くまもりHOMEへ

ホーム > アーカイブ > 熊森の見解

カテゴリー「熊森の見解」の記事一覧

マテバシイのドングリが落ち始める

9月末から、落下第1号、待ちに待ったマテバシイのドングリがやっと落ち始めました。このドングリの原産地は、九州南部や南西諸島と言われています。しかし、今では東京や千葉の野山でもふつうに見られます。マテバシイは人間が食べてもおいしくて食料になりますから、きっと昔、祖先が各地に植えてまわったのでしょう。私たちもフライパンで炒って食べてみました。ピーナツのようにおいしかったです。このように、わたしたちが自然だと信じているものでも、すでに人間によって攪乱され終わった生態系であることが多いのです。

 

マテバシイのドングリは、砲弾のような形をしています。受粉してから、2年目に成熟します。当協会はこれら都会の公園で集めたドングリをうまく使って、今年、食料がなく、おなかをすかせて山から出て来ては連日大量に殺されているクマたちを1頭でも救おうと、あの手この手で取り組んでいます。当協会は当然ながら、クマたちの棲む豊かな森を復元・再生する活動に全力を挙げて取り組んでいるのですが、こちらの方は結果が出るまでには長い年月がかかります。(今日も、奥山人工林の強度間伐に、スタッフたちが出かけています)

山の凶作年、飢えて山から出て来ては目の前で人間に殺されていくクマたちを助けていかないと、クマの絶滅は止められません。

 

ドングリはとてもかびやすいので、拾った後は、ビニール袋からすぐに出して、段ボールなど紙の箱や袋、網目の物に入れて保管する必要があります。下の写真が、マテバシイです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

ワシントン条約とクマ(トラフィックイーストアジアジャパン HPより)

 

1992年から、クマ科はすべての種がワシントン条約の附属書に掲載されています。
ツキノワグマは附属書 I 。ヒグマはブータン、中国、メキシコ、モンゴルの個体群と、亜種であるヒマラヤグマが附属書 I で、ほかは附属書 II に掲載されています。
生きたものはもちろんのこと、毛皮、クマノイ、などの体の部分やそこからできる製品など、いかなる部分の国際取引も、なんらかの形でワシントン条約の規制の対象になります。

 

<熊森から>

ワシントン条約がクマを取り上げたのは、人間によって、地球規模でクマが絶滅しかけているからです。人間側が、クマたちにとびきりのやさしい気持ちを持ち、生きとし生ける者の仲間としてクマたちと共にこの地球上で共存しようと決意しない限り、絶滅は止められないでしょう。クマたちを失った時、わたしたちは保水力豊かな最高の森を失うのです。

7/23、24 東北で進む山林への農地開発とすさまじいナラ枯れ、安易なクマ駆除の実態を視察して唖然②

すさまじいナラ枯れ

兵庫県でもナラ枯れは脅威であるが、兵庫県の山はここまでは枯れていない。

東北の山々のナラ枯れはすさまじく、山がもうスカスカだった。ブナもナラも実がまず付いていなかった。なぜ、こんなことになるのか、諸原因説あるが、わたしたち人間にはどれが本当なのかわからない。地球温暖化、酸性雨、農薬…?いずれにせよ、人間がやったことで、野生鳥獣の豊かだった生息地が壊されていっているのであろうと察せられる。

世界中から食料を集め、食べ残している今の飽食の日本人には、動物たちが食料を失い苦しんでいることを、もはや思いやることすらできないのであろうか。地元では、山から出て来た動物対策として、捕殺しか考えていないようにみえた。

 

枯れ残ったミズナラにも、今年、実がついていない。

 

野生鳥獣が山から出て来てもらっては困るのなら、人間が山の中に、野生鳥獣の餌場づくりをしてやらなければならない時代になっているのではないかと感じた。

 

ちなみにスギなど針葉樹だけの人工林率は、福島37%、山形29%、

宮城50%、岩手44%、青森42%、秋田50%である。

この中には基本的に、動物たちの餌はない。

 

持続可能な開発なんてありえない 6月20、21、22日 国連持続可能な開発会議(リオプラス20)の開催近づく リオデジャネイロ

先日、リオプラス20に日本政府代表として出席される方の話を聞きに行きました。

 

そもそもリオの会議は、1972年、世界のリーダーたちがストックホルムに集まり、環境問題は人類共通の課題と宣言したことから始まっているそうです。人類による地球環境破壊が、人類の生存を脅かすまでになってきた時代でした。

 

20年後の1992年、リオデジャネイロで国連環境開発会議(地球サミット)が開かれ、21世紀に向けて地球環境保全に取り組むための行動計画「アジェンダ21」が採択され、「国連気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」の署名が始まりました。

 

この会議で、12歳の日系カナダ人セヴァン・スズキさんが「オ ゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。 死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは 知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみ がえらせるのかあなたは知らないでしょう。どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。」と大人たちに訴えた演説はすばらしいものでした。世界は地球環境保全に向けて、力を合わせて進みだすかのように見えました。

 

しかし、あれから20年

55億人だった地球人口は26%増加し、70億人を突破。

人間の食料確保のため、森は農地に変えられ、化学肥料の使用増大で、食料生産を増加させてきました。

原発の数は21%増え、世界で500基に達しています。

地球環境は、もう限界に近づいています。

事態はよくなるどころかますます深刻化しているのに、今やリーダーシップをとる国も人もなく、20年前よりトーンダウン。

 

最近、英国科学誌ネイチャーに22人の第一線の研究者集団が、人口爆発、環境破壊、気候変動によって、今世紀中にも、生物圏が不可逆状態に変化し、地球環境は崩壊すると警告する論文を発表したそうです。カリフォルニア大学バーノスキー教授は、この後わずか2~3世代のうちに、地球上の生物の多様性は大幅に失われ、水や農林漁業生産物の入手が大打撃を受けるかもしれないと予測しています。いったんこうなってしまうと、元に戻すことはもう不可能だということです。

 

こんななかで行われるリオプラス20の会議が、まだ持続可能な開発会議という名前なのには、心底がっかりしました。人類は、もう十二分に地球を開発しました。持続可能な世界を求めるのなら、これ以上の開発をやめなければなりません。持続可能な開発などあり得ないのです。発想の大転換が人類に必要です。

 

メタンハイドレードを求めて、最後に残された深海開発を手掛ける計画など、とんでもないことです。これ以上水源域として大切な奥山にトンネル穴をあけまわり、高磁力の弾丸列車をブッ飛ばすリニアモーターカーの建設も、とんでもないことです。人類の自殺行為です。超絶妙のバランスの上に成り立っているたったひとつしかない地球環境に人が手を付けると、取り返しのつかないことになってしまいます。目先の欲でさらなる開発を進めるのは、全生物と子や孫への裏切りです。

 

今こそ、人口爆発を止め、自然を守り、全生物の生存を保障する文明へと、地球文明を転換させなければなりません。右肩上がりの経済成長理論など、人類破滅への道としてとっくに破たんしているのに、国や企業のリーダーたちがいまだにその方向に旗を振っていることに、違和感を感じます。

 

ほとんどの一般国民は、今夏、節電に励もうと、もうその気になっているのに、これまで通りに電気が使えるようにと、国は大量の情報操作を行い危険性を隠して原発を再稼働するのです。

 

リオでは、質素で自然と共に生きる心豊かな本来の日本文明の素晴らしさを、世界の人々に訴えて来ていただきたいものです。

 


「鳥獣被害防止特措法」(農水省平成19年)の改正(平成24年)に伴う「基本的な指針の改正案」(パブリックコメント終了)は、鳥獣捕殺推進一辺倒。ああ、人間がますますダメになっていく。

平成20年施行「鳥獣被害防止特措法」(農水省)は、以下の3つのことがらを進めるために作られた法律で、多額の国家予算がつけられました。
①野生鳥獣の有害捕殺促進
②野生鳥獣による農作物被害防除推進
③野生鳥獣の生息地復元 (当協会の強い要望と必死の運動で入れられた一項)

しかし、③野生鳥獣の生息地復元については、施行以来4年間、予算措置は毎年ゼロ!。何もなされなかったのです。これでは、法文条項の存在に意味もなく、国民に対する詐欺です。

にもかかわらず、自民党鳥獣捕獲緊急対策議員連盟(会長 武部勤元幹事長)が中心になって、さらなる鳥獣捕殺推進への暴走を促す法案を、昨年、国会に提出しました。

<自民党鳥獣捕獲緊急対策議員連盟とは>

(議連主旨) わが国は、シカ、イノシシ等による農林業や生態系への甚大な被害、クマによる生活環境への恐怖などが、全国各地で深刻な社会問題となっている。自然を守りつつ各種被害の防止や地域の安全安心を確保するため、根本的な解決方法として、捕獲による個体数調整が重要である。猟友会の育成と鳥獣の保護管理が適正に運営できるような法整備に取り組む。

鳥獣捕獲緊急対策議員連盟
顧問 伊吹文明・大島理森・二階俊博・山東昭子
会長 武部勤
副会長 小坂憲次・河村建夫・森英介
幹事長 林幹雄
副幹事長 谷公一
常任幹事 岸田文雄・高市早苗・遠藤利明・浜田靖一・塩谷立・脇雅史・吉田博美
事務局長 鶴補庸介

この議連が元になって国会に提出された自民党案の内容は、鳥獣捕殺をさらに促進するための過激な内容で、さすがに警察などからも反対意見が強く出され、最終的には自ら撤回され、有害捕殺鳥獣の食肉化推進など、一部意を汲んだ形で、「鳥獣被害防止特措法」の平成24年改正が国会で成立しました。(2012、3、30当協会ブログ参照)

今回はそれに伴う「基本指針な指針」の改正で、当然のことながら、野生鳥獣の生息地の復元など一切考えず、鳥獣捕殺をさらに促進する内容です。野生鳥獣から見れば、人間はますます悪魔になっていく一方でしょう。

農水省が5月24日締切でパブリックコメント(パブコメ)を募集しておりましたが、パブコメに応募することすら馬鹿馬鹿しく感じられたことと、多忙過ぎたために、みなさまにはパブコメ募集のお知らせをしておりませんでした。熊森本部からのパブコメは、一応、農水省担当部署に送付しました。

<なぜ、パブリックコメントへの応募が、馬鹿馬鹿しいと感じたか>

日本の行政は絶えず担当者が変わるからでしょうか。このたび、パブコメ担当者に問い合わせの電話をしましたが、担当者は法文の内容を把握することすらされておりませんでした。

このようなところに、国民が大変な思いをして法文を読んでパブコメを提出したところで、「今後のご参考にさせていただきます」という返事が返って来るだけでしょう。もしかしたら、パブコメを読むことすらなされないのではないかと感じました。「一体、あなた方は何のためにパブコメを募集しようと思われたのですか」と、思わず担当者に尋ねてしまいました。黙っておられましたが、おそらく、「パブコメをとりました」と言うためだけでしょう。

日本のパブコメは、至る所でこのように形骸化されてしまっています。パブコメで多くの国民から同様の意見が出ても、まず採用されることはないというのが実態です。こちらのほうを、大問題にしていくべきだと思います。

八幡平クマ牧場事件の続報 残されたクマたちの給餌はどうなる②

警察によって八幡平クマ牧場事件の解明が進み、経営難に陥っていたクマ牧場の実態やずさんな管理が明らかになってきました。(参考:各種新聞報道)

亡くなられたお二人は給餌担当者であったということで、当協会としては、残された27頭のクマたちの今後の給餌が心配です。当協会は、野生グマの保護活動を行っていますが、八幡平クマ牧場をはじめ、国内のクマ牧場問題については、東京のNPO法人が長年取り組んでこられました。24日中、何度も東京のNPO法人に電話をかけてみましたが、つながりませんでした。

会員からも、残されたクマたちの給餌を心配する声があがり、とりあえず本部としては給餌支援スタッフを現地に派遣しようということになりました。調べてみると、現地は山中で交通機関もなく、大変不便な所です。秋田県・岩手県の会員さんで、現地まで車出しして下さる方がいないか、探すことになりました。ところが現地は現在、立ち入り禁止になっており、入れないということです。

25日朝、とりあえず、秋田県庁担当者に電話をして、残されたクマたちに当面の食料を届けたいがどうしたらいいか、たずねてみました。県としては、昨年度5回もこのクマ牧場に立ち入り検査を行い(規定では年1回の検査でいいそうです)、飼育改善勧告を行ってきたが、改善されていなかったということです。現地警察によると、経営者が新たにアルバイトを雇って給餌させているということだが、県としては確認していないということでした。

現地警察に電話して聞いてみると、警察は2人も死者が出た事件として捜査しているが、残されたクマたちの給餌については任務外なので誰も確認していないということでした。

そうこうしているうちに、東京のNPO法人から電話が入り、残されたクマたちの今後についていろいろと話し合いました。この団体が、真剣にこの問題に取り組んでくださっていることがよくわかりました。今後、熊森協会にやってもらいたいことが出てきたら連絡してくださいと言って、電話を切りました。

この後、秋田県庁から、残されたクマたちが本当に給餌を受けているかどうか、担当者が食料を持参して確認に行ってきますという電話が入りました。わかり次第、連絡くださるそうです。こんなにすぐ動いてくださる行政に感激です。残されたクマたちの給餌を心配されている方が、たくさんおられると思います。行政担当者からの連絡が入り次第、このブログでみなさんにお知らせします。

今後、このクマ牧場をどうしていくか、話し合いが続けられるのでしょうが、熊森は、経営が困窮して窮地に陥っている経営者と、残されたクマたちの双方にとって、いい結果が導かれますように祈っています。残されたクマたちが、この後、快適な環境で、寿命をまっとうするまで幸せに暮らせるよう、見届けたいと思います。

兵庫県第3期ツキノワグマ保護管理計画最終案に、熊森が申し入れ書

平成24年度から5年間にわたって適用される「兵庫県第3期ツキノワグマ保護管理計画」が、協議会と審議会の協議や審議を受けて、3月末にいよいよ最終決定され、県庁のHPで発表される見込みだそうです。当協会が、最後の要望として、担当部署に送った申し入れ書(以下)を、なにとぞ兵庫県の管理計画に採用していただきたいと願っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
兵庫県自然環境課殿

兵庫県第3期ツキノワグマ保護管理計画最終決定にあたっての申し入れ書

1、兵庫県内におけるツキノワグマ捕獲は、原則放獣としてください。
第2回野生動物保護管理運営協議会参加、第2回環境審議会鳥獣部会傍聴を通して、兵庫県は県内の絶滅危惧種ツキノワグマの推定生息数や増加率を把握しきれておらず、今後もクマやイノシシのようなどこかにひそんでいるこのようなタイプの野生動物の生息数は、人間にとって把握できないものであるとの確信を得ました。
何頭いるかさっぱりわからない絶滅危惧種、しかも現在、遺伝劣化が明白であり、繁殖力の弱いクマを、捕獲後、原則殺処分するという第3期ツキノワグマ保護管理計画案には、どう考えても無理があります。やむをえず捕獲した後は、「原則放獣」に修正していただくよう申し入れます。

2、イノシシ罠は、クマスルー構造とすることを義務付けてください。
クマのイノシシ罠への錯誤捕獲が、毎年あまりにも多すぎます。この問題に無策であっては、クマ保全は出来ません。逃がすからいいと言われますが、クマは捕獲される度に弱っていきます。いったん捕獲してしまうと、人間を必要以上に恐れるクマとなり、人身事故の原因となっていることも考えられます。クマがかかっても逃げられるイノシシ罠である、クマスルー罠を義務付けていただくよう、申し入れます。

3、野生動物育成林事業を、本来の広葉樹林増殖事業にもどしてください。
現在の野生動物育成林事業は、動物が棲めない場所づくりをしていると指摘される通り、皆伐によるバッファゾーン事業がほとんどとなっています。わたしたち県民の税金を使って実施するのですから、県民への約束通り、野生動物が棲める広葉樹の森造りとなるように、事業内容の修正を申し入れます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

県に申し入れをされる場合は、FAXがいいと思います。
兵庫県庁農林水産局森林動物共生室 FAX 078-362-3954

12/31 激動の2011年

激動の2011年が幕を閉じようとしています。国が、いっそう悪い方向に、どんどんと動き出した年になったと感じます。後世の国民は、あの時どうして、当時の国民が声をあげ、国に立ち向かわなかったんだろうかというのではないでしょうか。

先日、一流大学を出て、大手会社に勤めている若者と話す機会がありました。朝は8時に出社、夜は、深夜12時まで、時には、午前3時まで働いているということでした。これだけ働いても、残業代はつかないそうです。深夜3時まで働いた日は、帰宅して1時間の睡眠をとって、また朝、8時には出社なんだそうです。これでは、世の中のことなんて考える余裕もないし、ボランティア活動に参加する気力も生まれませんね。もちろん、みんながこうではないでしょうが、これでは、若い人たちの社会参加は望めません。国家の大損失です。

お金に目がくらんで利権に狂ってしまっている官僚、政治家、彼らに加担する事しか書けない記者クラブ・・・疲れ切っている国民には、彼らをただすエネルギーももはやない。これでは、国土を戦争や放射能汚染から守り、豊かな自然を復元させていこうとする国民の力は湧いてきません。

来年は、少し余裕のある暮らしをされている方々、リタイア組など、もっともっと動けるボランティアを熊森に集め、さらにさらに国にしっかりとものがいえる団体を育てていきましょう。

今年1年、熊森を応援してくださったみなさん、実践活動に参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

●熊森は、今、職員をあと2名程度募集しています。森や動物の悲惨な現状に、胸が痛んで耐えられない思いをされている方がおられましたら、是非、ご応募ください。ネット匿名者による誹謗・中傷・虚偽満載の熊森風評など無視して、ぜひ、熊森本部を訪れ、ご自分の目で当協会を見てお確かめください。随時見学会や面接を行っています。

信じられないその③ 群馬県八ツ場ダム工事再開決定

以下、産経ニュースより

野田佳彦首相は23日、首相公邸で政府・民主三役会議を開き、政権交代後に建設を凍結していた八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の建設再開を正式決定し た。民主党の主要公約は総崩れとなりつつある。

以下、熊森より

考え1  今、八ツ場(やんば)ダムに回すお金があるのなら、困窮を極めている福島県民に回すべ

きだ。

考え2  これまで国が、地元に期待を抱かせていたお金を、地元におろすことまでは国民として認める。ただし、取り返しのつかない国土大破壊となるダム本体工事だけは、しないでほしい。

「コンクリ―トから人へ」のマニフェストには、熊森も大いに期待していました。このマニフェストまで放棄して、まだ政権についておこうという国会議員たちの感覚が、国民としては信じられません。奥山保全・復元のためには、どうしても、ダムでない治水が必要なのです。

元ダム村におられた京都大学名誉教授で当協会顧問の今本博健先生に、ダム建設にあたって政治家におりるダム利権の莫大な金額をこっそり教えてもらいました。納得。

八ツ場(やんば)ダムに賛成、反対の国会議員名を、マスコミは大々的に発表して下さい。国民は、次の選挙まで覚えておきましょう。以下は、今本博健先生の渾身の著作です。全国民に読んでいただきたいです。

信じられないその② 武器輸出三原則の大幅緩和

以下、毎日新聞より

政府は27日、武器輸出三原則の大幅緩和を発表。国際協力目的での防衛装備品の他国への供与▽友好国との武器などの共同開発--を幅広く解禁した。個別案 件ごとに「例外」を設けていた従来の緩和方法を超え、事実上の三原則の転換に踏み切った。政府は、先端防衛技術の欧米との共有や、開発・生産コスト削減な どのメリットを強調する。だが、公開の場での十分な議論のないまま、平和国家・日本の理念である三原則を一気に緩和したことへの批判の声も上がっている。

以下、熊森より

戦争は最大の自然破壊です。人類が生き残るために、自然保護団体としては、地球上から武器を失くさねばならないと考えています。わが国が、武器輸出三原則の大幅緩和を発表するだなんて、信じられません。しかもあまりにも突然の方向転換です。国民には、考えたり反対したりする時間もありません。マスコミは、賛成した議員、反対した議員、それぞれの名前をきちんと発表してください。国民は、次の選挙の日まで、メモっておきましょう。

(本部)兵庫県井戸知事に、クマの個体数調整を導入しないよう意見書を提出

<兵庫県第3期ツキノワグマ保護管理計画作成に当たっての意見書>

昨年度お会いした折、クマの人里出没問題を、できる限りクマの身体及び生命に負担をかけない方法で解決するのが望ましいという人道的判断をお示しくださったことに、感謝しております。

クマなどの野生鳥獣とかれらの棲む豊かな森を未来永劫に残すことに成功するために、第3期ツキノワグマ保護管理計画作成にあたって、以下のことを考慮してくださるようにお願いします。

(1)個体数調整名目の捕殺を取り入れないこと

研究者や捕獲業者は、個体数調整の導入を主張しますが、自然界では、野生動物の生息数は増減を繰り返しながらバランスをとっていきます。人間が捕殺により野生動物数を思い通りに一定数に保つことなど、元来不可能なことで、終わりのない泥沼の事業となります。共存は、棲み分けによる不干渉によって初めて実現できるもので、何の問題も起こしていないクマまで山の中で捕獲して、個体数調整名目で捕殺するのは残酷です。真の共存とは程遠いものです。個体数調整は、人道上からも絶対に認めないでください。

(2)現行の捕殺に至る4段階を、以前の5段階にもどす

昨年度のクマ70頭もの大量捕殺は衝撃でした。捕殺理由を入手し、全頭について読ませていただきましたが、この程度のことでなぜ殺さなければならなかったのか、理解に苦しむものがほとんどでした。

昨年度の反省の上に立って、今後、安易な捕殺が2度と行われないよう、現行の捕殺に至る4段階を、以前の5段階にもどしてください。

(3)イノシシ捕獲用檻のクマスルー化を徹底する

昨年度、イノシシ檻に誤捕獲されて放獣されたクマが、111頭もの多数にのぼっています。これは、兵庫県がイノシシの捕獲用檻のクマスルー化を徹底させていないことが原因です。費用対効果の面からも、イノシシ檻のクマスルー化を徹底させるための予算をつけてください。

(4)全く進んでいない、人が壊したクマ生息地の森の復元・再生を、早急にすすめる

クマ生息地の人工林率はどこも高く(宍粟市73%、朝来市66%、養父市61%、豊岡市44%など)て、人工林率40%で絶滅に向かうと言われるクマには、棲みづらい限りです。兵庫県はこの10年で人工林面積の3分の1を間伐したことになっていますが、2割という弱間伐だったため、現地林内はほとんどが砂漠化したままで元の木阿弥、下草すら生えておりません。5年間にわたる緑税の野生動物育成林事業も、餌場づくりにはなっておりません。動物が山に帰れる森造りを、至急進めてください。

フィード

Return to page top