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2017-06-26

兵庫県知事立候補者へのくまもり奥山アンケートの結果です 7月2日投票時のご参考に

兵庫県知事選挙に4人の候補者が立候補されています。

各候補者事務所に熊森協会本部より、次のようなアンケートをFAXで送らせていただきました。

 

<アンケート前文と質問事項>

兵庫県の中部・北部の奥山は、戦後の国策であった拡大造林政策により、スギやヒノキなどの針葉樹の人工林で埋められたままになっています。その結果、山からの湧水が激減しており、大変なことになってきています。また、奥山を生息地としていたクマをはじめとする野生動物たち(国策の第一次被害者)は生きられなくなり、人里に出て来て、地元の人たち(国策の第2次被害者)を困らせ、大量捕殺されています。政治は、この両者を救わねばなりません。

 当協会は、
①奥山スギ・ヒノキ林を林業用に間伐するだけではなく、自然林へ大幅に転換させて、野生動物たちが山に帰れるようにし、昔のように人と動物の棲み分け共存を復活させること、それによって
②次世代の水源を確保すること、
③野生動物を大量捕殺するのではなく、被害防除対策に予算を集中させることを願っています。本来の生息地を失っている絶滅危惧種のクマを、スポーツやレジャーとして狩猟対象にすることはやめるべきです。
④当協会のような民間自然保護団体が奥山問題に参画できるように、兵庫県立森林動物研究センターが持っている情報を隠ぺいせず、せめて他府県並に公開することを求めます。
回答者のお考えに〇をお付けください。

 

 候補者への質問

Q1、奥山スギ・ヒノキ林の自然林化について

1、大いに進める  2、どちらともいえない  3、多くの人工林を温存する

Q2、兵庫県がツキノワグマを狩猟対象としていることについて

1、狩猟禁止とする 2、どちらともいえない 3、今後も狩猟対象とする

Q3、兵庫県立森林動物研究センターの、他府県並情報公開について

1、他府県並に公開する 2、どちらともいえない 3、情報を公開する必要はない

 

コメントがありましたらお願いします。

以上

 

6月26日現在、全候補者より回答がありましたので、ご紹介します。(クリックするとPDFが開きます)

(回答受信順)

津川ともひさ候補

井戸敏三候補

勝谷まさひこ候補

中川ちょうぞう候補

 

 

(熊森より)

各候補とも、誠実にお答えくださっていると感じました。

候補者の皆さん、超多忙の中、本当にありがとうございました。

★熊森会員をはじめとする兵庫県民の皆さん、どうぞ候補者選びの参考になさってください。

 

 

東中国山地の奥山では動物がほとんど撮影されない、西中国山地もドーナツ化現象!

人里でクマが目撃される例が各地で年々増えています。

今年もすごい数です。

熊森本部にも、なぜこんなにクマがひんぱんに目撃されるようになったのかとの問い合わせの電話やメールが入ってきます。

かつて奥山に棲んでいた森の動物たちが、重大な訳があって、人里に生息地を移動していることが考えられます。

野生動物たちにこれまで起きなかった異変が起き始めた時、それは絶滅の前触れであると熊森はとらえています。

 

<東中国山地>

東中国山地の山中に約2か月間かけていた7ケ所のセンサーカメラを先日回収してみて、がっかりしました。

クマが写っていたのは以下のたった1度だけでした。(画面の下を歩いている姿が、5秒間ほど動画で撮影されていました)

 

シカ、キツネ、タヌキ、ネズミ、ウサギもごくわずかに写っていましたが、数が本当に少ないのです。

この奥山は、奇跡的に残された巨木の自然林です。

その中の約80ヘクタールの面積のを選びカメラをセットしたのですが・・・

これでは動物たちはほとんどいないことになります。

去年の同時期は、もう少し動物たちが写っていました。

カメラのかけ方が悪かったのだろうか。

何か不都合なことがカメラに起こったのだろうか。

不安になってきました。

 

<西中国山地>

広島の奥山原生林を調査されている金井塚務先生の、2017年6月21日ブログを読んで納得しました。

長文ですが、みなさんもぜひ、お読みになって下さい。

広島の原生林には、まだシカが入っておりません。よって、林床はササで覆われています。

現地調査に同行させていただいたことがありますが、東中国山地をフィールドとしているわたしたちには、まだ広島にはクマたちが住める環境が残っている!と、うらやましいかぎりでした。

しかし、その広島でさえ、なぜかクマは奥山からどんどん姿を消しているのです。

 

以下の文は、金井塚先生のブログから、一部コピーさせていただきました。

 

「いま根本的な対策(クマが暮らしていける奥山を取り返すこと)を講じなければ、早晩西中国山地のツキノワグマは絶滅の道をたどるにちがいない。これは再々指摘していることでも有り、今年度策定の保護計画にも触れていることなのだが、クマの分布域の拡大と中核的生息地での密度低下が生じている。つまり分布のドーナツ化だ。確かに都市部への出没は突然生じることではあるが、全体的なトレンド(生息状況の傾向)を考えれば何時どこへ出てもおかしくない状況にある。クマはもはや奥山の動物ではなく、集落周辺の二次林を主たる生息場所としている野生動物なのである。たまたま山に餌がなかったから出てきたという突発的現象ではないのだ。」

 

<熊森から>

人間は鈍感でわからないだけで、何か日本の森、否、元東邦大学教授の大森禎子先生的に言えば、地球上の森が、人間活動によって野生動物を育めなくなってきているのだと思います。

森の危機を知らせてくれている野生動物たちに感謝しなければならないのに、深く考えることもせず、今年も害獣として、大量捕殺し続けている日本の行政には胸が痛みます。殺すという一番簡単で卑怯な対応ばかり続けていたら、気が付いたとき、とんでもないことになってしまっていたとなるのではないでしょうか。

 

<日本奥山学会7月2日のお知らせ>

奥山研究は1円のお金にもならないので、研究者がほとんどいません。

もっともっと研究者たちが誕生して、なぜ、野生動物が山から出て来るのか、研究する必要があります。

7月2日の、日本奥山学会の研究発表会に、まだの方はぜひ参加申し込みをしてください。

 

 

 

 

 

 

 

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