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2011-11

本部 第12回 森再生活動  地元交流&都市市民による森再生ボランティア間伐 in 兵庫県千種町

地元の人たちの為にも、森の動物たちの為にも、全国の人工林で間伐が急務となっています。国が動いてくれるのを待っていたらいつになるかわかりません。とりあえず、国に働きかけを続ける一方、都市市民の間伐ボランティアを養成して、たとえ少しであっても、市民が間伐に乗り出す流れを、熊森は作っていこうとしています。

10月29日(土)~10月30日(日)、今回は地元交流も入れて、 1泊2日の日程で、くまもり森再生間伐を実施しました。

参加者の内訳は、宿泊組7名、当日組5名、総勢12名(うち、新規参加者4名)でした。兵庫県会員が中心ですが、岡山県1名と大阪府から2名の参加者がありました。

<1日目>

① 地元協力者の方に、地域の特徴、歴史、周辺山林など、大変興味深いお話をして頂きました。千種町は近畿地方で1番、水と空気がおいしい町なのだそうです。

② 夜の勉強会 スライドで地元の特徴を説明して頂きました。

<2日目>

この日はあいにくの雨でしたが、参加者の意気はとても高くて、間伐作業を行うことになりました。みんな、一生懸命作業にいそしみます。地元の協力者が、伐採木にあらかじめ赤い印をつけておいてくれたため、作業がスムーズに進みました。

①伐倒方向を定め、慎重にのこぎりをいれている様子。伐倒する際、最初に切る受口はとても重要です。

② のこぎりで切った切り株。みなさん真剣に学んでくださったので、おおまかな基本を理解して頂くことができました。

⑤ 間伐前の暗い林



⑥ 間伐後の山。まだ伐り足りない気がしますが、それでもかなり光が入り明るくなりました。参加者一同、達成感を得ました。

みなさん、お疲れ様でした。みなさんにご協力頂き、おかげさまで無事故で終わることができました。本当にありがとうございました。主催者としては、安全面を考え、今後は参加者定員を数名までにしぼる。チエンソー熟練者を増やしたいので、安全講習会や技能講習会を持つなど、いろいろ考えていく機会になりました。

次回の本部第13回森再生活動は11月5日(土)で、千種町での続きを行います。 定員7名、先着順です。参加していただける方は、本部までご連絡ください。

10月27日 兵庫県野生動物保護管理運営協議会への委員出席と傍聴 兵庫県は、クマに個体数調整を導入しないことに

兵庫県県民会館で午後1時30分から5時まで、兵庫県野生動物保護管理運営協議会が開かれました。

議題:①第11次鳥獣保護事業計画案(平成24年~29年まで)について

②クマ・サル・シカ・イノシシ各保護管理計画案案について(平成24年~)

膨大な資料が配布され、紙の厚さが約2センチでした。森山会長は、朝から3時間半かけたが読み切れなかったと言っていました。行政のみなさんの大変な御苦労を思うとともに、個々の動物についてここまで文書化する意味があるのだろうかという疑問も持ちました。尚、この会議の後は、審議会やパブリックコメントを経て、案が最終決定されていくそうです。

何人かの熊森スタッフが、傍聴を願い出ましたが、傍聴するには開始30分前に申し込んで、開会後30分後に入室なので、室外の待機時間が約1時間となります。次回から、もう少し待ち時間を短くして頂けたらありがたいのですが。また、会議は図表やグラフが話題になりますが、傍聴者には資料がもらえないので、議論の中身が分かりにくかったです。簡単でもいいので、傍聴者にも資料配布をお願いしたいです。メディアの傍聴は、残念ながら今回もありませんでした。森山会長が冒頭に、県民の税金でやっている会なので、会議の内容を以前のように文字化して県民が読めるようにしてほしいなどと3点の要望を行いました。文字化していただけることになったので、それを見て、詳しく意見を述べたいです。

また、これだけの膨大な内容ですので、3時間の会議では質問すら十分にできませんでした。残された質問は、今後、文書等で行いたいと思います。

尚、当協会が、鳥取県に次いで導入されないかと危惧していた、絶滅危惧種クマへの個体数調整捕殺は、兵庫県案では行わないとなっていました。兵庫県行政に感謝です。

10月22日 クマの体に触れないクマ調査法研修会(本部)

本部クマ部会のメンバーを中心に、本部近くの西田公園会議室に25名のスタッフたちが集まり、クマ研究者から、クマの体に負担をかけないクマ調査法を熱心に学びました。

野生動物を保護するためには、本来、生息推定数や適正生息数など必要ありません。私たちの祖先は、そんなことは誰も知りませんでした。しかし、広大な生息地を保証することによって、見事にかれらを守りかれらと共存してきたのです。しかし、1999年に研究者と捕獲業者が一緒になって当時の環境庁に、ワイルドライフマネジメントを導入させることに成功してからというもの、生息推定数や適正生息数などを出すために、野生動物を捕まえて残酷な手法で痛めつける調査が、学者の論文用研究や業者の仕事として誕生し、今や、これらが普通となり、研究者には研究費が、業者には仕事や利益が降りる利権になってしまっています。

当協会の活動は、戦後、人間が壊した動物たちの奥山生息地を復元して、人間との棲み分けを復活させ、共存を取り戻すのが目的ですから、正確な生息推定数や適正生息数の計算などは、人間が出せるものでもないし、出す必要もないのです。しかし、ワイルドライフマネジメントに利権を持つ人たちが現在次々と誕生し、学術捕獲だ有害捕獲だとして、クマなどの野生動物を捕まえ、全身麻酔をかけて、いじくり回しています。わたしたちは、野生動物に手をかける研究法など、倫理上認められないし、大型野生動物研究としては邪道であると考えます。研究が、時々相手を死に至らしめても、最近の研究者たちは平気なように見えます。

おかしい。どこかが狂ってしまっている。

どうしても調べたいのなら、研究対象に手をかけない方法で調べるべきだ。クマのような高等動物は考える力があるので、工業製品の物の様に無感情には動かない。よって、再捕獲法などによる生息推定数がどれほどの信ぴょう性を持つのか、はなはだ疑問です。本当は、自然界を数字で表す必要はないし、表すことも不可能。数字で表わしたら嘘になるのですが、一方で、どんどんと数字発表を行い、行政を取り込んでいくワイルドライフマネジメント派がいます。かれらの、クマがいっぱいいる発表に対抗するためには、熊森のこれまでの痕跡調査を、今後どうしていけばいいか。専門家の話を聞こうという事になったのです。

この日の研修会の中身は、すばらしく、クマ調査を行おうと思っているくまもり全スタッフに聞いて頂きたい内容でした。何らかの方法で、全国のスタッフの皆さんにお伝えしたいと思っています。

10月20・21日 第2回くまもり奥飛騨トラスト地ツアー報告 (岐阜県) ブナの実の9割がシイナ

本部スタッフ2名は、地元ペンション経営者にも手伝っていただきながら、13名のツアー参加者を、中部山岳国立公園内の岐阜県奥飛騨にある82ヘクタールのトラスト地にご案内してきました。

<1日目>

①午後1時、JR高山駅に集合後、スギの節あり家具づくりで有名な奥飛騨産業の工場見学にいきました。

従業員314名という広大な新工場内を岡田社長にご案内いただき、大喜びの参加者たち。岡田社長は、知る人ぞ知る、くまもり岐阜県の支部長なのです。

②奥飛騨クマ牧場

経営者の方と、いろいろお話できました。

③宿泊場所のペンションです。

山の実り凶作年には、クマが庭のシバグリの木にやってきます。去年は来ました。このあたりの人たちは、昔からクマとうまく共存しており、みんなでそっと見守っているだけだそうです。何の問題もないということでした。ちなみに今年は、クマが全く来ていないそうです。

<2日目>

①いろいろと説明していただきながら、紅葉鮮やかなトラスト地を見学。感動の連続でした。

ミズナラのドングリと、人間が食べてもおいしいブナの実を、少しお土産に持って帰りました。ブナの実を爪で開けてみてびっくり。9割が殻だけで、中身のないシイナだったのです。今年9月末までの岐阜県のクマの駆除数は50頭です。ブナの実がこんな状態で、クマたちは大丈夫だろうか。心配になってきました。

参加者一同、大満足の奥飛騨トラスト地ツアーとなりました。詳しい内容は、12月の会報で、会員の皆さんにお伝えする予定です。

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