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和歌山県 切目川ダム建設を止めたい一心の方々と、(祝)今本博健顧問先生誕生

和歌山県日高郡の豊かな自然を、何とか子や孫に残してやりたいと願う心やさしい地元グループの方々が、予定されている切目川ダムの建設は大自然破壊になるとして、10年以上も建設を見直してほしいと要望し続けてこられました。しかし、この度、和歌山県庁は国に対して、地元からの反対の声はないので、ダム建設を進めてほしいという答申を出したそうです!

切目川ダム建設を止めたい一心の地元グループの方が、熊森に相談を持ちかけて来られました。さっそく、8月27日、前からぜひお会いしたいと思っていたダム専門家の京都大学名誉教授の今本博健先生の所へ、和歌山県熊森会員や地元グループの方々といっしょに相談に行ってきました。以前、原子力村ならぬダム村におられた今本先生は、これまでたくさんのダムを造り続けてこられました。しかし、ダムは治水に役立たないどころか、弊害の大きさを考えるなら、造ってはいけないと思うようになられました。そして、ダム村を出られたのです。

予想通り、今本先生の全身からは、誠実さがあふれ出ておられました。わたしたちは先生から、ダム建設の膨大な利権を教わってあきれ果てました。地元有力者や政治家が、全国にダムを造ろうとするわけがよくわかりました。原発と全く同じ構造だと思いました。人間は欲に目がくらむと、嘘やごまかしが平気で言えるようになります。子や孫や他の生き物たちがどうなろうが、国土がどう荒れようが、お金儲けの方が大事になります。つまり、他者を愛することが出来なくなるのです。国を愛することもできなくなるのです。そして、全身から不誠実さがあふれる人になるのです。気づかぬは本人だけです。

しかし、ラッキーなことに、ほとんどの圧倒的多数の一般国民は、利権とは無縁に生きています。この大多数を占める国民が声をあげたら、今の日本では、ダム建設は止められるそうです。いろいろと先生から知恵を授かって、地元グループの方々も希望を胸に元気よく帰られました。

いつか会報に、今本先生のお話をまとめたいと思いますが、その前に、全会員と全国民に、先生のご著書をぜひ一度読んで頂きたいと思います。一言感想を言うなら、今本先生、よくぞこの本を書いてくださいました!です。

熊森にも、山崩れや砂防ダムなどについて、いろいろとアドバイスをいただきました。先生には今後もいろいろと教えていただきたいので、顧問をお願いしたところ、快く受けてくださいました!これで熊森はまたいっそう強くなれそうです。感謝でいっぱいの一日となりました。

『ダムが国を滅ぼす』

「週間SPA!」ダム取材班

扶桑社

合同出版 (愛蔵版) クマともりとひと 第2刷へ

1年前に出版された 森山まり子会長著 (愛蔵版) 「クマともりとひと」(合同出版)の第1刷3500冊が売れたため、急きょ第2刷の印刷が行われています。合同出版の担当者によると、1年間で3500冊売れるだろうとよんでいたので、予定通りだとのことです。(愛蔵版)には、森山会長による熊森の哲学や自然観が満載されています。次の1年も多くの人々に読んでいただきたいです。

 京北トラスト地の人工林部分の広葉樹林化に向けて合同調査

本部職員に林業経験者が加わったため、トラスト地の人工林部分の広葉樹林化を本部が指導できるようになりました。この度、8月28日、本部トラスト地担当者と京都府支部中心スタッフ数名で、京都 京北トラスト地を調査しました。


京北トラスト地16ヘクタールのうち、10ヘクタールはミズナラ、イヌブナ、ヤマグリなどの豊かな自然林(二次林)で、残り6ヘクタールは広葉樹林化を待っているスギ・ヒノキの人工林です。

広葉樹林部分は、去年のナラ枯れが相当ひどかったようで、ミズナラ、コナラの枯死木・衰弱木が目立ち、全体的に山が弱っているように感じました。

人工林部分に関しては、2年前に地元の森林組合が公共事業として2割間伐を実施してくださったのですが、2割間伐だとすぐに樹冠がうっ閉してしまい、光が届かない林床には下層植生がまったく生えていませんでした。野生動物たちの為にも、水源涵養の為にも、災害防止のためにも、すぐに6割間伐を実施する必要があります。


23年生 杉の人工林です ←

25年生 ヒノキの人工林です←

まだ木が細いので、のこぎりでも間伐できます。1本、試に伐ってみました。伐られても隣の枝々に引っかかって、ヒノキの木は立ったままでした。

帰りに、期限切れの有害駆除用檻を発見しました。戸はまだ開けたままでした。(違法)。檻には天井がなく、クマはかかっても逃げられるようになっていました。

熊森は、野生鳥獣を殺さない国をめざして活動しています。

 第8回本部森再生チームの活動報告

8月20日、兵庫県宍粟市での活動に14名が参加。

①くまもり植樹地の手入れ
植樹地は、倒れた苗木起こし、下草刈り、シカ除け柵の補修など、まめな手入れが必要です。

この日は、午前中に、今年2度目となる竹の伐採と、シカよけ柵の補修をおこないました。
手前中央が苗木。なぜかどの苗木も葉が少なく、弱々しい様子なのが心配。よく見ると、苗木以外にも、実生の広葉樹の芽生えがたくさん育っていました。
シカよけ網は、目が大きいと雄シカが角をからませて動けなくなり、立ったままよく死んでいます。
雄シカを守るため、くまもりでは、目の細かいネットを使用しています(上写真)。

②午後は皮むき間伐。

春先に比べると皮は少しむきにくくなっていましたが、みんなでがんばりました。37本を間伐。

昨年度有害駆除と交通事故で、兵庫県では82頭のクマたちが殺されました。クマ・サル・シカ・イノシシなどが、山になんとか帰れるように、森を少しでも早く再生していきたいです。あなたも次回参加されませんか。

ちなみに、地元の方によると「今年の秋の山の実りは豊作だよ。今年はクマがふもとに出てきていないもの」とのことでした。

生前の平井憲夫さんと行動を共にされていた方からの電話

25年前から、生前の平井憲夫さんと共に、原発の真実を国民に伝えんと全国を回っておられたジャーナリストの方がおられたそうです。この度、本人から熊森本部に電話がありました。今、平井さんのことなど、本にまとめられているそうです。出版されたら、是非読んでみたいですね。平井さんは、被爆して体がぼろぼろになっておられたそうです。

札幌市、さっそく旧定山渓牧場に改善指示

当協会は現在、森の荒廃や、クマ・サル・シカ・イノシシ・アライグマなどの在来・外来野生動物たちが置かれている状況があまりにもひどいので、少しでもなんとかできないかという問題で連日手がいっぱい。飼育動物や畜産動物の問題にまでは、手が回っていません。
そんななか、今回、特定非営利活動法人「地球生物会議」が札幌市に、旧定山渓クマ牧場の飼育が劣悪過ぎるので、飼育改善指示を出してほしいという要望書を出してくださったことに感謝します。ヒグマたちの健康や命がかかっています。札幌市は立ち入り検査を行い、すぐに改善指示を文書で管理者のハマノホテルズ(札幌市)に出されました。札幌市にも感謝します。
ただ、ホテル側が本当に指示通りに改善して下さるかどうか、改善できるのかどうかが気になります。札幌市としては引き続き見ていくと言われていました。
このクマ牧場のクマは、オス・メスみんな一緒に飼育されており、これまで子供が何頭も生まれているということなのに、現地情報によると、なぜか、一番若いクマが15歳ということです。ヒグマの寿命は30~40年と言われていますから、あと15~25年の間、いかに快適に過ごしてもらうか、北海道民や国民の手助けも必要なのではないでしょうか。いっそ、山に逃がしてやってほしいと思いましたが、すべてのクマがこのプールのようなコンクリートの獣舎で生まれたクマなので、野生での生き方を知らないから無理ということでした。
ここのクマ牧場では、クマ数だけの冬眠部屋もなく、真冬でも凍てついたコンクリート床のままで、冬眠用に敷き藁を入れてやるなどの世話が施されているのなど見たことがないということでした。北海道、特に札幌周辺の道民のみなさんのなかで、旧定山渓クマ牧場のクマ達のためになにかしたいと思われる方がおられたら、ぜひご連絡ください。遅ればせながら、初めての、熊森北海道会員のつどいを企画していきたいと思います。
尚、もう少し詳しい状況を知りたいため、熊森本部は9月1日と2日に、ハマノホテルズのクマ牧場担当者に電話しました。しかし、両日とも外出中ということで、夜中まで待ちましたが、電話をいただけませんでした。ハマノホテルズとしても、大変な状況なのかもしれません。以下、毎日新聞北海道版の記事です。

定山渓クマ牧場:閉園後も飼育 札幌市が改善指示 /北海道

毎日新聞9月1日(木)10時49分配信

札幌市は31日、閉園後もヒグマが飼育されている「定山渓クマ牧場」(同市南区)で、飼育施設の壁や施設外にあるフェンスの一部に欠け落ちた部分がある など管理上の問題があるとして、動物愛護法に基づき、管理者のハマノホテルズ(同市中央区)に文書で改善を指示した。25日に施設の立ち入り検査をしてい た。

市によると、実質的な管理者と許可申請者が異なっていたほか、クマが逃げた場合や災害時のマニュアルがなかった。また、餌はパンの耳や期限切れのコンビ ニ弁当などで、飲料水は遊び場を兼用する藻が生えた池から摂取させており、栄養バランスに配慮し、新鮮な水を与えるよう求めた。
改善期限は9月14日までで、期限内に実行できないものは計画書の提出を求める。

胸痛む札幌市旧定山渓熊牧場のヒグマの窮状

ハマノホテルズ(札幌)が閉園後も飼育を続けている定山渓熊牧場」(札幌市南区定山渓)のヒグマたち(1997年には100頭いたが、なぜか現在は雄4頭、雌9頭の計13頭)が、劣悪な環境で飼育されていると動物保護団体から指摘されていた件で、札幌市は8月25日午前、動物愛護法違反の恐れがあるとして、同牧場に立ち入り検査した。

このニュースがテレビで放映されると熊森会員たちから、何とかこのヒグマたちを助けてやれないかという問い合わせが相次いだ。動物保護団体によると、全国のクマ牧場はどこも多かれ少なかれ、クマたちにとっては地獄のような場所であるとのこと。ハマノホテルズの責任はもちろん追及されねばならないが、監督すべき行政庁は何をしていたのかと思う。

クマは「動物の愛護及び管理に関する法律」の特定動物に指定され、自治体は飼育の許可や飼育方法などの指導を行うことになっている。許可は5年ごとで、札幌市は07年に26頭の飼育を許可していた。今回の検査で以前から指摘されていた問題点が改善されていなかった場合は、札幌市は同牧場の管理者に対し、あらためて文書で改善指導を行う方針とのこと。

北海道には残念ながらまだ当協会の支部がないので、ただちに動ける状況ではないが、北海道会員のみなさんで行ける方は現地を見てきてほしい。ハマノホテルズ(札幌)や札幌市が今後どうしていくのか、全道民全国民で注視していきましょう。

それにしても、クマだけではなく生き物へのやさしさを日本人が失いつつある。恐ろしいことだ。このままでは、日本人がダメになってしまう。

太陽エネルギーを熱のまま利用する

連日の暑さである。当分日陰で息をひそめてやり過ごすしかない。3・11以降、熊森は自然保護団体として、エネルギー問題に対する考察を避けて通れなくなっている。
この地球に降り注ぐ膨大な量の太陽エネルギーこそ、自然エネルギーの筆頭である。兵庫県は、今国会で成立見通しの「再生エネルギー特別措置法案」も視野に入れて、来年度以降、県民出資による太陽光発電モデル事業に乗り出すそうだ。

それはそれでいいのだが、ここで、広瀬隆氏の興味深い指摘を、会員の皆さんにご紹介したい。まず、私たちは家庭で、電気エネルギーを何に使っているかである。以下のグラフは、資源エネルギー庁が2010年に発表した2008年のデータである。

なんと、家庭での年間電力消費の62%は、電気を熱エネルギーに変換しての利用だ。

エネルギーは、別のエネルギーに変換させるたびに膨大なロスが出る。(ちなみに、原発では、原子力で発生させた熱エネルギーの70%が海に捨てられ、残りが電気などになっているという事だ。)

家庭での電気利用を考えるとき、特に、給湯の30%だけでも、太陽熱を熱としてそのまま利用すれば、大節電になる。太陽熱⇒電気⇒熱よりも、太陽熱⇒お湯の方が、太陽エネルギーを数倍有効に使ったことになるそうである。価格もぐんと安くなる。

家庭用太陽光発電システム200万円⇔太陽熱温水器(屋根に水入れタンクを置いて太陽熱で直接温める)30万円

昔ながらの、屋根に黒塗りの水タンク。素朴なようでも、こういうのが一番安全ではなかろうか。東電福島原発事故後、注文が殺到しているという事で、うれしい。

66年前戦争に負けたことと54基の原発設置がどう関連するのか 船瀬俊介著「原発マフィア」が国民に教えてくれること


私たちは日本の森や森の動物たちを守ろうと悪戦苦闘してきた。一生懸命だった。しかし、3月11日以降、放射性物質という私たちの力ではどうしようもないもの、五感では感知できない得体のしれないものが私たちの守ろうとしていたものの上に降り注ぐようになった。

一説には、東日本はもちろん静岡あたりの山も、もう当分は危険だから入らないほうがいいという。万事休すだ。しかも、森や動物だけではなく、私たち人間の身体だってこの先どうなっていくのかわからないのだ。この前の台風で、福島原発からの放射性物質が全国に拡散されたという。

このところ、全くもって不可解なのは、「フクシマ」を忘れたマスコミ報道である。国・企業・御用学者たちのいう「原発安全神話」を国民に垂れ流してきた反省はないのか。また今、同じ国・企業・御用学者たちのいうことを垂れ流しているだけの報道ではないか。何の危機感もない。どうしようもない事態を生み出しておいて、「がんばろう福島」なんてなぜ言えるのかわからない。本当は、海にも、地下水にも、土にも、牛だけではなく全ての生物にも、大変なことが起きているはずである。福島県の小学生の1割が県外に転出したそうだが、大変なことだ。

さらに理解できないのは、あれだけ国民をだましてきた新聞やテレビの報道に、また国民が今も疑いもなく耳を傾けて安心していることである。

もっと理解できないのは、原発事故を見事予測していた一部の良心的な学者たちが、「本当は原発なんていらない。日本の電力は足りている」と言っているのに、原発利権に群がってきた電力会社たちが流す「原発を推進しなければ日本の産業が壊滅する」という言葉を信じて、「原発やむおえなし」といまだに唱える人たちがいることだ。自然保護団体の中でも、原発問題に口をつぐんでいる所が多い。明日にでも大地震が起きるかもしれない。新たな原発が事故を起こしたら、どうするのだ。放射性物質が降り注いで来たら、どうやって自然など守れるのか。この問題には一刻の猶予もない筈だ。

こんな中、左でも右でもないリベラリスト船瀬俊介氏が書かれた「原発マフィア」を読んだ。そうだったのか。謎が次々と解明されてきた。日本は66年前、戦争に負けてアメリカに占領されたのは知っていたが、今も属国だったのだ。そういえば、独立記念日はいまだにない。世の中の問題は日本だけで考えていてはわからないが、アメリカとの関係で見ればわかってくる。

私たちは、自然保護団体なので、森や動物のことは全力を挙げて調べているが、他の分野のことはそこまで調べる余裕も力もない。よく調べておられる人たちの本をいろいろ読んでみることだ。「原発マフィア」全国民必読の書として推薦したい。

2010年ヨーロッパが風力発電から撤退を始めた  武田恵世著「風力発電の不都合な真実」

2011年3月20日に㈱アットワークスから出版されたこの本を、風力発電はエコと信じておられる方々にぜひ一読して頂きたいと思います。

三重県伊賀市で歯科医を開業されてる著者武田博士は、ナチュラリストです。初め、風力発電はCO2を排出しない環境に優しい自然エネルギーだと信じて、出資まで考えられたほどの風力発電推進派だったのです。しかし、色々と調べていくうち、実態は全く違うことが分かって来られました。

世に出回っている情報はウソだらけだったのです。例えば、尾根に建てられた鉄の塊、風車は雷の格好の餌食です。(なるほどねー) 落雷が相次ぎ、現在つぶれている風車がたくさんあるそうです。でも、業者は直そうとしません。建設時の補助金が欲しかっただけで、発電能力など誰も期待していないからです。

風力発電と言えばヨーロッパ、デンマーク・・・しかし、風力発電は自然を破壊し、様々な公害を生むだけで、CO2の排出抑制もできないことがわかってきました。ヨーロッパが風力発電から撤退を始めたという情報は注目に値します。

真実を知りたくない人もいるでしょうが、知らないことは罪と思える1冊です。 

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