くまもりNews
熊森が兵庫県築谷尚嗣環境部長と30分間面談
熊森は兵庫県庁を訪れ、築谷環境部長さんにお忙しい中、申し訳なかったのですが、30分間、話を聞いて頂きました。課長さん達も、同席してくださいました。
(結果)
兵庫県のクマは激増ではなく、2010年の大量捕殺によって激減しているのではないかという私たちの話は、森林動物研究センターの研究員から聞いている話と全く違うということで、一蹴されました。ただ一つ、野生動物育成林事業が、名目通り野生動物の餌場づくりになっておらず、県民への詐欺であると言う申し出に対しては、平成24年度からはきちんとやると約束してくださいました。
兵庫県にたくさんいると言われているクマたちが、どこにいるのか教えて貰おうと思って行ったのですが、やはりこれは、森林動物研究センターの研究員に聞かなければだめだと言うことが判りました。
熊森は、次、研究員に会いに行かせてもらって、いろいろ教わろうと思います。
30分はあっという間で、いろいろ聞きたいことも聞けずに帰ってしまいましたが、お忙しい中、お時間を取ってくださったみなさんには、お礼申し上げます。ほんとうにありがとうございました。
<以下は、兵庫県農林水産部築谷尚嗣部長に提出した要望書です>
要望書
日本熊森協会
●野生動物の命を大切にする兵庫県に
今の兵庫県は、有害駆除や個体数調整、シカ肉有効利用など殺処分ばかり 推進しているようにみえる。これまで種の大量絶滅をもたらしてきた西洋文明手法を、日本の野生動物対応に取り入れないでほしい。野生鳥獣に生息地を保障し・生息地を再生し、防除を推進し、棲み分けによる共存を復活させるべきだ。動物たちに耐えがたい負担を与えている学術研究捕獲を止めること。
1、森林動物研究センターは兵庫のクマが激増というが、ドーナツ化現象を加味しているか。
・京都府のクマ捕獲数推移資料・・・クマが絶滅しかけているように見える。隣接県でこのような真逆の相違はあり得るのか。
・熊森の痕跡調査では、クマが激増しているとは思えない。集落周辺の痕跡は新しいが、本来の生息地には、古い痕跡が目立つ→本来の生息地に、なぜかクマが棲めなくなっている。
・2011年度のクマ推定生息数の訂正幅が大き過ぎる。科学的推定というのは、こんなにあいまいなものなのか。
・野生動物保護管理審議会に熊森を入れてほしい。
2、クマたち野生動物に安心して住める場を保障してやってほしい。
・人間が奥山に入り過ぎている。氷ノ山の入山制限を。
3、エサ場復元を本気でやってほしい。
①クマ生息地の人工林率が高過ぎる。奥山は強度間伐により広葉樹林に戻すべき
人工林率…宍粟市73%、養父市61%、朝来市66%、豊岡市43%、
香美町43%、新温泉町45%
②ナラ枯れ対策 ミズナラやコナラが大量消失している。
③落葉広葉樹林における下層植生喪失対策 シカや温暖化により下草大量消滅
野生動物育成林事業の欺瞞性 1か所2千万円~4千万円。1か所につき、700万円が調査会社に渡っている。
実のなる木の植林が微小すぎる。<事業検証委員会に熊森を入れてほしい。>
4、読売新聞11月1日論壇主張のように動物管理官に予算を投入(=頭数調整=捕殺)するより、生き物たちの命を大切にする生息地復元や防除にお金を使ってほしい。
・ワイルドライフのマネジメントなど、人間には不可能。できると思っている人は、自然がわかっていないのではないか。
・第一、クマが何頭いるか絶対にわからない。
・適正頭数が何頭か、これも人間には絶対にわからない。
5、森林動物研究センターが知り得た情報を、保護団体に公開すべきである。
・当協会は、GPSからわかるクマ生息場所、捕殺されたクマの理由・詳細データなど欲しい。
・岡山、京都、滋賀は徹底したクマ保護体制をとっており、今年のクマ捕殺数はそれぞれ0頭、2頭、1頭なのに、兵庫のクマ捕殺数15頭、誤捕獲23頭(放獣)2012年10月末現在で、何故原則殺処分なのか。
6、外来動物の根絶殺害が無用の殺生になっている。防除に予算を回すべきだ。
兵庫県に本当にクマが649頭から下方訂正した値506頭(中央値)もいるのか? 熊森自動カメラ設置結果
くまもりはこれまでクマを驚かせたくないので、痕跡調査しかしてきませんでした。保護するためには、それで十分なのです。
しかし、行政のみなさんに話を聞いていただくには、痕跡調査ではだめだということがわかってきました。
そのため、今年、くまもり調査研究部は、これまでクマのその年の新しい痕跡を何度か見てきた数カ所の山で、クマを驚かせ
ない程度に、自動カメラを2台を数回設置してみました。
春
3週間後回収して調べてみると、何も写っていなかったり、いつかの夜やってきた2頭のシカだけだったり、昼やってきたひとりのハンターだけだったりで、動物たちが、シカさえも!このような場所からいなくなってしまっていることが分かりました。
うーん、動物たちはみんなどこへ行ってしまったんだろう。以前は、ドングリを運んでやると、飛ぶように動物たちが食べてくれた場所なのに、今回は、置いたドングリがどこもそのまま残っていました。絶対にクマの写真が撮れると思ったのに、いったいどういうことなのか。
2010年の山の実り大凶作年に、70頭という大量のクマが有害駆除されてしまったからだろうか。今年からは、クマが増え過ぎているとして捕獲原則殺処分で15頭も殺されてしまったので、もうほとんどクマが残っていないのではないか。ウサギが消えて久しいが、タヌキやキツネまで写っていない。なぜかわからないが、これまでいた場所から、動物たちは移動したか、消えてしまったかしている。
兵庫県は、現在、クマが激増したとして、クマを絶滅危惧種のAランクからBランクに落としただけではなく、近い将来、800頭を越えたら狩猟を再開するとまで打ち出しています。行政の方は、兵庫県にクマはいっぱいいますよといつも言って下さるのですが、いったいどこにいるのだろう。謎は深まるばかりです。今年夏、集落の裏で、今年のクマの痕跡を少し見ることは見ましたが。県の環境部長さんに聞いてもらおうということになりました。
12月18日兵庫県香美町で倉庫内にいたクマ射殺 クマの一時預かり施設が必要!
神戸新聞記事で知りましたが、何とも胸の痛む話でした。
このクマは12/15、除雪作業中の女性の背中をさわったそうです。
12/17には、近くの集落でゴミをあさっていたそうです。
12/18倉庫の中で寝ているのが見つかったそうです。
倉庫の中で3時間動かなかったので、「住民に危害を及ぼす恐れがある」と判断され、射殺されたそうです。痩せてガリガリだったということです。メスでした。
「なぜこのクマは、殺されねばならなかったのですか」
熊森は、地元の方に聞いてみました。
支部のみなさんも、殺されたクマ一頭一頭について、地元への聞き取りをお願いします。
それぐらいしないと、クマの絶滅は止められないと思います。
熊森から
何らかの理由で、冬ごもり前の食い込みが出来なかったため、冬ごもりが出来ず、雪深い香美町をさまよって歩いていたのだとおもいます。女性の背中を触ったのは、何か食べ物を下さいということだったのではないでしょうか。倉庫の中で3時間動かなかったら、なぜ、住民に危害を及ぼす恐れがあることになるのかわかりません。倉庫にいることを人間に発見されて、見張りが付けられていたのです。もうどこへも行けないのではないでしょうか。それこそ、倉庫の外に出て行けば、人を襲う恐れがあったとか言われ、即射殺されたと思います。
もし、わたしがこのクマだったら、どんなに悲しかっただろうかと思います。本部にはドングリのストックがあるので、持って行って食べさせてやりたかったです。このようなクマを保護する施設が兵庫県には一箇所もありません。
兵庫県森林動物研究センターについて
旧青垣町の広々とした敷地内にある兵庫県森林動物研究セン ターは、わたしたち一般県民の話をよく聞いてくださっていた貝原知事さんの時代に、野生鳥獣の保護センターとして建設計画が進められていました。ところ が、平成13年7月に、貝原知事が引退されると、突然、研究センターにすると県担当部署官が言い始めました。その時のことは、今もはっきり覚えています。
熊森「そんなあ・・・兵庫県森林動物保護センターですよ」
兵庫県「いいえ、研究センターにします」
熊森「研究だけではおかしい。せめて、名前のどこかに保護という言葉を入れてください」
熊森は、検討委員会で、ひとり必死で抵抗したのですが、突然この時、研究センターにされてしまいました。(ガーン)訳が分かりません。
セ ンターには大きな冷凍庫が設置され、殺されたクマたちが運び込まれます。研究者の先生たちが、クマを何十頭も解剖し続けておられます。わたしたちが中を見 たいと訪れた時、玄関以外は入れませんと断られました。どういう力関係で、突然方針が変えられたのか知りませんが、熊森の力不足で、「野生動物ふれあいの 郷公園(仮称)」で、計画が進んでいたのに、わたしたち県民が望みもしない「研究センター」に変えられてしまったのです。唖然でした。
今、兵庫県に必要なのは、クマの研究ではなく、クマの保護や、クマと のふれ合いだと思います。熊森は、そのような施設の新設運動を進めていきたいと思いま す。
他県の例ですが、行政に頼まれてしばらく保護したクマを、これまで数十頭、春に野生に復帰させてうまくいっている方に、今年、お会いしました。
もし、 兵庫県に、保護センターがあれば、このクマを助けられたのにと、残念です。このクマが、犬であれば、きっとみんなで助けたと思います。もし兵庫県にふれあ いセンターがあれば、クマも犬も同じ動物だということを、多くの方に、理解して頂けて、こちらの面からも助けられたと思います。
12/21 福島県 ツキノワグマ推定生息数、カメラ調査の結果を撤回
県内に生息するツキノワグマの推定生息数について、県が今年度から導入した「カメラトラップ調査」による試算結果を撤回し、来年度以降の調査方法を再検討することがわかった。
カメラトラップ調査は、クマが生息する森にカメラを設置、映ったクマの胸にある「斑紋」と呼ばれる模様から個体を識別し生息数を推定する手法で、 8~10月に西会津町の20か所で実施した。11月に県が学識経験者らによる検討会に報告した調査結果では、推定生息数は514~3384頭と試算してい た。
しかし、この数は過去に別の方法で行った調査(860~1600頭)に比べ最大で2倍以上に上るため、21日に福島市で開かれた検討会で、委員らから「調査区域の設定が限定的で、推定に必要な個体数が少ない」といった指摘が相次いだ。
検討会は、調査の手法自体は有効としながらも、「調査の精度に問題がある」と結論づけ、今年度の調査結果をいったん取り下げ、来年度以降に区域設定や計算方法を再考する。県自然保護課は「調査地点の数や選び方を増やすなど、精度を上げる工夫をしたい」としている。
12/21 秋田県議会 秋田・クマ牧場閉鎖:引受先に県が3億円負担を決断
毎日新聞2012年12月22日(土)より
秋田県鹿角市の秋田八幡平クマ牧場で4月、従業員2人がヒグマに襲われ死亡した問題で、残 されたヒグマ20頭の受け入れ施設建設を巡り県議会は今月、設計費2000万円を全額補助する補正予算案を可決した。3億円余の新施設建設費も来年度予算 案に計上する見通し。県議会では異論も出たが、最後は苦渋の決断となった。
●熊森から
<クマたちの終生保護飼育議決は、子どもたちへの最高のクリスマスプレゼント>
秋田県佐竹知事を初め、県議会議員のみなさん、行政のみなさん、本当にありがとうございました。
歴史に残る、画期的な議決だと思います。これで、多くの国民、とりわけ子供たちや女性は、胸がつぶれずにすみます。人類に希望が持てます。今年の最高のクリスマスプレゼントになったと思います。
海外の全ての団体は、人道的殺処分やむおえなしとしていましたが、これで、日本文明と西洋文明の違いが、はっきりしたと思います。どこまでも命を大切にするのが、日本文明のすばらしさです。このことを世界に示してくださった佐竹知事には、感謝でいっぱいです。
環境省や文科省などの関連省から、秋田県に財政支援がおりることを願います。
「く まもりには、終生保護飼育以外の選択肢はない」と一貫して主張し続けてきた当協会としては、実現して頂けた感謝を忘れず、ヒグマ引き受け後も阿仁熊牧場が 黒字経営となるようなノウハウをお伝えし続けるとともに、最後の一頭が寿命を終える日まで、自分たちも可能な限り、支援を続けさせていただく覚悟です。一部反対された方々にも、殺処分しなくてよかったなあといつか思っていただけるように、がんばります。
お手伝いくださ~い!会報年末号発送ボランティア募集
- 2012-12-22 (土)
- くまもりNEWS
本部事務所近隣会員のみなさんへSOS
いつもありがとうございます。
今年もいよいよ年の瀬、「くまもり通信」第74号の全国への発送作業がまもなく始まります。
大部数ですので、一人でも多くの方に、力をお貸し頂けたらと願っています。
年末のお忙しい時期ではございますが、、よろしくお願いいたします!
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場所:くまもり本部事務所(兵庫県西宮市)
日程★12月25日(火)、26日(水)
ご都合の良い日で、数時間などでも歓迎です。
いずれも午前10時~夜19時の間の、可能な時間帯でお願いいたします。
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お手伝いいただける方は、本部事務所までご連絡ください。
12月11日・12日 宮崎の高校1校、中学校2校で、森山会長講演
地元の会員や教職員の方たちの熱い願いで、寒い中でしたが、宮崎の高校や中学校での会長講演が実現しました。
講演要旨:これまで地球上にたくさん誕生した動物の中で、どの動物もしなかったことを、人間だけがやり始めました。
人間は、全ての生き物の命を支えてきた清らかな水、清浄な空気、安心できる大地を、工業化や科学技術の発展の名で、飲めない水、吸えない空気、安全な農産物を生産できない大地に汚染しています。つまり、神様がつくったとしか思えない奇跡のような地球環境の、自然破壊、環境破壊を、人類は、①人間中心②経済第一③科学万能の考えのもと、やり出したのです。
これによって、多くの野生の生き物たちが生きられなくなって、悲鳴を上げています。いずれ近い将来、人間も生きられなくなるでしょう。豊かな自然を守って、全生物と共存する、持続可能な人間社会への方向転換を実現させるためには、彼ら野生生物の悲鳴に耳を傾けるやさしさを人間はもたねばなりません。
他生物にもやさしい文明だけが、生き残れるのですよ。わたしは、命の続く限り、訴え、話し、行動します。若いみなさんも、この後の人類の進むべき道について、真剣に考え、語り合い、行動して下さい。
高校全校生に90分
中学生全校生に90分
寒い中でしたが、生徒たちは最後まで一生懸命に聞き入ってくれました。本当にうれしいです。ありがとうございました。近々、感想文が送られてくるということで、とても楽しみです。若い人達の正義感、情熱、行動力に勝てる大人はいません。心意気のある若者たちに育ってくれたらと願っています。校長先生を初め、教職員のみなさんにも大変お世話になりました。ありがとうございました。
また、2泊3日の宮崎滞在期間中、地元の会員の方々が集まってくださり、車で送り迎えをして下さったり、歓迎会を開いてくださったり、至れり尽くせりの世話をして講演会が成功するよう支えてくださいました。感謝にたえません。みなさん、本当にありがとうございました。
岩手県 第3次ツキノワグマ保護管理計画にご意見を 意見公募しめきり2013年1月4日
人工林率44%の岩手県では「第3次ツキノワグマ保護管理計画(案)」に関する意見を、公募中です。熊森は、以下2点について強く反対します。
<主な改正点>
A ②ア(ア)捕獲数の管理年次19ページ
現行・・・4月1日から翌年の3月31日までの1年間を管理年次とする。
改正案・・・狩猟期を起点とし、11月15日か ら翌年の11月14日の1年間を管理年次とする。
(改正理由)狩猟期の銃における捕獲行為により、ツキノワグマに人の怖さを学習させる効 果が期待できるから。
熊森意見
過剰捕獲となるので反対です。
(反対理由)ツキノワグマはすでに、人の怖さを十分に知っています。改正する本当の理由は、県の説明とは違うと思われます。
現行ですと、近年、奥山の昆虫や実りがない年が多く、夏から秋にかけて、多くのクマたちが食料を求めて人里に出て来て、有害捕殺されます。その数が余りに多いと、今年クマを殺し過ぎたとして、11月15日からハンターの人たちが楽しみに待っていたクマ狩猟が、自粛という名目で止められてしまいます。クマ撃ちを楽しみたくてハンターになったのに、クマ狩猟できないのなら、何のために税金を出したんだ。ハンターたちに不満がたまります。
猟期が始まる11月15日から、捕殺数をカウントするように変えると、毎年、必ず、狩猟は認められます。狩猟自粛年がなくなるのです。岩手県の今回の案は、狩猟好きの人たちばかりが集まって、考えだしたものだと思われます。多くの県民は、野生動物の殺生を嫌っているので、県民の思いからあまりにも外れ過ぎた、ハンターだけが喜ぶ改正案を進めるのは問題です。このような案が出て来ないように、検討会委員会委員には、野生動物を守りたい人や教育者などを、せめて半分は入れるべきです。
まず猟期に思い切りハンティングして、クマを獲ってしまうと、その次の年次、山が大凶作年になって、夏から秋にかけてクマたちが人里に多数出て来た場合、「もう年間捕獲上限数がハンティングで獲られてしまったので、有害駆除できません」とは決して今の日本ではならないと思います。「被害の恐れがあり止むを得ない」として、多数のクマを殺すはずです。こうして驚くほど過剰なクマ捕殺が行われるようになります。よって、絶対に反対です。クマは、ハンターに殺されるために存在しているのではありません。野生で生きるために、存在しているのです。
・
B ②ア(エ)21ページ
現行・・・春季捕獲は認められない。
改正案・・・ 地域及び期間を限定して春季捕獲(いわゆる春グマ狩り)を認める。
(改正理由)春季における捕獲は、伝統的な猟法の存続による狩猟技術の維持、狩猟資源の持続的な利用による個体数調整、銃器による追払い効果による被害の抑制などの効果が期待できる。
熊森意見
過剰捕獲となる上、あまりにも殺し方が残酷なので、反対です。
(反対理由)雪解け時ほど、クマの殺しやすい時はありません。夏と違って、どこにクマがいるのか見つけやすいし、冬ごもり中の6か月間、クマは飲まず食わずで弱っていますから、殺しやすいです。冬ごもりあけは、母グマが、2頭の子どもを産んでいます。母子グマは殺さないようにすると言われても、監視者がいない山の中ですし、母グマだけが冬ごもり穴から出ていたら、子供がいるかいないか、判断を誤ります。母グマが殺されると子グマは生きていけません。春グマ狩りは、とても残酷で、卑怯です。春にクマを殺すことが、その年の農作物被害の抑制になど繋がりません。春グマ狩りは、山奥でひっそりと生きているクマたちを殺す猟法です。春グマ狩りなどしなくても、山に実りがあると、クマは里に出て行きません。
本当の理由は、県の説明とは違うと思われます。
冬ごもりあけのクマは、胆嚢が、1年で最も大きいのです。金より高く売れるというクマの胆嚢を売ることを考えると、春グマを獲るのが一番儲かる殺し時期です。この改正点も、ハンティングを好む人たちからの要望であると思われます。
<くまもり感想>
一般の県民は善良で専門知識もなく、改正案の裏が読めないので、岩手県の今回の改正案のおかしさに気づきにくいかもしれません。今回の改正案が、まるでハンターを喜ばせるだけの改正案になっていることがわかる方は、どんどんと声を岩手県に届けてください。クマは、ハンターに殺されるために存在しているのではありません。野生で生きるために、存在しているのです。生かしてやるべきです。人間がクマたちの頭数調整をしないと増え過ぎるというのもおかしい。自然界は、自然の力で数を調整しています。今回の保護管理計画案には、数字がたくさん出てきます。しかし、人工林率44%という大変な数だけは、どこにも出されていませんでした。残念です。岩手県は、動物が棲める広葉樹林を戻すことにこそ、最優先して取り組むべきでしょう。
上記ホームページトップの左端、総合案内部分の、パブリックコメント・情報公開・個人情報保護等からクリックし始め、「第3次ツキノワグマ保護管理計画(案)」を探し当てて、ご一読ください。
(1) 第3次ツキノワグマ保護管理計画(案)
2 意見の募集期間
平成24年11月30日(金)から平成25年1月4日(金)まで
3 意見の提出先
(1) 郵便の場合 〒020-8570 岩手県環境生活部自然保護課
(注 住所の記載は不要です。)
(2) ファクシミリの場合 019-629-5379
(3) 電子メールの場合 FA0031@pref.iwate.jp
問合せ先(注 電話による意見の受付は行いませんので、御了承ください。)
岩手県環境生活部自然保護課 野生生物担当
電話番号 019-629-5371
「ツキノワグマ 福島県内に最大3384頭生息か」という記事の真相
福島県は、「クマの捕獲許可権限を県から地元市町村に降ろして、クマをもっと獲りやすくするように条例改正する案」に対する県民意見公募の最中に、記者会見し、福島県に生息するクマは、これまで考えられていた数の2倍以上いるかもしれないと発表されました。まるで、クマはたくさんいるから、市町村判断で、もっと簡単に獲れるようにすればいいではないかと、意見誘導しているようにもみえました。県庁担当者に、電話をしてみました。
熊森 ・・・「カメラトラップ調査」で、何種類のツキノワグマの斑紋が、識別できましたか?
福島県・・・11種類です。
熊森・・・では、福島県に、最低11頭のクマがいることは、間違いありませんね。でもなぜ、11頭が、3384頭になったのですか?まさか、森林面積をかけたりされていませんよね。
福島県・・・最大3384頭というのは、あくまで推定で、3384頭いると言ったわけではありません。いろんなことを加味して、出しました。
熊森・・・11という数字が、どのようにかけたり足したりされて、3384になっていったのか、その全過程を業者から入手して、見せていただけませんか。非常に興味があるので、検証してみたいのです。加味したこと全てを教えてほしいし、どのように加味したのかも知りたいです。
<熊森から>
「これは、科学的に調査した結果です」と数字を出されたら、ふつうの国民は信じてしまいますが、その数字が出される過程を、県民の皆さんに検証していただきたいです。科学は法則です。誰が追試しても、同じ結果にならねばなりません。私たちは、福島県にクマが何頭いるのか知りません。豊かにいればいいだけで、何頭いてもいいのであり、正確な数など分かるはずはないし、知りたいとも思わないし、知る必要があるとも思いません。第一、生まれたり死んだり、絶えず複雑な要因が絡まって変化する自然界を、しかも、見透せない森の中で大きく動き回っている動物を、数字で表す事などできません。生息地が十分に保障されて、人間と棲み分け共存できていれば、それでいいのです。
しかし、野生動物の数を人間がマネジメントすべきと主張している研究者や業者たちは、そうではありません。何頭いるのか、クマたちの迷惑も顧みず、耐えがたい負担をクマたちにかけてまで、数字を出そうとします。次は、適正生息数を決めます。そんなもの、人間が決められるわけないのに、推測します。そして、自分たちが決めた数より増えたと推測されると、殺します。クマたちにはこの上もなく迷惑で傲慢な人間たちです。アメリカ大陸が発見された時、大地が動いたと思ったら、バイソンの群れで、空が真っ暗になったと思ったら、量バトの群れだったという記録を読んだことがあります。ワイルドライフマネジメント派に、バイソンもリョコウバトも、適正生息数はいくらなのか聞きたいです。
11頭いたという数は信じます。しかし、その後、この数字に人間がくわえた操作は、使った数式も含めて、全て、仮定であり推測です。仮定や推測を、何回も何回も重ね続けて出した数字になど、意味はあるのでしょうか。自然界や命は、物ではないので、工業製品のように数式化などできないのです。人間のためにもクマたちのためにも、こういう自然界の実態に気づく人が増えてほしいものです。
< 以下、新聞記事です>
福島県は13日、今年度から導入したツキノワグマの「カメラトラップ調査」で、県内の推定生息数は最大3384頭に上ったことを明らかにした。ツ キノワグマの斑紋を撮影して識別する手法で、調査方法が異なるため単純比較はできないが、これまでの最大1600頭の2倍を超えた。
調査結果は同日、福島市内で開いた県と学識経験者らによる検討会で報告された。県は結果や検討会の議論をまとめて、2013年度からの県ツキノワグマ保護管理計画に反映させる。
調査は8~10月、クマの生息数が多いとされる西会津町で行った。山林の20か所にビデオカメラとハチミツを仕掛け、クマがハチミツを捕る際にあ らわになる胸の「月の輪形」の斑紋を撮影。斑紋は個体によって異なるため識別でき、映り込んだ頭数をもとに生息数を割り出した。
その結果、県内全体の生息数を514~3384頭と推定。従来は農作物を荒らされた場所にわなを仕掛け、捕獲した頭数をもとに推定していたが、この方法で1988年から2003年までに行った調査では、860~1600頭だった。
県は、捕獲頭数は年ごとにばらつきがあるため、実際に山で暮らすクマを数えた方が実態に即しているとして、カメラトラップ調査に切り替えた。た だ、予算の都合などで、今年度の調査は西会津町に限定され、短期間にとどまった。このため検討会では、委員から「結果として生息数を多く見積もっているの では」「調査地域を広げるべきだ」などの指摘があった。
県自然保護課は「調査地域を広げたり、複数年にわたって調べて経年変化をみたりして、精度を高めたい」としている。
県によると、今年度の県内のクマの目撃件数は10月末現在398件で、前年度同期(120件)の3倍以上だ。クマに襲われてけがをした人も5人おり、うち1人が死亡している。
県は住民に危害が及ぶ恐れがある場合、地元で迅速に対応できるように、希望する自治体に対し、クマ捕獲の許可権限を県から移譲する条例改正を目指している。来年2月の定例県議会に提案し、可決されれば13年度から施行の予定だ。
県が実施したアンケートでは、全59市町村のうち、会津地方を中心に27市町村が権限移譲を希望しているという。
雪の収穫祭 2012/12/9(自然農塾)
- 2012-12-17 (月)
- _自然農
12月2日予定だった収穫祭を、本部の都合により急遽9日に変更させていただきました。
ご迷惑をお掛けしたにもかかわらず、自然農メンバーの方々は12月2日の今本先生講演会に
18名もご参加いただき、感謝の言葉もございません。ありがとうございました。
9日の収穫祭は、雪景色の中ので行われました。
いつもと違う雪の古民家の前でまず記念撮影です。寒さのせい(?)でピントが、、、
今日は、最後の作業となるネット外し組とお料理組に分かれます。
お料理組はお汁と収穫した新米をかまどで炊きます
ネット組は耐寒訓練のように厳しい寒さの中での作業です。手のかじかむのに耐えながら延々と続くネットをポールから針金をとって外していきます。
塾生のMさんのお店で作っておられるブドウ酵母を使ったパンをたくさんプレゼントしていただきました。
熊森にぴったりの可愛いクマさんのパンも、とってもおいしかったです。
古民家の中では、手際よくお米の分配作業をすすめます。
皆で楽しいお食事です。黒米を入れたご飯はもっちりとして甘みもあり大変贅沢な味わいになります。
かまどで炊いたコシヒカリは、おこげが香ばしくて懐かしい味がしました。
食後は今年1年の自然農での「振り返り」をしました。今回の塾生の方々からは「勉強になった、腰が痛かった、こんな風にお米が出来て感動している」などの感想を頂きました。世話人としましては、無我夢中だった去年にくらべて今年は分かってないことがたくさんあることに気づいた一年でした。特にお水の管理がいかに大切で難しいかが、良く分かりました。来年は一年間、田んぼを休ませて整え、草を田んぼに戻し、ビオトープと池の整備をしたいと思います。
地元の岸本さんをはじめ、今回ご参加いただいた全ての自然農関係者の方々に心からお礼を申します。ありがとうございました。(H)