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「ふまないで、小さなアリにも大事な命」的思想と、 さらなる鳥獣大量捕殺法案

2007年に国会で成立した「鳥獣被害防止対策特措法」は、野生鳥獣によって増大する農作物被害を軽減させるため、野生鳥獣の大量捕殺に多額の予算(国民の税金)を使うことを決めたものです。この法案が成立して、どれくらい多くの野生鳥獣が殺されたことかはかりしれないものがあります。今回、さらにもっと大量に鳥獣を殺せるように予算を増やすことを求める法案が、自民党の鶴保庸介参議院議員らの議連から提出されようとしています。

幼稚園生のとき、「ふまないで、小さなアリにも大事な命」ということばを先生が教えてくださったことを思い出しました。これこそ、日本文明であり、祖先の心だと思います。野生鳥獣の大量捕殺を促進せよと叫んでいる人たちは、なぜ野生鳥獣が山から出てきているのか、考えられたことはあるのでしょうか。原因は全て人間が戦後に行った自然破壊なのです。この人たちは、補殺した動物たちを、「有効利用」という名目で、どんどん食べようと呼びかけられていますが、私たちの祖先が聞けばひっくり返るのではないでしょうか。

熊本の平野虎丸さんのブログによると、8月1日の熊本日日新聞の社説は、鳥獣大量捕殺を求めるものだったそうです。

8月1日 熊本日日新聞 「増える有害獣 捕獲の担い手確保が必要だ」

この社説を読んで悲しくなると同時に、自分たちが鳥獣の生息地を奪ったことへの反省もなく、鳥獣を殺すことと食べることしか考えない思考形態に、恐ろしさを感じました。日本人はどうなっていくのだろうか。今も、「ふまないで、小さなアリにも大事な命」が、日本文明のはずです。水道の蛇口をひねると水が出てくるこの国の豊かさは、他生物への尊厳思想によるものです。

原発推進は、やはり利権だったのだ 記者のみなさんに、奥山保全・復元問題もあばいてほしい

共同通信記者の調べで、以下のことが明らかになったそうです。

● 自民、個人献金72%は電力業界から(7月23日新聞)

● 電力労組民主に1億円超 労使一体で原発推進(8月1日新聞)

どうせこういうことだろうとは思っていましたが、やっぱりそうだったのですね。わたしたち一般国民には、捜査能力がないのでもどかしかったのですが、日本にも真実を国民に伝えようと命がけで使命に取り組む記者たちが現れたもようです。共同通信の記者の皆さんに、大拍手です。

私たちが取り組んでいる、大型野生鳥獣保護、外来生物根絶殺害問題、奥山保全・復元などの問題も、利権をねらって腐敗した産・官・学・政の隠ぺい策と、その正義感故に声を上げようとする者たちへの弾圧策で、一向に問題解決が進みません。これらの分野にも、記者さんたちの調査が入って、真実をあばいてほしいと強く願います。本当のことが明らかになってくれば、害獣扱いをされて殺し続けられている鳥獣たちが、涙を流して喜ぶことでしょう。

熊森と放射能汚染問題

わたしたちはその困難さからどこもだれも取り組んでいない、全国規模の奥山保全・復元に取り組むという大活動に、本気で取り組んできました。しかし、3月11日のフクシマ原発事故以来、さらに大きな絶句するような困難が、わたしたちの活動の上に覆いかぶさってきました。守ろうとしていた自然環境の上に、野生生物たちの上に、そして、わたしたちの上に、量の多少はありますが、毎日、放射性物質がいつ果てるともなく全国規模で未来永劫に降り注いでくるようになったのです。国や電力会社が、真実の情報を「かくす」「答えない」「もみつぶす」作戦に出ていることは、多くの国民が気づいています。せめて、産・官・学・政・情のみなさんには、本当の情報を国民に発表していただきたいです。ホットスポットがどこなのか教えて下さらないと、当協会東日本の支部会員達は、怖くて山に入れなくなっているのです。

ただ今、一般財団法人日本熊森協会へ会員移行か退会か、 ボランティア会員、賛同会員のみなさんにはハガキで問い合わせ中

会員の皆さんへ

現在、任意団体日本熊森協会から完全民間の一般財団法人日本熊森協会への会員籍移行事務が始まっています。会費納入を伴う会員種のみなさんについては、これまでも、いろいろな方法で会員継続意思の確認を行ってまいりましたが、今回改めて現会員のみなさん全員に、会報68号に同封した用紙でこのことをお伺いさせていただいています。会員継続していただけることを願っておりますが、退会をご希望される方は、どうぞご遠慮なく本部までお知らせください。引き続き会員継続して下さる方は、日本の自然を守るために、日本にも大きく強い自然保護団体を育てねばならないという偉業に、今後も寄与していただくことになります。

また、会費納入不要のボランティア会員、賛同会員のみなさんには、これまで手が足りなくて会員継続意思の確認を行えていませんでしたが、この際、会員籍移行希望または退会のどちらかを選択していただくことをハガキで問い合わせています。こちらの方も、会員継続していただけることを願っておりますが、退会をご希望される方は、どうぞご遠慮なく本部までお知らせください。尚、来年度からは、会費不要のボランティア会員と賛同会員の新規募集はなくなります。

この国で、行政から1円も支援してもらわず、行政の下請け事業も取らず、当協会のような中立の市民団体を立ち上げ大きくしていくことは、大変な難事業です。わたしたちは、これまでもこれからも苦労の連続です。ここまで会を大きくしてこれたのは、会の中心メンバーたちの、国にもしっかりとものが言える市民団体をこの国に作っていかねばならないという人生をかけた想像を絶するがんばりと、賛同して下さる会員のみなさんのおかげです。会の形や会員種別が変更となり、とまどわれる方もおられると思いますが、会を発展させていく過程でやむをえない変更です。どうぞ、ご理解の程をよろしくお願いします。

クマ:山中で遭遇、男性が顔にけが--養父・八鹿 /兵庫 行政対応は注意喚起のみ

7月31日午前9時ごろ、養父市八鹿町米里の山中を歩いていた同市内の自営業の男性(64)がクマと遭遇、顔などをひっかかれ、軽いけがを負った。養 父署によると、体長1メートルの子グマ。男性は県猟友会員で、別の会員と2人でシカを駆除するわなを点検するために山道を歩いていたところ、突然やぶの中 から飛び出してきた。一帯はクマの生息域で、同署は付近住民に注意を呼びかけている。(毎日新聞記事より)

兵庫県で野生鳥獣に対応している森林動物研究センターに、今後のこのクマへの対応を問い合わせたところ、クマ生息地の山中で起きた事故であることから、当然ながら捕獲予定はないとのことでした。猟友会の皆さん、近年クマは奥山にいるとは限りません。今回のように集落から100mの所にもいますので、音のするものを持って入るなど、事故防止を怠らないように気を付けてください。

 「鳥獣被害防止特措法」の更なる強化法案を止めるため国会へ

食べ物を求めて山から次々と出て来るようになった野生鳥獣。かれらによる農作物被害が増大して、農家の皆さんが悲鳴を上げておられるのは本当です。

こんな中、2009年に国会に提出された「有害鳥獣特措法」は、野生鳥獣のホロコースト(大量殺害)法案でした。

「この法案は、残酷なだけの対症療法にしか過ぎない。動物のすめる森復元という根治療法にこそ力を入れるべきだ!」国会での成立を阻止しようと、くまもりが全会あげて闘ったこの法案は、「鳥獣被害防止特措法」と法案名が変わり、一部内容が変更されただけで、残念ながら2009年12月に国会で成立してしまいました。

今回驚いたことに、この法案の5年後の見直しもまだ終わっていないというのに、この法案をさらに強化した

①もっと野生鳥獣を大量に殺せるようにしよう。

②捕殺した鳥獣肉を人々が食べるようにしよう。

③ハンターをもっと増やし、ライフル銃の規制緩和もしよう。

という法案が、和歌山県選出の鶴保参議院議員らによって、今国会に提出されようとしています。

2011鶴保庸介「鳥獣対法案国会へ

戦後、野生鳥獣の生息地だった山を破壊して動物たちが奥山から出て来ざるをえないようにしたり(和歌山県の人工林率は62%。内部が砂漠化した放置人工林が山に延々と続いています)、生態系のバランスを崩したりしたのは、人間です。人間としての責任はどうなるのでしょうか。野生鳥獣へのやさしさを失った文明は、自然破壊に歯止めがかからなくなり滅びます。鶴保議員らには、放置人工林の強度間伐による自然林復元など、野生鳥獣被害問題の根治療法にこそ取り組んでいただきたいです。この法案を止めるため、熊森は、再び国会へ行きます。

自然農法:効果を確認 但東の水田で生き物調査--熊森協会 /兵庫

肥料も与えない自然農法を豊岡市但東町大河内の水田で実践している日本熊森協会(森山まり子会長、本部・西宮市)は31日、現地で生き物調査を行った。県南部の都市部の市民ら約55人が参加し、メダカやゲンゴロウなどたくさんの生き物が水田に生息していることを確認した。

自然保護団体の日本熊森協会は、大河内地区で自然林の再生活動を行ってきたつながりを生かし、4年前から同地区の休耕田10アールを借り、自然農法による米作りを行っている。

同協会が実践する自然農法は無農薬はもちろん、有機肥料も使わず、田植え前に耕さず、草取りも最小限に抑え、水田の生き物を大切にする農法。面積あたりの米の収量は6割に落ちるが、肥料や農薬を使わない分経済的で、安心安全な米が収穫できるメリットがある。

参加者らは、網で水生昆虫や魚をすくい、水田の生息する多様な生き物を確認していた。講師として参加した姫路市立水族館の市川憲平館長は「有機肥料であっても生態系のバランスを崩すケースもある。この水田は豊かな自然が保たれている」と話していた。【皆木成実】

〔以上、毎日新聞但馬版〕

現地で諸注意を聞く参加者たち

草々や虫たちと共に育つ、自然農法のくまもり田んぼのイネ。この日、草を刈って、イネより草の背丈が低くなるようにしました。

あぜから、水路や田んぼの中の生き物たちを網で採集
今年も、いろいろな生き物たちがくまもり田んぼに生息していました。大人も子供も、生き物たちとふれあうことが、人間にとってどんなに快く楽しいことかを再確認した一日でした。

驚いたことの一つは、田んぼに覆いかぶさった草の葉にモリアオガエルが卵を産み付けたらしく、田んぼの周りに木がないのに、オタマジャクシが田んぼの中にたくさんいたことです。

ご指導くださった先生方、ご参加くださったみなさん、取材して下さった記者さん、ほんとうにありがとうございました。調査の後は、容器に採集したたくさんの生き物たちを田んぼに返して、終わりました。

自然農4年目のくまもり田んぼのイネの成長は、すこぶる順調。この後は、イネが分けつを繰り返して大きくなり、お米がたわわに実るのを待つだけです。地元集落の区長さんに、水の番をよろしくお願いして帰途につきました。

次回の自然農作業は、10月の稲刈りです。それまで、太陽と水と自然が、このイネを驚くほど育ててくれるのです。

再信:教科書に載せてでも全国民に読んでもらいたい 原発事故被災者のみなさんに配って真実を伝えたい

4月1日付けで配信致しました当記事において、平井憲夫氏のお名前を「平井憲一氏」と間違えたままの内容で、TwitterとFacebookに転送されておりました。
大変失礼いたしました。改めて、正しいお名前で配信させていただきます。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「原発がどんなものか知って欲しい」
97年に亡くなられた原発建設現場監督だった平井憲夫氏の文(全文)
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html

トラスト地三重県大台町池ノ谷の近況

地元だより

①7月17日には、なぜかほぼ干上がりかけていた池ノ谷。地元の方が、残された水たまりに、モリアオガエルのオタマジャクシを運んでくださったのですが、オタマジャクシは絶体絶命。こんなことは以前にも何度かあったそうです。自然は厳しい。

②台風でも来てくれないともうダメ。願ったところ、なんと台風が7月18日、進路を急遽変えて、三重県へ。三重県は大雨となりました。セーフ。7月21日の池ノ谷です。

③今年、池ノ谷の周りの山々が赤い。ナラ枯れです。太平洋型のナラ枯れは、拡散しないと聞いていたのですが、一面に拡散しています。

自然を大破壊しては自然エネルギーと呼べない 山の尾根への風車設置は禁止を

「再生可能エネルギー法案」が、国会に出されています。しかし、山の尾根に風車設置だけは、できないようにしてください。取り返しのつかない森林破壊です。理由は、写真を見て頂ければ一目瞭然です。以前、当協会の奥山保全トラストが所有する山の尾根に、ある企業が巨大風車群を設置しようという計画を立てましたが、わたしたちは断固断りました。尾根は、山の命。尾根を傷つければ、山の下まで痛みます。

写真は、巨大風車が日本を傷つけているより

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