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2012-11-20

八幡平クマ牧場に残された21頭のヒグマの今後の食糧支援

八幡平クマ牧場では、11月から、これまで病院などから頂いていた残飯給餌が全面的に中止されました。

 

現地からの情報によると、ツキノワグマたちは皆、与えられたドングリを、本当においしそうに食べていたそうです。しかし、ヒグマたちは、一応ドングリを食べましたが、ツキノワグマほどには、好物とは見えなかったということです。

 

八幡平に残されたクマたちは現在、ヒグマだけになりました。ドングリやクリは、クマがいちいち皮を外して食べるため、皮がたまって配水管が詰まる原因となります。同牧場では今後の送付はご遠慮願いたいということです。

 

歓迎する食料送付は、リンゴ、キャベツ、サツマイモ、ニンジンです。リンゴは、芯まで全て食べるので、配水管が詰まる心配はないということです。ジャガイモは食べない。カキは与えたことがないからわからないが、もしヘタを残すようであれば、県職員のみなさんが、へたを切り取って与えてみたいということです。

 

主食には、クマペレットとドッグフードを与えています。

 

八幡平クマ牧場では、今冬も、冬ごもりをさせない方針で対応するということでした。これまで冬ごもりをさせたことがないため、冬ごもりを初めてさせて死なせてはいけないからだということです。

阿仁熊牧場  クマ「行動展示」施設の構想 国内有数規模   11月20日読売新聞

周囲を広大な林野に囲まれた阿仁熊牧場(北秋田市で)

 

ヒ グマに襲われて女性従業員2人が死亡した鹿角市の「秋田八幡平クマ牧場」(廃業)に残っているヒグマ21頭について、県と北秋田市は、同市が所 有する「阿仁熊牧場」の敷地内の林野を電気柵などで囲い、野生に近い状態で飼育、展示する構想を固めた。「行動展示」型の施設としては、北海道旭川市の旭 山動物園が有名だが、実現すれば、クマの飼育施設では国内有数の規模となる。

 

関係者によると、構想では、同牧場敷地約2万8100平方 メートルのうち林野の一部を柵などで囲って飼う。餌やりをクマ舎で行う以外は自然の中で 飼育するため、クマ本来の生態を見ることができる。逃走防止のため、周囲を電気柵や、上部に「返し」が付いた壁で囲う。地面を掘って逃げるのを防ぐため、 境界の地中に壁を埋めることも検討している。

 

今年4月の事故では、ヒグマ6頭が運動場の雪山(高さ約3・3メートル)を登って脱走し、2 人を襲った。この6頭は射殺されたが、男性経営者 (68)は牧場を廃業し、残ったクマの扱いを県に委ねた。県は全国のクマ牧場や動物園で譲渡先を探したが難航。佐竹知事は一時殺処分も示唆したが、北秋田 市が受け入れを表明した。

 

県は今月初め、八幡平クマ牧場からツキノワグマ全6頭を阿仁熊牧場の既存施設に移したが、ヒグマ21頭は施設に余裕がないため、クマ舎の増築や林野を活用した施設整備などを検討していた。先月22日、同市側に構想を提示した。

 

県は12月県議会の補正予算案に、この構想を含む設計費を盛り込み、来年4月着工、来年夏の完成を目指す。

 

同市の津谷永光市長は「新施設は野生のクマの活動や生態が学べる施設が理想。クマの『ミニサンクチュアリ(小さな聖域)』になれば関心も持たれる」と歓迎している。同市幹部は「県と市で協議し、逃走の危険性を排除した安全対策を練りたい」と話した。

 

北海道新得町の「ベア・マウンテン」が、同様に約15万平方メートルの林野でヒグマ13頭を飼育しており、県の担当者は先月視察した。

(2012年11月20日  読売新聞)

秋田県の見解 死因はストレス

阿仁熊牧場に移送したツキノワグマ6頭のうち、オス2頭が死亡した件で、秋田県の見解は、死因はストレスということです。残りのオス1頭も衰弱が激 しかったようですが、秋田県のみなさんの夜を徹しての救命投薬や看護の結果、回復しつつあるということでした。ほっとしました。ありがとうございました。

 

今 回の移送にあたっては、八幡平クマ牧場の長崎さん、秋田県職員や担当獣医さん、阿仁熊牧場さん、みなさん最大限の愛情を持って、クマたちに対応して下さっ たと思います。それにもかかわらずこのような死亡事故が起きて、みなさん、どんなに大きなショックを受けられたことだろうかと、お察しします。夜中まで走 り回ってみんなで懸命の救命措置をとっていただいたということで、感謝に耐えません。

 

クマは、環境が変わるだけで、死にまで至るデリケートな動物であることが、今回よくわかりました。今後みんなで、このことを忘れないようにして、クマたちに接していかねばならないと思いました。

 

以下、さきがけ新聞より

阿仁移送のクマ2頭死ぬ 飼育環境の変化原

因か

  県と北秋田市は16日、ことし4月に従業員2人がヒグマに襲われ死 亡した秋田八幡平クマ牧場(鹿角市、廃業)から今月7日、阿仁熊牧場(北秋田市)に移送されたツキノワグマの雄3頭のうち、8歳と7歳の2頭が死亡したと 発表した。解剖の結果、死因は飼育環境の変化などによる急性腸炎とみられる。残る1頭(8歳)に下痢、嘔吐(おうと)の症状がみられ、北秋田市と県動物管 理センターの獣医師が治療している。8日に移送した雌3頭に異常は見られないという。

 

県などによると、15日午前7時半ごろ、8歳のクマ がおりの中で死んでいるのを飼育員が見つけた。7歳には下痢や嘔吐の症状があり、16日に抗生剤を投 与したが、同日午前9時ごろおりの中で死亡した。阿仁熊牧場で解剖した結果、争いなどによるけがは見られなかった。残る1頭は吹き矢で抗生剤を投与するな どして治療中。

 

雄3頭は阿仁熊牧場の広さ20平方メートルのおりに一緒に入り、他のクマとは接触していなかった。当初の健康状態は3頭とも良好。餌は秋田八幡平クマ牧場から持ち込んだクマ用ドライフードペレットとリンゴを同量与えていたが、初日から食べ残しはあったという。

 

県は飼育環境の変化や移送がストレスの原因になったとみている。北秋田市は感染症の可能性もあるとして詳しい死因を調べている。

(2012/11/17 10:20 更新)
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