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2012-04-02

2010年秋、愛知県で有害捕獲され、秋田県八幡平クマ牧場に送られたクマの親子のその後

アライブという動物福祉団体の会報の最新号に、2010年、愛知県豊田市で捕獲され、遠い秋田県の八幡平クマ牧場に送られたツキノワグマの親子のその後が、載っていました。

母グマは、直後に衰弱死、2頭の子グマは1年間育てたあと殺され、漢方薬として高く売れるクマノイをとり、残りはクマ肉として販売するという猟師に渡すそうです。

このクマ牧場には現在40頭のクマがいますが、環境は劣悪で、経営者は、閉園も考えているそうです。

アライブという団体は、飼育動物や家畜、実験動物等がおかれているむごたらしい現状から目をそらさず、一貫して、人間に対し、動物福祉を訴え続けています。本当に立派だと思います。

林野庁さん、我が国の森林面積のあと1割しか残っていない原生的天然林を、もう伐らないで

戦後、わが国の原生的天然林を、面積にして東北6県分も皆伐した林野庁。我が国の原生的天然林(99年以上手つかずの森)は、もはや、森林面積の1割しか残っていません。

それをなんと、以前と比べると伐採量は減ったというものの、林野庁が今も伐り続けているのです。国民が現状を知ったなら、だれもが「伐らないで」と言うでしょう。問題は、この現状を、国民に知らせてくれるメディアがないので、国民が知らないことです。熊森は今、この問題を取り上げてくださるジャーナリストを探しています。

今国会の衆参農水委員会に「国有林野の管理経営に関する法律の一部改正案」が出されています。原生的天然林の伐採を禁止するという一条を入れてもらうチャンスです。森の生き物たちのためにも、将来にわたる水源地を確保するためにも。

林野庁が平成21年に伐採した天然林の面積は、原生的天然林を含む5000ヘクタール(抜き伐りしたところも含めた面積)だそうです。材の量としては、22万㎥。一方、伐った人工林は760万㎥だそうです。しかし、材価は原生的天然林の巨木の方が、けた違いに高いのです。

ドングリの実りの量と連動していると言われるスギ花粉の飛散量が、去年と比べ激減 (兵庫県内)

京都市在住のある研究者が、以前から、ドングリの実りの量とスギの花粉量が、経験則で連動していると、私たちに教えてくださっていました。今年の春は、スギの木立ちがあまり赤くありません。花が少ないからです。ということは、秋のドングリの実りも少ないということです。冬眠前に大量のドングリが必要なクマにとっては、大変です。

・本日の神戸新聞に掲載されていた兵庫県立健康生活科学研究所の発表したグラフ(上)を見ると、山の実りなしという大異変により、クマが大量に山から出てきて 空前の大量捕殺となった2010年は、スギ花粉も皆無だったことが分かります。また、ドングリの実り大豊作の2009年は、スギ花粉も大量に飛散していた ことが分かります。…このグラフからは、兵庫県のクマ生息地である但馬地方の今年のドングリの実りは、ゼロではないが、かなり不良の可能性があります。ボランティア活動が主体となっている私達くまもりとしては、どこまでできるか限界がありますが、それでも、秋にクマたちの大量捕殺がおきないように、春からクマ生息地の地元を回って、クマ保全の理解者を地元に増やしていきたいと思います。

3月31日 クマと森と人の共存を考えるシンポジウム 主催:くまもり岡山

「戦後、広大な奥山生息地を人間に壊され、生きられなくなって悲鳴を上げている多くの野生動物たちの声に耳を傾けて、人工林のスギを伐り、広葉樹の雑木林に戻そう」と集落をあげて活動している兵庫県クマ生息地のリーダーが、「森からの告発」と題して、人間中心文明からの方向転換を呼びかける1時間の記念講演をして下さいました。55名の参加者が聞き入りました。参加くださったみなさん、シンポジウムを準備して下さったみなさん、ほんとうにありがとうございました。

今月4月15日(日)には、熊森本部が大会を持ちます。また、4月22日(日)は、福島県で熊森会員のつどいが、来月5月26日(土)には、栃木県支部が宇都宮大学で講演会を予定しています。この後もくまもりは、全国各地で、日本の森や動物の危機的な状況を、多くの国民の皆さんにお伝えしていく決意です。

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