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2011-10-07

大量に捕殺されていく北海道のヒグマ  6日恵庭市で殺されたのは、胃の中空っぽ

推定2000頭の北海道のヒグマですが、3年前から大量に殺されています。この原因の一つは、3年前にヒグマの駆除許可権限が、道庁から市町村に降ろされたことだという指摘があります。とにかく、行政担当者がクマのことはよくわからないので、人間に何事も起こらないうちに殺しておこうと、捕殺一辺倒になっているというのです。国立公園内に罠をかけていた町もあったそうです。

2009年・・・・601頭

2010年・・・・540頭

2011年・・・・約500頭???(10月7日現在??)

北海道の今年のミズナラの実りは道庁発表では大凶作です。しかし、北海道で調査されている研究者に聞くと、結構ミズナラはなっているということです。場所によって違うのでしょうか。

10月6日、恵庭市で殺されたヒグマの場合は、胃の中も腸の中も空っぽだったそうです。各市町村で、太い鉄格子の捕獲檻(1m×1、2m×2、77m)をしかけ、中にはハチミツ、コマイ(干し魚)、ビート(てんさい)チップが誘引剤として入れられているそうです。ほとんどのヒグマは、暗くなってからそっと人里に出て来て、明け方に山に帰っていくそうで、人を恐れているのがありありとわかるという事です。電気柵とか使って守りたいところを防除するならともかく、お金や力は使わずに罠をかけて次々と捕まえて殺してしまえばいいというのが、北海道の大勢だそうで、道民の中から、あまりの残酷さに胸のつぶれる思いだ、野蛮すぎるという声も入っています。

「ヒグマ凶暴」というテレビのテロップや、冬ごもり前の食い込み用食料がなくてひもじい思いをしているヒグマの心がわからずに、味しめ説・人なめ説など唱え、一方的にクマを悪者にしている専門家が、「ヒグマなんか殺してしまえ」という世論を形成していっているということです。殺すことが当たり前になるなんて、恐ろしい話です。つかまえてもいいが、えさのありそうな山に運んで放獣してやってくださいという声を、みんなで市町村行政に届けましょう。

どこの市町村がどういう対応をしているのか、調べてみようと思います。とてもこんな状態では、ヒグマとの共存などできそうにありませんね。最近の日本人の、他生物の命への軽視、蔑視には恐ろしいものがあります。人間としての温かさを取り戻しましょう。

環境教育 「校庭の木」小学校3年生

10月6日、本部近くの西宮市の小学校から、今年も「校庭の木」の環境教育を頼まれました。ありがたいことです。いろいろ準備して出かけました。最初に担任の先生が、「今日の授業を準備するために、お兄さんが昨日も雨の中、校庭の木の写真をとりに来られたり、いろいろみんなのためにがんばってくださっていました」と、さりげなく子供たちに話してくださいました。ああ、ここはさすが学校だなあ。多くの大人たちが忘れてしまっている感謝の心を教えてくださると、感激しました。この小学校の校庭には63種類の木が植えられており、木にはきちんと名札が付いています。

1、校庭の木は、目的があって人間が植えたんだよ。自然に生えたんじゃないよ。

2、兵庫県のどの学校にも植えられている2つの木、サクラとクスノキ(県木・市木)などを取りあげながら、植物の分類をしていきました。こどもたちが、たくさんの木々の名前を知っているのにびっくり。

3、校庭にたくさん植えられているマテバシイ(九州原産)のドングリを、皆に食べさせてあげようと、昨夜、家で75個ものマテバシイをフライパンでおいしく炒ってきたのに、うっかり朝の電車の中に忘れてきてしまいました。仕方がないので、授業では、生のマテバシイをひとりの子に食べてもらいました。こどもたちは、おいしいドングリがあることを知ってみんなびっくり。大喜びでした。

先生にも子供たちにも喜んでもらえました。次回は、少し前まで人が入ることのなかった近くの神社の森に出かけていくそうです。ここは、潜在植生であるクスノキやその仲間の常緑広葉樹でいっぱいです。しっかりべんきょうしてきてください。久しぶりに純粋な子供たちとふれあって、すがすがしかったです。

志摩市会長講演 手を合わせる里海

10月1日、三重県志摩市主催で森山会長講演が持たれました。志摩市は、「新しい里海の創生によるまちづくり」を進めておられます。市役所の担当者の方に案内してもらい、小高い丘から英虞湾を眺望させて頂いたとき、ここの海は本当に人間が利用できる海だなあと思いました。湾でいっぱいで、いかだを浮かべていても大丈夫です。このあたりは広葉樹の森で、まるで熱帯雨林を見ているような錯覚をおこしました。、

講演では、山川海の物質循環を断ち切るダム、海の貧酸素、貧血(鉄分不足)など、上流の人たちの生活が、地元の方々が守りたいと思っておられる里海にどう悪影響を及ぼしているかの話などが入りました。海の汚染や荒廃は、奥山以上に人々に見えにくいものです。志摩市は今も漁業の町ですが、いつまでも漁業が栄えるよう、山や川を昔の山や川に戻していかなければなりません。そして、里海に生きるすべての生き物たちに畏敬の念を持ち、手を合わせる謙虚な文化を、この町から保全してほしいと思いました。

講演後、志摩市のくまもり会員たちが、夕日が美しいので有名な大王町の岬を案内して下さいました。カメラマンでいっぱいでした。遠くに見える黒い山並みの中に、台形の山が見えます。あそこが、大台町だと教えていただきました。

市役所の方々や市長さんなど主催者の皆さん、現地の熊森会員のみなさん、大王町の美術館の案内係の方、みなさん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

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