くまもりNews
ぽかぽか陽気の中、今年本部2回目のお世話
- 2011-02-26 (土)
- _クマ保全 | _野生動物保全 | 太郎と花子のファンクラブ
山形県クマ春季捕獲中止の要望書賛同署名、全国29都府県1021名分を持って特定鳥獣保護管理検討委員会へ
全国の皆様に報告と御礼
日本熊森協会山形県支部 八木文明
日本熊森協会山形県支部では、去る1月24日、山形県知事に対し、森林環境の保全や野生動物との共生という観点から、クマの「春季捕獲」を来年度は中止してほしいことなどを盛り込んだ要望書を提出しました。この要望書への賛同署名を呼びかけておりましたが、2月17日までに、全国29都府県からあわせて1021名分の署名をお送りいただいております。それぞれの地域、職場、ご家族、ご友人などへの呼びかけ、ほんとうにありがとうございました。
去る2月16日、私は、山形県の「特定鳥獣保護管理検討委員会」に、自然保護団体の代表として出席してきました。この日に間に合った署名912名分を自分の席に置き、皆様から後押しをしていただいていることを心強く感じながら会合でさまざまな発言をしてまいりました。
結論を先に申し上げれば、来年度について、私たちの要望を実現することはできませんでした。せっかく署名をお送りいただいたのにと思うと残念です。しかし、私はそれほど落胆してはいません。私たちの働きかけはまだ始まったばかりであり、今後の地道な取り組みがいつか理解されるはずであるという可能性に期待しているからです。
痛ましいことですが、山形県では今世紀に入ってからの10年間で、2300頭を超えるツキノワグマを捕殺してきました。そこに来年度は、「229頭」(今年度は218頭)を上限として、捕殺が行われることになりました。また、この中に「春季捕獲分」として含まれているのは86頭(今年度は83頭)です。いずれも昨年度を上回る数字となっています。
この数字を出すにあたって県は、県内に生息するクマを1985頭と試算しています。これは昨年度当初の推定生息数の2109頭から捕獲分227頭を差し引き、それに自然増加率が環境省のマニュアルの中に示されている12%であるとして算出したものです。
百歩譲って、この数値がかなり精度の高いものであるとすれば、環境省が全国に棲むツキノワグマの生息数を15000頭から25000頭と見積もっていることから、その10%もの個体が山形にいることになります。そしてさらに、「捕獲上限229頭」は、この生息数の11.5%になります。クマは、前の年の秋の実りの状況によって、出産が大きく影響をうけると聞いていますが、昨年山の実りが大凶作だったことなどは、この算出では全く考慮されていません。
全国のみなさんからの署名が集まっていることに触れながら、私は、「この会合で話し合っているのは実は山形だけの問題ではない」ということを強調してきました。クマに住民票はありませんし、森林が作り出す酸素や水にも、県境も国境もありません。
会合は、県事務局が出した案に反対の意見を述べたのは私一人でした。結果としては「少数否決」ということですが、今回の取り組みは「ゼロ」ではなかったと思っています。いくつか前進の兆しも見えています。
山形県内にはたくさんの国有林がありますが、これまで森林管理局は国有林へのクマの放獣を認めてきませんでした。そのことが放獣のハードルにもなっていたのですが、昨年秋、県の自然保護団体協議会(私たちの支部も加入している)の名前で東北森林管理局に提出した要望書に対し、今後条件の整備を県との間で行ないながら、放獣を認めてゆくという回答が得られています。
また、放獣の前提となる、クマを傷つけないで捕獲するドラム缶ワナの製作について、県費での対応を検討してゆくという考えを県は示しています。
問題の大きさを考えれば小さな一歩ではあるのですが、一歩がなければ365歩もないのです。
ご協力いただいたみなさんにお願いです。署名は「終わり」ではなく始まりです。たとえば、山形のクマ捕獲の問題点について、新聞にぜひ投書してくださいませんか。また、県のHPから入って、県知事や担当部局あてにみなさんの声を届けていただけませんか。山形が全国の方々から注目されているということは、行政には強いインパクトを与えるはずです。どうぞご検討ください。なお、その際には決して匿名や無記名ではなくお願いいたします。正しいと信ずる意見を表明するのに、自分を隠す必要はありません。
山形支部では現在4月24日(日)の午後に、支部の総会を兼ねて勉強会を開催する予定です。山形県外からの参加も大丈夫です。ちょうど桜が見ごろの時期かもしれません。花見を兼ねてぜひ参加ください。また、今年秋あたりに、山形の森をみていただくツアーの実施を考えています。ナラ枯れやブナ枯れの現状と、ゆたかな原生林を見ていただく中身の濃い、しかも低価格のツアーを検討してゆくつもりです。案内を協会のHPなどに掲載していただきますので、ぜひお声をかけあってご参加ください。
このほかに、山形県の鶴岡市内でクマのクロちゃんを飼育しておられる佐藤八重治さんが、6月あたりにツアーを検討してくださっています。こちらも何らかの広報がなされると思いますので、そのときには参加をご検討ください。
みなさま、ほんとうにありがとうございました。
2月27日(日)安田喜憲先生講演会in滋賀県 安田先生が駆けつけて下さることに
- 2011-02-26 (土)
- 滋賀県
先日お伝えさせていただいておりました、2月27日(日)安田喜憲先生講演会。
緊急のお仕事が入り、先生のご出席が難しい状況になっておりましたが、急遽、おいで下さることになりました!
花粉分析で有名な、世界的環境考古学者安田喜憲先生(熊森顧問)の、地球規模の文明考察に基づく森の話は、目からうろこの連続。今後の熊森活動を進めていくにあたって、全熊森会員必聴です。
今回は貴重な機会ですので、滋賀県会員はもちろん、滋賀県以外の会員の皆さんにも、ぜひ参加していただきたいと思います。可能な限り、遠くからでもぜひお駆けつけください。
●日本熊森協会 滋賀県支部第7回支部総会
記念講演会講師:安田 喜憲氏「日本の森が危ない “母なる森”を取り戻せ!」
日時:2010年2月27日(日)午後1:30~4:30
場所:明日都浜大津 4階 ふれあいプラザ ホール
〈住所〉滋賀県大津市浜大津4-1-1
〈アクセス〉京阪浜大津駅から徒歩2分
JR大津駅から徒歩15分
JR大津駅から近江鉄道バス・京阪バス・江若交通バス浜大津方面
行き浜大津バスターミナル下車徒歩2分
*添付しております講演会のチラシでは、お申し込みは滋賀県支部となっておりますが、滋賀県外の支部・地区の方は、支部・地区で一括して本部までお願い致します。
お申込用紙はこちらからダウンロード
奥山の人工林を自然林に戻したい 和歌山県那智勝浦町での初のくまもり講演会に90名
- 2011-02-18 (金)
- 講演会
2月17日夜7時から9時まで、那智勝浦町で、初のくまもり講演会が開催されました。地元でホテル業を営む会員のNさんご夫妻が講演会をセットし呼びかけられたところ、森林組合長さん、議会副議長さん、町会議員さん14名中9人、観光協会会長さんら町のリーダーの方々をはじめ、一般町民の方々が、悪天候にもかかわらず、会場いっぱい90名もお集まりくださり、驚くとともに感激でした。
みなさん、最後まで熱心に耳を傾けてくださり、いい話だった、こんな話は初めて聞いたと喜んで挨拶に来て下さる方も何人かおられました。
世界遺産に登録されている那智の滝は、町民の皆さんの誇りです。この滝の上の奥の方が広大な人工林になっているそうで、そこを自然林に戻そうという動きがでてきているのだそうです。この講演会をきっかけに、動きが加速されそうな感じがしました。勝浦の皆さんが、自然林の価値に気づいて動き始められたら、世界的なニュースになるかもしれませんね。
国会で森林法改正案への議論展開中 熊森、自民案を評価
これから「森林・林業再生プラン」が始動することになります。それに伴って今、国会では「森林法」の改正案が議論されています。熊森内部でも法律の専門家と森林法の勉強会を重ねてきました。その結果、熊森は、昨年末、自民党の勉強会が出してこられた改正案を評価しています。この案を読ませていただくと、高市議員らが、日本の森林の将来を真剣に考えておられることが伝わってきます。
高市早苗議員コラムより
熊森はこれまでの活動や林業関係者等の聞き取りも加味して、森林の水源涵養や土砂流出防備機能を重視するために、今後、保安林を広葉樹林化することなどを入れた森林法改正案を国に提案しています。
2/20 (日)雪かきボランティア募集!
- 2011-02-15 (火)
- _奥山保全再生 | _現地訪問・調査 | お知らせ(参加者募集) | 企画・イベント
2月20日(日)、兵庫県豊岡市にて雪かき作業をします。
体力がいる作業です。(屋根には登りません)
定員3名。
参加費無料。
(ボランティア保険未加入者は、保険代500円、当日頂きます)
当日、朝8時に阪急夙川駅で集合。
参加希望者は、保険の関係上、2月17日(木)午後6時までにお申込みください。
日本熊森協会 本部事務所
0798-22-4190
日本の宝、泡瀬干潟を後の世に受け継ごう!
- 2011-02-15 (火)
- 企画・イベント
どこにでもある人工ビーチ(埋立地)で二流の観光地を造るよりも、生物多様性日本一の干潟で沖縄市固有のどこにもない本物の海を後世に繋げていくために、工事の取りやめを要求する「アピール文」への賛同者を「泡瀬干潟を守る連絡会」が募っています。
貴方の名前、団体名での賛同をお願いしていますので、是非ご協力ください。
ご賛同下さる方は、下記より内容をご確認いただき、賛同のご意思をメール・FAX・お電話で「泡瀬干潟を守る連絡会」までお知らせください。
アピール文
泡瀬干潟を守る連絡会Blog
詳しくは、泡瀬干潟を守る連絡会のHPまで。
沖縄の原生林を皆で守ろう!やんばる森での米軍ヘリパッド建設取りやめ要求署名にご協力ください。
- 2011-02-15 (火)
- 企画・イベント
沖縄県のやんばるの森にある人口160人の高江町で米軍のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)建設が強硬されようとしています。やんばるには亜熱帯自然林と渓流が残っており、4000種を越える野生生物の生息地となっていて、動物11種と植物12種はやんばる地域の固有種です。レッドリストに指定されている生物たちの調査がされることなく、森を破壊し、大規模な米軍訓練施設を建設しようとしています。
私たちの命を支えてくれている大事な森。
そしてその森を守る沢山の動植物たち。
なんとしても守りたい。
皆様、是非ご協力ください。
・映像『やんばるからのメッセージ』
http://www.youtube.com/watch?v=5sS7aesBipU
高江の事を10分にまとめています
今、国から妨害行動をしていると住民が訴えられている(!)んですが、裁判中なのに夜中に工事を強行しようとしたりと危ない状態が続いているそうです。
・映像『闇夜に襲いかかる米軍・沖縄防衛局』
2010/12/22早朝の強行工事の様子 2分30秒
・サイト『やんばる東村 高江の現状』
http://takae.ti-da.net/
高江現地最新情報はこちらで
・文字資料PDF『Voice of Takae』
http://nohelipadtakae.org/files/VoT2008June.pdf
高江の基本がわかる文字資料(2008/6/1作成)
署名も集めています。
http://nohelipadtakae.org/files/takae-shomeiApril2010.pdf
************
以下、アメリカ、オバマ大統領にあてた、やんばるヘリポート建設取りやめを要求する電子署名はこちらから:
http://bit.ly/dITDgH
Stop building USmilitary helipad and save the Okinawa forest!
Dear Mr. President Obama,
オバマ大統領 様
Okinawa people need your help.
沖縄の人たちに貴方の助けが必要です。
Japanese government starts destroying the forest for building the US helipad, without investigation of Redlisted animals. Please tell Mr. Kan to stop destroying Okinawa forest.
日本政府は米国のヘリパッドを建設するために森を破壊し始めています。レッド・リストに指定された動物の調査をすることなくです。どうか菅さんに沖縄の森の破壊を
やめるように言ってください。
There is Jungle Warfare Training Center of United States Marine Corps (7,500 ha) in the area called Yanbaru %u2013 Northeast mountain side of Higashi and Kunigami village, Okinawa. Subtropical natural forest and mountain stream remain, and the area provides habitats for over 4,000 species of wildlife. 11 animals and 12 plants are peculiar to the Yanbaru area.
沖縄の東村と国頭村の山の北東側のやんばると呼ばれる地域にアメリカ合州国海兵隊のジャングル戦闘訓練センター(7500ヘクタール)があります。亜熱帯自然林と渓流が残っており、4000種を越える野生生物の生息地となっています。動物11種と植物12種はやんばる地域の固有種です。
A large number of Threatened Species are listed in the Red List, 188 species in Okinawan Red List, and 177 in the Red List of Environment Ministry. Jungle Warfare Training Center and the Yanbaru Forest around the center have quite important natural environment and biodiversity
including numerous endemic, endemic subspecific, and threatened species.
レッド・リストにはたくさんの絶滅危惧種が挙げられており、沖縄レッド・リストには188種が、環境省のリストには177種が入っています。ジャングル戦闘訓練センターとセンターを囲むやんばるの森は極めて重要な自然環境を保持し、多くの固有種、準固有種および絶滅危惧種を含む生物多様性を保っています。
%u3000Northern half of the Jungle Warfare Training Center is scheduled for retiring to Japan. However, the construction of 6helipads (75m in diameter) and roads are required in return. If the helipads are constructed and military exercises carry out, it is considered to have
serious adverse effect on forest and the wildlife living in the area. Okinawa People call for the cancellation of helipads.
ジャングル戦闘訓練センターの北半分は日本に返還されることになっています。しかし、それと引き換えに六つのヘリパッド(直径75m)と道路の建設が要求されています。もしこれらヘリパッドが建設され軍事演習が行われれば、森とこの領域に生息する野生生物に深刻な悪影響を及ぼすものと考えられます。沖縄の人びとはヘリパッドの建設取りやめを要求しています。
Natural environment and the wildlife living in the Jungle Warfare Training Center are of considerable value as World natural heritage. IUCN urged both Japanese and American governments to consider other alternatives, including Zero Option (option of no constriction), also to
set up a protected area and management action plan for Okinawa Woodpecker and Okinawa Rail in the years of 2000 and 2004.
ジャングル戦闘訓練センター内の自然環境とそこに棲む野生生物は世界自然遺産としてかなりの価値を持っています。IUCN(国際自然保護連合)は日本政府と米政府両方にゼロオプション(建設しないというオプション)も含めて別の代替案を考えるよう、また、ノグチゲラとヤンバルクイナの保護域と保護行動計画を2000年から2004年の間に策定するよう、強く促しました。
The government should also call off the helipads constriction plan to the security and tranquil life of the people who lives in Takae, Higashi village, situated next to the helipads.
政府はまた、ヘリパッドに隣り合わせの東村高江に住む住民の安全と静謐な生活のために、ヘリパッドの建設計画を撤回しなければなりません。
Sincerely yours
敬具
<署名法>
すべて半角ローマ字で。
Prefix:敬称。Mr. Ms. Mrs. Dr. から選ぶ。
First Name:名
Last Name:姓
don’t display my name私の姓名を表示しないで:ならチェックを入れる。
Email:メールアドレス
Country:国を選択
Street Address:區町名番地
City:市
ZipPostal Code;郵便番号
良ければ次の囲いの中に意見を書き込む。
sign now をクリック
次お画面で更にsign nowをクリック。
※※※※※※※※※※※※※※※※
3月20日 山梨県・宮澤正義先生講演会
- 2011-02-14 (月)
- _クマ保全 | _野生動物保全 | お知らせ(参加者募集) | 企画・イベント | 講演会
地震後の交通等規制のため延期となりました。
2011 年3 月20 日(日曜日)
13:30~15:30/質疑応答~16:30 終了
山梨県職業能力開発協会(山梨県中小企業人材開発センター)
甲府市大津町2130-2 *アイメッセ山梨すぐ側
参加無料
小学生の高学年からお聴きになれる内容です。
「初めてわかった、クマの本当の姿」
かつて森の王者といわれたクマが、いまや絶滅寸前。地球上の生物多様性が猛スピードで失われているいま、人間と野生動物の「真の共存」についてお話しします。
人間が入ることなどほとんどなかった数十年前の長野の山奥で、宮澤先生は1日山に入ると、20 頭のツキノワグマとすれ違っていたと言われます。無数のクマに合ったけれど、何かしてきたクマなど1頭もいませんでした。人間よりも大きくて力も強いのに、なんて平和的な動物なのだろう。宮澤先生は次第にクマに魅せられていくようになり、後年、10 頭のツキノワグマと自宅の500坪の庭で20年間、家族同様に暮らされることになるのです。一緒に暮らしてみて、はじめてわかるクマの本当の姿。クマの優しさ、賢さ、がまん強さ、飼い主に示す深い感謝の念に、敬意すら抱かれるようになっていかれました。
【宮澤正義先生 プロフィール】
野生動物研究者(ツキノワグマ研究第一人者)
1927 年、長野市生まれ。長野電鉄勤務、水稲・リンゴ栽培の農業のかたわら、野生生物及び生物環境学を研究。
主な著書に『ツキノワグマ日記』『クマと暮らして』
『クマは警告する』『家族になった10 頭のクマ』。
【主催】 日本熊森協会 山梨県支部
【申込・問合せ】
Tel.090-8348-4067(岡)
090-3137-7856(清水)
FAX.055-266-5095
E-mail rightstaff_akemi@yahoo.co.jp
山形県の森と熊保全のため、皆様ぜひご協力ください!
- 2011-02-10 (木)
- お知らせ(参加者募集) | 企画・イベント
1月24日のくまもりNEWSで皆様にもお知らせさせていただきましたが、「クマノイ(胆嚢:漢方薬として高く売れる)が一番大きくなっているときに狙って行われる、県内でのツキノワグマの春季捕獲(春グマ狩り)の中止」や「増大しているナラ枯れ・ブナ枯れの対策強化」などを求める、熊森山形県支部の要望書への賛同者が、どんどん増えています!
賛同してくださった皆様、本当にありがとうございます。
八木支部長は2月16日、山形県の特定鳥獣保護管理検討委員会で、県に提出予定ですが、まだまだ賛同者を募っています!
賛同してくださる方は、ぜひ、
http://kumamori.org/files/5812/9587/1717/山形県知事等への要望書.pdf
より、要望書をダウンロードの上、賛同署名をして八木支部長宛にお送り下さい。
(できるだけ2月15日必着でお願いします)
自然保護に県境はありません。皆の力で、日本の熊と森を守っていきましょう。ご協力よろしくお願いいたします!