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2012-08-06
8月6日 関東の猟友会員から熊森に叱咤激励の電話 山は空っぽだぞ
(関東の猟友会員より)
くくりわなの12センチ規制が、なし崩し的に規制緩和されていっているのに、熊森は何をしてるんだ。ある県では20センチまでOKにしようとしている。熊森はクマの絶滅を止めるんだろう。クマが誤捕獲されたら、放獣したらいいと言う人もいるが、実際は、誤捕獲されれば放獣なんて大変だから、猟友会は黙って殺してしまっているんだぞ。これではクマがどんどん減ってしまうよ。熊森、もっと動けって怒ってやろうと思って電話したんだ。12センチ規制があっても、シカ、イノシシはいくらでも獲れるよ。
(くくりわなの12センチ規制:シカやイノシシを獲るためのくくりわなの直径を、クマがかからないように12センチ以下にするよう、環境省が規制したもの。く くりわなは残酷で危険な上、誤捕獲が多いので、廃止するようにというわたしたち自然保護団体の主張に対して、当時の環境省が、くくりわなの廃止は 出来ないが、クマが誤捕獲されないよう、直径を12センチ以下にすると決めたもの)
今のように、鳥獣保護員がオールハンターでは、猟友会の監視など期待できないよ。熊森のように動物を守りたい人たちが、鳥獣保護員になって、違反がないか監視してほしいんだ。
自分はクマを滅ぼしたくない。シカやイノシシは獲るけど、クマは絶対に獲らないね。山でクマに会ったことが何回かあるよ。ほれぼれとして、じっと見つめてしまうね。クマも逃げたりしないよ。お互いに見つめ合っている。私の横を通り過ぎていくよ。そんな間柄だ。
今、山に動物などいないよ。山は空っぽさ。みんな里に下りてきているよ。どうしてこんなことになるのかわからないね。最近の現象だ。餌がないんだよ。
クマは1年中、高く売れるからね。獲り尽くされないか、本当に心配なんだ。自分のような思いの猟友会員は1割ぐらいいるよ。獲物を獲りたいだけの人もいるから本当に心配だ。(熊森の取り組みをいろいろと話すと)そうか、お宅らもがんばっているんだな。とにかくクマのいる所では12センチ規制を守ってもらわないとね。がんばってくれ。
7/23、24 東北の森と動物の現状について、地元猟友会員に教わる ④ 証言
地元猟友会員の家を訪れ、東北の森と動物について質問しました。この方は、クマを3頭飼っておられました。
猟友会員の証言
クマもサルもみんなね、平成になるまでは、会いたくても会えなかったよ。県境の高い山の奥に入って行ったら会えると聞いたことがあるが、見たことなかったね。平成になってからだ。特に最近になってからだよ。目の前に森の動物が次々と現れ出したのは。
奥山のかつての生息地は、空っぽだよ。鳥も獣も虫もおらん。
山には食べ物がないんだ。
どうしてこんなことになってしまったのか、わからん。クマに関して言えば、ナラ枯れがすごいし、今年はブナもなっていない。
クマに凶暴性があるかって?ないよ、そんなもの。まったくないよ。ほらみてごらん。(この方がクマを触ると、クマがとても嬉しそうにして、甘えていた)犬や猫とおんなじだ。ただ、6月の発情期の期間だけは気を付けている。それ以外はね、どおってことないよ。(目を細めておられました。ここのクマたちは、母グマが殺されたりして生きていけなくなった赤ちゃんグマを、保護飼育しているということでした)
クマたちは、水をかけてもらって本当に嬉しそうでした。
7/23、24 東北で進む安易なクマ駆除の実態を視察して唖然 ③
東北では、いまだにこんなに簡単にクマたちが殺されていたのか。唖然としました。
事例1 スイカ畑にクマが出た!
(確かにクマの足跡が畑についていました)
指摘1 ここは山の中。クマの国に農地を開墾。
指摘2 追い払い、防除策(電気柵など)など皆無。
指摘3 谷に捨てられた売れないスイカが、クマを誘引している。
皮の白い色が見えるまで、きれいに食べ尽くすのがクマ。
このような状態で、クマを即、有害駆除してしまうなどあんまりです。非会員の方たちが、畑の持ち主に、「クマを誘引しないように、廃棄スイカは土に埋めてほしい。電気柵はクマに有効なので、防除努力をまずしてほしい」とお願いしてくださったところ、畑の持ち主さんは了解して下さったそうです。
この町の畑には、クマ捕獲罠があちこちに設置されていました。
どの罠の中にも、クマの大好物であるハチの巣が入っていました。
指摘4 これでは、関係のないクマまで、山から出てきます。
1つ目の檻は、有害駆除許可書がついていませんでした。(違法)
2つ目の檻は、有害駆除許可書はついていましたが、許可期限が1か月前に終わっていました。(違法)
クマやサルをおびき出すようなことを人間がして、出て来たら、防ぐ努力も何もせず、即、有害駆除申請して捕獲し、動物を罠にかけて殺してしまう。人間にそんな権利があるのでしょうか。そこには、生き物の命への尊厳がありません。県行政に改善を申し入れました。
どうしてもクマを捕獲しなければならない時は、
放獣が困難な箱罠ではなく、ドラム缶型檻にして、
クマがかかるや否や、餌のありそうなところに運んで放獣して下さるように申し入れました。生き物の命を大切にすることが、結局、自然を守ることに繋がります。行政の方々は、私たちの主張をていねいに聞いてくださいました。しかし長年の慣習があります。どこまで改革して下さるか、見守っていきたいと思います。
●この後、県庁記者クラブによって、報道の在り方などの改善をお願いしました。
要望:どこどこにクマが出たという事象だけ書くのではなく、原因と対策も書いてほしい。
何人かの記者さんが共感して下さいました。今後の記事に期待します。