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2017-01-16

1月16日とよ無事冬眠へ 地元会員からの報告第2弾   花子は1月15日冬眠入り

 昨日に続いて、今日の午後も、獣舎の見回りに高代寺に登りました。
獣舎前には、人の足跡もなく、静かで、とよ君の姿も見えませんでした。
パレットの上には新しい足跡も見られず、本日常同運動をした形跡も確認できませんでした。
約20分ほど、4号寝室の中をのぞいて見ていましたが、「とよ君」の姿は藁布団の中で見えません。
餌場のドングリも、食べた形跡はありません。
プールの氷は解けていましたが、水はきれいで入った形跡なし。
「水のみ皿」の水は満水のまま凍っていました。
間違いなく、「とよ君」は冬眠に入ったと思います。
春、三月下旬まで、暖かい藁布団の中で、野山を駆け巡る夢でも見る事でしょう。
静かに見守ってやりたいです。
以上報告です。
裏から見た 獣舎
p.sちなみに、和歌山県の山田さんにお聞きすると、花子(長野生まれ)は、昨日からワラ部屋にはいったきりで出て来ていないそうです。生石高原の積雪は5センチということです。
太郎は和歌山県生まれのクマなので、冬ごもりはしません。

NHKスペシャル 森の王者ツキノワグマ ~母と子の知られざる物語~を見て 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下は、番組終了後一番に届いた会員メールです。みなさんも感想をお寄せください。横田さんにお送りします。

 

動物写真家横田博氏(くまもり会員)の執念の映像記録は、ツキノワグマの生存環境がいかに厳しいか、子熊が成獣になるにはどれ程の生死を分ける試練を乗り越えなければならないかを、抑制した映像で伝えていました。

 

兵庫県は昨年度、ツキノワグマが爆発増加したとして、猟銃での狩猟を再開しましたが、自然界ではツキノワグマが増えられるものではないというのが番組を見られた大方の印象ではないでしょうか。

 

番組では全くふれられていませんでしたが、これは日本の森に君臨してきた豊かな森の象徴であるツキノワグマの絶滅を危惧する警鐘番組であると思ったのが私の感想です。

 

<熊森から>

雌と交尾する為に、雌の連れ子をオスが殺す場面は衝撃でした。しかし、事実ですから、認めざるを得ません。

 

木々がよみがえってきたとはいうものの、かつて人間活動による鉱毒でいったん森が枯れ、表土を全て失った足尾の岩山は、今も過酷な自然です。その厳しい地形や気候に生きる野生動物の、生きるか死ぬかの格闘のすさまじさに声を失った方も多いと思います。

 

しかし、自然界のとびきり美しい映像と、横田さんのクマたちへの温かいまなざしに、視聴者の胸には大きな感動が残ったと思われます。

 

全ての生物は、増えすぎたり減りすぎたりしないように、自然の力によって、見事にコントロールされています。

クマのように生態系の頂点に立つ動物は増え過ぎてはならないので、山の実りの凶作年は受精卵を流して妊娠しないようになっており、自分で生息数をコントロールしてきました。

今回映像で見た子殺しも、直接的には、雄が雌を発情させるためのものですが、生態系の頂点に立つ動物の数が増え過ぎないようにという自然界の厳しいしくみの一つかもしれません。

1月15日「とよ君」の冬眠開始を期待して高代寺へ   地元会員からの報告 


今季初めて雪景色になった今日の午後、「とよ君」の冬眠を期待して獣舎を見て来ました。

残念ながら、「とよ君」は、パレット上を「常同運動」をしていました。

暫くすると、4号寝室に入り、私が下山するまで出て来ませんでした。

間もなく冬眠すると思います。(明日当たりかな?)

2号プールは凍り付いていました。1号プールは水がありませんでした。

餌場の餌は、雪を被って、食べた形跡なし。

糞も見当たらず、パレット上は「常同運動」の足跡だけで、きれいでした。

台湾、25年に全原発廃止 アジア初、法案を可決

以下、中日新聞1月12日朝刊より

 

【台北=迫田勝敏】台湾の立法院(国会に相当)は十一日、電力事業の自由化と再生エネルギーの供給拡大で二〇二五年に原発を完全に廃止する電気事業法の改正案を可決した。昨年五月に政権を発足させた蔡英文総統は「二五年原発ゼロ」を公約に掲げて総統選に勝利しており、今回の法改正で太陽熱や風力などの再生エネルギーの開発に弾みがつくとみられる。

 

東京電力福島第一原発事故の後、脱原発にかじを切るのはアジアでは初めて。台湾には現在、三カ所に計六基の原発があるが、二五年までに順次、運転期間が終わる。

 

改正法では「二五年までにすべての運転を終えるべきだ」として、運転期間を延長しないことを明記した。原発廃止による電力の不足分は、再生エネルギーの供給で補うことにしている。

 

また、改正法には、現在は公営の台湾電力が独占している電気事業を段階的に自由化することも盛り込まれた。当面は再生エネルギーの発電事業を自由化し、台湾電力が優先的に送電するなどとしている。

 

台湾の電力需給は、原発が故障続きで全面稼働していないこともあり、夏場は特に逼迫(ひっぱく)している。このため再生エネルギーの開発が急がれており、台湾電力も風力発電などを導入しているが、現在は再生エネルギーによる電力供給は全体の4%程度にとどまっている。

 

<熊森より>

 

世界は、広島原爆の被害、長崎原爆の被害、福島原発事故の被害…3回も放射能の恐ろしさを体験した日本国が、1番に全原発停止の声を上げるだろうと思っていたと思います。台湾に大拍手です。

 

以下、「いのちと環境」柳澤桂子(生命科学者)より

放射能はなぜ怖いか。放射線がDNAをキズつけるからです。原発事故はいつか必ず起きます。日本の原発でも何度も事故が起きています。1999年に東海村で起きた事故など、あと一歩で原子炉が爆発するという大事故でした。政府は隠して国際原子力機構に虚偽の報告をしました。

北海道ヒグマ管理計画(素案)に対する熊森見解の主なもの

北海道ヒグマ管理計画という名について

ヒグマ共存計画と訂正すべき。ヒグマを管理してやろうという人間の上から目線、傲慢さ、自然観の大いなる間違いを恐ろしく思います。(環境省の決めた言葉ですから,道庁が責任というものでもありませんが)

自然もヒグマも、人間ごときが管理できるようなものではなく、人間が管理できないから自然であり、だから自然は貴重で、人間が畏敬の念をもって大切にしなければならないものなのです。

 

(1)ヒグマ問題の原因特定が間違っている

 

原因特定を間違えば、打つ手、打つ手、全部外れていきます。人間の所に出て来る問題グマが増えた根本原因は、素案が言っているように、ヒグマの数が増えたからでもなく、近年春グマ狩りをやめる(現在、人材育成の名で復活)など捕獲圧を緩めたからでもありません。北海道の場合は、まだナラ枯れも入っておらず、山の実り豊凶や食料不足にも関係がないようです。

 

実際、ヒグマ捕獲数グラフを見せていただくと、年間数百頭のヒグマが罠にかけられて殺される年が近年普通になってきています。北海道はヒグマに大変な捕獲圧をかけておられます。

 

人間の所に出て来る問題グマが増えてきた主な原因は、道の指導で農家がバイオエタノール用の広大なデントコーン畑を被害防除対策なしで各地に造ったり、ごみ処理対策のない観光地化を進めたりして、ヒグマを人間の所におびき出しているからです。問題グマが誕生しているのは本当ですが、誕生原因は、人間活動にあることを、道庁は最初にしっかり押さえておくべきです。

 

親から離れたばかりのオスグマの中には、自分の新たな居住地を決める前に、一度、人間の町をそっと見に来る習性がある者がしばしばいるようです。この場合は、殺さなくても、しばらくの間、遠目に街を見たら納得して山に帰り、もう出て来ないそうですから、問題グマではありません。殺すのをやめるべきです。

 

(2)はじめに殺すありきは間違っている

 

観光地や畑に居ついた問題グマにどう対処するかという問題に対して、素案が殺す一辺倒になっているのは、理解に苦しみます。人間が原因を作っているのですから、ヒグマ被害防除対策をとるように、まず人間の方を指導しなければなりません。

 

ヒグマが先住民で、北海道の大地で生きる権利を持っていることを理解し、ヒグマの命に対する尊厳や共感があれば、こんな素案にはならないと思います。殺す一辺倒というような対策では、とてもヒグマと人の共存は望めません。人間の倫理感の問題でもあると考えます。

 

クマはとても知能の高い動物ですから、いろいろと学習して成長していきますし、その地域のクマの文化も持っています。人間の所に出てきたから問題グマであるとして殺してしまったら、また次の新しいクマが出て来るだけで、また殺さねばなりません。いつまでたってもイタチごっこなだけではなく、自然や野生への冒涜であり残酷です。

 

(3)具体的な問題グマ対策が不足

 

人間の所に出て行かないヒグマや、そのようなヒグマ文化をその地域に作るには、そういうことを学習した成獣ヒグマを残しておかねばなりません。それには電気柵などの被害防除対策と共に、ヒグマが山から出て来ないように、ヒグマを追い返す人間たちが必要です。これは、相手がヒグマですから、危険を伴います。アウトドアを楽しむ趣味のハンターには無理です。行政が予算を組んで、ヒグマ対応の専門家を各市町村で雇用すべきです。

 

現在、春グマ狩りの名を変えた人材育成のためのヒグマ狩りを春に行っておられますが、全く無意味なので中止してください。まだ木々の葉が出ておらず下草も生えていない春先のクマ撃ちは簡単です。北海道に今必要なのは、観光地やデントコーン畑に居ついたヒグマをゴム弾や犬を使ってどう追い払うかで、夏に練習しないとハンターの腕が磨けません。

 

人への警戒心や人への恐れはもちろんヒグマの身に着けてもらわねば困りますが、ヒグマは食べ物に異常に執着する性質があるので、人への警戒心がないとか人を恐れないとかに見えるだけです。

 

人間側がヒグマの生態を攪乱させるようなことをしない限り、北海道の自然がその環境収容力に沿った数にヒグマを個体数調整していくので、基本的に、狩猟やハンターの養成は不要です。

 

外国では、ヒグマの移動放獣が盛んにおこなわれているのに、北海道ではいまだに全て殺処分しており、放獣はゼロです。日本のような先進国・経済大国がこれでは本当に恥ずかしい。北海道庁は直ちに、ヒグマ放獣が可能になるように、箱罠ではなくドラム缶檻の作成に予算を組むべきです。当協会が、北海道庁に口を酸っぱくするほど言い続けてきたことであり、今度こそ実現してほしい。予算がないと言われるなら、当協会が支援させていただきます。

 

(4)命あるヒグマに使う言葉がひどすぎる

随所、言葉遣いの乱暴さには、何度も唖然とさせられました。これは絶対に改善してただきたい点です。例えばヒグマを狩猟資源と言ったり、エゾシカの有害駆除死体を残滓と言ったり、日本の大地にともに棲む生きとし生けるものにたいする畏敬の念が全く感じられず、同じ人間として信じられない思いがしました。

 

(5)その他

狩猟や有害駆除時にハンターが受けた殺傷は、人身事故とは全く別物であるため、補殺時のけがとして別枠で表記すべきです。ヒグマがハンターに殺されそうになって反撃してくるのは、生物として正当防衛であり、事故ではありません。

 

 

 

 

 

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