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カテゴリー「くまもりNEWS」の記事一覧

7月17日(土)14時~★ストップ!!錯誤捕獲★第3回くまもりオンラインシンポジウム

ウェビナーにてオンライン開催
~罠による野生動物の乱獲を止めるために~
【プログラム】
1 罠による乱獲をコントロールできない鳥獣保護管理法
  日本熊森協会 会長 室谷悠子
2 長野県小諸市にて行われている許可捕獲体制と錯誤捕獲の状況
  竹下 毅
3 クマの錯誤捕獲を失くすために
  日本熊森協会 主任研究員 水見竜哉
4 質疑応答

 

 

◆2019年は5283頭、2020年は6002頭のツキノワグマが捕殺され、乱獲が止まりません。その1つの要因として、シカ・イノシシ用の罠にかかったクマが放獣されず殺処分されているという「錯誤捕獲」問題があります。

 

クマだけではなく、様々な殺される必要のない野生動物たちがくくり罠に多数錯誤捕獲されて、足を失ったり、死亡したり、殺処分されたりしていますが、実態は誰も把握できていませんでした。「くくり罠=日本残酷物語」

 

◆日本で唯一、許可捕獲実施主体を猟友会から行政へと移行させた長野県小諸市で、鳥獣保護管理の専門員を務め、不明な点の多かった錯誤捕獲の実態を発表された竹下毅さんをゲストに迎え、錯誤捕獲をどう防いでいくかを考えます。

 

【参加申込】
event@kumamori.org 宛てにお名前とお住いの都道府県を明記の上お申込み願います。
こちらの申し込みフォームもお使いいただけます。↓

九州で原発4基分の再エネ電力がムダになる日も なぜ再エネ電力は捨てられるのか

 
京セラなどが鹿児島市で2013年から運営している鹿児島七ツ島メガソーラー発電所=京セラ提供
京セラなどが鹿児島市で2013年から運営している
鹿児島七ツ島メガソーラー発電所ー京セラ提供

 

九州で、せっかく発電された太陽光など再生可能エネルギーの電力が使われない事態が頻発している。発電能力(設備容量)で見て、原発4基分もの電力が送電できないまま、無駄になっている日もある。
九州内で計17カ所の太陽光発電所を運営するチョープロ(長崎県)の役員は、「毎日のようにどこかの発電所で受け入れが止められ、全滅が続くこともあった。発電を止めても経費はかかるので利益は減る。何より発電した電気を捨てるのも同然なのでもったいない」とあきらめ口調で語る。

 

なぜ、再エネの電力が使われなかったのか。

 

 

九州電力株式会社より 

晴れの日の日中は太陽光発電で造った電気の余剰分を揚水に使って、夜、揚水発電を行うが、それでも余るときは出力制御を要請する。

 

電力会社は、電力の需給バランスを保つため、電力使用量が少ない時には、発電会社に一時的に発電の抑制を求める「出力制御」を行う。例えば春や秋は、冷暖房の使用が減る。電力需要が少ないのに、発送電を続けて需給バランスを崩してしまうと、周波数の乱れなどによって、最悪の場合、大規模停電の事態を引き起こす。

 

このため、電力が余りそうな日には、①火力発電②バイオマス発電③太陽光・風力発電④水力・原子力・地熱発電――の順に、発電会社に出力を抑制してもらうルールになっている。この順序は、発電コストのほか、発電量の調節が容易かどうかによって決められた。

 

熊森から

 

晴天の昼間は大量に太陽光で発電した電力が余ってしまいます。

再エネの出力制御は、再エネ導入が進む北海道や四国でも発生するとみられており、九州だけの問題ではなくなりつつあるそうです。

九州で再エネが余る日は、電力需要が大きい本州などに送電すればいいのですが、送電する連系線の不足でまだ、実現できていません。経済産業省によると、送電連結線の使用実現は2030年代後半になるということです。

 

自然、水源の森、多くの野生生物たちの生息地を壊してメガソーラーや風力発電の電気を造る。これはもう自殺行為以外の何物でもありません。しかも、そのようにして作られた電気が無駄に捨てられる日が年々増えていくとは、なんともかともやり切れない。現代人がやることの愚かさ、罪深さに絶句です。

祖先が経験から、絶対に手を入れるなと言い伝えてきた山の5か所

                            熊森作成

 

今年5月15日に熊森が実施した

オンラインシンポジウム~メガソーラー問題を考える~

以来、私たちは、この問題は個々の地域だけでは闘えないと感じ、再エネ問題を考える全国連絡会の立ち上げを準備してきました。

いよいよ、明日、オンラインで全国再エネ問題連絡会の立ち上げを行います!

マスコミの皆さん、取材していただき、全国に知らしめてください。

全国で再エネ問題で闘っておられるみなさん、

自然、水源の森、多くの野生生物たちの生息地を守りたいみなさん、

つながりましょう!

拍手!広島県安芸太田町の橋本博明町長、広島西ウィンドファーム事業受け入れに反対声明

西中国山地から、全国に向けて力強いメッセージが発せられました。

祝 
安芸太田町は(仮称)広島西ウインドファーム事業を受け入れないことを決定しました!

以下、安芸太田安芸太田町HPより、2021年7月16日橋本博明町長のことばです。

(仮称)広島西ウィンドファーム事業を受け入れない件について

橋本町長に感謝の言葉を!

〒731-3810 広島県山県郡安芸太田町大字戸河内784番地1
電話番号 0826-28-2111(代表)
FAX番号 0826-28-1622(代表)
安芸太田町役場 橋本博明町長様

・〒731-3810 広島県山県郡安芸太田
(仮称)広島西ウインドファーム事業
事業主 電源開発株式会社(J-POWER)再生可能エネルギー本部 風力事業部 事業推進室
    <国内100か所以上の発電施設を持つ半官半民の電力会社>
事業計画 太田町の立岩山-市間山間および奥ノ原山-鷹ノ巣山間の尾根を含む地域で36基の風車を建設
     総発電量15万kwを超える風力発電施設

対象事業の実施想定区域

     安芸太田町、広島市(湯来地区)、廿日市市(吉和地区)
環境影響評価(環境アセスメント)の手続き状況
令和2年6月23日 計画段階環境配慮書の公表
令和3年2月25日 環境影響評価方法書の縦覧終了
熊森から
計画地は広島の貴重なクマ生息地です。
1992年以来、兵庫県から何度も訪れた場所です。
クマの保護活動に取り組んでいるくまもりとしては、なんとしてもこの開発を阻止せねばなりません。
あとは、広島市と廿日市市がどうするかです。
こんな開発計画が出て来るのなら、広島県に熊森の支部を早急に作らねばなりません。
山の命である尾根を開発してしまったら、もう取り返しがつきません。
小泉進次郎環境大臣は7月6日、太陽光発電所の立地規制を検討することを発表しましたが、風力発電の立地規制も検討すべきです。

 小泉進次郎環境相は7月6日、の立地規制を検討することを発表した。

町大字戸河内784番地1
2021年2月15日に長周新聞がこの計画について詳細な記事を掲載されていたことがわかりました。ぜひお読みください。
●最近、中国電力が“電気が余っているので出力抑制の機器をとり付けてくれなければ買電に応じられない”と通知してきた。電気は足りているのになんのために発電するのか。
●日本地質学会会員で広島県自主防災アドバイザーの越智秀二氏「山頂を開発すれば山の崩落に繋がるため、植林事業でも山頂は自然林のまま残すのが鉄則だ。」

全国再エネ問題連絡会立ち上げオンライン会議のお知らせ  7月18日(日)13:30~15:30

全国でメガソーラーや大規模風力発電問題に取り組む団体が連携するための、「全国再エネ問題連絡会」を立ち上げます!

立ち上げに伴いオンライン会議を行います。

団体、個人、マスコミなど、我が国の国土保全に責任を持ちたい方はぜひご参加ください。無料

 

日時:2021年7年18日(日)13:30〜15:30
場所:オンライン(ウェビナーで開催)

 

要・事前申込み
事前に下記の内容をご記入の上、メールでお申し込みください。

・お名前
・お住まいの都道府県名
・所属団体がある方は団体名
*団体の代表の方には、今回の会議で取り組みなどの紹介をお願いしますので、簡単に明記して下さい。

メール宛先:saiene@kumamori.org

申し込み締め切り7月17日17時まで。

 

問い合わせ先
0798-22-4190
(一般財団法人日本熊森協会まで)

 

 

全国再エネ問題連絡会について

 

外資を初めとする投資家による、今もうかればいいだけのメガソーラーや大規模風力発電などの無責任で無茶な設置事業が、現在、目白押しに全国で計画されています。我が国にはこのような問題に対する法規制がほとんどないため、裁判所に訴えても事業を止めることはむずかしいです。

 

自然エネルギーの推進は大切ですが、それが森林や草原など残された自然を破壊し、そこで暮らしていた生き物たちを死に追いやったり、地域住民の健康や生活を害するものであれば、何をしていることかわかりません。

 

(活動目的)メガソーラーや大規模風力発電などの再生エネルギー問題に取り組んでいる全国の団体や個人が 連携し、国及び関係機関へ多くの国民の声を届けること により、豊かな自然環境を保全し、安心安全な住民の生活を守る再生可能エネル ギー事業を推進する制度を国や地方自治体に作っていただくための全国ネットワークです。

(活動内容)
(1) 国、議会、地方自治体及び関係機関への政策提言
(2) 各地の活動の情報交換
(3) その他目的を達成するために必要な活動

(構成員)
メガソーラーや大規模風力発電などの問題に取組み、本会の目的に賛同する団体等

(会費)なし

 

呼びかけ人(北から)

太白カントリークラブ  メガソーラー建設に反対する会(宮城県)

函南町のメガソーラーを考える会(静岡県)

平群のメガソーラーを考える会(奈良県)

宇久島の生活を守る会(長崎県)

日本熊森協会(全国)

土砂崩れの9割は林業が原因 自伐型林業推進協会の中嶋健造代表理事

7月7日、兵庫県の七夕様は、大雨でした。

各地で土砂災害の警報が出ています。

 

自伐型林業推進協会の中嶋健造代表理事は、この度、調査の結果、山崩れの9割以上が、林業による皆伐地、林道、作業道であると発表されました。

 

政府は「林業の成長産業化」と称し、巨大な高性能林業機械に多額の補助金を出し、皆伐を奨励しています。高性能林業機械を使うには幅の広い林道や作業道が必要で、それが崩壊の原因の一つになっているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

熊本県球磨村の皆伐地

※週刊朝日  2021年7月16日号より一部引用

 

熊森から

球磨村の皆伐地の山の写真を見てぞっとしました。

こんなの、もはや山じゃない。

山に手を合わせてきた祖先の文化はどうなってしまったのでしょうか。

熊森も、山崩れの現地をこれまで各地で見てきましたが、中嶋代表のいわれる通りだと思います。

山は、林道からよく崩れています。

今の林道の幅が広すぎるからです。

なぜ広い林道を造るのか。

大型機械を入れるためです。

なぜ大型機械を入れるのか。

もうけるために国が補助金まで出して推進しているのです。

 

とにかく、山に大規模な手を入れることをもうやめませんか。

林野庁は、国有林の100ヘクタール皆伐計画をやめるべきです。

林業でもうけることよりも、命を守ることの方が大切です。

 

日本人は、欲張り過ぎると不幸になる昔話を、もう一度読んだ方がいいですね。

 

ここで反省しなければ、本当に子どもたちにもう笑われますよ。

私たち大人は気づかないうちに、みんな狂ってしまっているのではないでしょうか。

熱海の土石流に思う JR東海と国交省は 今からでも遅くない リニアを中止しましょう

だめだとわかっても方向転換することができず、とことん破滅するまで突き進むなら、それはあまりにも愚か者です。狂気です。

合理精神の欠如は日本人の特徴という人もいます。そうかもしれませんが、時代は昭和ではなく、もう令和なのです。

 

JR東海と国交省は、熱海の土石流事故のすさまじさを映像で見られましたか。

盛り土が原因ですよ。

東京ー大阪間をほとんど地下で走るリニアは、天文学的な残土を生み出します。

JR東海は、残土処理として山の谷を埋めるそうですが、大雨の度に、熱海と同じことが各地で起きるようになります。

子供でもわかることです。

 

●南アルプスの最大1400メートルの地下を貫通させるリニアトンネルは、前例のない工事です。環境への負荷が予測できません。

しまったと思うようなことが起きても、もはやトンネルを元通りに埋め戻すことなど不可能です。国土大破壊をどう償ってくれるというのですか。

●コロナ後の社会は、リモートが進みます。リニアが赤字路線となることは確実です。

●新幹線の3倍の電気を消費するリニアは、二酸化炭素の排出量を減らすという世界の流れに反します。

 

私たちの政府は、JR東海に超低金利で3兆円を貸しています。

リニアの総事業費は7兆円です。

これまでに使ったのは1兆円です。

 

7月5日の朝日新聞も、まだ遅くない、JR東海と国交省は、いったん立ち止まって事業の是非を再検討しようと社説で述べています。

 

JR東海と国交省が、熱海の土石流を見ても尚、リニア建設に突き進むなら、私たち国民は本当に心の底から「JR東海と国交省、目を覚ませ!」と、叱ってあげましょう。

 

人間は狂う動物です。狂っているものに対して本気で叱ってあげる。これこそ最高の愛情だと熊森は思います。皆さんはどう思われますか。

 

コロナ、熱海の土石流・・・天の声は、100%リニア中止せよです。

 

 

以下は、7月5日の朝日新聞社説です。

太陽光 37府県でトラブル 再考エネルギー 

6月28日の毎日新聞が、太陽光発電設備の設置が引き起こす景観や自然破壊などの問題が各地で深刻化しているとして、トップ記事で特集を組まれました。

 

 

毎日新聞の調べでは、実に8割超の都道府県が太陽光発電をめぐる問題に頭を抱えていたことがわかったそうです。

3面にも記事が続いており、奈良県平群町の住民1000人による集団訴訟と固定価格買取利権が転売されて事業主体となる外資系投資会社がころころと別会社に替わっていく無責任体制が報じられています。

2020年時点で、500キロワット以上の太陽光発電施設は8725か所にも上っており、これらの3分の2は環境影響法(アセスメント)対象外。国立公園や鳥獣保護区にも太陽光パネルは並べられており、経済産業省は今後ますます増やしていく方針だそうです。

日本には、山を削り、森を裸にしてパネルを設置することに規制がないのだそうです。(なんてこった!遅れ過ぎ)

 

熊森から

 

太陽光発電をめぐるトラブルとして、土砂崩れ、濁水、景観悪化、反射光などが懸念されているそうです。それはそうですが、いつから人間は人間のことしか考えなくなってしまったのかと悲しみを覚えました。

 

まず一番に、生息地を奪われて息絶えるしかない野生生物たちの悲鳴が頭に浮かぶやさしい人間であらねばならないと思います。熊森のスローガンの中に、「他生物にも優しい文明が一番優れている」ということばがあります。

 

また、20年後に廃棄されるパネルのゴミ化問題、山をめぐる税制問題、そして、無責任なパネル設置が相次いでいる原因となる自然再生エネルギーが投資になる仕組み、私たちが無駄な電力を使い過ぎていないかなど生活様式への反省など、法整備も含めて、自然再生エネルギー問題はとても大きな問題を抱えていると思いました。

 

新聞社や雑誌社には、今後、自然再生エネルギー開発による生き物たちの死活問題、環境破壊問題を次々と大きく取り上げていってもらいたいです。

 

そして、地元の皆さんには、勇気を出して団結し、他生物のためにも、次世代のためにも、無茶なことをする投資会社と闘い続けてほしいです。

それでこそ大人です。熊森も声を上げ続けます。

 

当協会顧問の世界的な科学者である安田喜憲先生は、日本文明の特徴を、「祖先への感謝、未来への責任、生きとし生けるものへの畏敬の念」と言われています。(完)

快挙 奈良県荒井知事、平群町メガソーラー建設に工事停止指示 年内にガイドライン策定の考え

以下、NHK web  news6月23日より

荒井知事 建設中のメガソーラー設計に誤り 工事停止指示

 

奈良平群町で建設中の大規模太陽光発電所、メガソーラーについて、荒井知事は、業者が提出した設計内容に誤りがあったとして、工事の停止を指示したことを明らかにしました。
また、今年度中をめどに、メガソーラー設置に関する県独自のガイドラインを策定する考えを示しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平群町櫟原の山林では、甲子園球場およそ12個分48ヘクタールを切り開いて、およそ5万3000枚のソーラーパネルを設置する大規模な太陽光発電所の建設をことしから東京の業者が進めています。
このメガソーラーについて、荒井知事は、23日の県議会で、メガソーラーの設計内容に誤りがあったことが分かり、すでに工事の停止を指示したことを明らかにしました。
そのうえで、業者に対し、法令の基準に適合するまでは工事の再開を認めないことなどを通告したということです。
荒井知事は、さらに、住民と業者の間でトラブルが相次いでいるとして、メガソーラー設置に関する県独自のガイドラインを、今年度中をめどに策定する考えを示しました。
このメガソーラーをめぐっては、周辺に住む住民グループが「森林を広範囲に伐採すれば、保水機能などが失われ、土砂災害の危険性が高まる」などと主張して奈良地方裁判所で建設の差し止めを求める訴えを起こし、現在、裁判が行われています。

 

 

 

 

 


議会を傍聴する住民たち

 

住民グループの代表を務める多田恵一さんは、「偽装の数字を正しくするのは難しいので、この計画が潰れることを期待しています」と話していました。

 

熊森から

昨年、住民からの要請を受け、熊森本部が現地を視察した奈良県平群町メガソーラー問題。

投資会社により既に山林が伐採されてしまいました。

それでもあきらめずにがんばられた。住民の皆さんすごいです。拍手です。

ついに知事が動いてくださいました。荒井知事にも拍手です。

もうけに狂ったよそ者に故郷を荒らされたくないという住民の当然の願いが知事の心を動かしたのだと思います。

今後、このような乱開発が行われないように法改正が必要ですが、時間がかかります。

とりあえず、県ごとに条例を制定して歯止めをかけていくのが早いです。

 

このような大切な水源の森を投資会社に売ってしまう人たちが後を絶たないのは、水源の森を所有していても、この時代、利用価値がなく、毎年固定資産税を取られるだけだからだと思います。

国はこれから、水源の森を保全するために、固定資産税のかけ方を考え直さなければならないと思います。電気よりも水の方が大切です。

 

豊かな自然林である水源の森を所有してくださっている山主さんたちには、毎年わずかであっても水道利用者からの給付金が配当される仕組みを作るべきであると熊森は考えています。

 

それにしても、平和に暮らしていた地元の皆さんが、投資家の降ってわいたような乱暴な開発計画に立ち向かわねばならなくなったのはなんと理不尽なことでしょうか。大切な時間を使って、しかも自費で、素人がしんどい思いをして法令などを勉強しながら闘わねばならなくなったのです。こんな問題を持ち込んだ投資業者から賠償金をとれる流れができたらいいですね。最後までがんばってください。

 

この地域はシカの食害がないので、伐採跡地は、自然に自然林に戻っていくと思います。

 

他の地域でも、自然再生エネルギーという美名の元、乱暴な開発に勇気を出して声を上げて闘ってくださっているみなさん、動物の住める森保全・再生に寄り組んでいる熊森にとっては他人事ではありません。心から皆さんを応援しています。共に闘いたいです。

 

P.S

最悪のメガソーラー問題が起きているのは、長崎県佐世保市五島列島の最北端に浮かぶ宇久島です。

島面積の約3割に当たる約700ヘクタールの敷地に太陽光パネル約150万枚を設置するという国内最大級のメガソーラー計画です。島を殺してしまうことでしょう。死者まで出ているそうです。

ドイツ企業が事業主体となり、九電工(福岡市)や京セラ(京都市)などの国内大手が開発に名乗りを上げています。

お寺の住職さんたち住民が、島の自然を守ろうと必死で立ち上がっておられます。

自然があることを大切に思う全国の心ある皆さん、こちらの闘いも応援してあげて下さい!熊森からのお願いです。

デンマーク大使館にて対談を行いました     -グリーンパイオニアの国 デンマークー

「われわれはグリーンパイオニアの国でなければならない」と号令を発し、力強くCO2削減に取り組む環境先進国デンマーク。日本の野生のクマが直面している問題に関して、国際社会にも状況を知っていただき、地球規模で悪化している環境問題の解決に向けて意見交換をさせていただきたい旨、デンマーク大使館に連絡したところ、「もっと詳しいお話を聞かせてください。ぜひお会いしましょう!大使館においでください」とすぐにお返事をいただき、後日、正式なInvitation Letterが届きました。
6月11日、始発の新幹線に飛び乗って、東京へ。大使館にて、政治経済担当官、および広報・文化・外交部のご担当の方が私たちを温かく迎えてくださいました。

広報・文化・外交部のステファンさん(写真左)、室谷悠子会長(中央)、政治経済担当官のアンナさん(右から2番目)さすが福祉国家でもあるデンマーク!赤ちゃんのための別室もご用意下さいました

 

日本の森と野生動物の現状を伝える

まず室谷悠子会長から、日本の奥山及び野生動物の現状について説明しました。日本は国土の3分の2が山林だと言われているが、拡大造林政策によって日本の全森林の半分近くがスギ・ヒノキの人工林に変わり、その多くがが手入れもされず放置されてしまっているということ。クマたちは、奥山の生息環境悪化により、非常に厳しい状況にあるクマが人里に下りて来ざるを得ない状況もかかわらず、日本では、クマが現れただけで大量の捕獲罠を設置し、かかったクマを子グマにいたるまで殺処分しており、2019年ツキノワグマの捕殺は5,283頭、2020年は5,795頭にも上り、過去最悪となってしまった。このように安易な捕殺が許可されている現状が続けば、近い将来、日本のクマは絶滅してしまう可能性があること。さらに、残されたわずかな自然林においても、近年地球温暖化の影響から、ミズナラ・コナラの木が枯れるナラ枯れ現象が広がっている深刻な状況もお伝えしました。大使館の皆様はずっとメモを取りながら、真剣な表情で説明を聞いてくださいました。

その後意見交換を行いました。デンマークにおいても、環境問題や生物多様性保全への取り組みは、関心が高く、EUの基準に則って、国内でも力強く取り組んでいるということで、環境への意識が深く根付いているということがうかがわれました。しかし「自然林と人工林、どちらが自分たちにとって本来の森か」という質問に対して、デンマークではもはやほとんどが人工林となっており、自然林は自分たちにとってなじみがないということでした。原生的な森はもはや失われてしまい、二次林ばかりになってしまった事実はありますが、一方で、自然の修復に力が入れられ、近年、オオカミなども野生で戻ってきている例もあるそうです。やはり野生動物との軋轢は避けては通れない問題だということでした。

クマと人が接触する根本的な原因は、人工林の放置と山の開発や温暖化による森林の劣化であり、捕殺数をどんなに増やしてもクマと人との接触は防げないことを両氏も賛同してくださり、これからの時代は、いかにして野生動物と共生していくかを模索することが大切だということで意見が一致しました。野生動物保護の重要性への理解は両国共通の問題であることを確認し合い、今後、デンマーク大使館から本国の環境問題に関わる団体と日本熊森協会が連携を取れるよう働きかけてくださると力強くおっしゃってくださいました。

熱心に聞いて下さる両氏、右から2番目は国際社会への働きかけにご協力下さった会員伊藤純子さん

 

長期的視点を持った対策を
今回のデンマーク大使館訪問が実現したのは、当協会を応援してくださる方々の、豊かな森を次世代に引き継ぎたいという思いと、野生を懸命に生きるクマを守りたいという情熱があったからこそです。国際社会に向けて素晴らしい一歩を踏み出せました。
デンマーク大使館の皆様には温かく迎えていただいただき、真摯に私たちの話に耳を傾けてくださっただけでなく、大使館のSNSにも熊森協会をご紹介いただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

デンマークは、2030年までにCO2排出量を1990年比70%削減、2050年までにカーボンニュートラルにするという目標を掲げ、既に現在約25%のCO2削減を実現しています。「VikingからBiking」と言われるほど、自転車需要の高さも環境政策として導入され大きな成果を挙げています。将来世代が生き残るために、今何をなすべきかを長期的に考えているデンマークと比べると、日本は野生動物対策をみても、対策が場当たり的で、長期的視野に欠けているように思わずにはいられません。生息地の復元こそが、根本解決であり、野生動物のすむ豊かな水源の森こそ、誇るべき次世代への財産です。我が国において、クマの大量捕殺という短絡的な対策を食い止め、将来世代のためにクマなど大型野生動物の共存と、豊かな水源の森の再生に向けて国の流れを変えていきたいと強く思いました。

6月18日札幌ヒグマ人身事故、4名負傷 ヒグマを追いかけまわしたことが大きな要因 

6月18日、札幌市東区に1頭のクマが市街地に現れ、次々に人身事故が発生し、クマが射殺されるという非常に痛ましい事件が発生してしまいました。

 

以下、各マスコミの報道

 

uhb北海道文化放送 「緊急特番 札幌の住宅街でクマ出没4人けが・駆除までの一部始終」

hbc北海道放送 「速報 札幌の市街地にクマ、ハンターが駆除…襲われた4人ケガ、路上で倒れ込む人も」

 

お怪我をされた4名の方々には、1日も早いご回復を祈念し、心よりお見舞い申し上げます。

 

熊森本部は、当日の朝、この情報を知り、すぐにヒグマ研究第一人者の、北海道野生動物研究所所長、門崎允昭顧問にこのクマの対応についてご助言をいただきました。全国の会員や胸を痛めた人たちが、札幌市や北海道庁にこのクマをそっと見守ってほしいとたくさん電話をしてくださったようです。

しかし、午前11時10分、クマは射殺されました。

 

市街地に出てきたヒグマが人身事故を起こした例は、これまでありません。

 

今回なぜこのような痛ましい人身事故が連続してしまったのか、確実に言えることは、

大勢のマスコミなどが、このクマを追いかけまわし、パニック状態にさせたことです。

これは、クマの専門家だけでなく、インターネットのニュースをみた多くの方々も指摘されていることです。

タクシーでクマを追いまわすメディア。奥に見えるドーム状の建物は、自衛隊丘珠駐屯地。uhb北海道文化放送6月18日より

自衛隊丘珠駐屯地正門で、逃げてきたクマに押し倒され、転倒する自衛隊員と思われる方 uhb北海道文化放送 6月18日より

 

 

今後、市街地に出てきたクマを、大声を出したりクラクションを鳴らしたりして大勢のマスコミや人員で執拗に追う行為は絶対にお控えいただきたいです。自分がそのようなことをされたらと想像すればわかることです。クマをパニックに陥れ、人間の命と、クマの命の両方を危険にさらします。

 

現在、北海道内在住の門崎允昭氏、安藤誠氏の両熊森顧問とも連絡を取り、今回の件についての詳細な検証と市街地に出てきたヒグマにどのように対応すべきかを検討しています。詳細は追ってご報告します。

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