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2011-10-04

10月2日 本部森再生チーム、クマ生息地のクマ調査(兵庫県但東町)今回は痕跡なし

森再生チームは、但東町の金網で囲まれた熊森植樹地の下草刈りに、13人で出かけました。現地に着いてギョッ、台風で倒れた木によって金網が倒れ、シカが入って苗木の先を食べてしまっていました。あーあ。さっそく、金網を立て直し、下草刈り。

下草刈りが終わってから、山でのクマの痕跡調査に出かけました。

クリの木、熊森植樹地のドングリ、実がたくさんついている柿の木、いずれも人の入ってこない山にある木々です。去年、どこもクマたちが実を食べに来ていた場所ですが、今年はどの木にも、今のところクマは来ていませんでした。去年但東町だけで、28頭のクマが駆除や交通事故で殺されてしまったからでしょうか。

場所はいくらでもある。もっともっと奥山に実のなる木を植えていこうと、改めて決意しました。[動物達に帰れる森を、地元の人たちに安心を]

兵庫県が、ツキノワグマを絶滅危惧種のAランクからBランクに下げる

8月26日に、兵庫県自然環境課長と自然保護係長が行った記者発表で、兵庫県が、ツキノワグマを絶滅危惧種のAランクからBランクに下げるという発表をしていたことがわかりました。2003年に約100頭⇒2010年には約650頭で、もはや絶滅の危機に瀕している状況ではないというのが、その理由です。10月27日に、県の協議会が開かれますが、協議会で協議もされていないのに、このような発表が先行されるなら、何のための協議会なのだろうかと思われます。

兵庫県の発表によると、今年は山の実りの凶作年だそうです。にもかかわらず、9月のクマ目撃数は9月22日現在たったの13件です。(昨年度の9月のクマ目撃数は420件)

2011年度の山の実り凶作年の兵庫県内のクマ目撃数(2010年度の山の実り大凶作年の目撃数との対比) 10月4日毎日新聞記事より

 兵庫県が、クマ激増と世論誘導?何のために? 9月17日 「但馬クマシンンポジウム」養父市

9月17日、兵庫県民局と兵庫県森林動物研究センターの主催による「但馬クマシンポジウム」が、養父市の県立但馬長寿の郷で開かれました。来場者約180人は、ほとんどが地元農家という感じの高齢男性で、女性は数名だけでした。神戸の時と同じように森林動物研究センター研究員(兵庫県立大学)らによる発表が続きました。

「クマを取り巻く但馬の自然環境」では、研究員が、地元にもかかわらず、また、「この60年間に、兵庫県では、アカマツ林や荒れ地がどんどんとコナラなどの広葉樹林に植生変化し、クマの生息環境がとてもよくなった」旨の発表をされました。神戸の時は、参加者が都会の人たちだったので、山を知らないため、ふーんという感じでみなさん聞いておられましたが、地元であれをやったら、みんな山を見てきたし今も見ているから、ずっこけちゃうだろうなと思っていました。

この研究員は、神戸の時と同じことを発表されました。しかし、みんな黙って聞いておられました。なぜ?なぜ?地元のみなさんは、クマたちがかつて暮らしていたブナ・ミズナラ林が戦後広大に伐採されて、スギの人工林に変わり、内部が砂漠化してクマが棲めなくなっていることを知っておられるんじゃないんですか。地元の方たちは、大学の研究者が発表されたから正しいと思われたのでしょうか。それとも、地元の人も、今はもう山がわからなくなっておられるのでしょうか。アカマツ林がコナラ林になったのと、ブナ・ミズナラ林がスギになったのと、どっちがクマに影響を与えるのか考えてほしかったです。

散々、研究員らが「クマが年々増えていく、2000年に生息推定数100頭以下だった兵庫県ツキノワグマが、10年後の2010年には650頭(90%信頼区間は300頭~1650頭)にまで増加した(なんと、増加率20%!)」という発表をされた後で、最後にある研究員が会場の皆さんに、

「現在のクマ数は多すぎるとおもいますか?ちょうど良いと思いますか?少なすぎると思いますか?」

という3択問題を出されました。ほとんどの方が多すぎるに手を上げられ、ちょうど良いは4名、少なすぎるは1名でした。熊森は、研究員の皆さんの生息数推定の方法に、大いに疑問を持っています。数字ばかりいじっておられますが、クマは物ではなく意思を持つ高等動物です。食料のない年は、食料を求めてみんなが人里に移動します。再捕獲法などで個体数推定はできないと思います。第一、奥山の生息地を人間に破壊されたままなのに、なぜ増えることが出来るのでしょうか。

(感想)なんだか、クマ激増世論誘導シンポジウムのように感じました。それにしても、何のために?

ps:但東町のハンターと思われる方の、興味深いブログを見ました。「但馬クマシンポジウム」で検索して、お読みになってください。

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