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2012-09-27

2012/09/23(日) 熊森本部主催:太郎と花子のファンクラブ参加感想

友だちに誘われて、和歌山県生石高原山頂で飼育されている太郎と花子に会いに行きました。車は、兵庫県西宮市にある阪急夙川駅南ロータリーを、午前8:30に出発です。
参加者は思い思いに野菜や果物の差し入れを持ち寄ります。午前11時に現地到着。

 

わたしが持っていったのは今年できた熊棚(くまだな:クマが木に登って枝を折りながら実を食べ、その枝をお尻のしたに敷いていくためにできる「木の上の棚」のようなもの)にわずかに残っていたオニグルミの実です。野生のクマが食べるまるのままのオニグルミを太郎と花子も食べるのかなと気になっていました。


まず太郎にクルミをあげました。太郎は大好きなニンジンを食べたところでしたが、珍しいものが転がってきたので興味を持ったみたいです。クルミを口に運びもぐもぐとしましたが、そのまま口から出してしまいました。どうもお気に召さなかったようです。
花子にもクルミをひとつ。花子は転がってきたクルミを拾い上げると、そのままぼりぼりと食べだしました。クルミの堅い殻も平気で噛み砕き、下に落ちたかけらもぜんぶたいらげました。野生のクマと同じクルミを食べてくれたことがなんだかとてもうれしく思えました。

 

小さな女の子が訪ねてきました。太郎と花子がおみやげのクリをパキッと食べるたびに女の子は満面の笑み。ほかにも何人かのお客さんが太郎と花子に会いに来てくれました。山の中にひっそりとたたずむ熊舎を訪ねてくれるひとがいるのですね。嬉しいことです。

 

太郎と花子の無垢な喜びが、彼らはわたしたちの素晴らしい友だちであり、彼らの仲間もまた同じだということを教えてくれました。わたしたちも彼らのよい友だちでありたいと願った一日でした。(M)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参加者の差し入れのマクワウリをおしいただくようにして食べる花子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーナツ大好き(太郎)                       おなかいっぱい、一休み(花子)

 

参加者12名

 

 

9月9日(日) 盛りだくさんな自然農塾の一日

①田んぼで実り具合を確認

猛暑の草刈りから1ヶ月、今日はいよいよお米の稔り具合を見ます。

黒米は分けつも実り具合もしっかりとしていますが、コシヒカリは分けつが悪く

未だ花の咲いているものもあり、成長にバラつきがあります。大豆は実が未だ小さいので

収穫は次回に延期しました。

 

 

 

 

 

 

しっかりとした黒米

 

稲の花が咲いてます。

 

こちらは黒米

 

こちらはこしひかり

 

崩れた土手を修理してしっかり最上段のため池の水の管理をします。

②但東町の田んぼアート祭りに参加

お昼時は、田植えの時にお手伝いをした大河内地区の行事である「田んぼアートのお祭」に参加しました。

この田んぼで昨年収穫した紫黒米を炊き込んだおにぎりとお団子を「ふるまい」でいただきました。

絶品の手作りからし漬けのレシピはご本人がおられなくて、次回になりましたが本当にいつもながらの

おいしい楽しいお祭りでした。ありがとうございました。 地元のお野菜は安くて新鮮、皆いっぱい買いました。

今年の田んぼの図柄はトンボです。右の羽2枚と周囲は自然農塾有志で植えました。

 

 

③「あーす農場」見学

兵庫県朝来市和田山町の山間で自給自足生活をしておられる「あーす農場」を訪ねました。

昔からの熊森の会員でいらっしゃる大森さんは、1984年に西宮から子供さんやご自分の健康のためにここに移住して来られました。

農場の中を流れている川沿いには母屋の他に、鶏小屋、ヤギ小屋、鴨小屋、烏骨鶏の小屋、パン焼き窯の小屋、子供のための図書館、などが並んでいます。

川では水力を利用して発電しており、使用電力の半分はまかなっているとのこと。

ガスは家畜などの糞による自家製発生器のメタンガスと薪です。

家の周囲では、無農薬有機肥料による野菜やお米を作っておられ、

お米は冬期灌水で合鴨農法にも取り組んでいます。

半年ほど田んぼでお仕事した鴨はいずれ食卓にのぼるそうです。

この日も、鴨が田んぼから川に逃げ出し、大騒ぎの捕り物に参加した熊森のI君がつかまえると、

大森さんが「要るなら持って帰っていいよ」と言われました。

もちろん、誰も頂きませんでしたが。

 

 

 

 

大森さんの田んぼのお米は、コシヒカリ、もち米、ハッピーヒル(福島正信さんが開発した品種)等どれも

しっかりと実っていてうらやましい限りです。

 

田んぼなどの見学の後、大森さんにお話を伺いました。まず、何よりも気になるクマの話から。

「クマさんは可愛いよ。山の稜線をおなかの大きくなった母グマがのっこのっこ歩いていて、

春になるとコグマを2匹連れてたりするよ。今年はここら辺には出て来ないなー、

ずっと下の方に居るよ、大屋の方にね。」

その後、なぜ、ここで暮らそうと思われたかについて質問しました。

昔、移住する前に見に来たときはここはまだ、何軒か住んでいたので棚田がきれいで桃源郷のようだった。

友人が、下に降りてこいよとすすめてくれるが、上で自分が守らないと下の集落も守れないからここで

がんばっていると、断っておられるそうです。

_____でも、ここはどう見てもずいぶんと山奥で野生動物や植物たちの棲家なんだけどなー、

もう少し里山でこのすばらしい自給自足生活をみんなに広めてもらえればもっと良いのではないのかなー_______

私が考えるほど、簡単な問題ではないのでしょうから、次回ゆっくりと農作業に来てからお話もしたいなと思いました。

大森さんの「あーす農場」には毎年、海外も含めて300名ぐらいの方が来られるだけあって、大変、チャーミングな方でした。(H)

 

9月22日(土) くまもりチェンソー講習会 ステップ3 3名が修了 修了者累計18名に!

9月22日(土)にチェンソー講習会ステップ3を実施しました。心地よい秋晴れの中、快適な講習会となりました。

まずはステップ2の復習から。丸太の輪切り、切株の水平切り等でウォーミングアップをします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水平にチェンソーの刃を入れるのは意外と難しいです。伐倒の基本となるので、念入りに練習します。

 

 

 

 

 

 

 

3名の方が無事に講習会を修了することができました。お疲れ様でした。

これで、日本熊森協会が養成したステップ3の修了者は合計で18名となりました。本部の林業経験者3名と合わせると、21名が、間伐作業に従事することが可能です。来月から、修了者のみなさんにも参加していただいて、現地での実際の間伐作業に力を入れていく予定です。

 

 

 

 

 

 

兵庫県氷ノ山を再び入らずの森に  9/13くまもり実り調査実施 ③ 自然林にもクマが棲めなくなった訳 断崖絶壁に残されたお花畑から考える

去年、氷ノ山のヤマブドウは良くなっていたが、今年はだめだった。ほとんどのヤマブドウに、実りがない。やっと、少しだけ実の付いたヤマブドウを発見。今年の夏の暑さのせいか、実が干しブドウのように、干からびていた。

 

 

 

 

 

 

 

奥山広葉樹林の林床植物と、そこに群がる昆虫が完全に消えている・・・シカの威力のすごさ

 

 

 

 

 

 

せっかく人工林にされずに残された氷ノ山奥山の広葉樹の自然林だが、シカが下草をほとんど食べてしまっており、広範囲の自然林の林床には、シダぐらいしか残され ていなかった。この日、シカを8頭見かけた。神様のように美しかった。クマとシカは同時に存在しないとよく聞く。もっとクマが増えてもらわないと、シカが林床植生を根こそぎ食べて しまって、森が持たなくなるのではないだろうか。しかし、ここまで下草がなくなったら、もう、クマは棲めないのではないか。

 

下草や昆虫が消えた氷ノ山の自然林(音声なし)

しかし、シカの存在も、自然だ。山にシカがいて森が消えるなら、とっくにこの国の森は消 え ていただろう。シカは山に居て良いはずだが、奥山には、居てはいけないのだろうか。氷ノ山に豊かな森が残っていた時、いったいシカはどこにいたのか。シカ は、奈良公園のような里山の動物なのだろうか。里山にいるべきなのだろうか。それとも、本来、平地の草原にいるべき動物なのだろうか。数がもっと少なければ、奥山に居てもいいのだろうか。生態系のバランスが、人間によって壊されてしまって増え過ぎたのだろうか。こんな単純な疑問ですら、答えられる研究者はだれもいない。人間には、いまだに何もわかっていないのだ。なぞだらけである。自然界に圧倒されそうになる。

 

なぜ、かつて奥山の林床は、 お花畑の花々が咲き乱れ、その草花に来る昆虫たちがいっぱい飛び交っていたのか。一口で山と言っても、南北に長い日本列島。気候も積雪量も、自然生態系も 全く違う。その地域の昔の山を知る人にしか、語れない。現存する人で、氷ノ山の昔を語れる人はおられるのだろうか。以前、氷ノ山麓に住む80代のお年寄りに聞き取りをしたことがあるが、答えはなんと、「入ってはいけない山だったから、入ったことがない。どうなっていたか知らない」だった。「戦後の拡大造林で、初めて氷ノ山に入った時、あまりの美しさに、神様が住んでおられると思った」と、その方は語られていた。

 

氷ノ山の断崖絶壁に、シカの影響を受けていない場所が残されている

 

 

 

 

 

 

 

断崖絶壁というのは少し大げさかもしれないが、この谷川の周辺は急峻で、さすがのシカでも上がれない。このあたり一面だけには、多種多様な草花が咲き乱れ、これまた多種多様な虫があちこちで飛び交っていた。もし、このような林床植生が、氷ノ山の山の中に広範囲に広がっていたら、クマたちも、夏の昆虫食には困らなかっただろう。この日名前が分かっただけでも、植物と虫の種類は相当数に上る。記録しておこう。

 

急峻な崖に残されていた氷ノ山の下層植生(音声なし)

キタヤマブシ、クサアジサイ、オタカラコウ、シラネセンキュウ、ヒヨドリバナ、オオバギボウシ、ツリフネソウ、ウワバミソウ、アザミ、イラクサ、イナカギク、イヌトウバナ等々

神様が住んでおられたかつての氷ノ山を想像しながら、この日の調査を終えた。

兵庫県氷ノ山を再び入らずの森に      (大段ケ平から見た氷ノ山山頂)

 

 

 

 

 

 

 

兵庫県のクマたちの聖地であるべきはずの氷ノ山を調査し、生きようとしただけで(=人間の近くにある食料を得ようとしただけで)、連日殺されていく多くのクマたちの駆除を、何とか止めたいと決意を新たにした1日だった。

 

この地球は、人間だけのものではない。人と動物、何とか国土から生まれる食料を分かち合って共存していく国に戻していきたい。私たちと共に活動して下さる方、募集。

 

 

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