くまもりHOMEへ

くまもりNews

日本奥山学会 第5回研究発表会 7月10日

今年も参加してくださったみなさんに、大満足して帰っていただくことができました。

毎年、どなたに記念講演をしていただこうか、発表していただこうか、考えるのが大変ですが、発表者にも参加者にも喜んで帰っていただけ、スタッフ一同ほっとしています。

s-DSC_0052

関西学院大学法科大学院

 

記念講演: 多種共存の森―その仕組みと恵み
講師:   清和 研二 氏 (東北大学大学院教授)

s-清和先生多種共存の森 1000年続く森と林業の恵み

160710奥山G32

s-160710奥山G37

熱心な聴講者のみなさん

(感想文から)

・ご著書を読ませていただいての参加でしたが、未発表のデータもたくさんご紹介いただき、とても楽しかったです。今年も大いに勉強になりました。

・大学の研究者と市民研究者が毎年このような場で奥山の様々な事柄について発表し合っているのは、とても意義のあることだと思います。

・自然界は人間の都合で操れるような簡単なものではないことがよくわかりました。

・ご講演内容はもちろん、お人柄もすばらしいと感じました。ご自身の良心に従って、責任感を持ち、毅然と研究されています。こんな先生にこそ、環境省や林野庁の審議会委員になっていただきたいと思いました。

・もっと質問したかったです。

 

研究発表

「協働による環境共生型の森林管理のあり方―赤谷プロジェクトを事例として―」 伊藤純子氏

「巻がらし間伐の実践と効果」  松浦利重氏

「本州における野生グマの飼育と実践課題」  水見竜哉氏

 

当日の内容は、今後、学会誌にまとめさせていただきます。お楽しみに。

無慈悲なクマ狩猟再開を発案した兵庫県 ⑤みなさん、兵庫県のクマ狩猟再開に反対してください

クマたちには、餌場なし、逃げ場なし、隠れ場なし  

そこで、狩猟を楽しむ???のはどんな人

銃の前には、野生動物たちは、たとえクマであっても絶対弱者なのです。

 

 

兵庫県の山は、東北や中部と比べると山も浅く奥まで開発が進んでいます。クマ生息地は人工林が多く、わずかに残された自然林は一見緑豊かですが、内部は大部分で下層植生が消え大荒廃しています。

クマたちには、餌場も逃げ場も隠れ場もありません。こんな状態での狩猟再開はむごすぎます。

 

<春なのにササも下層植生もない兵庫県のクマ生息地内部>

①東中国山地の原生的自然林内部2016年4月23日午後5時22分

s-vlcsnap-2016-08-02-16h43m31s796

 

②近畿北部地域個体群の自然林内部2016年4月18日午前7時17分

s-IMAG0028

当協会の調査では、本来の奥山生息地にはほとんどクマがいません。この2枚の写真は、1か月間カメラをかけてやっと一瞬、山中横切るクマを撮影できた貴重な写真です。

一方、集落周辺にはクマが集まっており、クマ生息分布にドーナツ化現象が起きていると思われます。

 

s-DSC06328

以前、兵庫県の奥山自然林の林床は、ここ他県の奥山のように、人間の背丈より高い下層植生で覆われていた。2013年4月16日

 

狩猟を再開して奥山に潜んでいるわずかのクマまで追いかけ回わすと、彼らまで人里に出て来るようになり、地元にも生態系保全上にも、よくありません。クマ問題は、スポーツやレジャーとしての狩猟再開ではなく、生息地復元、被害防除、有害駆除で対応すべきです。(日本では、明治までの1200年間、狩猟禁止令がずっと出続けていました。西洋文明である狩猟が入ってきたのは明治です。)

無思慮なクマ狩猟再開を発案した兵庫県 ④県内クマ2個体群の推定生息数合計940頭に大疑惑・・・余りにも過大推定と統計学者が反論

クマは元々自然界で数のバランスがとれていました。人の入らない生息地であれば何頭いたっていいのです。

人間が個体数をコントロールしてやるなどという発想が、そもそもクレイジーで、自然が何かわかっていません。

自然環境さえ復元・再生できれば、自然界から出て行った人間に用はありません。

コンピューターで計算した兵庫県クマ推定生息数2群計940頭が独り歩きしていますが、この数にどこまで信憑性があるのでしょうか。800頭を超えたら狩猟すべきなどという決まりはどこにもありません。

そもそも、兵庫県の推定生息数の算出法が間違っているという専門家の指摘もあります。

<以下>

①第4回日本奥山学会 発表会

「最近のクマ類 個体数推定」

 

②兵庫県階層ベイズモデルによるクマ生息数推定批判 (統計学の観点からの追記)

「階層ベイズモデルを使った兵庫県クマ生息数推定に於ける問題」

無慈悲なクマ狩猟再開を発案した兵庫県 ③有害駆除と狩猟は全く別物

有害駆除:クマが山から人里に出て来て農作物に被害を与えるなど、人間側に被害があり、被害改善が望まれない場合にやむおえず殺す制度です。銃で撃ち殺したり、ハチミツを入れた捕獲檻やくくり罠を設置して、捕獲後クマを銃や薬で殺します。殺処分後のクマの体は、埋葬や焼却処分されることになっており、売買して儲けたりすることは許されません。

 

・一つしかない貴い命を奪うのですから、人間の側にも、クマを殺す前に、電気柵を張って田畑や養蜂箱を守るなど、クマ被害防止対策を取ったり、追い払いをしたりするなどの努力が求められます。人間が何も防除せず、クマによる被害が出たからといきなり殺すのは、ルール違反です。

 

・ハチミツ入りの罠を仕掛けてクマを捕獲する場合、何キロも先から匂いを察知して、被害を出したクマと関係のないクマがやってきて罠にかかることも十二分に考えられます。これではクマを山からおびき出していることになり、本末転倒です。

 

・一時期兵庫県では、ハチミツを使ってクマを捕獲することを禁止した時期がありました。(残念ながら、今は、使用可)

 

・全国的に、これまで冤罪で殺されたクマが、多数存在する見込みです。

 

 

狩猟:明治になるまでの1200年間、わが国では殺生が禁止されていましたが、明治に西洋文明である狩猟が導入されました。

人間がクマの生息地である山などに犬を連れて入っていって、クマを見つけて追いかけまわし、クマを銃で撃ちます。スポーツやレジャーとして自らの楽しみのために殺すのです。殺したクマは、獲物として、狩猟者の物となり、売買して儲けてもよいことになっています。

熊の胆(くまのい)が、漢方薬として金より高く売れるため、うまくいくと、熊1頭で熊の胆・肉・毛皮、計100万円のもうけとなるそうです。お金目当てでクマ狩猟を希望する人が、あとを絶ちません。

 

現在、クマを狩猟するために罠を使用することは、法律で禁止されています。クマにとってハチミツなどハチ関係の物は麻薬のようなもので、罠に使用すると、危険を冒してもやってくるため、獲りすぎてしまう恐れがあるからです。

 

・我が国には、生活するために許可を得て、やむおえず必要最低限のクマを殺してきた古来のマタギがあります。このマタギと狩猟は、全く別物です。現在、我が国に、クマを殺さねば生活できない人はまずいないと思われます。

 

・西洋は日本と違い長い狩猟文化があったため、密猟監視人などが整備され、狩猟者が暴走しないような取り決めが様々に制度化されています。日本には、残念ながら、現地で狩猟者を監視する制度がありません。狩猟者が法を守っているかどうか、狩猟者の良心に任されているだけです。これまで当協会が、クマ密猟の情報を得ても、行政も警察も現場写真がないなどを理由に、動いてくれませんでした。今後は、知事に訴えようと思います。

 

・現在、銃の性能が著しく向上し、高性能の望遠鏡までついています。そのため、クマを追いかけまわさなくても、遠距離から撃って殺すことが可能になっています。山の中にいるクマにとっては、人間の姿が全く見えないまま、銃弾に倒れることになり、何が起きたのかさっぱりわからないうちに殺されていく例も多いそうです。

 

・熊の胆が余りにも高価なため、暴力団の資金源になっている例が報道されたことがあります。

 

 

無慈悲なクマ狩猟再開を発案した兵庫県 ②狩猟再開理由と政策決定に至るしくみ

2016年度、兵庫県は、クマ目撃数増加の真の原因を隠し、ツキノワグマの推定生息数の中央値が※940頭

を超えたとして、残虐無慈悲な狩猟再開案を発表しました。

※(90%信頼限界691頭~1212頭、推定自然増加率中央値19.7%、豊凶により、15.5%~24.0%)

 

狩猟再開理由は、環境省が、800頭を超えたクマ個体群は安定という目安を発表しているからだそうです。

 

クマ狩猟再開がどのようにして決まっていったのか、担当部署に聞いてみました。

 

(1)データから始まる

兵庫県内クマ爆発増加、今年度県内ツキノワグマ2地域個体群推定生息数合計940頭のデータを出した人

  ・株式会社 野生鳥獣対策連携センター  代表取締役 坂田宏志氏

  本社:〒669-3811兵庫県丹波市青垣町佐治8番地2

  認定鳥獣捕獲等事業者:認定証番号(香川県第002号)

 

坂田氏は、元、兵庫県森林動物研究センター

〒669-3842 丹波市青垣町沢野940

メール:infowmi-hyogo.jp TEL:0795-80-5500 FAX:0795-80-5506

の研究部員でしたが、退職し、2014年に野生動物の捕獲等を行う会社を立ち上げられました。

 

兵庫県内には、東中国山地地域個体群と近畿北部地域個体群の2つのツキノワグマ個体群が東西別々に存在すると言われていますが、坂田氏はなぜか、合計推定生息数しか出しておられません。

彼は、階層ベイズモデルを構築し、目撃数と捕獲数を2大因子としてその他諸要素を加味し、マルコフ連鎖モンテカルロ法によって生息数を推定されたそうです。

他に兵庫県のツキノワグマ推定生息数を出した方は?

いないんだそうです!

たったひとりの推測データで、兵庫県の政策が決まっていく?!

怖いことに今、マスコミが940頭をまるで真実かのごとく取り上げ、数字が独り歩きし始めました。

 

 

(2)兵庫県庁農政環境部 環境創造局がクマ狩猟再開案を作る

 自然環境課

〒650-8567兵庫県神戸市中央区下山手通5-10-1(兵庫県庁1号館2階)

電話078-362-3463   FAX:078-362-3069 

E-mail: shizenkankyo@pref.hyogo.lg.jp

 

ただし、今年から、クマ狩猟再開案は、今春新設された新しい課が引き継いだそうです。

鳥獣対策課(塩谷課長)

650-8567 兵庫県神戸市中央区下山手通5-10-1(兵庫県庁1号館2階)

FAX:078-362-3069  E-mail:choujutaisaku@pref.hyogo.lg.jp

鳥獣保護管理班078-362-9084  被害対策班078-362-3463

(3)クマ狩猟再開案を認めるか認めないかは・・・最終的に知事が決めます。

知事がノーと言えば、狩猟再開案は消えます。

井戸敏三兵庫県知事秘書課

〒650-8567 兵庫県神戸市中央区下山手通5-10-1(2号館6階)

電話078-362-3009    FAX:078-341-2021  

E-Mail:hishoka@pref.hyogo.lg.jp

残念ながら、現在井戸知事は、担当部署の信頼する職員のレクチャーを受けたとして、クマ狩猟再開を認めておられます。

無慈悲なクマ狩猟再開を発案した兵庫県 ①これまでの兵庫県クマ対応政策の経緯

<1992年(24年前)絶滅寸前に>

兵庫県ツキノワグマは、戦後の奥山開発と拡大造林政策により、人間に奥山生息地を大破壊されてえさ場を失いました。食料を求めて人里に出て来ては有害獣のレッテルを貼られ、狩猟と有害獣駆除の2種で撃ち殺されて、絶滅寸前に陥っていました。

 

<狩猟禁止、有害獣駆除はOK>

わたしたちが大きく運動した結果、1994年に当時の環境庁が、1996年には兵庫県が、とりあえず、狩猟だけでも止めようと、「兵庫県ツキノワグマ狩猟禁止令」を出してくださいました。人里に出てきたクマを有害獣として捕殺することはこの後も認められ、現在に至っています。

 

<兵庫県民緑税で森林整備を開始>

その後、兵庫県は県民一人当たり800円の県民緑税の徴収を発案しました。当協会は林業整備だけではなく、野生動物たちが昔のように山で暮らせるように、えさ場復元のための事業にもこの税を使うという約束で、県民緑税の導入に協力しました。

2006年から県民緑税の徴収が開始されました。

 

<野生動物育成林事業に失敗>

兵庫県は、県民緑税の一部を、野生動物育成林事業に投入してくださいました。ある事業実施地を数年後、当協会が点検したところ、1か所約30ヘクタールの放置人工林に付き約3千万円ほどの多額のお金を投入したにもかかわらず、結果として、野生動物のえさ場は全く復元・再生されていませんでした。

現地はほとんどが元の放置人工林のままで、ほんの数か所、教室程度の広さの人工林のくり抜きがあり、広葉樹を植樹した跡はありましたが、シカに食べられて苗木が死んでいました。次の実施地も見てみましたが、野生動物育成林事業とは名ばかりで、実際はひどいものでした。

「詐欺ですね」とわたしたちが感想を漏らすと、県庁担当者も、「詐欺と言われれば詐欺ですが」と答えられました。

 

なぜこんなことになってしまっているのか、追及されねばならない問題です。県民緑税評価検討委員会の委員に当協会も入りたいと兵庫県に申し出ましたが、断られました。

 

いったん破壊した森の復元・再生の難しさを、人間は思い知らねばなりません。

 

<進む、残された自然林の大劣化>

この後、スギやヒノキの人工林だけの荒廃ではすまなくなり、残された自然林内でもナラ枯れやササ枯れが猛威をふるうようになりました。地球温暖化が原因という研究者もいますが、よくわかりません。バランスを崩して増えたシカが下層植生を食べてしまうという食害も、目を覆うほどの惨状で広がっています。

以前にも増してクマが山から出て来るようになり、集落周辺に住み付くものも出てきました。

 

<地元の悲鳴と、焼け石に水の公共事業>

地元の皆さんは、悲鳴を上げておられます。

兵庫県としては、集落を田畑ごと囲う金網柵や電気柵の設置を進めています。おそらく被害防除対策としては、見たところ全国一、力を入れてくださっています。

 

また、バッファゾーン造りと称して、集落に野生動物たちが近づきにくいように、放置されてうっそうと茂っている集落裏の山の刈り払いも進めてくださっています。しかし、地元はどこも過疎化高齢化しており、私たちが見回ったところ、県の事業は地元にとってはありがたいのですが、焼け石に水の感があります。

 

<保護政策が実ってのクマ数増加>

兵庫県は一時期、全国一のクマ保護県としての名をはせました。その結果、クマの生息数は以前より回復してきていると思われます。クマの場合、何頭いるかということは、一般に考えられるほど簡単ではなく、人間の能力では数えることは不可能です。あくまで推察ですが、私たちは、現在300頭ぐらいいるのではないかと思っています。しかし、増えたことを、手放しで喜べません。なぜなら、集落周辺の農作物や、山に大量に放置されたシカの死体に依存しての増加かもしれなのです。

 

つまり、安定的な増加ではないのです。

昔は何頭いたのでしょうか?…誰にもわかりません。

何頭いたら適正なのでしょうか?…人間にはわかりません。山の実りの変化などに合わせて増減を繰り返しながら、自然界が安定的な生息数を決めていたはずです。

 

このような状況の中、2016年3月、兵庫県が、残虐無慈悲なクマ狩猟再開案を、西日本で唯一出してきたのです!!!

狩猟再開???いったい誰が望んでいるのか???

 

p.s 兵庫県猟友会長のお話では、猟友会がクマ狩猟の再開を要望したりお願いしたりした事実は一切ないということです。それよりも、クマたちはこの20年間、自分たちは狩猟されないと安心しているので、突然の狩猟の再開で獲られすぎてしまうのではないかと、大変危惧されておられました。

 

8月9日の環境審議会を待たずに、兵庫県ツキノワグマ狩猟解禁記事の怪

今年度の兵庫県環境審議会鳥獣部会が8月9日に持たれるそうです。

井戸知事や県担当者からは、この審議会の審議を経て、兵庫県がクマ狩猟再開をするかどうか決まると聞いていましたが、すでに新聞紙上には、兵庫県ツキノワグマ狩猟解禁決定報道記事が出ています。

(以下、7月2日読売新聞より)

DSC06259

上の新聞に掲載された、兵庫県森林動物研究センター研究部長横山真弓氏のコメントは、以下

「数が増え人里に頻繁に現れ始めた。狩猟でプレッシャーを与える必要がある」

 

(熊森から)

常々、横山さんに言わせると、兵庫県の奥山は今とても豊かで絶好調なのだそうです。

クマは、人をなめたり農作物の味をしめたりして里に出て来ているのだそうです。

クマ狩猟というのは、銃でクマを撃ち殺すことですが、横山さんに言わせると、

撃ち殺すこととプレッシャーを与えることが同義語なんですね。

クマたちが聞けば泣くでしょう。

誰だって撃ち殺されたくなどありません。痛いよー。

ここまで「自然」や「他生物の命」がわからない人が、兵庫県のクマ政策を進めている。

恐ろしくなります。

 

兵庫県の野生鳥獣担当部署である兵庫県森林動物研究センターに電話(0795-80-5500)して、センター責任者の方に、どうなっているのかたずねてみました。

担当責任者の答え:新聞記者が勝手に書いた。迷惑している。

 

●兵庫県の政策決定に重大なる疑問

しかし、7月16日の産経新聞にも、8月の県環境審議会鳥獣部会での審議をへてクマ狩猟再開を正式決定する予定と書かれています。審議会で審議する前に決定しているのなら、何の為の審議会でしょうか。協議会であれ審議会であれ、開催して学識経験者たちの意見を聞きましたというポーズだけで、開催前から結論は出ており、結論を既成事実として、開催前から報道していくのなら、兵庫県の方針は、いったい誰がどこで決めているのかということになります。これってみなさん、おかしいと思いませんか?行政にくっついて行政を動かしている表に出て来ない勢力のやりたい放題ですね。

 

クマを狩猟(=スポーツやレジャーとして、山の中を追い掛け回してクマを撃ち殺す)して楽しみたいと思っている県民が一体何人いるというのでしょうか。人間に何もしていないのに、一方的に殺されていく動物たちの痛みや恐怖、悲しみを思いやれる多くの県民・国民の声を、兵庫県は真摯に聞くべきです。

 

●行政発表しか書かないマスコミの報道姿勢も大問題

また、新聞社の報道姿勢にも、大きな問題があります。一方的な行政発表ばかりを記事に書いており、ツキノワワグマ生息推定数940頭に科学的根拠はないと主張している当協会のような自然保護団体の声は一切報道していません。反対・賛成、双方の言い分を書いてくださらないと、県民や国民は何が真実か考える力を失っていくと思います。みなさんどう思われますか。

 

保護で増加のツキノワグマ 11月に狩猟解禁見通し 兵庫

<以下、7月16日産経新聞>

保護で増加のツキノワグマ 11月に狩猟解禁見通し 兵庫

 兵庫県内で絶滅のおそれがあるとして保護してきたツキノワグマについて、県が11月から部分的に狩猟を解禁する見通しになった。平成27年当初の推定生息数が約940頭で、県のツキノワグマ保護計画で「800頭を超えれば狩猟を解禁」に該当するうえ、人に危害を与える恐れも高まったため。ツキノワグマの狩猟が解禁されれば20年ぶりで、8月の県環境審議会鳥獣部会での審議をへて正式決定する予定。

県のツキノワグマ保護計画(27年5月〜29年3月)では、推定400頭未満なら可能な限り殺処分しない▽400〜800頭では原則殺処分▽800頭を超えれば狩猟も解禁−としている。

県森林動物研究センター(丹波市)の調査で、27年の県内推定生息数が約940頭まで増加。狩猟が解禁されると、期間はツキノワグマの冬眠前の11月中旬ごろから1カ月程度となりそうだ。

同センターによると、8年度に県内の推定生息数が100頭を切ったとして狩猟が禁止。15年度には県レッドデータブックでAランク(絶滅の危機に瀕(ひん)している種)に指定されたが、保護対象となったことで推定生息数は順調に回復し、23年度には約650頭になったとして、県はAランクからBランク(絶滅の危険が増大している種)に変更した。

生息数の回復に伴い、住宅地などでの目撃・痕跡情報が13年度に118件だったのが、26年度には831件に増えた。人が襲われてけがするケースも8〜23年度で計16件発生。今年6月には豊岡市や朝来市で目撃情報が相次いで寄せられ、警察などが警戒に当たるなど緊張が高まっている。

6月30日 本部 冬水田んぼ(自然農)の田植えに参加 兵庫県朝来市

農業は、何よりも大切な国民の基本産業です。

戦後の農業は、自然の恵みと人力だけで作物を収穫してきた以前の農業から、農協の指導の元、効率的な農業に転換されていきました。農家はお金を使ったり何百万円という借金をしたりしながら、田畑に化学肥料や農薬を大量に投入し、機械を買い、農作物以外の自然界の生き物たちを消し続ける農業を続けてきました。その結果、大切な土壌がダメージを受けてしまいました。

 

自然と共存する農業にもどそうという農家の動きが、各地で起きて来ているそうです。(「リンゴが教えてくれたこと」(木村秋則著)より…この本は、国民皆読書にすべくすばらしい内容だと思います。)

 

自然農にもいろいろなやり方があるようですが、今回は、雪深い山間で、冬水田んぼで収穫を上げておられる方の田植えに参加させていただきました。

DSC06183

化学肥料ゼロ、農薬ゼロの田んぼですが、毎年それなりの収穫があるそうです。

 

田んぼの中はオタマジャクシでいっぱいでした。私たちが田んぼに入ることによって踏んでしまわないか心配でした。

「の」の字を書くように泥に穴をあけて、苗を植えていきます。ぬるっとした泥の感触がとても気持ちいいです。

 

田植えの前に、農家の方からいろいろと講義をしていただきました。とても勉強になりました。

戦後の機械化農業は、石油変換農業だったと言われていました。できた米粒は、石油を燃やすことによって得られた食料です。石油は限りある資源ですから、いずれなくなります。持続可能な農業ではありません。

 

地球の自然と太陽エネルギー、人力だけで生産できる農業に戻して行けるように、たとえほんの少しであっても人力を提供してみようと思われる方はおられませんか。本部までお知らせください。次回本部が参加させていただく作業は、草取りです。

「クマを呼び寄せない対策を地元で」青井俊樹岩手大名誉教授の呼びかけに、くまもりも賛同

<以下、岩手日報6月14日より>

クマ出没 県内急増

ツキノワグマの出没情報が本年度、県内で増加している。県によると4、5月に各市町村へ寄せられた出没情報は前年度比178件増の567件で、過去5年で最も多い。人身被害も相次ぎ、今月7日までに8人が重軽傷を負っている。昨年のブナの実の豊作で個体数が増えているほか、里山の減少でクマの生息域が拡大しているとみられ、夏から秋にかけて一層の注意が必要だ。

 

4月に寄せられた出没情報は133件(前年度比31件増)、5月は434件(同147件増)だった。市町村別で4、5月の合計が最も多かったのは一関市の98件で、58件の花巻市、45件の奥州市が続いた。13日も県内で17件の出没情報が寄せられるなど今月もクマの出没が続いている。

 

今の時期は餌となる山菜のシーズンが終わり、餌を求めてクマの活動範囲が広くなる。出没情報の増加は、県などによると昨年ブナの実が豊作で雌の栄養状態が良かったため出産数が増え、個体数が増えていることが影響しているとみられる。

 

また、青井俊樹岩手大名誉教授(野生動物管理学)は出没情報増加の要因として「人とクマの生活環境の近さ」を指摘。下草を刈り払うなど人が手を加えた里山が減り人里とクマの生息域の緩衝地帯が少なくなったことや、過疎化が進んで人里の騒がしさがなくなったことでクマが人里のすぐ近くまで生息域を広げてきているという。

 

青井名誉教授は「出没情報の増加の傾向は今後も続くだろう」と強調。今年はブナの不作が予想され、夏から秋にかけてクマが餌を求めてさらに活動範囲を広げる恐れがあるといい、「クマを呼び寄せない対策が求められる。餌となる収穫後の農作物や生ごみを野外に放置しない事などを地域として取り組んでいく必要がある」と、呼びかける。

 

(熊森から)

西日本と東北地方では山の荒廃状況がかなり違います。しかし、上記記事下線部分は、全国共通です。

 

くまもりが主張している大型野生動物と人との共存というのは、当然、棲み分け共存のことであり、そのためには、人里とクマの生息域の緩衝地帯(バッハゾーン)造りが不可欠です。

そのためには、山と集落の間の草刈りが必須ですが、農村では圧倒的に草刈り人員が不足しています。雇用を生む仕事として、また、都市ボランティアの活動として、草刈りを進めなければならないと思います。草刈は大変なので、牛を放牧して草を食べてもらっている例もあります。

青井先生のご提案は、クマをいかに殺すかではなく、クマとの共存の為に人間もやらねばならないことがあることを県民に呼びかけておられ、すばらしいと思いました。

 

どんな問題であっても、人間は、他生物に対する生命尊厳思想と、自然に対する畏怖と畏敬の念を失ってはならないと思います。わたしたちの祖先の文化を継承していけば、持続可能な社会が構築できるのです。

 

 

 

 

クマ目撃急増も狩猟解禁せず…鳥取では保護対象

<以下読売新聞7月8日記事より>

クマの目撃情報や負傷事故が相次ぎ、鳥取県が対応に苦慮している。

 6月には鳥取市内の小学校の裏山で確認されるなど、今年は7日現在の目撃情報が59件に上り、昨年同時期(29件)に比べて大幅に増加。全国では狩猟を解禁する動きもあるが県内では保護対象で、正確な生息数の把握が困難として踏み込んでいない。一人ひとりが、クマと遭遇しないための注意が必要だ。

 クマの被害は全国で多発しており、秋田県では5~6月にクマに襲われたとみられる死亡事故が4件続いた。県内でも5月に若桜町の山中でランニングをしていた男性が襲われて指を骨折。6月には捕獲したツキノワグマをおりに入れる際、作業員2人がかまれる事故も発生した。

 県内を含む東中国地域のツキノワグマは環境省の「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定され、県のレッドデータブックでも「絶滅危惧2類」(県内で絶滅の危険が増大している種)とされている。

 県は2007年に保護管理計画を策定し、狩猟を初めて禁止。現在は、目撃情報があれば花火で追い払うなどし、捕獲しても原則は山奥で放す。人が襲われたり、たびたび果樹園などに被害を与えたりする場合のみ、殺処分することが決まっている。

 全国的な被害を受け、兵庫県は今年、20年ぶりにツキノワグマの狩猟を解禁する方針を打ち出した。同県森林動物研究センター(兵庫県丹波市)によると、東中国地域では近年ツキノワグマの目撃、捕獲件数が増加。同県では昨年度の推計頭数が940頭で、保護管理の目安である800頭を超えたという。

 一方、鳥取では解禁に慎重だ。過去の目撃件数や捕獲数などから推計200~400頭が生息するとみられるが、正確な数は不明。県は「狩猟解禁で一気に数が減る可能性もある。すぐに踏み込んだ対応はできない」とする。今年度は保護管理計画の見直し年度だが、狩猟を解禁する予定はないという。

 同センターによると、7月はツキノワグマの繁殖期で、オスの行動範囲が広がったり、親離れしたばかりの若い個体が人里に出てきたりするという。担当者は「クマは臆病な性格で、鈴やラジオで音を出しながら行動すれば基本的には近づいてこない。山中でヤブの中に入らないなどの対策を取ってほしい」と呼び掛けている。

フィード

Return to page top