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2017-07

殺しても鹿害は減らない 予算は防除柵強化に!奈良市D地区訪問

今年7月から、奈良公園等を除く旧奈良市D地区で、農作物被害を軽減させるためとして、シカ駆除が開始されることになりました。

 

<今年7月から鹿捕殺が予定されている奈良市D地区>

A・B・C地区(奈良公園、春日大社境内・春日山原始林)の鹿はこれまで通り保護。D地区の東半分は山間地域で、そこに鹿が生息しており、今回、管理(=駆除)対象となる。

 

このようなことを決めたのは、「奈良のシカ保護管理 計画検討委員会」の答申を受けた奈良県です。

担当部署は、奈良県奈良公園室です。

いったいどれくらいの「鹿殺せ」の声が届いた結果なのか、電話で問い合わせてみました。

その結果、

1、平成26年に、5つほどの自治会からなる自治会連合から、天然記念物であるシカを駆除してほしいとの要望書が提出された。

2、平成29年に、C地区の自治体から、シカの被害に悩んでいるのでD地区(駆除地域)に入れてほしいという要望書が提出された。

ということです。

奈良県奈良公園室にはシカを殺すのはやめてほしいという声もいくつか入っているが、シカ駆除を進めてほしいという声の方が多いということです。

 

奈良の神鹿(しんろく)文化は、日本が世界に誇れる大型野生動物とのすばらしい共存文化です。これまでいろいろと人々が工夫し対策を練って、旧奈良市のシカは、戦後1頭も駆除されることなく今日に至っています。何とか今後も、このすばらしい伝統を守り通していただけないものでしょうか。これこそ自然保護の原点だと思うのです。

 

熊森は、D地区を訪れて現地を調査し、奈良市鹿害阻止農家組合の方を含む住民の方々の声も聴いてみました。

今回訪れた場所は、奈良市東部にある笠置山地の山間地域です。地元の方にシカの被害状況についてお話を伺いました。

 

Aさん

この地域では、10年くらい前からシカがよく見られるようになった。畑をノリ網などのネットで囲うようにしているが、ネットの隙間を見つけて柵の中にシカが入ってくることもある。シカを駆除できるならしてほしい。シカが棲んでいた周囲の山は、2~3年前よりナラ枯れが深刻。シカも山に食べるものがなくて、集落の田畑にやってくるようになったんだと思う。

周囲の山は、猛烈なナラ枯れ。大量のコナラが枯れていた。

 

Bさん

2~3年前からシカがよく出てくるようになった。でも、奈良の鹿愛護会が集落の周りにネットで囲いをつくってくれたから、集落内の小さな畑は、シカから守られている。

 

Cさん

シカの被害が深刻な場所は、ノリ網などで田畑を囲っている場所です。ノリ網のようなネットは、シカがかみちぎって穴をあけて中に侵入してしまうし、地面との固定が弱かったらネットの下をくぐって中にシカが侵入してしまいます。一方で、金網やワイヤーメッシュで田畑を囲っている場所は、シカもなかなか侵入できません。組合に加入している農家さんは、市からの補助金をうまく活用して複数の田畑をまとめて金網で囲い、各々の田畑は電気柵で囲って2重の柵をつくっておられるところもあります。さすがにそうしたところにはシカが入りません。

シカが増えているのならある程度減らさなくてはならないと感じています。しかし、金網の防鹿柵をもっと普及できれば、もっと被害を防ぐことができますし、天然記念物のシカも殺さずに共存できると思います。そのためには、他府県のように奈良県も国からの防鹿柵への補助金をとってほしいです。

ノリ網の防鹿柵。高さは2m近くあるが、シカに破られてしまうことがある

金網で囲われた水田。この防鹿柵で囲えばシカの被害はかなり少ないとのこと

 

(熊森から)

回の奈良県の計画にあるように、旧奈良市D地区でシカを120頭殺してみたところで、隣接する京都府などから新たな鹿が入ってきて、元の木阿弥となるはずです。このやり方では毎年鹿を殺し続けねばならず、倫理的にも費用対効果の面からも問題です。

今回現地を調査してみて、農作物被害を減らすためには、予算はシカ捕殺ではなく、防鹿柵強化に使うべきだと確信を持ちました。

地元の方の中には、1時間も時間をとってお話をしてくださった方もおられます。地元ではシカを見かけると「シカさん」と言われる方もおられるそうで、シカに対する住民の深い愛情が伝わってきました。

 

 

<熊森解説>

今回、捕殺対象となるシカはD地区のシカだけですが、これを認めてしまえば、いずれ、CBAへと捕殺対象が発展していくと思われます。

なぜなら、現在、同じ地球の仲間である野生動物の命を奪うことに何の心の痛みも感じない西洋思考の研究者たちが我が国に増え、その権威ある肩書で行政の諮問機関である検討会や審議会の委員や座長となり、専門知識のない行政に答申を出して、野生動物たちを殺さないできた祖先のすばらしい共存文化を破壊し、科学的計画的と称する西洋型管理文化に変えようとしているからです。

彼らの論理的根拠は、野生動物は放置しておくと数が増え過ぎるから人間が野生動物たちのために管理(=殺害)してやらねばならないというものです。

しかし、自然界は本来、どの生き物も増減を繰り返しながら長期的には絶妙のバランスをもって一定数に保たれるものです。彼らの主張は、この自然界の法則を無視した、いやらしいまでに傲慢な人間中心の自然観です。この自然観を広めれば、研究者たちには多くの仕事がもたらされるという利得があります。

 

彼らは見事に、日本の行政を野生鳥獣管理に転換させましたが、最後まで残った唯一の目の上のたんこぶが、天然記念物である奈良のシカだったのです。奈良公園の野生ジカに関しては(飼育鹿は省く)、一般財団法人奈良の鹿愛護会が長年にわたって毎年正確な頭数調査を続けてきました。その結果、1100頭前後をずっと推移しているだけです。しかも、旧奈良市の天然記念物奈良のシカは、戦後1頭も殺処分されずにここまできました。1985年以降は、地域によっては、地元から有害捕殺申請が出れば、シカの捕殺が可能になったにもかかわらず、1件の有害捕殺申請も出ずに今日まで来たのです。一切殺さずに鹿と共存されたのでは、管理派研究者たちの沽券にかかわります。何とかして、自分たちの主張を正当化させるために、神鹿のワイルドライフマネジメント導入に成功すべく、行政に圧力をかけたのではないでしょうか。わたしたちは、今回の天然記念物奈良のシカの頭数調整捕殺開始を、このようにみています。

 

奈良の皆さんには、権威や肩書のある人の主張に惑わされず、自分の目と頭でしっかりと何が正しい対応か判断していただきたいです。

 

農家の人達の鹿害被害軽減や精神衛生のためにも、熊森は、無用の殺生となるだけのD地区シカ捕殺の中止を奈良県に要望します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くまもり本部2017年7月度> 自然保護ボランティア募集(初参加、非会員も歓迎)

※拡散希望

熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。

会員・非会員に関わらず、多くの方々にご参加していただきたいです。

学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。

ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。

本部電話番号 0798-22-4190

本部FAX番号 0798-22-4196

メール contact@kumamori.org

 

2017年7月の活動予定

<皮むき間伐フェスタ>暗い森を間伐して、動物が棲める豊かな森を再生しよう

7月30日(日)9:30現地集合 10:00~16:00

内容:皮むき間伐、森の紙芝居、ネイチャーゲーム、ロケットストーブで炊き出し体験

参加費:ひとり600円(昼食のカレー代・保険代)

集合場所:酒井公民館(兵庫県三田市酒井212-2)

持ち物:帽子、飲み物、動きやすい服装、雨具、マイ食器(コップ・お皿)

当日連絡先090-3288-4190

  • 皮むき間伐は小学生以上であれば誰でもできる間伐方法です。真っ暗な放置人工林のスギやヒノキを間伐し、光を入れて豊かな森を再生していきます。1年でもっとも水分を吸い上げる今の時期が一番気持ちよく皮を剥くことができます。是非ご参加ください!

2017年6月3日 皮むき間伐

2017年6月3日 皮むき間伐

 

<自然保護CAFE> 自然を守る仲間になりませんか?

7月15日(土) 13:00~15:00

内容:自然保護に興味があるけどまだ参加したことない方、どんな活動があるのか分からない方など、熊森協会の自然保護をご紹介して一人一人に合った活動を楽しくお茶をしながらお伝えしていきます。これまでにボランティア活動に参加したことある方は体験談を話してもらったり、気軽に自然保護に関するお話ができればと思います。

場所:自家焙煎珈琲工房 ブルー ブルージュ(西宮市分銅町1-10)

※カフェをお借りするので1品以上のご注文をお願いします。

ブルーブルージュさんHPより

<いきものの森活動>森林整備

7月15日(土)苗畑のメンテナンス(兵庫県宍粟市千種町)

午前8:00に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください。

  • いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、誰でもご参加いただけます。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

天候不順で中止になることがあります。

当日連絡先090-1073-0980(担当:家田)

2017年6月18日いきもり風景

 

<環境教育例会(於:本部事務所)>自然の大切さを伝える

7月6日(木)10:15~ 見学も歓迎。

  • 小学校や保育施設などで、森や動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。

2017年4月11日 環境教育例会風景

 

<とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)>飼育グマのお世話

7月6日、13日、20日、27日(毎週木曜日)

  • 大阪府豊能町で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。

現地までの交通手段は本部にご相談ください。

2017年6月29日 とよのお世話風景

<太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石町)>飼育グマのお世話

7月23日(日)(毎月第4日曜)

参加費:1000円(交通費)

  • 和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。

午前8:30に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

2017年5月28日 太郎と花子のお世話風景

参加者がクマの背中を掻いてあげる

環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。

太郎と花子のファンクラブ以外は本部の車に乗車される場合、集合場所から現地までの交通費は不要です。

自車参加も可能です。

たくさんの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。

第5回ストップ・リニア!訴訟(東京地裁)参加報告ーJR東海の環境影響評価のずさんさが鮮明にー

昨年5月、国交大臣のリニア工事認可の取り消しを求めて738人が原告となり起こした「ストップ・リニア!訴訟」。

現在、リニア沿線予定各地で起きている、またこれから起こるであろう深刻な事態について、原告の県陳述が続いています。

これまで岐阜県、山梨県の原告の皆さんが意見陳述をしてきました。

 

2017年6月23日、第5回口頭弁論が東京地裁で開かれ、全国から約200名の傍聴希望者が集まり、入廷者の抽選が行われました。

 

熊森は毎回、本部リニア担当者をはじめ、何人かの会員が参加しています。

 

 

口頭弁論前の集会でリニア市民ネット・大阪からもアピール

 

<原告の陳述>

今回の陳述県は長野県で、リニア中央新幹線の中でも最も難関工事になると言われている南アルプス貫通トンネル掘削の最前線にいる大鹿村釜沢集落で自治会長を務める谷口昇さん、その西側の出口となる松川町在住「飯田リニアを考える会」の米山義盛さんが意見を述べられました。

 

<JR東海の不誠実な態度と環境影響評価のずさんさ>

「水が抜けて一体誰が損害を受けるんですか」

上は、谷口さんが、長野県大鹿村がリニア工事によって受ける水源の水量変化について質問した時にJR東海側が発した言葉です。

口頭弁論の中で、谷口氏は、JR東海の自然環境や住民に対する姿勢の不誠実さを述べられましたが、まさにその通りだと感じました。

 

また、JR東海による環境影響評価のずさんさは、これまでも何度も指摘されてきましたが、今回の口頭弁論では、その点がさらにはっきりとしました。

長野県内の地図を見せて金枝弁護士が陳述されましたが、JR東海の計画には、変電施設も保守基地も非常口も、駅もすべて「概ね」の位置が、同じ大きさの丸印で記されているだけなのです。具体的な形状も大きさも何もわかりません。このような計画で、環境への影響評価ができるとは到底思えません。

 

大鹿村では、小日影銅山跡があります。リニアのトンネル掘削工事が鉱脈にあたる恐れがあり、そうなれば、周辺の土壌や水質汚染が危惧されるとして長野県環境影響評価技術委員会が事後調査の要請をしていましたが、評価書には反映されていませんでした。JR東海は、住民だけではなく、長野県に対しても不誠実であることがわかりました。

 

<口頭弁論後、訴訟1周年記念講演とシンポジウム>

 

於:衆議院第1議員会館 180名参加

 

ジャーナリストの斎藤貴男氏が「暴走するリニア新幹線」という題で講演され、リニアがいかに国策にかかわっているのかといった大変重要なお話をされました。この講演は別の回でブログに掲載します。

 

<残土問題>

リニア中央新幹線工事は、日本のど真ん中に延々と巨大なトンネルを掘るわけですから、水脈分断以外に今後大きな問題となるのが、残土の行先です。行先が決まらなければ掘り進められません。各地で、残土置き場候補地が挙げられてくるはずです。昨今の集中豪雨に見舞わわれれば、残土置き場が崩れるのは明らかです。自分の地域が残土置き場対象となった時、いかに反対を訴え、阻止するかが、今後の鍵になるということでした

 

この集会には、日本自然保護協会の辻村千尋氏やJR労組からも出席があり、それぞれ、国際自然保護連合の決議により、他県への土砂移動ができなくなっていることや、コストカットや人員削減が進んで、地上でさえ安全輸送に不安があるのに、リニアの場合の事故は地下深くで起きるので、安全輸送は一層難しくなる等述べられました。熊森本部は、リニア工事によって森林破壊や森林劣化が起こり、水源の森が失われ、野生生物は生息地をますます奪われ、ますます殺されると訴えました。

 

 

 

事故があっても地域住民が困っても、国が原発やリニアを推進する理由を解明 斎藤貴男氏講演

リニア中央新幹線を走らせるためのすさまじい国土破壊を初めて知ったとき、この計画は経済大国日本の繁栄を快く思わないどこかの国が、日本が二度と繁栄できないように国力を落としてやろうと仕組んだのではないかと、一個人として感じました。黒幕はアメリカか?などとも考えてしまいました。

 

祖先から受け継いだ私たちの生存基盤であるかけがえのない自然豊かな国土を、修復不可能なまでに破壊する、そんな事業を日本人が進めるはずがないと思ったからです。

 

 

6月23日、衆議院第一議員会館で行われたジャーナリストである斎藤貴男氏の講演「暴走するリニア新幹線」で、斎藤氏は、何があっても原発やリニアを動かそうと考えている人たちの思考を解明してくださいました。もし、これが本当なら、私たち一般国民にも責任があるような気がしてきました。

 

<原発やリニアを動かさなければならないと考える企業人たちのその理由>

(斎藤氏講演の要約)

 

我が国では、今後、間違いなく少子高齢化が進みます。
どんどん人口が減り、空き家でいっぱいになっていきます。
日本国内に本社を置く大企業にとって、確実に内需が減ってきます。
企業規模を小さくすればいいのですが、企業人は絶対にそんなことは考えません。
内需がダメなら外需です。
今もたくさん輸出していますが、これからは、今程度の輸出量ではやっていけない時代が訪れます。

 

内需が減っても大企業がさらに売り上げ規模を拡大して成長し続けるには、他の先進国と競い合ってでも国を挙げて国外の需要を獲ってくる必要が生じます。
それが、インフラシステム輸出という国策なのです。

開発途上国に、鉄道・道路・橋・ダム・発電所こういう社会資本、すなわちインフラをコンサルティングの段階から、つまり極端な話、どこに首都を作って、どこに第2の都市を作って、都市計画はどうで、高速鉄道や高速道路で結び、どこに発電所を作り、どこに工業地帯を作り、通信網をどうするかなど全部を、設計・施工・施行に使う資材の調達や完成後の運営メンテナンスに至るまで、全て、官民一体のオールジャパン態勢で獲っていこう。これが安部ノミクスの柱のひとつで、民主党も推進してきた政策です。

 

このようにして海外を市場として日本企業を成長させ続けていくには、①海外における資源権益の確保  ②在外邦人の安全対策が必要となってきます。日本企業が海外でテロに巻き込まれる恐れも生じてきます。そのような場合、政府は、お国のために身を挺して闘ってきた企業戦士を軍隊で守ってやらねばならないと考えています。よって、集団的自衛権行使容認や憲法改正が必要となってきます。

 

民主党の管首相も、海外に原発を売り歩きましたが、安倍首相も同様にしています。この原発と密接な関係にあるのがリニア中央新幹線です。リニアの消費電力量は新幹線の3倍と言われていますが、ピーク時の消費電力は40倍だそうです。これだけの電力をどうして手に入れるか。原発です。

 

リニア関西延伸の前倒しが決まりました。名古屋まで2027年、大阪までが2045年となっていましたが、この度2037年と短縮されました。そのために国は財政投融資3兆円を手当てすると決めました。なんとか東京オリンピックまでに東京ー甲府間のリニアだけでも開通させたいと言っている代議士もいます。オリンピックで外国人要 人がたくさん来る。リニアに乗ってもらいその素晴らしさを体感してもらって、輸出につなげたい。原発だけではなくリニアの輸出もやりたい。すでにJR東海の葛西さんはアメリカへのリニアの売り込みを進めています。もしうまくいけば世界に売り込める。原発を次々と再稼働させているのはそのためです。

 

反原発の人は、原発が止まっていても電力がちゃんと足りた、夏のピーク時だって乗りきった、これからますます少子高齢化なんだから原発なんかいらないよと言います。その通りなのですが、リニアを動かすためには増やさなければなりません。原発をインフラ輸出していくためには、我が国では危ないから動かしていませんでは、買ってもらえません。福島第一原発事故があっても原発は安全ですという説明をするためには、日本国内でちゃんと動かせていなければならないのです。企業人たちにとって、日本国というのは、原発やリニアを売り込むためのショウルームなのです。誰もこういうことをはっきり言っている訳ではありませんが、私はそう実感します。

 

(熊森から)

原発もリニアも、狭い日本には必要ないのに、なぜ推進しようとするのか疑問でしたが、インフラシステム輸出のためと言われたら、納得できます。
戦後、もっと速くもっと便利にもっと豊かにと、国内をコンクリートで固めて自然を破壊し続け、日本は大金持ちの国になりました。自然破壊ほどもうかる仕事はありません。今後はこれを海外でも展開していくということです。海外の自然を破壊して、日本企業が儲けて成長していこうとしているのです。

 

折しも7月6日の産経新聞に、<「いずれ橋は落ちる」老朽化したインフラの崩壊リスク>という大切な記事が一面トップに掲載されていました。20年後、7割の橋が建設50年を超えるそうです。コンクリートの寿命は100年と言われます。そのうち、一斉に橋が落ち、トンネルが崩れる時代がやってきます。少なくなった人口で、全てをメンテナンスなどできません。私たちが1回も経験したことのない、コンクリート崩壊の恐ろしい時代がやってくるのです。リニアも、やがて大深度地下で崩壊し始めるときがやってくることでしょう。事故が続出し、分解不可能なコンクリートごみの山だけが国中に残ります。現代文明は優れているようでも、いいのは今だけ、100年後は最悪の世の中となります。

 

将来世代のことを考えると、インフラシステム輸出までして日本企業は儲ける必要などなく、人口減に合わせて企業規模を縮小していくしかありません。儲けるために海外に出て、テロや戦争に巻き込まれるよりずっといいと思います。私たち国民も、成長神話を企業に求めてはならないのです。

これから日本がめざさなければなら文明は、つつましやかだがみんな幸福というブータンのような幸福度No1で持続可能な文明でしょう。

 

 

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