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2017-06

6月1日 「とよ」のお世話に行ってきました よしず張り・プールの水替え・掃除・えさやり

今日は熊森本部職員3名と、お世話ボランティア5名の計8名で出かけました。

6月に入り、日差しも強くなってきますので、獣舎の上によしずを張ります。

 

現地到着後、まず最初に、サクランボでつって、「とよ」を寝室に閉じ込めました。

次に獣舎の上に登って、ヨシズ張りです。

落ちないように気を付ける

 

他のメンバーは、プールの水の入れ替え、寝室の掃除などを行いました。

 

プールが大好きなとよのためにがんばって水替え

 

寝室の掃除

獣舎の中には、フキやイチゴなど、様々な植物が生い茂っています。前回に引き続き、西獣舎の運動場で、イチゴを採集しました。

とよに食べてもらいたいと、イチゴを採集するくまもりボランティア

西側運動場には、2種類のイチゴが実っています。クサイチゴとセイヨウイチゴです。

今回も、たくさんのイチゴが、とれました。とよはたべてくれるでしょうか?

ほとんどがクサイチゴ。試食してみたらとても甘くておいしかった。

作業が終わってから、「とよ」を寝室から出してやりました。東側の運動場には、食べ物が並べられています。

イチゴ、ブドウ、モモ、ドングリ、バナナ、タケノコ、キウイ。

さて、「とよ」は、何から食べるでしょうか?

真っ先にイチゴをペロリと食べました。そして、そのあとすぐにブドウを食べ、モモを食べ、キウイを食べました。

ブドウを食べるとよ

この時期の野生のクマは、野イチゴや昆虫などを食べます。「とよ」は、野生の感覚で食べたかもしれません。

以前、「とよ」はお世話に来るスタッフを警戒し、走り寄って鼻息を立てて威嚇するなどの行動が目立ちましたが、最近はとても穏やかになりました。

お世話ボランティアのそばで、まったりくつろぐ「とよ」

 

クマは、本当に賢い動物です。人間と同じように、うれしさ、かなしさ、怒り、恐怖といった感情をもっています。

とよは、捕獲されてから、この獣舎に入るまで295日間も、暗く狭い檻の中で生活してきました。

その間、これからどうなるのかと、不安でいっぱいだったと思います。

しかし、毎日くまもりボランティアの皆さまや高代寺の方々が愛情たっぷりのお世話をしてくださったおかげで、ここまで人間に心を許せるようになりました。

皆様、いつも本当にありがとうございます。

 

野生で大人になったクマでも、愛情を持って飼えば、だんだん人間に心を開いてくることがわかりました。

まだの方は、「とよ」に会いに来てやってください。

 

 

 

 

7月2日 第6回日本奥山学会研究発表会 <聴講者募集中!>

記念講演:日本の天然林をどう守るか・・その法的手段を探る

講師:市川 守弘氏 (弁護士)

日時:2017年 7月2日(日)13時~17時

場所:関西学院大学 法科大学院 講義室(兵庫県西宮市上ケ原一番町1−155 )

定員:80名 資料代:500円(奥山学会員は無料)(学生無料)

 

日本で天然林を保護をするために必要な法的手段とは?違法伐採、過剰伐採に対する住民訴訟等の過去の事例より、国際環境法からのアプローチの可能性も含めてお話し頂きます。えりもの森訴訟、やんばる訴訟など自然保護訴訟を数多く手がけてこられた先生のご講演です。是非ご参加ください。

チラシ

 

昨年度第5回日本奥山学会発表会会場のようす

於:関西学院大学 法科大学院 講義室

5月23日 本部、人身事故報道を受け、お見舞いと事故調査に現地へ急行(兵庫県香美町)

朝日新聞デジタルニュース5月22日23時

「クマと倉庫で鉢合わせ 64才女性 足かまれる」

 

熊森本部職員は、翌朝ただちに西宮市を出発し、負傷された方へのお見舞いと事故調査のために現地に駆け付けました。

 

現地は、兵庫県北部のクマ生息地の山あいにある集落で、高速を使って片道3時間の距離です。

本当は、もっと会を大きくして、全国でこのような体制を組みたいと願っています。

なぜなら、わが国では負傷された方へのお見舞いは皆無、クマ保険なるものも存在しません。

たとえお見舞いの言葉を掛けるだけでも、させていただけたらと願っています。

事故が起きた、スギの人工林と田畑の境にある農機具小屋

 

負傷された方に現場を案内していただき、事故当時の様子をお聞きすることが出来ました。

『5月22日の午後2時ごろ、農機具小屋にホースを取りに入ったところ、暗い小屋の奥からの視線を感じて見上げると、クマがこっちを見ていた。

クマとの距離は3mくらいしかなかったと思う。その瞬間、クマが飛び出してきて、私を突き飛ばした。

1m~2mくらい飛ばされた後、クマは私に飛び乗ってきた。

クマの大きな顔が目の前にあった。クマは、私の太ももにかみついた。

その時、クマが小屋から飛び出した衝撃で、足踏み脱穀機が飛び出し、斜面をものすごい音を立ててゴロゴロと転がってきた。

この音にびっくりしたのか、クマはとんで逃げていった。』

 

軽傷でしたが、本当に怖かったと思います。心からお見舞い申し上げます。

 

この後、この場所及び周辺にクマを誘引するものがないか探し回りましたが、全く見当たりませんでした。

糞も探し回りましたが見つけられませんでした。クマはこの小屋で、単に休憩していただけなのかもしれません。

 

この地区で人身事故が再発しないように、お会いできた方々に、クマがいるかもしれない場所に行くときは必ず音のするものを携帯するか大声を出していただくこと、生ごみなどの誘引物を外に置かないようになどお伝えして歩きました。警察官もパトカーで巡回し、住民に注意を呼びかけてくださっているようでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事故現場の周囲

 

 

この後、現地には、兵庫県行政によって、クマ捕獲罠が設置されました。もしかかれば、100%の殺処分が待っています。

 

 

人間を負傷させたクマだから生かしておけないということなのでしょうが、同じ状況が起きたら、他のクマも同じことをする可能性があります。

 

宮澤正義先生によると、クマはその臆病さゆえに、人間を察知すると自分からさっと逃げる。

しかし、12メートル以内の距離で出会ってしまうと、人間から逃れられないと判断し、人間を前足ではたいたり人間に噛みついたりして攻撃し、人間がひるんだすきに逃げようとする習性を持っているということです。クマに人を襲う習性はありません。

共存するには棲み分けが必要です。

 

20年前、この地域で熊森の森山会長は当時の町長さんといろいろ話し合いました。

町長さんが、「クマもサルも、うちの町民だ。いて困ったことなど1回もない。ただ奥の国有林がスギの人工林にされてから、動物たちが山から出て来るようになった。これは困る。もう一度、あの山を自然林に戻して、動物たちが山に帰れるようにしてもらえたらありがたいな」と言われたそうです。(注:人工林は今も当時のままです。)

 

当時、NHKテレビが取材に来て、「クマって怖いでしょう」と、町長さんに何度か声をかけておられたそうです。しかし、町長さんは、何回聞かれても、「クマなんか何にも怖くない。やさしい生き物じゃ。ずっと共存してきた」とばかり言われるので、取材していた人は、「怖いと言ってくれないと、番組にならないよ」と言って、取材をやめてしまわれたということです。

 

そんな町での人身事故。胸が痛みます。

 

クマ生息地に住む狩猟歴40年の兵庫県の猟友会副会長さんによると、元々、兵庫県の猟師でクマを獲りたい猟師など一人もおらんということです。

なのに、兵庫県は、山の中にいるクマを狩猟をするように、狩猟者に呼びかけています。こんなことは、絶対にやめてほしいです。

クマはいっそう人間を恐れるようになり、人身事故が多発するようになると熊森は思います。みなさんはどう思われますか。

 

 

 

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