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カテゴリー「くまもりNEWS」の記事一覧

8月11日 東北自動車道の溝に後ろ両足がはまってしまったイノシシくん 助けてやれなかったのか

8月11日午前0時10分頃、仙台市太白区の東北自動車道上り線で、車に当たったと思われるイノシシが中央分離帯の側溝にはまって動けなくなっているのを、ネクスコ・パトロール東日本の職員が見つけた。イノシシの両後ろ脚が側溝に挟まっていた。

車両から目撃した人の話では、イノシシはしょげ返っていた感じだったという。

約12時間後、このイノシシは身動きできない状態のまま射殺されたというのを聞いて、胸がつぶれそうになった。

何とか助けてやれなかったのだろうか。

 

 

①ネクスコ(Nippon Expressway Company )東日本に電話してみました。

・・返答→ すぐに、高速警察隊に連絡しました。

Q高速道路の側溝に蓋をしておかないと、かわいそうにまたこのようなことが起こると思います。

・・返答→ 高速道路では車がスピードを出しているので、蓋をしたら蓋が跳ね上がります。蓋はできません。

②高速警察隊に電話してみました。

・・返答→ 直ちに、仙台南警察に電話しました。

③仙台南警察に電話しました。

・・返答→直ちに、仙台市太白区役所に電話しましたが、真夜中だったので守衛さんには伝えましたが、動ける人はいませんでした。

④仙台市太白区役所に電話しました。

・・返答→10時過ぎに、現地に向けて出発しました。現地には、ネクスコ、高速警察隊、仙台南警察、区役所、猟友会が集まり   ました。仙台市役所、宮城県庁、宮城県警察本部にも連絡を取りました。

 

これだけの人たちが集まっているのに、てこか何か使ってこのイノシシの足を側溝から持ち上げて逃がしてやろうという声は出なかったのでしょうか。

宮城県には仙台に野生動物保護管理センターという合同会社があって、麻酔銃を使える人が2~3人いるそうです。

 

結局、行政の人たちの総合判断は、駆除でした。

今、宮城県ではイノシシの被害に困っており、お金を出してイノシシの駆除を進めています。

地元の心情を思うと、そんな時にわざわざこのイノシシを助ける意味はないということだったようです。

 

しかし、私たちはそれとこれとは別だと思います。

苦しんでいる動物を見たら、まず助けてやってほしい。

高速道路を一時通行止めにしても。

麻酔のお金は私たちが出します。

道路を造ったのは人間、側溝を造ったのも人間、車に当ててしまったのも人間、こんなことになったのは、人間にも責任があるのではないでしょうか。

人間にはいろんな考えがあるでしょうが、私たちはこう感じたということを、宮城県の行政に伝えておきました。

 

みなさんはどう思われますか。

 

P.S  後日、現場に行かれていた行政の方からお電話をいただきました。みんなでイノシシのところに行ったら、とびかかってきそうな勢いで突然、前足で暴れ出したのでとても危険を感じた。駆除以外はありえないと言われていました。イノシシは、人間が大勢やってきて怖くて恐ろしかったのだと思います。

このイノシシは銃ではなく、電気ショックで殺処分されたということでした。訂正させていただきます。

 

7月19日 地元が推進?原発の町福井県美浜新庄ウィンドファーム尾根筋風力発電計画の地元を訪問

ご存じのように、福井県三方郡美浜町は原発の町です。

2021年4月、福井県杉本知事が40年を超える老朽原発である3号機の再稼働に同意し、運転中です。

 

「樹齢300年のブナ巨木林、風力発電で伐採の危機」として、美浜新庄ウィンドファーム20基~25基事業計画反対するネット署名が出ていたので、今年7月6日、くまもりもフェイスブックで賛同署名を呼びかけました。(8月15日現在の署名数9935筆)

事業主はグリーンパワーインベストメント(略称GPI)で、主要株主は、Pattern Energy Group LP(アメリカ・カナダ)という外国資本です。

 

完成予想図(くまもり作成)

 

ところが、熊森本部に一部の方から、地元が賛成しているのに反対していいのかという疑問の声が入りました。

 

自然度9のブナ林が伐採されるというのに、地元が承認している?

どういうことなのか、さっそく熊森は現地を訪れました。

 

現地に近づいてくると、原発からの大量の送電線が張り巡らされていました。(下写真)

 

 

 

 

 

 

会ってくださったのは、現在、町会議員の松下照幸氏と事業者のGPIの社員2名です。

 

松下氏は美浜町で、長年、反原発運動を続けられてきた方で、会社員から町会議員となり、反原発派議員として孤軍奮闘してこられました。

美浜町では13年前、経産省の補助金で風力発電を造ろうとしたことがあったそうですが、そのときはうまくいかなかったようです。

松下氏は今は『森と暮らすどんぐり倶楽部』を立ち上げ、林業振興・木材利用の様ざまな試みをまち起しにつなげる仕事をなさっています。どんぐり倶楽部の事務所の前には、見慣れない木が生えていました。油桐(アブラギリ)という木だそうです。

 

 

 

 

 

 

青いTシャツの方が、松下さん

新庄区は6000haの山林を有しており、ほとんどが自然林という自然豊かな地区です。福井県と滋賀県の県境に、石川県の白山の一番いい森に匹敵するブナの巨木の原生林が残されていたなど、熊森本部は今回初めて知りました。

 

 

 

 

 

以前の新庄区は、薪炭やアブラギリの種から油をとる仕事が盛んだったそうですが、いまはもう成り立ちません。

現在の町の産業を訪ねると、ほぼすべてが原発関連の仕事ということでした。

この地に優れた地場産業があったら、原発は来なかったという痛切な思いが、松下さんの粘り強い活動を支えています。脱原発を言うだけではだめ、原発に頼らなくても町の人々の生活が成り立つようにしてこそ、脱原発が実現すると松下氏。

 

風車製造メーカーは日本にはありません。松下氏はドイツまで2度視察に行かれました。ドイツでは田舎へ行くほど経済が元気になるそうです。騒音や振動など、風力発電には様々な問題がありますが、技術革新で、年々改善されており、松下氏は今後の技術革新に期待されていました。

 

熊森からの質問に答えていただきました。

 

①尾根筋はクマなどの野生動物たちの通り道です。そこを削って平らにして風車を建てることによる鳥や野生動物たちへの影響は

松下氏:新庄地区の山はほとんどがブナ・ミズナラ林だが、クマはほとんどいない。なぜか動物があまりいない。

(役場担当者によると、美浜町でのクマ目撃は年間4~5頭で、ほとんど山の中だそうです。)

イノシシは山にいるが出てこない。シカは減った。サルは出てきたら花火で追い払いをしている。金網や電気柵で被害防除対策をしている。

 

②ブナの巨木を伐採することによる自然生態系への影響は?

松下氏:昔から炭焼きなどでブナを伐採してきた。自然林は一部を伐採してもすぐに再生するから問題ない。美浜町としては人工林は崩れるので、山を広葉樹に植え替えているそうです。

 

③風力発電を誘致したいメリットは?

松下氏:雇用が生まれること。今は、ほとんどが原発関連の仕事。あとは公務員、土木、水産ぐらい。

 

共に訪れた新庄の山に詳しいくまもり滋賀県支部の会員たちが、「25基も風車を建てないでほしい。特に尾根にブナの巨木群がある2か所はこの上もなく貴重な自然生態系なので、あの場所だけでも、絶対に残してほしい」と懇願されました。

 

熊森本部から

 

自然度9のブナの原生林というのは最高の原生林です。

新庄の山にお詳しい松下氏に新庄の森を案内していただきたくなりました。

 

確かに、昔からこの地区の山は一部を伐採して利用しては再生させてきたのだから、必ずしも伐採がいけないわけではないと思いました。問題は、尾根に至る広い道を急峻な山に造って、尾根を平らに削り、大きな穴(深さ20m?)を尾根に掘ってコンクリートを流し込んでいいのかということです。

 

セメントの灰汁による地下水の汚染、鳥や野生動物たちへの影響、大雨時の山崩れ…予測不可能な不安がいっぱいです。母なる大地に人工の手を加えない方がいいに決まっています。しかも、いったんやってしまったら、流し込んだコンクリートは二度と取り外せない、リニア同様、もう二度と元に戻せない再生不可能な大開発なのです。

 

熊森はクマたちの棲む水源の森を守ることが使命なので、尾根筋への風力発電は絶対にやめるべきと考えていますが、ではどこに造ればいいのかということになると、まだまだ知見不足です。風力発電の寿命は20年ということですが、20年後どうなるのか、まだ事例を知りませんから、不明点でいっぱいです。

しかし、原発以外に仕事がないという現状は確かに問題で、これは美浜町だけの問題ではなく、第一次産業を切り捨てて工業大国をめざしてきた我が国の政策の見直しを、国民みんなで考えねばならない時に来ていると思いました。(完)

 

P.S

ブログを読んだという、山に詳しい地元の人から電話が入りました。

くまもりは今、大雨のたびに九州の山がどれだけ崩れているのか知っているのか。自然林を伐採してスギを植えたのにどんどん崩れてるんだよ。風力発電は、尾根を皆伐してそのあと何も植えないんだよ。尾根から崩れるって断言すべきだろうとのお叱りでした。

 

 

 

8月1日 第26回くまもり本部原生林ツアーに26名(大人19名、小学生7名)がご参加!

私たち都市市民の命を支えている水源の森を見に行こう。

 

本部原生林ツアーは、くまもり25年の歴史の中で毎年欠かさずに実施してきたイベントです。

コロナの感染状況から、今年も去年同様、自車参加で実施することになりました。

集合場所は、兵庫県千種町千種高原です。

 

まず最初に、地元の千種川源流の会の阿曽さんに、大苗を植えておられる山を案内していただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21年前に皆伐された山は、ススキが原になっていた

 

この山は、約70年前、千種町が約300haもの自然林を皆伐した後、国にスギやヒノキを植えてもらった官行造林地でした。

標高は900メートル、多い時は雪が4メートルも積もるという豪雪地帯です。

植林後の手入れがなされなかったこともあって、元々の広葉樹が植林苗の間に大きく育ってしまい、まるで自然の針広混交林のようになっていました。

 

2000年、千種町と林野庁の契約期限が来て、契約どおりこの森の立木を皆伐して売却し、売上金を町と国で山分けすることになりました。

千種町の人工林率は83%です。千種町の森の動物たちはこの森の広葉樹に頼って生きています。この森を皆伐されたら、生きていけません。当時、日本熊森協会は姫路工業大学助教授の佐古井一朗先生と力を合わせ、この森を伐採しないよう、兵庫森林管理署(林野庁)にお願いしましたが聞き入れられず、皆伐が始まりました。

 

しかし、大運動の結果、千種町の大英断もあり、皆伐は30haで止まり、残り270haは針広混交林のまま千種町に返還され保全されることになりました。

皆伐されてしまった部分に、熊森をはじめいろいろな団体が3年苗を植林し、シカ柵を設置してこの場所を広葉樹の森に戻そうとしました。しかし、雪解け時になだれ落ちる雪に柵が壊されることの連続で、その度にシカに苗木を食べられてしまいます。

何度植林に挑戦しても、森に戻せません。残念ながら、ついに熊森もギブアップしてしまいました。

 

この後ここに、地元の阿曽さんたちが、シカに食べられないような大苗を植えて森の復元に乗り出され、成功されつつあります。阿曽さんたちは、千種川の源流を守るだけではなく、川でつながった海まで視野に入れて水の循環を守ろうとされています。その展望を皆で伺いました。

 

次に参加者の皆さんに見ていただいたのは、放置人工林の内部です。中は暗くて食べものは何もありません。

 

 

さて、いよいよ、お待ちかねの岡山県若杉天然林85ヘクタール。

以前、この森にはクマが2頭棲んでいましたが、今はもういません。

 

入口の広場でお弁当を食べてから、天然林に入ります。

大人たちはくまもり職員から植物や生き物、奥山生態系の詳しい解説を聞きながら頂上をめざします。

今回は、昆虫に詳しい奥津会員も特別参加、参加者の見聞を深めてくださいました。

子どもたちは地図を片手に見つけたものを書き込んでいきます。

 

この森は、25年前は本当に素晴らしく豊かな原生林だったそうですが、年々劣化。

今年はさらに、ナラ枯れでミズナラが大量に枯れていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

谷川の水量が例年と比べて激減

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

枯れて倒れたミズナラの根っこの大きさを体感

 

今年の原生林ツアーはお天気も良く、林内は涼しくて、最高のコンディションでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しかったねえ。生き生きとした参加者のお顔。

 

ずいぶんと劣化してしまった原生林ですが、それでも初めて参加された皆さんは、この森に大感動されていました。

今年も原生林ツアーを企画して良かったです。

 

<参加者の感想>

・自然がたくさんあってニホントカゲにも会えた。川の水を飲んだ。これからは水を大事にしようと思った。(大阪府在住 小学5年生)

・健康な山の姿は気持ちがいい。ゆっくりとここにいたい、帰りたくないと思いました。気持ちのいい場所は、自然の持つ本来の営みがあるというサイン。しっかりと今の課題と向き合い、先のまた先に紡いでいきたいです。(兵庫県在住)

・今まで意識して歩いたことがなかったのですが、天然林にはたくさんの木や生きものがいて、水が豊かで美味しいことが分かりました。子どもたちはいつもはスマホやゲームをしていることが多いのですが、今日はイキイキしていました。(大阪府在住)

 

くまもりから

全員の感想文を読ませていただきましたが、参加して良かった、勉強になった、感動した、初めて森のことがわかってきたなど、満足度の高い感想文ばかりでした。参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

全国の支部でも、原生林ツアーを実施できるようにしたいです。

7/26 保育園児たちにくまもり授業 西宮市西田公園

西宮市にある原っぱ保育所から、環境教育の依頼がありました。

保育所内で、まず、くまもり紙芝居を見てもらいました。

その後、年長さんと年中さん、先生方、みんなに20分ほど歩いてもらい、西田町にある西田公園に行きました。

この公園は、晩年、西宮にお住まいだった万葉集研究家・犬養孝先生(1907-1998)が尽力されて、昭和63年に誕生した公園です。
先生が選ばれた歌と、その歌に出てくる72種の万葉植物が植えられ、万葉植物苑という別名を持ちます。
梅などの木本類は今も残っていますが、草花はなくなってしまっているものもあります。

 

アベマキの木の下で、ドングリにはいろいろな種類があることを、標本を見せてお話ししました。

クマさんの食べるドングリはどれかな

 

園児たちは、秋にこの公園でどんぐり拾いをしているようで、ドングリにはとても興味を示していました。

クヌギなどのドングリの種類を知っている子もいました。

8月20日を過ぎると、ドングリは急に大きくなり始めるのですが、この日はまだドングリの実は5ミリぐらいにしか成長しておらず、ドングリの赤ちゃんということでみんなに見てもらいました。

 

 

ドングリのお話の後は、ビンゴカードを渡してネイチャービンゴ開始!

見つけたら、先生にカードを持って行って、スタンプを押してもらいます。

セミの抜け殻は、みんなすぐに見つけられました。

アリ、とんでいるいきもの、園児たちは見つける度にうれしそうに、スタンプを押してもらいにとんできます。

なかなか見つけられなかったのが、キノコでした。

 

植物探しとして、今回はギザギザの葉にしましたが、紙芝居でどんぐりの話をした後なので、ドングリの木の葉とかにしたらよかったかなと思いました。

 

初めての園児との野外授業。

園児たちがみんなで仲良く嬉々として生き物探しをしているのを見て、ほっとしました。

園児から大人まで、年齢に合わせてが楽しめる、こんな公園が保育所の近くにあって良かったです。

 

 

7月18日 オンラインで、 ⭐️全国再エネ問題連絡会を立ち上げました 

2021年7月18日、メガソーラーや尾根筋風力発電問題に取り組む約30団体が26府県から集まり、全国再エネ問題連絡会を結成しました❗️❗️
立ち上げニュース(1分14秒)
7月18日全国再エネ問題連絡会を立ち上げオンラインシンポ動画全記録
・入会申込書   みなさん、どんどん入会してください!
国土や自然を破壊するメガソーラーや風力発電にどうやって反対したらいいかわからずに悩んでおられる全国の団体や個人のみなさま
   泣き寝入りは不要です。みんなつながりましょう。

自然エネルギーを推進するために森林を皆伐するなど、本末転倒です。

今こそ、物言えぬ生き物たちや子や孫たちのために、私たち大人が声を上げる時です。

自然再生エネルギーとして経産省が一気に推進しようとしているメガソーラーや風力発電が投資家の高利回りの投資対象となっており、日本全国の奥山生態系・奥山水源の森の破壊に歯止めがかからなくなっています。

日本国にとっても、クマの棲む豊かな水源の森を全国に保全・再生し、クマたち野生動物の絶滅を止めようと運動し続けてきた熊森にとっても、この上もなく危機的な状況になってきました。

国会議員などの超党派議員に動いてもらって、議会で再生エネルギー名目の開発に法規制をかけてもらうことが必要です。

私たちは、豊かな自然や住民生活を破壊しない再エネ政策の実現をめざして法改正を求めます。
全国のみなさんと連携して、野生動物たちの生息地でもある水源の森を守るため、力を尽くしたいと思います。
みんなが力を合わせて多くの声を届ければ、世の中はきっと変わる!
メガソーラーや大規模風力発電問題に取り組む住民のみなさんはもちろん、
自然保護団体、山岳会など多様な団体のみなさんに、団体で又は個人でご入会いただきたいです。

 <共同代表>

太白カントリークラブ メガソーラー建設に反対する会  (宮城県)

函南町のメガソーラーを考える会(静岡県)

平群のメガソーラーを考える会(奈良県)

一般財団法人日本熊森協会(兵庫県)

宇久島の生活を守る会(長崎県)

静岡新聞7月19日7.19静岡新聞
長崎新聞7月19日 クリックで拡大されます。

 

7月17日オンラインシンポジウムに参加した感想  残虐過ぎるくくり罠、全面使用禁止にせよ

7月17日の第3回くまもりオンラインシンポジウム

「ストップ!!錯誤捕獲」

で、⻑野県⼩諸市の担当者が錯誤捕獲の現状を報告してくださいました。

大衝撃を受けました。

近々、ユーチューブに全編をあげさせていただきます。

全国の都道府県並びに市町村の鳥獣対策担当者必見です。

このシンポジウムは、ほぼ100%の参加者から「とても良かった」と、高い評価を得ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くくり罠に再度かかり、2本足になってしまった子グマ

いったいこの子グマが何をしたというのか

 

山中に仕掛けられたくくり罠に錯誤捕獲されて3本足になってしまった子グマが、再度くくり罠にかかって2本足になってしまった写真が提示されました。(上の写真)

胴体からちぎれた足の傷口を見てぞっとしました。2本の骨も折れています。むごすぎるの一言です。もう、泣きたいです。

誰が認めても、熊森はこのようなことを絶対に認めません。

 

山の中は森の動物たちの家です。

山の中にまで罠を仕掛ける権利は、人間にないはずです。

 

小諸市の担当者によると、十分な対策をとっている小諸市でも、この一週間に5頭のクマがくくり罠に錯誤捕獲されたそうです。

くくり罠にかかって足をワイヤーで締め付けられ、もがいているカモシカの映像も見せていただきました。まさに日本残酷物語です。

 

日本では、膨大な数の野生動物たちが、毎日、毎日、無数に仕掛けられたくくり罠に次々と掛かり、足を失ったり、命を落としたりしています。

 

錯誤捕獲されたクマと天然記念物のカモシカに関してだけは、小諸市では罠を外してやるそうですが、キツネやタヌキなどまでは手が回らないので錯誤捕獲されても放置したままだということです。

 

くくり罠はそもそも田畑の農業被害をなくそうと、シカやイノシシを捕殺するために山の中に仕掛けられたものです。

本来の捕獲目的であるシカやイノシシであっても、くくり罠にかかった姿は、悲しすぎます。

 

確かに今や、シカ被害は大変ですが、シカだけが悪いのでしょうか。シカは元々、林縁にある草原や湿原の動物でした。500万ヘクタールあったこれらのシカの生息地は、戦後、ことごとく人間によって農地や宅地にされてしまったのです。

人間側に、何も責任はないのでしょうか。

 

令和の時代は、残虐罠であるくくり罠を使用禁止にして、どんなに困難であっても、祖先がしていたように網や柵で田畑を囲う対策に移行すべきだと思います。でなければ、人間の優しさが失われ、人間がだめになっていくと感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大分県佐伯市に残る江戸時代のシシ垣

 

 

もちろん過疎化高齢化した地元にそのようなことを要求しても難しいので、都市市民の税金を投入すべきでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現代版シシ垣

 

熊森は、これまでもくくり罠の使用禁止を求めて何度も環境省に申し入れをしてきました。

罠の直径12cm規制の厳格実施は当然ですが、それ以前に、くくり罠のような残虐罠は、トラばさみ同様、使用禁止にすべきです。

わたしたちはこんな残酷な罠を、絶対に認めません。

みなさん、くくり罠の全面使用禁止の大声を熊森と共にあげていきませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注:トラバサミとは

動物の身体の一部を挟み、野生の動物や人等、無差別に捕まえて大怪我を負わせる大変危険なわなで、2007年に原則、使用が禁止されました。いまだにホームセンターなどで売られているのは許せません。

 

<シンポジウムを終えて>

 

くくり罠による錯誤捕獲がひどいことになっているという猟師からの密告は、これまで何度も熊森に入っていましたが、実態は闇に隠されたままでした。

 

今回、小諸市の担当者が日本で初めて実態を調査し報告してくださいました。画期的なことです。担当者の勇気と、このようなすばらしい担当者を採用された小諸市に、心からの拍手を送りたいです。(完)

 

 

7.11宮城山形を視察 国有林の緑の回廊を尾根筋風力発電でつぶして台無しにするなどありえない

7月11日はあいにく雨模様。

本部2名は、会報107号の表紙にもなった「宮城山形北部風力発電」(事業主アメリカ資本:GPIグリーンパワーインベストメント)の計画地の視察に出かけました。

以下の写真は全て、Wクリックで大きくなります。

 

熊森作成予想図

 

設置予定地は、国有林の尾根筋です。

 

 

 

 

 

 

 

 

現地に向かいます。

この奥に、奥羽山脈が見えるはずなのですが、雨で見えません。

 

 

 

 

 

 

 

現地に近づいてきたら、雨がやみ、写真が撮れました。

奥羽山脈というのは、なだらかで低い山です。標高600メートルぐらいしかありません。

高さ140メートルの風車を建てたらどんな感じになるか、尾根筋に風車の絵をあとで入れてみました。

風景台無し、圧迫感がすごいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

計画地まではすでに、宮城県から山形県に抜ける立派な舗装道路がついています。

風車を運ぶときはもっと道幅を広げ、道路のカーブでは特に周辺の山の木々を大量に伐採しなければなりません。

次に、山の命である尾根を平らに削って尾根に広い道をつけ、セメントの灰汁が出るコンクリートを尾根に大量に流しこみ、水源を汚染します。奥羽山脈ができてから1回もしたことのないことを今回、人がするのです。カネ、カネ、カネ、もうかりさえすればいい、祖先が持っていた山への畏敬の念などゼロです。

道路の真ん中にクマの糞がありました。

ここはクマの生息地のど真ん中なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他の車が見当たらないので、道路に車を止めて、道路沿いの山を見てみました。

ブナの実はシイナではなく充実種子でした。ミズナラの実はまだ5ミリぐらいで小さかったですが、8月20日ごろになると急激に大きくなり始めるので、その時が楽しみです。

山ぶどう、コクワ、ヤマボウシ、ミズキ、ナナカマド…液果もそろっています。ハチなどの昆虫もいろいろと飛んでいましたから、おそらく実るでしょう。

西日本から行った者には、ため息が出るほど生物の多様性が保たれた豊かな森です。

この森は東北人だけではなく日本人の宝です。

なぜか、コンクリート製の電柱がずっと道路に沿って立ち並んでいます。

 

 

子連れグマに会わないように声を出しながら山の中を覗いてみました。

クマよけスプレーを忘れて来たので、いざという時はすぐに車に駆け込めるようにして観察です。

この道路がなければ、ここは野生の王国だったことでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中も下層植生に被われ、クマたちが棲めるすばらしい森です

 

もし、風車群が設置されたら、この環境は大劣化してしまいます。

熊森は尾根筋風車を絶対に認めません。風車は砂漠地帯に建てるものだと思います。

条例や法律の新規定は、宮城県と山形県の皆さんがどれだけ大きな反対の声を上げてくださるかにかかっています。

 

 

尾根に、青森から蔵王までの日本一長い「奥羽山脈緑の回廊」の標識がありました。

標識の後ろに、宮城北部森林管理署の名がありました。

宮城県の人工林率は50%とかなり高いです。

戦後の林野庁の拡大造林政策が行き過ぎて、私たち日本人は広大な奥山水源の森を破壊してしまいました。

しかし、奥羽山脈にこのような森を残してくださっていたのかと思うと、当時の林野庁の、ここは植林したくないという気持ちが伝わってきて、林野庁の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

こんな森が保全されていたから、今も東北にクマが生息できているのです。私たちの世代で壊してしまわないよう、声を上げ、これ以上この森を破壊しないように地方自治体や国を動かす責任が、今を生きる私たちにはあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

朗報:地元の人たちがこの風力発電を止めるためにもう動いてくださっており、きちんと会も結成されていたことがわかりました。

 

 

実は今回の宮城行きの目的は、今年6月4日に設立された熊森宮城県支部のみなさんの集いに参加するためです。

支部長、副支部長、事務局の3名の名乗りがあり、熊森設立25年目にしてついに宮城県に支部が誕生したのです。

この感動的でうれしい話は、会報でお知らせしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮城県支部の皆さんと楽しいひと時を過ごしました。

 

宮城県支部の皆さんに、宮城県の「クマたち動物ともりとひと」を守るために奮闘していただかねばなりません。

秋に、支部結成祝賀会が予定されています。

会報107号多めに印刷 再エネによる大規模森林破壊で地元は悲鳴、クマたち野生動物は生存の危機 

会報107号では自然林伐採によるメガソーラーや尾根筋風力発電問題を特集しました。

 

今回多めに印刷したのは、会員ではない方々にも読んでいただきたいからです。

1冊100円で販売していますが、議員や社会のリーダー層に配布していただける場合は、無料進呈も考えています。

現在、再生エネルギーという美名の元、このような奥山水源の森を大規模に破壊する事業計画が目白押しです。

くまもりは、もうこの国は取り返しがつかないことになると、危機感でいっぱいです。

CO2の吸収源である山林を伐採して自然再生エネルギー工事を進めるなど、本末転倒です。

私たち国民が声を上げない限り、お上は動けません。

みなさん、法規制を求めて、みんなで大声を上げましょう!

 

 

以下は、会員のみなさんに連帯の気持ちをこめて会報発送を手伝ってくださっているボランティアの皆さんです。

(於:本部事務所3階)

西宮市の市議会議員さん(くまもり会員)も、あいた時間にやってきて手伝ってくださいました。

 

 

 

 

 

 

会報発送ボランティア20210709

 

 

 

 

 

 

 

会報発送ボランティア20210710

 

会報発送ボランティアのみなさん、いつもありがとうございます。

7月19日総勢18名でクマたちの餌場造り 秋の植樹地の地ごしらえに汗を流す (兵庫県豊岡市)

今回の本部主催作業には、多くの方がボランティアとして自車で参加してくださり、作業がぐんとはかどりました。

参加者のうち8名の方は、自然農に取り組んでおられる「神慈秀明会豊中支部」(大阪府)のみなさんでした。

先日行われた森山名誉会長の講演を聞かれて、すぐにでも奥山保全に協力したいと熱い思いで来てくださいました。

 

今回の作業地は、20年ほど前にスギの人工林だった場所を皆伐した跡地で、これまで何度か実のなる木の苗木を植えてきました。しかし、急斜面で豪雪地帯のため、春に雪がなだれ落ちる時にシカ除け柵が一緒に倒れてしまい、あっという間にシカに苗木を食べられてしまいます。このようなわけでなかなか苗木が育たず、苦労している場所です。

 

野生動物との共存・棲み分けについてスタッフから話を聞く。

 

現地には、午前11時ころに到着。午前1時間、お昼をはさみ、午後3時間作業を行いました。

滑りやすい泥道に木組みの階段をつくる

 

植樹予定地の階段化

 

ミツマタや草を刈る

 

この日は最高気温が37度を超える猛暑日でしたが、皆さん和気あいあいと楽しそうに一緒に汗を流してくださいました。

野生動物たちのために!次世代のために!

 

最後に記念撮影。皆さん作業後も笑顔でした!(^^)!

 

秋には、実のなる木を植えていきたいです。

その時はみなさん、またご協力ください。

本日は、どうもありがとうございました。

素敵すぎる サントリー 天然水の森 の広告

和歌山県の会員Fさんが、7月14日の新聞に掲載されていたサントリーの広告がまるで熊森だとして感激し、新聞を送ってくださいました。

第85回入賞作品一覧 広告主参加作品の部 | 第88回毎日広告デザイン賞

 

新聞広告の中の言葉

 

サントリーの天然水は、森に降った雨が、

およそ20年かけて森の大地でゆっくり濾過され、

ミネラル分を授かっておいしくなった地下水。

健やかな森の力を借りて生まれます。

 

森がこれからもずっと天然水を生み出す力を

持ち続けられるように、森を元気にする。

それが私たちの大切な仕事になりました。

 

私たちが、この活動を通して学んだことがあります。

森の土壌や微生物、樹木や草花、鳥や動物たち、

森が様々な生き物で溢れていれば、

彼らのおかげで森はいっそう健やかになってゆく。

そうしてはじめて、ニンゲンは

おいしい天然水をいただくことができる、ということ。

 

未来の子どもたちへ水を贈る。そのために森を贈る。

「天然水の森プロジェクト」を、

サントリーは100年先200年先のために

ずっと続けてゆきます。

 

熊森から

 

ミネラル分を授かっておいしくなった地下水、

クマの棲む森が最高の保水力を誇る森で、

クマたち生き物が豊かな森を造っている。

賞をとられた広告とのことですが、熊森もこの広告に最高賞をさしあげたいです。

というか、まるで熊森作成の広告ですね。

 

 

 

 

 

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