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2020-09-01

もはや末期症状 クマたちが山から次々と出て来るその訳は

今、日本では連日、クマたち野生動物が食料を求めて人里に出てきています。

そして、害獣や危険動物のレッテルを張られ、罠や銃で片っ端から人間に殺されていっています。(殺すと役場からお金がもらえる仕組みができあがっている)

 

なぜ、日本のマスコミは目の前の現象だけを報道して、その背後にある原因に誰一人触れようとしないのでしょうか。その知性のなさには、信じられない思いがします。物事にはすべて原因があるのです。その原因とは、

 

奥山生息地から動物たちの食料が消えてしまった!

 

8月下旬、熊森は兵庫県のクマ生息地を調査しました。

放置人工林で埋まっているクマ生息地、人工林の中は茶色一色で動物たちの食料は皆無です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頂上にわずかに残された貴重な自然林の色が赤い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頂上付近を望遠レンズで撮影

 

ナラ枯れの再襲来です。

自然林の中のドングリの木々が、「ナラ枯れ」という現象で今夏枯れてしまい、真っ赤になっているのです。山の実りの豊凶を論じる前に、木そのものがなくなってしまっているのです。

 

 

近年、森の中から、

昆虫が消え、

液果の実りが消え、

堅果(ドングリ類)の木が大量に枯れていきます。

この傾向は年々ひどくなっていく一方です。

こんな山に誰がした?

 

拡大造林、

放置人工林、

奥山にまで縦横に張り巡らされた道路、

酸性雨、

地球温暖化、

農薬の空中散布、等々。

 

すべて人間活動が原因です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スギの人工林の前に1本だけ残っていた希望の星、クヌギ(ドングリの一種)の巨木も、今年のナラ枯れで枯れてしまっていました。

クマたちはこれを見て、もう生きられないと泣いていることでしょう。

 

集落周辺にかけた熊森の自動撮影カメラには、農作物を狙って、深夜、人間におびえながら夜な夜な出て来るクマたちが次々と撮影されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

熊森自動撮影カメラ8月14日

 

23時50分、あたりの様子をうかがいながら、そっとクマたちが農作物に近づきます。

でも、電気柵や金網に阻まれて、中に入れません。

 

生きるために食べようとした。彼らのしたことは死刑に値するほど悪いことなのでしょうか。

 

野生動物たちが喋れたら、人間は金儲けのため、自分たちの快適さと便利さのため、私たちの生息地を取り返しのつかないまでに壊し続けてきました。わたしたちには食べ物がないのですが、どうすればいいのですかと訴えることでしょう。

 

熊森スタッフたちは、農作物をクマから守ったり、クマと人の事故が起きないようにしたり、連日地元に泊まり込んで地元の手伝いに大汗を流しています。まさに、クマと人の攻防戦です。ずっとブログの更新も止まったままです。

 

 

専門家と呼ばれる先生方は、この異常現象に対して、

クマの生息推定数を毎年どんどん増加させていって、相も変わらず、

クマが増え過ぎている。

クマが人を恐れなくなった。

クマが人間の作物の味をしめたことによる現象であると説明されています。

 

じゃあと、行政のみなさんは、増え過ぎたと言われるクマの捕獲(=捕殺)指示に躍起です。

大量のクマ捕獲罠を仕掛けているだけではなく、山中のシカやイノシシ用の罠に誤捕獲されたクマまで片っ端から殺処分しています。(法違反)

 

イヌブナの実りもゼロ。

今年の山の食料のなさは、2004年(平成16年)の再来だと地元の方の声。

皮肉なことに、人里のドングリやクリ、カキなどはよく実っています。(人間はいいな、おなか一杯食べている)

 

リニアをはじめ、今も自然大破壊に国家予算をつぎ込み続け、自然破壊によって生きられなくなった野生鳥獣は大量殺戮してしまう。弱肉強食の典型国家。

わたしたち人間の倫理観はどうなってしまったのでしょうか。

私たち熊森はもはや、良識ある一般国民のみなさんに訴えるしかありません。

こんなことを続けていて、私たち、そして私たちの子や孫は幸せになれるのでしょうか。

他者の不幸の上に築いた幸せは、いずれ必ず破たんします。(完)

 

 

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