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3月18日 妙見山(大阪府)でブナ調査 樹齢およそ300年 

大阪の池田駅から車で20分という近場に妙見山という山があります。ここに、ブナの原生林が残されており、兵庫県最高峰の氷ノ山よりも大きなブナの木もあるというので、調査に行ってきました。

妙見山頂上にある能勢妙見山(霊場)境内の裏手に、ブナ・アカガシ林が残されていました。面積は狭くても、大阪にこのような巨木の森が残っていたことに感動しました。この山で一番大きいというブナの幹回りを計ってみると、なんと3.63メートル!樹齢はおよそ300歳になるそうです。このような巨木が残されているのは、この山が信仰の対象であったからでしょうか。

ブナの木に付いていたノキシノブ。シダの一種。

境内の裏手にはゴミがたくさん捨てられていました。シカのフンは、そのうち自然にかえります。人間が出すゴミは、本当に困りものです。

カシノナガキクイムシが繁殖したために伐採されたクヌギ。たくさんの小さな穴はカシノナガキクイムシがあけた穴。
切り株が黒いのは、防虫用にコールタールが塗られたため。

兵庫県内では山林の松枯れが激しいが、ここのアカマツはとても元気でした。

こんな貴重な森が、人々の目にも止まらず、ゴミにまみれていくのは残念です。当協会の北大阪地区スタッフのみなさんに伝えたところ、行政への問い合わせなど始めてくださっています。

3月20日(火) チェンソー講習会 初の修了者3名は、なんと全員女性 

3月20日(火)にチェンソー講習会の最終であるステップ3を実施しました。

ステップ2の復習から始まり、伐倒設計・林内整理・実践伐倒と順調に講習が進み、初修了者3名が誕生しました。この3名は全員が女性で、みなさん使命感に燃えており、非常に熱心で、短期間で安全への配慮、伐倒に関する基礎技術、伐倒設計をしっかりと身につけることができました。上達の早さに指導者も驚きでした。3名のみなさん、修了、おめでとうございます。

このあとは、指導者と共に、現場での回数を積んで熟練していくことです。

↓ エンジンの始動がスムーズにできるようになりました。

↓ ロープ上げの練習   

3人1組の伐倒 安全確認係 ロープ係


↓伐倒後の切株 プロ並みにキレイな切口です 


↓初の修了者は写真左の女性3名。 お疲れ様でした!

現在受講中のみなさんも、彼女たちに続いてください。


以下 参加者の感想

1月から始まった、チェーンソー講習会最終のこの日は

春分の日、久々の快晴の中で出来ました!

チェーンソーに触るのも一か月ぶりで、手順をよくよく

考え指摘されながらも準備出来、ステップ2の復習から

始めました。最初は慎重でしたが、自然に体が慣れ力み

も消えて前回の注意点を思い出しながら、練習できまし

た。午後からは、前回を踏まえ3人一組での伐倒作業。

前回は覚えるのに精一杯でしたが、不思議と方向や角

度もすんなりと判るようになり、偶然でしょうが

難易度の高い狭い隙間に倒せたり、少し自信が出てきま

した。しかし、直径20cmの細い木といえど倒れる時

は安全だと頭では理解していても、大変緊張し体がこわ

ばりました。間伐によって、森再生が広まるのは大変嬉

しいですが毎回緊張感を持って、安全第一で作業に当た

らなければいけません。そして、次の再生への為だとし

ても今、生きている命を断つ行為の上に成り立っている

と云う事を今後の参加者にもしっかり伝えようと思いま

した。

R.Oさん

私は不器用な方なので、講習会を全て終えてホッとして

ます。講師の方がていねいに教えてくれ、さらに

できなかった原因や悪いクセを指摘してくれたので学び

やすかったです。チェンソーの感覚を忘れないように安

全にどんどん実戦して、暗い山の中に光を入れて行きた

いと思います。また、木それぞれ一本一本によって条件

が違い、同じやり方ではできないと教わりました。私も

経験を積むなかで見極めれるようにもなりたいです。

ありがとうございました!

E.Aさん

ステップ2から少し日があいてのステップ3、ちゃんと

覚えているかなぁ?と少々不安もありながらのスタート

でしたが、午前中は前回の復習から という事で、実際

にチェンソーを使っていくと意外と覚えていたりして、

思ったよりはスムーズにステップ3を終える事ができた

と思います。今後実際に間伐してい くとして色んな状

況に対応できるよう沢山経験を積んで安全に間伐できる

ようになりたいです。講師の方がその都度細かく説

明・実演してくれとてもわかりや すかったです。

ありがとうございました。

J.Hさん

 

3月13日 国会議連勉強会再開

3・11で延び延びになっていた奥山水源の森保全・再生議員連盟の勉強会が1年ぶりに再開されました。

まず初めに講師の先生が、林野庁は、戦後、国の財産であった東北6県分の面積に相当する広大な国有林(原生的天然林)を国営林業の為に伐採してしまったなど、30分間講演してくださいました。その後の質疑では、どうしたら、残りわずかな原生的天然林を守れるかという話になりました。

「国有林野の管理経営に関する法律の改正案」が3月2日に閣議決定され、今、参議院農水委員会に参議院先議として出されています。今回の法案で、林野庁の経営は、今後、全て一般会計となります。しかし、現在林野庁がかかえている1.28兆円の借金は、平成60年度までに返済を義務付けられているので、今後、林野庁は、借金返済のために、さらに残された最後の原生的天然林まで伐ってしまうのではないか。どうしたらこれを止められるかなどが、話し合われました。

また、地元のくまもり会員たちと人工林の伐採を進めようと考えておられる議員から、人工林を皆伐するとササ原になってしまい、森が再生できなくなる恐れはないかという質問がありました。ブナ林を皆伐した場合は、一気に日光が射し、一面ササ原になってしまって、もう森に戻らないところがほとんどのようです。

クマもイノシシも、兵庫県内に何頭いるのかわからないというのが現実

3月12日、兵庫県庁近くの労働センターで、第2回野生動物保護管理審議会が開かれました。傍聴席10席のうち、8席が埋まりました。相変わらず、メディアはどこも来ていませんでした。

県が、前回のツキノワグマの推定生息数や増加率を訂正発表すると、委員である研究者たちから、

「クマは生息推定数を出す手法が確立していないので、推定はむずかしいのではないか」という、鋭い意見が相次ぎました。

2012年1月兵庫県発表  クマの年間推定増加率 14%~30%

⇒ 今回3月の訂正 5.7%~15.0%

2012年1月兵庫県発表  クマの推定生息数 313頭~1651頭

⇒ 今回3月の訂正 300頭~751頭

今回の訂正数が正しいかどうか、それすら人間にはだれもわかりません。人間が自然を把握しきることなどできません。

しかし、絶滅危惧種にもかかわらず、捕獲後原則殺処分の県方針は前回のままで、訂正されませんでした。???

イノシシに至っては、何頭いるのかさっぱりわからず、生息数を推定することすら不可能ということで、行政、審議会委員、研究者、全員の意見一致がありました。しかし、シカ、サル、クマ同様、捕殺する話ばかりでした。

また、兵庫県が県民緑税を使って行っている野生動物育成林事業は、ほとんどが山裾の樹木を刈りはらうバッファゾーン造りであり、いっそう動物が棲めないようにしているだけだと、ある研究者委員が指摘されていました。

戦後、人間が壊した野生動物たちの生息地の広大さを思うと、人として、一刻も早く動物の帰れる森を復元してやるべきだと思いました。全生物のためにも、地元の人のためにも。

兵庫県行政のみなさん、地元との話し合いなど、いろいろとむずかしいこともあるでしょうが、何とぞよろしくお願いします。

 今年の大雪で、シカが大量死

世界最大の奉仕団体である、ある国際協会では、1年間の間に全会員が植樹するようにという指示が、外国にある本部から出されているそうです。くまもりは、その団体の支部から、植樹できる場所の紹介を頼まれました。くまもりは、現在、間伐が主力です。3月6日、植樹できそうなところがあるかどうか、その団体のメンバーといっしょに、連携している地元を訪問しました。

3月というのに、現地には積雪はまだかなりあり、同じ兵庫県でも気候が違うことを、改めて再認識しました。

地元の方が、今年の大雪で、シカが、この集落だけでも、何十頭も餓死していると教えてくれました。見つけたら、市に連絡して取りに来てもらい、焼却処分してもらっているということです。自然界ではこうして、時々ドカ雪が降って、シカが増え過ぎないように、シカ数を調整してきました。

よほど空腹だったのでしょう。伐採されて地上に倒されたスギの大木の葉まで、シカが食べていました。本来、スギの葉は、苗木の柔らかい時しか食べないはずなのに・・・胸が痛みました。

近くに、餓死したシカの死体がありましたが、すでに首から上がなくなっていました。テンなどの動物が、死体を食べて片付けていると、地元の方が教えてくれました。

3月21日広島地裁判決 細見谷林道 補助金は違法だが返還は求めず

廿日市の細見谷林道建設問題で、地元西山林業組合への廿日市市からの補助金は公共性が無い、貴重な生態系が残る渓畔林を破壊する事業にも公益性がないと指摘して、地元市民6人が市に対して07、08両年度の補助金計約425万円の返還を求めていた裁判で、広島地裁は住民の訴えを棄却しま した。21日の判決で広島地裁の金村敏彦裁判長は「補助金を出すことは公共上の必要がなく違法」としましたが「交付は20年以上前から続き問題視する声もな く不法行為などはなかった」として、住民の訴えを棄却しました。原告代表の金井塚務さんは「形式的に負けて実質的に勝った。今回の判決は(環境)保全のた めのスタートを切った」と話しました。

(03/21 18:28)

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★会報71号発送ボランティア募集

本部事務所近隣の
会員のみなさまへ

日に日に春めいてまいりますが、みなさまお元気ですか。
さて、「くまもり通信」第71号が出来上がり、全国への発送作業がまもなく始まります。

いつもながら大部数ですので、一人でも多くの方に、力をお貸し頂けたらと願っています。
可能な範囲のお時間で構いませんので、ぜひお手伝いください。

☆☆☆
場所:くまもり本部事務所(兵庫県西宮市)
日程★3月12日(月)、14日(水)、15日(木)、16日(金)
(※13日(火)は発送作業はありません。)
いずれも午前10時~夜20時の間の、可能な時間帯でお願いいたします。
☆☆☆
お手伝いいただける方は、本部事務所までご連絡ください。

どうぞよろしくお願いします!

トチノキ発表会のお知らせ(滋賀県)

参加申し込み 3月20日まで 募集定員150名 先着順、参加費無料

神戸の保育園にドングリマン登場!

神戸市の保育園に環境教育に行ってきました。
今回は昨年に引き続き3回目。おととしから毎年、くまもり環境教育部を呼んでくださっている保育園です。

実施前に今年はどんなお話をしようかと考えていたとき、「石川県支部が行っている『ドングリマン』の劇をしよう!」とスタッフから提案があり、急遽、くまもり本部バージョンの舞台セットを作り、衣装をそろえました。

いよいよ本番。

エイ!ヤー!トウー!

1~5歳の園児約60名の前に、スタッフが扮するドングリマンが登場すると、会場に起こる子どもたちの笑い声。

ドングリマン:「ドングリ、ドッサリコー!森がスクスクー!みんなニコニコー!」(おまじない)
子ども:「ドングリの木はどのように大きくなるの?」

後の質問タイムでは、子どもたちからドングリの木についての質問が続々と出ました。

ドングリを食べる動物クイズでは、動物たちだけでなく、人間もドングリを食べられることに、みんなびっくりした様子でした。

お話のあと、ドングリマンが持ってきたチェーンソー(実物)を持ってみようと順番にならぶ子どもたち。こんな重たいチェーンソーを持って木を伐るんだよ。山に木を植えるのも、山の木を伐るのも、体力のいる大変な作業です。

ドングリの木がいっぱいの自然の森が、すべての生き物にとって、とても大切。でも山を自然の森に戻すのは、とても大変。そのことが、この時間を通じて、子どもたちに少しでも伝わっていればいいな。そう願いながら、子どもたちに元気をもらって帰ってきました。

兵庫県が強行に進めているシカ肉学校給食に疑問

害獣有効活用  児童ら「おいしい」

有害鳥獣として捕獲された鹿を有効活用しようと、宍粟市一宮、千種両町の10小中学校の学校給食で16日、鹿肉を使った「ジビエ料理」が出された。17、23日には山崎、波賀両町の小中学校でも提供される。 (2012年2月17日読売新聞より)

<熊森が指摘する問題点>私たちが何を食べて生きていくのかは、大変デリケートな問題です。これまで日本人が食べてこなかったシカを学校給食に出すということは、シカを食べたくない児童に選択権を与えないことになります。シカを食べることに抵抗感を持つ児童にとっては、シカが給食に出されることは、シカ食を強要されたも同然で、人権問題です。メディアが何の疑問も持たずに、このような記事を載せる軽さに、日本の報道の危うさを感じます。おいしい、栄養がある、ジビエという横文字がかっこいい・・・なら、何を食べてもいいのかということになります。裏で誰かがこのような食文化づくりを進めているのです。

戦後、アメリカは、アメリカの牛肉や農産物を日本が輸入するように仕向けるため、新しい栄養学や肉食の勧めなど、すさまじいプロパガンダを展開しました。その結果、魚食だった日本人が、どんどん肉食に変わっていったのです。

本来、日本文化は、仏教の殺生禁止の教えを強く受けています。このことによって、クマを初めとする大型野生動物の棲む豊かな森が残され、今日の繁栄があるのです。

日本人が大量に肉食することで、世界の森の消えていくスピードが速まっています。生き物へのやさしさも、どんどん失われていっています。健康面でも肉食過多の弊害が叫ばれています。

こんな中で、誰がどのような意図で、シカ肉食を進めているのか。シカは豊かな自然界を作ってきた生き物です。元々、害獣なんかではありません。この問題について、もっと、慎重な議論が必要です。

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