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2012-08-01

7/28 箱罠で捕獲されたクマがどう行動するか、クマを知る貴重な映像をごらんください(東北)

[動画付き記事 新聞社が公表している動画はコチラ]

(新聞より)2012年07月28日 午前5時ごろ、畑に仕掛けてあっ たわなにメスグマ1頭が掛かっていた。ここの畑では、サクランボの実をクマに食べられる被害があり、枝が折られるなどしたため、地元猟友会がわなを設置し ていた。熟したウメの実を食べるため畑に来たとみられる。地区で今シーズン捕獲されたのは4頭目。
(熊森から)地元に問い合わせたところ、有害捕獲用の箱罠の中に誘引剤として入れられていたのはハチミツ。以前サクランボを食べたのは、本当にこのクマなのかたずねたところ、わからないとのこと。
解説(ハチミツを仕掛けると、クマは遠くからでもやって来るので、クマ違いである可能性も十分ある。このクマは檻から逃げたい一心で、必死で檻の外の土をかいたり、檻の横の石を檻の中に持ち込もうとしたりしてかなわず、檻の鉄格子に歯で思い切りかじりついて鉄格子を折ろうとしてこれもできずパニックに陥っている。カメラが近づいてきたら、ついに殺されるのかと思い、恐怖の余り、必死に振り払おうとしている。ふつう、箱罠でクマを獲ると、このようにクマは逃げようとして歯をすべて折り、口中血だらけになっている)
土曜日に罠にかかったので、行政には連絡していないとのこと。日曜日に猟友会で相談して撃ち殺した。行政には、月曜日に知らせた。殺したクマの体の処理も、猟友会任せ。
要望
捕獲したクマを生かすか殺すか、わが国では先進的な行政以外は、クマ対応は全て猟友会任せとなっている実態がこの事例からも浮かび上がってくる。これが一般的である。しかし、わたしたち多くの国民は、野生鳥獣対応を猟友会任せにした覚えはない。行政に、しっかりかかわっていただきたいと願って、県民税や市民税を払っているのだ。まず、改革の第一歩として、行政が現地に行って、行政の力で判断するところから始めていただきたいと強く要望する。

7/23、24 東北で進む山林への農地開発とすさまじいナラ枯れ、安易なクマ駆除の実態を視察して唖然②

すさまじいナラ枯れ

兵庫県でもナラ枯れは脅威であるが、兵庫県の山はここまでは枯れていない。

東北の山々のナラ枯れはすさまじく、山がもうスカスカだった。ブナもナラも実がまず付いていなかった。なぜ、こんなことになるのか、諸原因説あるが、わたしたち人間にはどれが本当なのかわからない。地球温暖化、酸性雨、農薬…?いずれにせよ、人間がやったことで、野生鳥獣の豊かだった生息地が壊されていっているのであろうと察せられる。

世界中から食料を集め、食べ残している今の飽食の日本人には、動物たちが食料を失い苦しんでいることを、もはや思いやることすらできないのであろうか。地元では、山から出て来た動物対策として、捕殺しか考えていないようにみえた。

 

枯れ残ったミズナラにも、今年、実がついていない。

 

野生鳥獣が山から出て来てもらっては困るのなら、人間が山の中に、野生鳥獣の餌場づくりをしてやらなければならない時代になっているのではないかと感じた。

 

ちなみにスギなど針葉樹だけの人工林率は、福島37%、山形29%、

宮城50%、岩手44%、青森42%、秋田50%である。

この中には基本的に、動物たちの餌はない。

 

7/23、24 東北で進む山林への農地開発とすさまじいナラ枯れ、安易なクマ駆除の実態を視察して唖然①

(今回の東北調査のいきさつ)

環境省発表によると、今年、東北でのクマの目撃数が、昨年の3倍に増加しているという。山に食料がないのだ。山から出て来たクマたちは、罠にかけられ安易に捕殺され続けている。

このことに胸を痛めた数名のクマ愛好家(非会員)らが、現地に駆け付け、捕殺ではなく、捕獲して奥地に放獣してやってもらいたいと、地元農家らと交渉を開始し、保護活動を展開し出した。

その過程で、熊森も出て来てほしいと強い要請があり、本部が現地に急行し、彼らの案内で、東北の山々や、クマ捕獲の実態を見て回った。その結果、唖然とする実態があった。

 

(1)規制なく進んでいく、東北での山林への農地開発 

その1果樹園

地球温暖化がこのまま進むと、近い将来、東北の平地ではりんごなどが実らなくなるだろうなどと言われているそうだ。果樹農家は、今、競って果樹園をより涼しい所、山の上に移動させ始めたという情報を、これまで地元会員から得ていたが、行ってみてびっくり。

あちこちの山が白く光っている。

車窓から

見渡す限りのブドウのビニールハウスだった

 

最近、これまで見かけることもなかったクマやサルたちが、山から出て来るようになったと地元の声。野生動物たちの生息地を人間が次々とつぶして果樹園にしていっているのだ。野生動物たちが生きられなくなって出て来るのは当然だ。

 

(2)規制なく進んでいく、東北での山林への農地開発 その2畑

クマの生息地と思われる山の中に入っていくと、突然ブルトーザーで平地にされた空間が現れる。ここは最近まで、クマたちの国であったはずだ。米どころ東北の平地は、水田で埋まっていた。畑は山の中に移動させるのだろうか。

 

(3)人間のためにも、山林開発に規制を

県行政に、山林の開発規制をたずねたところ、伐採申請をすればだれでも開発できるという。地元の行政の方は、人間が生きるためだから仕方がないと言われるが、山の斜面を単一植生で覆うと、大雨の時、崩れてくる。山まで果樹園や畑にされて、まず困るのは 餌場や生息地を失った野生動物たちだが、いずれ、人間にも必ずしっぺ返しが来る。

 

昨年の紀伊半島集中豪雨での山崩れ、今年の九州での大雨による山崩れ。山を単一植生で埋めるとどうなるか。教訓 にしてほしい。

 

しかも、国土をすべて人間が取ってしまうのは、まちがいである。もうこれ以上生息地を野生鳥獣から奪ってはならない。人間が生き残るためにも、人間が優しい人間社会を作るためにも。県知事さんに、手紙を書こうと思う。

 

このあたりの山々から、近年、動物たちが出て来始めた理由が、現地に行ってみてはっきりわかった。

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