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2011-02

国内森林の47%を占める保安林 実際、保安林はその役目を果たせているのでしょうか

 日本国内の森林のうち、47%が保安林に指定されています。保安林に指定されると、自由に木を伐れなくなりますが、固定資産税が減免されたり、間伐費用が公費で補助されるなど有利です。分収造林地には、ちょうどいい制度です。保安林に指定するための項目は17ありますが、水源涵養目的が71%、土砂流出防備目的が19%で、このふたつで保安林面積の90%を占めています。一体、保安林とはどんな山でしょうか。
 一般的には、保安林といえば広葉樹の自然林を想像される方が多いと思います。しかし、実態は、保安林の多くはスギなど針葉樹の人工林なのです。
 福島県で水源の森づくりが実施された場所の写真を会員が送ってくれました。元々広葉樹の自然林(写真①)だった場所をスギの人工林(写真②)にすることが水源の森づくりで、写真の山も保安林に指定されていました。(針葉樹の造林地の看板(写真③)には、水源林をつくる緑資源造林とある。)
 森林法の改正で、今後も林業用地として使用する保安林は強度間伐を入れて下草が生えるように整備し、林業に使えそうにない保安林は本来の広葉樹の自然林にもどすと決めれば、森の動物たちが大喜びするだけではなく、本当の意味で、水源涵養、土砂流出防備になります。


(写真①)


(写真②)


(写真③)

山形県支部長の投書が朝日新聞に掲載!

八木山形県支部長の投書が、2月22日付け朝日新聞「声」の欄への掲載されました!
八木支部長は先日山形県のクマ春季捕獲中止などを求めて要望書を提出するだけでなく、一人でも多くの方に現状を知っていただくために投書も行っていたのです。
熊森ではあちこちでこのような声を上げていくことを求めています。

*山形県支部ではクマ春季捕獲中止の要望書賛同署名を集めていましたが、2月16日を持って受付を終了致しました。 たくさんの方にご協力いただき、誠にありがとうございました。

「クマ捕殺 根本的な解決にならぬ」

自然活動指導者 八木 文明 
(山形県長井市 57)

 昨年は全国的に山の実りが少なかったせいか、クマの出没が相次いで人身事故も多発。農作物の被害もかなりの額に上ったと聞く。そうした状況下、県内では今年度220頭のクマが捕殺された。県内の推定生息数の10%超だ。  山形では今世紀の10年間で約2300頭のツキノワグマが捕殺されたことになる。クマはブナ、ミズナラ、コナラなどの広葉樹の森に依存して生きている。しかしそれらの実は毎年豊作というわけではなく、豊凶の差が大きい。  私は、クマの人里への出没の背景に、開発や酸性雨などによる森林環境の変化があると考える。さらに数年前から低山では「ナラ枯れ」、標高の高いブナ帯ではブナの「葉枯れ」が進行している。原因が解明されたわけではないが、里山の荒廃や農薬使用などが遠因という説もある。  豊かな森林を守ろうと、植樹などささやかな活動を仲間たちと続けているが、モグラたたきのような捕殺は控えてほしいと願っている。根本的な解決にはならないからだ。しかし願い空しく、県は来年度の捕獲数の上限を今年度より11頭多い229頭とする方針を固めた。極めて残念だ。 

21世紀 月1回は大地に寄り添う暮らしに戻ろう 参加者募集 2011年くまもり自然農塾 (会員・一般)

今年から、くまもり自然農は、より広くみなさんに学んでいただけるよう、新たに「くまもり自然農塾」として開講します。
自然農を学びながら、他生物と共存する持続可能な文化を、一緒に広めていきませんか。
詳細はこちらのページをご覧ください。

森からの滋養ゆたかな湧き水を使って、肥料や農薬を使わず、耕さずに作るお米。
これまで、くまもり田んぼ見つけた生き物なんと80種!草や虫たちと一緒につくるお米つくりを、ぜひ実際に体感してください。

お申し込みは、くまもり本部事務局まで、メール、ファックス、お電話にて。
ご応募、お待ちしております。

参加者募集 2011年本部・森再生チームミーティング(会員・一般)

日ごとに暖かくなり、いよいよ森再生実践活動の季節がやって来ます。
共に現地で実践活動をしながら、森林の現状を理解し、豊かな森再生の動きを広めていきませんか。
まずは来る3月6日(日)、日本熊森協会本部3F会議室にて、本部・森再生チームのミーティングを行います。
会員・一般、どなたでも興味のある方は、ご参加可能です。

内容:
今年の活動の計画立案
(皮むき間伐、植樹地メンテナンス等)
くまもりの目指す森再生についての勉強会、など

日時・場所:
3月6日(日)AM10時~12時
日本熊森協会本部3F会議室にて

お申込・お問い合わせ先は下記まで。
ご家族、ご友人をお誘い合わせの上、是非ご参加ください!

日本熊森協会 本部事務局
兵庫県西宮市分銅町1-4
電話:0798-22-4190
メール:contact@kumamori.org

ぽかぽか陽気の中、今年本部2回目のお世話

今日は、作業をしているとシャツ一枚でも暑くなるくらいのいいお天気。今年本部2回目のツキノワグマふれあいの会。今回はインフルエンザの感染が心配で、参加者を公募せず、スタッフ3人だけでお世話に行ってきました。

眠くて眠くてしょうがない長野生まれの花子ちゃんは、スローモーションで動くなまけもののよう。獣舎の掃除に来たスタッフの呼びかけに、ふかふかの寝床から「なーに?」と見返り美人。

花子ちゃんとは対照的に元気な和歌山生まれの太郎くん。格子に手を置き、舌をペロリ。「ご飯はまだ?」とおねだり。

まぶしい日差しに目を細めながら、「何してるの?」とイノシシのちーちゃん。

山形県クマ春季捕獲中止の要望書賛同署名、全国29都府県1021名分を持って特定鳥獣保護管理検討委員会へ

全国の皆様に報告と御礼
日本熊森協会山形県支部 八木文明

日本熊森協会山形県支部では、去る1月24日、山形県知事に対し、森林環境の保全や野生動物との共生という観点から、クマの「春季捕獲」を来年度は中止してほしいことなどを盛り込んだ要望書を提出しました。この要望書への賛同署名を呼びかけておりましたが、2月17日までに、全国29都府県からあわせて1021名分の署名をお送りいただいております。それぞれの地域、職場、ご家族、ご友人などへの呼びかけ、ほんとうにありがとうございました。

去る2月16日、私は、山形県の「特定鳥獣保護管理検討委員会」に、自然保護団体の代表として出席してきました。この日に間に合った署名912名分を自分の席に置き、皆様から後押しをしていただいていることを心強く感じながら会合でさまざまな発言をしてまいりました。

結論を先に申し上げれば、来年度について、私たちの要望を実現することはできませんでした。せっかく署名をお送りいただいたのにと思うと残念です。しかし、私はそれほど落胆してはいません。私たちの働きかけはまだ始まったばかりであり、今後の地道な取り組みがいつか理解されるはずであるという可能性に期待しているからです。

痛ましいことですが、山形県では今世紀に入ってからの10年間で、2300頭を超えるツキノワグマを捕殺してきました。そこに来年度は、「229頭」(今年度は218頭)を上限として、捕殺が行われることになりました。また、この中に「春季捕獲分」として含まれているのは86頭(今年度は83頭)です。いずれも昨年度を上回る数字となっています。

この数字を出すにあたって県は、県内に生息するクマを1985頭と試算しています。これは昨年度当初の推定生息数の2109頭から捕獲分227頭を差し引き、それに自然増加率が環境省のマニュアルの中に示されている12%であるとして算出したものです。

百歩譲って、この数値がかなり精度の高いものであるとすれば、環境省が全国に棲むツキノワグマの生息数を15000頭から25000頭と見積もっていることから、その10%もの個体が山形にいることになります。そしてさらに、「捕獲上限229頭」は、この生息数の11.5%になります。クマは、前の年の秋の実りの状況によって、出産が大きく影響をうけると聞いていますが、昨年山の実りが大凶作だったことなどは、この算出では全く考慮されていません。

全国のみなさんからの署名が集まっていることに触れながら、私は、「この会合で話し合っているのは実は山形だけの問題ではない」ということを強調してきました。クマに住民票はありませんし、森林が作り出す酸素や水にも、県境も国境もありません。
会合は、県事務局が出した案に反対の意見を述べたのは私一人でした。結果としては「少数否決」ということですが、今回の取り組みは「ゼロ」ではなかったと思っています。いくつか前進の兆しも見えています。

山形県内にはたくさんの国有林がありますが、これまで森林管理局は国有林へのクマの放獣を認めてきませんでした。そのことが放獣のハードルにもなっていたのですが、昨年秋、県の自然保護団体協議会(私たちの支部も加入している)の名前で東北森林管理局に提出した要望書に対し、今後条件の整備を県との間で行ないながら、放獣を認めてゆくという回答が得られています。

また、放獣の前提となる、クマを傷つけないで捕獲するドラム缶ワナの製作について、県費での対応を検討してゆくという考えを県は示しています。

問題の大きさを考えれば小さな一歩ではあるのですが、一歩がなければ365歩もないのです。

ご協力いただいたみなさんにお願いです。署名は「終わり」ではなく始まりです。たとえば、山形のクマ捕獲の問題点について、新聞にぜひ投書してくださいませんか。また、県のHPから入って、県知事や担当部局あてにみなさんの声を届けていただけませんか。山形が全国の方々から注目されているということは、行政には強いインパクトを与えるはずです。どうぞご検討ください。なお、その際には決して匿名や無記名ではなくお願いいたします。正しいと信ずる意見を表明するのに、自分を隠す必要はありません。

山形支部では現在4月24日(日)の午後に、支部の総会を兼ねて勉強会を開催する予定です。山形県外からの参加も大丈夫です。ちょうど桜が見ごろの時期かもしれません。花見を兼ねてぜひ参加ください。また、今年秋あたりに、山形の森をみていただくツアーの実施を考えています。ナラ枯れやブナ枯れの現状と、ゆたかな原生林を見ていただく中身の濃い、しかも低価格のツアーを検討してゆくつもりです。案内を協会のHPなどに掲載していただきますので、ぜひお声をかけあってご参加ください。

このほかに、山形県の鶴岡市内でクマのクロちゃんを飼育しておられる佐藤八重治さんが、6月あたりにツアーを検討してくださっています。こちらも何らかの広報がなされると思いますので、そのときには参加をご検討ください。

みなさま、ほんとうにありがとうございました。

2月27日(日)安田喜憲先生講演会in滋賀県 安田先生が駆けつけて下さることに

先日お伝えさせていただいておりました、2月27日(日)安田喜憲先生講演会。
緊急のお仕事が入り、先生のご出席が難しい状況になっておりましたが、急遽、おいで下さることになりました!
花粉分析で有名な、世界的環境考古学者安田喜憲先生(熊森顧問)の、地球規模の文明考察に基づく森の話は、目からうろこの連続。今後の熊森活動を進めていくにあたって、全熊森会員必聴です。
今回は貴重な機会ですので、滋賀県会員はもちろん、滋賀県以外の会員の皆さんにも、ぜひ参加していただきたいと思います。可能な限り、遠くからでもぜひお駆けつけください。

●日本熊森協会 滋賀県支部第7回支部総会
記念講演会講師:安田 喜憲氏「日本の森が危ない “母なる森”を取り戻せ!」
日時:2010年2月27日(日)午後1:30~4:30

場所:明日都浜大津 4階 ふれあいプラザ ホール
〈住所〉滋賀県大津市浜大津4-1-1
〈アクセス〉京阪浜大津駅から徒歩2分
JR大津駅から徒歩15分
JR大津駅から近江鉄道バス・京阪バス・江若交通バス浜大津方面
行き浜大津バスターミナル下車徒歩2分

*添付しております講演会のチラシでは、お申し込みは滋賀県支部となっておりますが、滋賀県外の支部・地区の方は、支部・地区で一括して本部までお願い致します。
お申込用紙はこちらからダウンロード

奥山の人工林を自然林に戻したい 和歌山県那智勝浦町での初のくまもり講演会に90名

2月17日夜7時から9時まで、那智勝浦町で、初のくまもり講演会が開催されました。地元でホテル業を営む会員のNさんご夫妻が講演会をセットし呼びかけられたところ、森林組合長さん、議会副議長さん、町会議員さん14名中9人、観光協会会長さんら町のリーダーの方々をはじめ、一般町民の方々が、悪天候にもかかわらず、会場いっぱい90名もお集まりくださり、驚くとともに感激でした。

みなさん、最後まで熱心に耳を傾けてくださり、いい話だった、こんな話は初めて聞いたと喜んで挨拶に来て下さる方も何人かおられました。

世界遺産に登録されている那智の滝は、町民の皆さんの誇りです。この滝の上の奥の方が広大な人工林になっているそうで、そこを自然林に戻そうという動きがでてきているのだそうです。この講演会をきっかけに、動きが加速されそうな感じがしました。勝浦の皆さんが、自然林の価値に気づいて動き始められたら、世界的なニュースになるかもしれませんね。

国会で森林法改正案への議論展開中 熊森、自民案を評価

これから「森林・林業再生プラン」が始動することになります。それに伴って今、国会では「森林法」の改正案が議論されています。熊森内部でも法律の専門家と森林法の勉強会を重ねてきました。その結果、熊森は、昨年末、自民党の勉強会が出してこられた改正案を評価しています。この案を読ませていただくと、高市議員らが、日本の森林の将来を真剣に考えておられることが伝わってきます。
高市早苗議員コラムより

熊森はこれまでの活動や林業関係者等の聞き取りも加味して、森林の水源涵養や土砂流出防備機能を重視するために、今後、保安林を広葉樹林化することなどを入れた森林法改正案を国に提案しています。

2/20 (日)雪かきボランティア募集!

2月20日(日)、兵庫県豊岡市にて雪かき作業をします。
体力がいる作業です。(屋根には登りません)
定員3名。
参加費無料。
(ボランティア保険未加入者は、保険代500円、当日頂きます)
当日、朝8時に阪急夙川駅で集合。

参加希望者は、保険の関係上、2月17日(木)午後6時までにお申込みください。

日本熊森協会 本部事務所
0798-22-4190

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