くまもりNews
兵庫県が「ツキノワグマの大量出没の要因と対策を考える」シンポジウムを予定
- 2011-02-07 (月)
- お知らせ(参加者募集)
開催日時2月27日 13:00-17:00
場所:兵庫県立美術館 ミュージアムホール
主催:兵庫県森林動物研究センター
■プログラム
1. 出没及び被害の発生状況と対応
(稲葉一明 森林動物研究センター森林動物専門員)
2. 生息環境と堅果類の豊凶
(藤木大介 兵庫県立大学講師/森林動物研究センター研究員)
3. 捕獲個体の栄養状態と繁殖状況
(中村幸子 兵庫県立大学客員研究員/森林動物研究センター協力研究員)
4. 生息動向の推移と個体数推定
(坂田宏志 兵庫県立大学准教授/森林動物研究センター主任研究員)
5. 行動特性と出没との関係
(横山真弓 兵庫県立大学准教授/森林動物研究センター主任研究員)
6. パネルディスカッション
参加費無料です。参加希望者は、2月18日が申し込み期限です。ご都合のつく方は是非ご参加頂き、兵庫県が今後どのように自然保護に取り組んでいけるか、県民、国民、一有権者として是非共に考えて頂けたら嬉しいです。
兵庫県が国に「夜間狩猟特区」などを申請して却下されていた
兵庫県自然環境課が環境省に申請して却下されていた事項を、環境省のHPから見つけ出してびっくりしました。いずれも野生鳥獣の大量捕殺を促進させるためのものです。
①特定の鳥獣保護区で、冬場、シカ、イノシシを罠で獲っていいようにしてほしい。
②銃所持許可者に対して、狩猟免許技能試験の一部を免除していいことにしてほしい。
③シカ害が大きいところでは、夜間の銃猟を認めてほしい。
さすがの環境省も、生息環境の攪乱につながる恐れがあると却下したそうです。環境省に拍手するとともに、兵庫県民として恥ずかしいです。以前、担当部署に、野生鳥獣を敵視して捕殺を進めることしか考えないタイプの人がついていたとき、どんどん野生鳥獣の捕殺が暴走していきました。野生鳥獣にも生存権を認め、共存していこうというタイプの人が部署についたときは、荒廃した山を復元して山に動物たちが帰れるようにすべきだとし、できるだけ野生鳥獣を殺さない方向に舵がとられました。行政の全ての部署は、人間のために存在しています。せめて、自然環境課だけでも、自然や野生生物の立場に立って、発言できる人をあてていただきたいものです。
わたしたちは、兵庫県庁の自然環境課のどなたがこのような環境省もあきれて却下するような案を出されたのか、知りたいです。そのような案を出してきた人がいた場合、自然環境課として押さえられなかった組織のしくみも、知りたいです。これまで日本一のクマ保護先進県であった兵庫県が、2010年度、子グマまで殺す70頭のクマ大量捕殺県に転落したのと関係がありそうな気がしてきました。
2011年第2回神奈川県くまもり会員のつどいのお知らせ
- 2011-02-06 (日)
- お知らせ(参加者募集) | 企画・イベント | 神奈川県
来る2月11日(祝日)午前11時から、「麦っ子畑保育園」にて、神奈川県支部結成に向けての2011年第2回神奈川県会員のつどいをもちます。
自然食パン工房からお弁当(700円相当)を注文いたしますので、事前にお申込みください。(小麦アレルギー等でパンが召し上がれない方は、お弁当をご持参ください。)
お問い合わせ先:
日本熊森協会 本部事務局
TEL:0798-22-4190
FAX:0798-22-4196
Email:contact@kumamori.org
当日連絡先:
TEL:046-255-7087
麦っ子畑保育園 大島 貴美子
〒252-0015
神奈川県座間市南栗原1-4-2
TEL&FAX: 046-255-7087
http://www.mugikko.org/
アクセス地図
最寄り駅・相鉄線「さがみ野駅」
より徒歩20分。もしくは、タクシーにて約5分。
*駐車場はございます。事前にご連絡ください。
動物たちの森を壊して植えたスギ・ヒノキの分収造林、全国で破たん 滋賀県など債権放棄
琵琶湖の水源涵養のためという名目で、林野庁の勧めで、1965年、滋賀県と下流の府県や市がお金を出し合って、滋賀県造林公社を設立。琵琶湖周辺の山の自然林を伐採して、跡地にスギなどの林業用の苗木を大々的に植えました。50年後、苗木が育ったら伐採して材木を販売。収入を山分けしてもうけようというもくろみでした。しかし、今、伐採予定の時が来たのに、材木価格の下落により、伐採して運び出しても伐採費用や運搬費用を差し引くと、収益が出るどころか赤字になるだけ。収益を山分けするどころか、出資金1円だって返ってきません。
滋賀県は仕方なく、この度、滋賀県造林公社とびわこ造林公社に出してきたお金のうち、769億円(県民ひとりあたり5.5万円)を、放棄することにしました。下流域府県もそれぞれ2公社に出してきたお金を放棄することにしました。森の動物たちから生息地を奪った戦後の拡大造林政策が、人間にも損害をもたらしただけであることを思うと、滋賀県嘉田知事が言われるように、国の責任には大きいものがあります。私たち国民としては、専門家や行政の偉い人たちが考えたことでも大失敗することがあるということを、肝に銘じて頭に叩き込んでおくべきです。それどころか、地元の農林業者がわたしたちに、「戦後、国の言うとおりしたら、全部失敗した」とよく嘆かれることの意味を考えねばならないと思います。
今さら林野庁を責めてみても、しかたがありません。熊森は、こんなことになったのは、拡大造林や分収造林に反対しなかった全国民の責任であるととらえています。問題は、この後どうするかです。今後荒廃した山が引き起こすと予測される大災害の頻発を防ぐためにも、放置人工林の強度間伐を公共事業で早急に進め、人工林の3分の2は、真の水源涵養のためにも針広混交林の自然林に再生させて、今、集落周辺に出てきている動物たちが帰れるようにしてやってください。残りの3分の1の切り出しやすい場所では、林業用に森林整備を行ってほしいです。熊森はもちろん、このための協力を惜しみません。琵琶湖の水を使っている近畿2府4県の府県民のみなさんもきっと協力して下さると確信します。
滋賀県嘉田由紀子知事「破綻は国の責任」
2月2日 河島英五記念基金から熊森に寄付金贈呈 於:奈良市
- 2011-02-05 (土)
- くまもりNEWS
2月2日、河島英五さんの奥様がされている奈良市のTENTENCAFEというお店で、待ちに待った河島英五財団からの寄付金贈呈式がありました。寄付金を贈呈していただくことへの感謝はもちろんですが、河島英五さんの残された3人の子供さんがどんな方たちなのか、とてもお会いしてみたかったのです。
写真左から、長女河島あみるさん(女優)、次女河島アナムさん(歌手)、長男河島翔馬さん(歌手)
みなさんおきれいで、明るくて、見るからに人柄がよくて、本当に素敵な方々でした。納得。1年のうち200日は仕事で家を空けておられたという河島英五さんですが、子どもたちはみんなこんなにまっすぐ育って、そろいもそろってこれまた親思い。自然が好きで自然を心から愛していた父を思い、自然保護団体や音楽を志すひとたちに、毎年こうやってお父さんの名前で、寄付金を贈呈されているということです。親を親とも思わない若い人たちが増えている中で、亡くなられて10年にもなるお父さんをこうやってずっと顕彰し続けている子供たちがいる・・・これだけでも、感動で胸が熱くなります。
お店の中は、熊森本部や奈良地区の会員の皆さん、その他関係者の方々で満席でした。贈呈式が終わってから、次女のアナムさんが、「ツキノワグマのおかあさん」という自作の歌を初めて披露してくださいました。森山会長は、歌が始まる前から、もう泣いていました。アナムさんは、去年の秋、テレビで、2頭のこぐまを連れた母グマが、道路の真ん中を堂々と歩いている姿を見られて、母グマが、「わたしたちクマにも生きる権利がある」と主張していると感じ、感動で一気に歌ができてしまったそうです。多くの皆さんに、聞いていただきたい歌です。なんとうれしいことに、この日、3兄弟全員が、熊森会員になってくださいました。
冬ごもり中に聞き取り
- 2011-02-05 (土)
- _クマ保全
熊森には、クマが冬ごもり中にしておかなければならない仕事がたくさんあります。その一つが聞き取りです。熊森本部は、連日、手分けして、いろんな人たちに会いに行っています。「クマのため人のため全生物のために、クマの棲む豊かな森をこの国に残そうと活動している実践自然保護団体の日本熊森協会です」と名乗って、聞き取りを始めます。被害を受けた方からは、「帰れ」と罵声を浴びることも覚悟の上の訪問です。
しかし、今回お会いした方々は、「阪神間から来たのか。遠いところからよく来たね」と、みなさん大変親切にして下さり、被害状況なども詳しく教えてくださいました。田舎には、まだまだやさしい方々がたくさんおられる。胸がいっぱいになりました。いろいろと現地で聞き取りをしてみて、来なければわからないことがたくさんありました。熊森は、これからもますます現地現場主義でいこうと思います。
熊森スタッフがこうやって各地を訪問できるのは、会員の皆さんの会費の一部を交通費に使わせていただいているからです。会員の皆さんに感謝です。
冬眠できずに雪の上をさまようクマの保護施設を
- 2011-02-05 (土)
- _クマ保全
今年、兵庫県北部但馬地方は大雪です。1月に、こぐま2頭が冬眠できずに雪の中をさまよっているという情報を得て、どんぐりを持って何度か、現地調査に行きました。(母グマを駆除された可能性大)。今年、年初めに、熊森本部がした初仕事でした。積雪120センチ。地元の人も、クマたちはどこに行ったのかわからないということでした。
ドングリを置いても1日に雪が30センチ~40センチ積もるから、すぐ雪に埋まってしまうと、地元の方が教えてくださいました。しかし、何とか見つけてほしいと願い、何カ所かに置いてきました。絶滅危惧種のクマが、冬眠場所がわからず雪の中をさまよっていると知って、うちの納屋で春まで寝ていたらいいよと言ってくださる方がおられないかなあと思いました。昔の山里には、きっとこういうことをしてくださる人がおられただろうと思いました。
全国で、母グマを殺されてさまよっている子グマがたくさんいます。春まで寝かせて雪解けに放してやれる保護施設が本当に今必要だと思いました。
さすがに、2月になって、クマの目撃はなくなったようです。さまよっていたクマは死んでしまったことでしょう。
雪かきボランティア
日頃お世話になっている兵庫県但馬地方の方々が大雪に困っておられると聞いて、雪かきボランティアに参加しました。2階の屋根から雪降ろしをする仕事ができるといいのですが、慣れないと危険なため、屋根から降ろした雪を川に捨てる作業をしてほしいと、地元の方々に言われました。本当に田舎の方々は、いろいろと大変です。しかも、過疎化高齢化しています。会員の皆さん、熊森本部といっしょに、雪かきボランティアに参加してみませんか。
兵庫県2010年度、絶滅危惧種 のツキノワグマを、なんと70頭も捕殺
- 2011-02-05 (土)
- _クマ保全
兵庫県では、クマは絶滅危惧種であり、保護動物です。近年、奥山の実りなしという3度の異常年に、食糧を求めて次々と山からツキノワグマが出てきました。奥山のクマたちの生息地だった山が、人間活動によって大荒廃していることを、クマたちが私たち人間に教えてくれているのです。その結果、目撃数も大変多くなりました。(県行政は、クマ目撃を通報するように強く指導している)しかし、日本一のクマ保護先進県であった兵庫県では、これまでクマを捕殺することは、わずかでした。(以下グラフ参照)
奥山の大凶作年に兵庫県で殺されたクマの数
2004年度・・・・7頭捕殺、
2006年度・・・・4頭捕殺、
2010年度・・・70頭捕殺!子グマも何頭か殺されています。(他に、2頭が作業中に死亡し、11頭のクマが交通事故死したそうです)計83頭のクマが兵庫県で消されました。
クマの絶滅を止め、クマの棲む豊かな森を兵庫県に復元しようと長年、全力で取り組んできたわたしたちの苦労が水の泡となりました。大ショックです。どなたの指示や判断で、兵庫県が突然、クマの大量捕殺に方向転換することになったのか、調査中です。
昨年秋、兵庫県で大量捕殺が進んでいることを察知して(マスコミは報道しなかった)、驚いて兵庫県庁担当部局に電話をしました。
熊森:なぜ、兵庫県はクマ大量捕殺に方向転換したのですか?!これでは絶滅してしまう。他県のように、緊急対策会議をすぐに持ってください。
県庁:その必要はありません。
熊森:他県のように、捕殺数の上限を決めてください。
県庁:予定していません。
熊森:大変なクマ数が殺されています。そのことで。
豊岡農林事務所:忙しくて、1分1秒の余裕もありません。(対応拒絶)
熊森:イノシシ罠への誤捕獲が、大変な数にのぼっています。イノシシ罠は、上部にクマの脱出口がついたもの以外は設置してはいけないように指導してください。
森林動物研究センター:兵庫県は、イノシシ罠にかかったクマは放獣しています。(2010年度兵庫県内のイノシシ罠へのクマの誤捕獲は110頭で、うち109頭を放獣したとのことです)
熊森:これ以上クマを殺したら絶滅してしまいます。クマが集落に出て来ないようにドングリを運びますから、今、どこにクマが出ているのか教えてください。
地元役場:言えません。県に聞いてください。(県は教えてくれませんでした)
せっかく兵庫県井戸知事が、行政と県民との共働を打ち出してくださっても、行政担当者は、わたしたち県民がボランティアで動こうとしているのに、完全無視。これが日本の実態です。何とかここを変えていかないと、絶滅危惧種を守ることすらできません。絶滅危惧種を70頭も殺したというのは、ビッグニュースです。記者さんはぜひ詳細を調べて、記事にしてください。(県民は誰も知りません)
ちなみに、兵庫県では、クマの捕獲は、森林動物研究センターの県庁職員らが担当されており、2010年度は、計211頭のクマを捕獲し、139頭のクマを放獣したということです。これでは、作業者は、過労死寸前の激務となったのではないでしょうか。一方、クマは、捕獲されるたびに全身麻酔や様々な処置を施され、弱っていきます。熊森としては、両者のためにも、捕獲しないクマ対応を進めるべきであると考えます。
ちなみに、近隣府県の2010年度のクマ有害捕殺数は以下です。
岡山県・・・・0頭 滋賀県・・・・9頭 鳥取県・・・・40頭 京都府・・・・58頭
2011年2月26日(土) 鳥取県支部 宮澤正義先生講演会
2011年2月26日(土) 鳥取県支部 宮澤正義先生講演会
2010年、鳥取県でもクマが夏から次々に人里に現れ、捕獲数は117頭に上り、その内、補殺数38頭、放獣数79頭(内誤捕獲47頭)となりました。人 里へ現れたクマをなぜ殺してはいけないのか、クマが自然の中でどのような重要な役割を果たしているのかという事を、20年間10頭のツキノワグマと共に家 族として過ごされてきた宮澤正義先生から、鳥取県の皆さまにお話頂きます。ご家族、ご友人をお誘い合わせの上是非ご参加ください。
日時:2月26日(土)
13:30~15:30 宮澤正義先生 講演
15:30~16:00 質疑応答
場所:鳥取市文化センター
対象:会員および一般
主催:日本熊森協会鳥取支部
連絡先: 圓田章三 支部長
TEL:080-5614-1397/085-858-4043
FAX:085-858-4043

宮澤正義先生