、とてもお会いしてみたかったのです。

写真左から、長女河島あみるさん(女優)、次女河島アナムさん(歌手)、長男河島翔馬さん(歌手)

みなさんおきれいで、明るくて、見るからに人柄がよくて、本当に素敵な方々でした。納得。1年のうち200日は仕事で家を空けておられたという河島英五さんですが、子どもたちはみんなこんなにまっすぐ育って、そろいもそろってこれまた親思い。自然が好きで自然を心から愛していた父を思い、自然保護団体や音楽を志すひとたちに、毎年こうやってお父さんの名前で、寄付金を贈呈されているということです。親を親とも思わない若い人たちが増えている中で、亡くなられて10年にもなるお父さんをこうやってずっと顕彰し続けている子供たちがいる・・・これだけでも、感動で胸が熱くなります。
お店の中は、熊森本部や奈良地区の会員の皆さん、その他関係者の方々で満席でした。贈呈式が終わってから、次女のアナムさんが、「ツキノワグマのおかあさん」という自作の歌を初めて披露してくださいました。森山会長は、歌が始まる前から、もう泣いていました。アナムさんは、去年の秋、テレビで、2頭のこぐまを連れた母グマが、道路の真ん中を堂々と歩いている姿を見られて、母グマが、「わたしたちクマにも生きる権利がある」と主張していると感じ、感動で一気に歌ができてしまったそうです。多くの皆さんに、聞いていただきたい歌です。なんとうれしいことに、この日、3兄弟全員が、熊森会員になってくださいました。

冬ごもり中に聞き取り

熊森には、クマが冬ごもり中にしておかなければならない仕事がたくさんあります。その一つが聞き取りです。熊森本部は、連日、手分けして、いろんな人たちに会いに行っています。「クマのため人のため全生物のために、クマの棲む豊かな森をこの国に残そうと活動している実践自然保護団体の日本熊森協会です」と名乗って、聞き取りを始めます。被害を受けた方からは、「帰れ」と罵声を浴びることも覚悟の上の訪問です。

しかし、今回お会いした方々は、「阪神間から来たのか。遠いところからよく来たね」と、みなさん大変親切にして下さり、被害状況なども詳しく教えてくださいました。田舎には、まだまだやさしい方々がたくさんおられる。胸がいっぱいになりました。いろいろと現地で聞き取りをしてみて、来なければわからないことがたくさんありました。熊森は、これからもますます現地現場主義でいこうと思います。

熊森スタッフがこうやって各地を訪問できるのは、会員の皆さんの会費の一部を交通費に使わせていただいているからです。会員の皆さんに感謝です。

冬眠できずに雪の上をさまようクマの保護施設を

今年、兵庫県北部但馬地方は大雪です。1月に、こぐま2頭が冬眠できずに雪の中をさまよっているという情報を得て、どんぐりを持って何度か、現地調査に行きました。(母グマを駆除された可能性大)。今年、年初めに、熊森本部がした初仕事でした。積雪120センチ。地元の人も、クマたちはどこに行ったのかわからないということでした。

ドングリを置いても1日に雪が30センチ~40センチ積もるから、すぐ雪に埋まってしまうと、地元の方が教えてくださいました。しかし、何とか見つけてほしいと願い、何カ所かに置いてきました。絶滅危惧種のクマが、冬眠場所がわからず雪の中をさまよっていると知って、うちの納屋で春まで寝ていたらいいよと言ってくださる方がおられないかなあと思いました。昔の山里には、きっとこういうことをしてくださる人がおられただろうと思いました。

全国で、母グマを殺されてさまよっている子グマがたくさんいます。春まで寝かせて雪解けに放してやれる保護施設が本当に今必要だと思いました。

さすがに、2月になって、クマの目撃はなくなったようです。さまよっていたクマは死んでしまったことでしょう。

雪かきボランティア

日頃お世話になっている兵庫県但馬地方の方々が大雪に困っておられると聞いて、雪かきボランティアに参加しました。2階の屋根から雪降ろしをする仕事ができるといいのですが、慣れないと危険なため、屋根から降ろした雪を川に捨てる作業をしてほしいと、地元の方々に言われました。本当に田舎の方々は、いろいろと大変です。しかも、過疎化高齢化しています。会員の皆さん、熊森本部といっしょに、雪かきボランティアに参加してみませんか。

 兵庫県2010年度、絶滅危惧種 のツキノワグマを、なんと70頭も捕殺 

兵庫県では、クマは絶滅危惧種であり、保護動物です。近年、奥山の実りなしという3度の異常年に、食糧を求めて次々と山からツキノワグマが出てきました。奥山のクマたちの生息地だった山が、人間活動によって大荒廃していることを、クマたちが私たち人間に教えてくれているのです。その結果、目撃数も大変多くなりました。(県行政は、クマ目撃を通報するように強く指導している)しかし、日本一のクマ保護先進県であった兵庫県では、これまでクマを捕殺することは、わずかでした。(以下グラフ参照)
奥山の大凶作年に兵庫県で殺されたクマの数

2004年度・・・・7頭捕殺、
2006年度・・・・4頭捕殺、
2010年度・・・70頭捕殺!子グマも何頭か殺されています。(他に、2頭が作業中に死亡し、11頭のクマが交通事故死したそうです)計83頭のクマが兵庫県で消されました。

クマの絶滅を止め、クマの棲む豊かな森を兵庫県に復元しようと長年、全力で取り組んできたわたしたちの苦労が水の泡となりました。大ショックです。どなたの指示や判断で、兵庫県が突然、クマの大量捕殺に方向転換することになったのか、調査中です。

昨年秋、兵庫県で大量捕殺が進んでいることを察知して(マスコミは報道しなかった)、驚いて兵庫県庁担当部局に電話をしました。

熊森:なぜ、兵庫県はクマ大量捕殺に方向転換したのですか?!これでは絶滅してしまう。他県のように、緊急対策会議をすぐに持ってください。
県庁:その必要はありません。
熊森:他県のように、捕殺数の上限を決めてください。
県庁:予定していません。

熊森:大変なクマ数が殺されています。そのことで。
豊岡農林事務所:忙しくて、1分1秒の余裕もありません。(対応拒絶)

熊森:イノシシ罠への誤捕獲が、大変な数にのぼっています。イノシシ罠は、上部にクマの脱出口がついたもの以外は設置してはいけないように指導してください。
森林動物研究センター:兵庫県は、イノシシ罠にかかったクマは放獣しています。(2010年度兵庫県内のイノシシ罠へのクマの誤捕獲は110頭で、うち109頭を放獣したとのことです)

熊森:これ以上クマを殺したら絶滅してしまいます。クマが集落に出て来ないようにドングリを運びますから、今、どこにクマが出ているのか教えてください。
地元役場:言えません。県に聞いてください。(県は教えてくれませんでした)

せっかく兵庫県井戸知事が、行政と県民との共働を打ち出してくださっても、行政担当者は、わたしたち県民がボランティアで動こうとしているのに、完全無視。これが日本の実態です。何とかここを変えていかないと、絶滅危惧種を守ることすらできません。絶滅危惧種を70頭も殺したというのは、ビッグニュースです。記者さんはぜひ詳細を調べて、記事にしてください。(県民は誰も知りません)

ちなみに、兵庫県では、クマの捕獲は、森林動物研究センターの県庁職員らが担当されており、2010年度は、計211頭のクマを捕獲し、139頭のクマを放獣したということです。これでは、作業者は、過労死寸前の激務となったのではないでしょうか。一方、クマは、捕獲されるたびに全身麻酔や様々な処置を施され、弱っていきます。熊森としては、両者のためにも、捕獲しないクマ対応を進めるべきであると考えます。

ちなみに、近隣府県の2010年度のクマ有害捕殺数は以下です。
岡山県・・・・0頭  滋賀県・・・・9頭  鳥取県・・・・40頭  京都府・・・・58頭

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